山田正彦元農相は「種子法」の廃止などに警鐘を鳴らしてこられたが、『売り渡される食

の安全』の「はじめ」の部分を紹介したい。

 私達の生きる糧であるお米を、安心、安全に、しかも安価で提供することは、法律で定め

られていた。種子法という法律だ。

 敗戦後「二度と国民を飢えさせてはならない」という時の政府の決意と覚悟が込められた

この法律が、私達の主食である米、麦、大豆の安心、安全の確保や安定供給を国に義務付け

ていた。

 ところがこの種子法が国会でほとんど審議らしい審議もされず、新聞やテレビでも報道

されないまま、2018年4月をもって廃止されてしまった。

 各都道府県の風土に適した種を選別して農家に安定し、安全かつ安価に提供してきた大

切な法律だった。

 政府は種子法が民間の優良品種の普及を妨げているとし、さらに三井化学のみつひかり、

日本モンサントのとねのめぐみ等を全国に推奨して回った。