今、報道界では、政府に批判的な発言をする人々が発言の場を奪われている。特にテレビにおいて次々番組を降り、場合によっては番組自体がなくなるという事態を迎えている。
報道特集キャスター金平茂紀氏は、役職にありながら、第一線で報道するという、多分唯一のジャーナリストであった。彼は3月31日付で執行役員を退任する。
3月30日付朝日新聞は「テレビ報道、強まる同調圧力 金平キャスターが語るいま」を報じた。現在のメディアの状況を内部から発言する貴重な発言を行っているので、その一部を抜粋する。
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。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんに話を聞いた。
(抜粋)
――偏向を指摘された番組アンカーの岸井成格さんが「NEWS23」から降板しました。岸井さんの件でいま、社内はどうなのでしょうか。
「おおっぴらに議論するという空気がなくなってしまった
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人間も組織も、耳の痛いことを忌憚なくいう存在が必要なのはいうまでもない。政治も同じだ。
民主主義は非効率だが国民の「質」と隠し事や誇張がない情報が分かりやすく伝えられることが、よい民主主義の前提だろう。そうすれば破滅のリスクの少ないロバストなシステムと思う。
選挙権が18歳以上に引き下げられたが、本当の意味の主権者教育とは、主権者としての義務が果たせる能力をつくること、社会が政治について自由に議論できる場となるようにすることだろう。
その根幹となる情報提供義務を自ら捨てて保身、あるいは大衆迎合の誹謗中傷合戦に走るメディアは、自ら墓穴を掘っていることになる。情報統制に走る今の権力も同じだ。
本来、国の指導者は、民主度が高まれば、極端に言えば、51:49での判断を求められ、政策を決めていく使命があり、反対者がいるからこそ、議論が深まり、政治自体に活気が出てくるといえる。
政治家であれば、批判を封鎖するのでなく、批判によって、政治力を深化させていくべきなのでしょう。その意味では、最近政治家はいなくなり、商売の利権政治屋ばかりになっているといえる。金平さんは、若い人に期待しているようであるが、どんなものであろうか。生活上問題なければ可能であり、名誉と地位をかけた緊迫感と圧力に耐えられるかが、問われることになるのでしょう。ジャーナリストを支える市民組織を考えていかなければいけない時期かもしれない。いずれにしろ,金平さんの、今後の活躍を祈りたい。
朝日新聞は今煩悶している。3月23日付紙面で朝日新聞紙面審議会委員による朝日への提言を掲載している。そこで、中島岳志氏が思い切ったことを書いている。1918年、寺内正毅内閣を批判した「白虹事件」で政府より弾圧を受け、発行禁止寸前まで追い詰められた大阪朝日新聞は、その後、ラジカルな政権批判をトーンダウンさせ、30年代以降、結果として戦争に加担する紙面を作り続けた。「いま取り戻すべきは『白虹事件』以前の大阪朝日新聞が示したリベラルなジャーナリズム精神だ。終戦の1945年を分岐点とするのではなく、1918年を分岐点とした方が朝日新聞のあり方を見つめなおすのに重要な視座を与えてくれる」とし、最近の一連の朝日問題を「平成の白虹事件」としてはいけないと訴えている。最近の朝日紙面は何につけ「両論併記」で腰砕けだが、このような厳しい提言を掲載するところに、ジャーナリズムの一端を担う朝日の気骨のかけらを感じた。残骸でないことを祈りたい。それにしても、どの新聞も「安田さん」を報じない。どういうことなのだろうか?
金平さん。先日の記者クラブの会見で見ました。田原氏が年のせいかピンボケ発言をして鳥越さんがしきりに訂正していたのがとても印象的でした。金平さんはまだ若いです。もっと機関内で頑張って欲しいんですが、日本がファッショ体制に入った今、やはり難しいんでしょうね。ファッショ体制の目的は唯一つ戦争です。金平氏は一億火の玉を目指す政権には絶対許せない存在なのでしょう。
私の認識では戦争はどんな理由、口実であれ、絶対ダメということで日本が占領体制から脱却した事は事実です。私が中学校一年生の時共産党員の若い先生が憲法前文を力強く大きな声で朗読されたのを懐かしく思いだします。勉強の出来る子も出来ない子も心底から納得しました。これは昭和15年生まれの私の証言です。
今、行われている言論人弾圧はやはり現政権が戦争を目指しているということを如実に語っていると思います。アベノミックスは戦争でしかごまかせなくなってしまっているのです。経済理論や国際経済ルールに従ったオペレーションではにっちもさっちもいかなくなってしまっています。彼らは我々年配者の目には1945年夏の悪夢の再現を目指しているとしか言いようがありません。
太平洋を隔てた邪悪な国、米国では想定外だった異色の大統領選が展開されています。ひょっとすると軍産複合体推薦のネオコン・シオニストで戦争狂いのヒラリー・クリントンがレースから追いだされるのではないでしょうか。サンダースやトランプが米国人民の注目を浴びているのは彼の地の人民が第三次世界大戦(米国の先制攻撃による)の危機の臭いを感じているからだとも私は思うのです。日本の無頓着な大多数にも日本のメデイアが抑制してもその実相は太平洋を渡って伝わって来ると私は信じて居ます。しかし、そういう悠長なことではいけません。古来、天孫族は外敵に占領されたのは1945年だけですから、こらえ性がない。つまり、我慢出来ないことに特徴があります。日本が第二次パールハーバーを起こすかもしれません。だって、どう見ても、安倍氏たちは癇癪もちです。中國海で事を起こすかも知れません。現政権打倒で国民は益々力を結集しなければ、とんでもないことになるのを私は恐れます。
国民のレベルが、マスコミのレベルであることが、基本認識として要求されるのではないか。マスコミのだらしなさを指摘する人は多いが、それでは、あなたは、社会のあらゆるところで、自分の考え方をはっきり述べているかといえば、ほとんどの人が、「見ざる、言わざる、聞かざる」ではないか。我々一人一人が、自己主張できるようになることが一番大切ではないか。われわれは、他人に対し厳しいが、自己に対して甘いことを、強く認識すべきでしょう。
以前、金平氏が横浜で催された反原発イベントで語られているのを聞いていた時、何かスッキリしなかったことを思い出しました。話の内容は忘れてしまいましたが、この記事の雰囲気に近かったのでないか。
やはり「発信者」として、どうしても孫崎さん(あるいは、日頃よくネット記事でお世話になっている天木直人氏、植草一秀氏等)に比べてホンモノ度に欠ける感は否めません。
それが何処から来るかと言えば、戦う姿勢の度合いが決定的に違うところでしょう。
金平氏の言われることは一々ご尤もですが、事は具体的な「敵」が居る話であり、その悪い奴が誰なのか、何故悪いのか、ダメなものはダメだ-とリスク覚悟で一般人に知らせる孫崎さんらと同列に並べるわけにはいかない次第です。
>>6
人によって受け取り方が違うのでしょう。私は、どちらかというと、孫崎さんは、金平さんに近いと思います。天木氏とか植草氏には体制に対する敵意を見るが、孫崎さんには敵意を見ません。孫崎さんは、明確に日米同盟を否定しておらず、安倍政権の従属度が高いから問題視しておられ、講座での質問に対しても、そのように回答しています。孫崎さんんは、体制に対する提案者であって、安倍氏でなくほかの人であれば、だれでも受け入れられる貴重な外交政策提案をしていると思います。