世界』八月号は集団的自衛権に関し「憲法9条と集団的自衛権は両立できない」と題する宮崎礼壹元内閣法制局長官の素晴らしい論評を掲載した。紹介のその2
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第9条の文言をもう一度振り返る
憲法第九条の規定上、個別的自衛権行使は可、集団的自衛権行使は不可という明文があるわけではない。しかし、弟九条の文言を振り返ってみよう。
その第一項は「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と規定し、第二項は「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定しているのである。
第九条は
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集団的自衛権の意図するところをよく理解することが大切である。よく理解したうえで、認める人、認めない人が分かれても致し方がありません。問題は、よく理解せず、政府のやること、マスコミのいうことは正しいので、賛成しようという付和雷同型人間が問題なのです。このような人たちは、徴兵制で海外出兵しなければならなくなった時、こんなはずではなかった、自分が対象者になるとは思わなかったと言って、必ず悔やむのです。無知の成す技で救いようがありませんが、孫崎さんのように丁寧に説明しようとする姿に頭が下がります。
80年代のことですが、安部公房が核戦争を念頭に曰く「戦争は地震より予測不可能。『ん? 何かキナ臭いぞ。来るぞ、来るぞ...そら来た!』なんていう風じゃない。いつも、気が付いたら戦争になっているんだ」と。しかし、「だから諦めろ」と言いたかったわけではないでしょう。また、淡々と特高のやり口を生々しく語っていました。
90年代に酷い内戦に陥ったアルジェリアについて、彼の地の高官は「誰も内戦になるなんて思っていなかった。気が付くとすでに内戦状態だった」と振り返っていました。
先日の記事の、
> 過去、米国の新聞が「中国の所有する80の中・短弾道弾、350のクルーズ・ミサイルで在日米軍基地(嘉手納、横田、三沢)を破壊できる」と報じた。
かつて孫崎さんが朝ナマで、このミサイル攻撃に対して具体的にどうやって日本を守ることができるのか質した時、筋金入りの対米隷属人-森本敏、佐藤正久、潮匡人の各氏は、ギャーギャー喚いてチンケなことを口走るだけで、実に薄ら寒かった覚えがあります。
要するに、いざ日本が戦争突入となった場合に、それがどのような経過を辿り、どのような結末を迎えるのか、具体的に考えることはタブーなのでしょう。予想はそうカンタンではないにせよ、今の時代、いくつか確度の高いシナリオを描くことは可能と思います。どれだけ破壊され、犠牲者が出て、その代償と引き換えに日本が何を得るのか、孫崎さん&有志の方々によりシミュレーション映像と共に一般国民に詳しく説明することが是非とも必要ではないでしょうか。