1991年12月ソ連が崩壊しました。社会主義経済から市場経済への移行は大混乱に落ちます。国営企業は消滅する、大量の失業者が出る、賃金は十分の一位になる、年金がほぼ存在しないような額になる、人々の暮らしは大変厳しいものになります。この時経済学者金森久雄氏が「ロシアの経済はどうなるか」をテーマにロシア国内を視察旅行します。その結論を、旧ソ連のウズベキスタンで聞いたのですが、意外な説明をされました。
「ロシア経済は立ち直ります。この確信を持ったのはハバロフスクです。職を失った者もいる。食料も十分でない。身なりもみすぼらしい。だが驚いたのは花屋には人々が多くいる。なけなしの金で花を買っている。そして大事そうに眺めながら家路に向かう。私はその時思ったのです。“花を愛するこの国民ならきっと立ち直る”」
私はロシア(ソ連)作家パウストフスキーを読んでいますが、彼は第一次大戦への参加、革命の中での社会の
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お話をお聞きし、周りを見回すと、花が少なくなっていることを改めて実感する。
退職前は、退職者が出ると花を手配させることは当たり前であった。年金生活ではお見舞い位であるが、最近お見舞いを迷惑に考える人が多くなっているし、このコロナ情勢では「花」から遠ざかりつつある。
個人の医院に行くと必ず花を見かけたが、最近は観葉植物が多くなっている。
家庭では,老妻が食卓とか下駄箱の上とかトイレなどに必ず一輪挿しの「花」を活けていたが、最近は見かけなくなった。
近くで花を扱っているガーデンによく出かけるので「花」に関心がなくなったのでなく、年齢によるものでしょう。
ユーチューブでロシア在住の方がロシアの花文化について語っている方がいたので、孫崎さんの「ロシアへの愛」をよく理解できる。
1.24H営業の花ショップがあるようだ。
2.誕生会がポピュラーであり、招かれた友人たちは個人の場合もあるが、4~5にんで 「花、観葉植物」をプレゼントする習慣があるようだ。
3.誕生会は夜遅くから始まるので、花ショップは長時間開いているのでしょう。
4.入学、卒業式に生徒たちは先生に「花」をもって登校するようだ。
5.ファーストフードでなければ、「花」を持ち込むと、花瓶を用意してくれるお店もあるようだ。
前大戦でポーランドは被害甚大だったが、戦後最初に出来た店は花屋だったという。
スラブ民族共通の「花への感性」というのもあるのだろうか。
だが、ポーランド人の友人曰く、「ポーランド人はロシア人が本当に嫌いなんです」━これは「ロシア人」でなく「ロシア」だったかもしれないが失念した。「ロシア」であるなら、幾つか見たポーランド映画から、係る心情にならざるを得ない根深い問題があると分かり、納得した。
コメント採り上げ恐縮です。岡崎恒夫著「ワルシャワ便り」の“花を好む人びと”に書かれていた覚えがあります。
花屋さんから花を買って愛する人にあげる、は人にある万国共通の美しい習慣ですね。ネアンデルタール人の墓が発掘された時、そこに花粉の化石が大量あったことで、学者はネアンデルタール人を平和的な人類だったと結論しました。
でも、今の日本、欧米と違って、日本人一色と言えるほど、日本人だらけなのに、適者生存、ドロップアウト排除と格差を目指して忙しい。東京、大阪はこれから益々世知辛くなるでしょうね。
花屋さんがなくなっていき、マンボウとかで飲み屋さんもなくなれば、普通のネアンデルタール的な人は日本の大都会で生きていけるでしょうか。
「太陽と土と水」の世界でひたすらに生きて行く花。人も同じ筈。科学だ政治だ経済だと言っているうちに存在の根本を忘却。花を観て初めて、いな改めて自分の存在に気づかされる。