A:事実関係

 ペンタゴン・ペーパーズとは,国防次官補が命じて(当然、時の国防長官マクナマラの指示を得て)、ゲルブ(英語版)(後に国務省軍政局長)が中心になってまとめた、ベトナム戦争とトンキン湾事件に関する非公開の政府報告書。

 報告書は「アメリカは不十分な手段(インドシナ半島への兵力の逐次投入)を用いて、過大な目的(共産主義のインドシナ半島全体への拡散の防止)を追求した」と結論づけている。

 ベトナム戦争の泥沼に引きずり込まれる1971年、執筆者の1人であるエルズバーグ(当時シンクタンクのランド研究所に勤務していた)が、コピーを作成し、ニューヨーク・タイムズのニール・シーハン記者などに全文のコピーを手渡した。

 ニューヨーク・タイムズが記事を掲載すると、当時のニクソン大統領は「国家機密文書の情報漏洩である」として事態を重視、司法省に命じて、記事