ロシアのメドベージェフ首相が8月22日午前、北方領土の択捉島に到着した。ロシア政府として、この地域の開発を重要視していることを示すねらいがあるものとみられる。

 これに対して、外務省の林欧州局長はロシアのアファナシエフ駐日大使に対し、電話で「ロシアの首相が日本固有の領土である択捉島を訪問したことは、北方4島に関する日本の立場と相いれず、日本国民の感情を傷つけるものであり、極めて遺憾だ」と述べて、抗議した。

 ロシア外務省は14日、声明を出し、トルトネフ副首相による北方領土の択捉島訪問に対する日本政府の抗議を拒絶した上で、「日本は第2次大戦の結果を無視している」と非難した。

 こうして再び、北方領土をめぐり、日本、ロシアの対立が表面化した。

 北方領土をめぐる経緯は極めて多い。

 ただ、私達が北方領土を論ずるとき、少なくとも次の二つを念頭におく必要がある。
ポツダム宣言、日本は19