
「『自分はまだダメだ…』を武器にする技術」の続きです!(#1,#2,#3,#4,#5)
このシリーズでは、私たちの人生の満足度を下げちゃうインポスター症候群について触れてまして、今回は「インポスター症候群」の話です。ざっくり言うと「自分の成功を実力と認められず、偶然や運の結果だと思い込んでしまう心理現象」のことで、こいつをこじらせると、いつまでも達成感を得ることができず、人生の満足度がダダ下がりしちゃう可能性が高まるんで、心当たりのある方はぜひ注意しておきたいところです。
ということで、今回はその第6弾。インポスター症候群の対策として、「同業者コミュニティに参加する」を見てみましょう。
インポスター症候群改善ステップ6. 同業者コミュニティに参加する
インポスター症候群に陥る最大の要因のひとつが、「自分は一人だ……」という感覚であります。インポスター症候群ってのは、ある意味で「自分に対する過剰な監視が行われている」状態みたいなもんでして、そのせいで「みんなは当然できているのに、自分だけがついていけていないのではないか」とか「このレベルで自分がここにいてよいのか?」みたいな感情が生まれちゃうんですよ。
この感情ってのは、他者との接点がない状態で最も強くなる傾向がありまして、それというのも私たちは「比較の対象がいないと、妄想的な自己評価に陥りやすくなる」傾向を持つ生き物だからです。つまり、誰との関わりもないまま過ごすと、実際の基準ではなく自分が勝手に想像した“理想の他者”と比較しはじめ、それによってメンタルをやってしまうってことですね。
となれば、この問題に対策するための最大のワクチンが「他者の存在」であるのは当然のこと。「仲間がいるなぁ」と思えれば「自分だけだ」って感覚が薄れるのは自然なことでしょう。
事実「仲間の存在がもたらす心理的な安定効果」はいくつも認められてまして、社会学者のシェルドン・ストライカー 先生は「人の自己評価は他者との比較によって大きく左右される」と述べておられます(R)。 具体的には、「人は自分の価値や能力を、他者からの評価や社会的フィードバックによって調整し続けている」と語ってまして、 自己評価は固定されたものではなく、“社会的キャリブレーションの産物”だと言ってるんですな。
なんだか難しい言い回しをしてますが、要するに私たちの「自信」ってのは、主観の中だけで完結するのではなく、他者との関係の中で構築されるってことです。 自分のスキルや知識に対する不安は、他者のリアクションや表情、フィードバック、共感の有無によって補正されるものなんですな。 これは俗に「社会的キャリブレーション」と呼ばれる現象で、特に知的職業のプロフェッショナルにおいては不可欠だとされてるんですな。
というわけで、このステップでは、知識を得るだけでなく“他人と共有する”ってのを目指します。実際、インポスター症候群に関する既存の研究では、同業者との定期的な共有やピアサポートが、自分に厳しすぎる感情を緩和する可能性が示唆されてまして、研究でも次のような結果が出てたりします。
- 社会学者のブライアン・ゴールドマンらは、自己の真正性とメンタルヘルスの関係を理論づけており(R)、こうした「自己を偽らずに語れる場」の存在が、自己評価の安定に寄与する可能性を示している。
- ある医療教育機関での研究(R)によると、オンラインで実施されたグループコーチングに参加した医療系トレーニーは、インポスター症候群のスコアが有意に低下。専門的な悩みを共有できる「同業者グループ」に属するだけで、心理的な自己効力感が回復しやすくなることが示された。
- ある研究では、自分の考えや感情について話す人は、脳の報酬系(とくに腹側線条体や内側前頭前皮質など)が活性化することがわかった(R)。つまり、「自分の弱みや経験を他人に話すこと」が、チョコやお金をもらうのと同じように脳に快感を与える可能性がある。
これらの報告を見ていると、私たちを悩ませるのは問題の質ではなく、「誰と悩んでいるか」が心理状態を決定するってのはあるんでしょうな。「弱さを語れる場所」こそが、自己信頼を取り戻すためのセーフティネットになるって感じですね。
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