第182号 2016.6.28発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…「日本の格差社会や貧困問題は大したことない」と主張する者は、生活保護にも潔癖を求める。曰く「生活保護を不正受給し贅沢している者がいる!」「貧困に落ちた原因は本人の怠惰のせいで、なるべくしてそうなったのだから自業自得だ!なぜそんな奴を税金で助けなければならないのだ!」…。果たして「生活保護」の実態はどうなっているのか?
※「ザ・神様!」…6回に亘ってお届けしてきた「となりのおじさん孤独死事件」もいよいよ最終回。そう、あれは去年の7月、うだるような蒸し暑い日のこと。モクレンヒメの隣に住む、重度のアル中独居老人・アヅマさんの孤独な最期。この凄惨な現実を、あなたは直視できるか??
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ライジングを書籍化する予定はないの?今、議論をしてみたいと思う相手はいる?日本文化の欠陥は何だと思う?ルーヴル美術館で見惚れてしまうような作品はあった?参議院選挙に立候補した青山繁晴氏、どう思う?スペインで開発された「青ワイン」、飲んでみたい?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第177回「生活保護に潔癖を求めるせちがらい世の中」
2. しゃべらせてクリ!・第142回「リッチなあいさつ、ともだちんこぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第83回「孤独の最期~となりのおじさん孤独死事件・最終回」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第177回「生活保護に潔癖を求めるせちがらい世の中」 世知辛い(せちがらい)という言葉が最近使われなくなった。
暮らしにくい、心にゆとりがない、金銭に細かくてケチくさいという意味だ。舛添都知事の細かいカネの使い道に目くじら立てて、辞職にまで追い込むという不寛容さも、尋常ではない。
格差社会の貧困層が、自分の分かる範囲でのセコいカネの無駄づかいに、「ずるいぞ、ずるいぞ」と嫉妬しただけのことである。セコい知事に対してセコい追及をする世の中だから、せちがらいと言うしかない。
石原都知事なら都政には関係ない友人と高級料亭で数十万円の会食を何度もおこなってもOK。ガラパゴス諸島に150万円のファーストクラスで行って、高級宿泊船クルーズで4泊してもOKといった調子で、海外視察には数億円を乱費し、新銀行東京に1400億円を注ぎ込んで失敗してもスルーなのだ。貧乏人が把握しきれない高額ならスルーされるのである。
傲慢な金持ちには逆らえないが、傲慢な貧乏人は袋叩きにするのが貧困層である。なんとも、せちがらい世の中になったものだ。
社会のせちがらさは、なんと生活保護費にまで目をつけて、不寛容になる。貧乏人こそが貧乏人に不寛容になるのが格差社会である。
山形大の戸室健作准教授が1992年から2012年までの20年間の日本の貧困率の推移をまとめているが、それによると、全国の子育て世帯の貧困率を示す「子供の貧困率」は1992年に5.4%だったのが、2012年に13.8%と、20年で2倍以上に拡大している!
また、子育て世帯に限らない全国の貧困率も、1992年の9.2%から、2012年には18.3%と倍増していた。
「貧困率」については先週号で泉美木蘭さんが詳細に書いてくれたとおり、地球規模で貧困国の分布を示す「絶対的貧困率」と、国内の貧困の実態を示す「相対的貧困率」がある。
ネトウヨや曽野綾子的な人が「絶対的貧困率」を持ち出して「日本には貧困はない」などと言っているのは完全な暴論であり、先進国の国内における貧困問題は「相対的貧困率」に表れるものである。
相対的貧困率では、世帯収入から税金・社会保険料を引き、世帯1人あたりが自由に使えるお金を出し、それを低い方から並べた時に、ちょうど真ん中にあたる人を基準とし、所得がその半分に満たない人(いまの日本では単身世帯年間122万円、2人世帯173万円、3人世帯211万円未満)を「貧困」と呼び、厚生労働省・総務省が相対的貧困率調査を公表している。
これに対して戸室准教授の研究では「相対的貧困率」を使用せず、代わりに「生活保護基準の収入以下で暮らしている世帯」を「貧困」として、貧困率を算出している。
生活保護に着目することで、具体的な貧困層拡大のイメージがつかみやすくなっているのが、この研究の特徴といえよう。
日本では、生活保護基準以下の収入で暮らしている人が、以前は全世帯の9.2%、子育て世帯の5.4%だったものが、20年経ったら全世帯の18.3%、子育て世帯の13.8%に激増したのである!
さらに地域別に子供の貧困率を見ると、最も高い沖縄県では37.5%というから、3人に1人以上の子供が貧困ということになる。これは驚くべき実態だ。
コメント
コメントを書く前回もですけど文章が長すぎてどこからどうツッコんでいいのか困りますね。
まあ一応「あの方」と断定するのは今の段階では私は避けますが。
自分のブログにでもアップすれば…、と思いましたが、なるほど、ここに書くことで「小林よしのりの取り巻き」に不信の芽を植え付け、その力を剥ぎ取ろうと考えたのですね。いわゆる、ステルス攻撃。頑張りますねぇ。
>小林先生にご意見を申し上げるのは、ただゴマをすっているだけの人間より、はるかに深い「感性」と「洞察力」で小林先生の書くものを感じとっている者たちです。
私が申し上げた「コアファン」というのはそういう意味です。
そのような本当のファンは、今でもたくさんいます。
沈黙している者も多いですが…。
怖い存在だと思いますよ。それは当然です。小林よしのりのファンなのですから。
そのことだけは肝に銘じてお忘れになりませんように。
そして耳に痛いからといってそのようなファンのことだけは決してないがしろにはされませんように。
。。。これって脅迫??
本当は先生に政治家として立候補して欲しかったのでしょう。
だけど、断った。
それで「彼」は幻滅したと。
女に振られ続けた男に、「アフリカでは結婚年齢まで生きられない子供が多いんだぞ!」と言っても説得力ゼロ…ってことですね。そんなこといわれてもここ、日本だし…。以上、久々の沈黙を破って、私の実体験からお送りしました(笑)
ああ、5回目のコメント申し訳ありません。
>>144
なんかフルボッコ状態で、更に加担するのは正直気が引けるのですが、
貴方が誰かなんて全く興味ないのですが、
嘗ての范増の様な換言を気取って悦に浸っている様ですが、
何処から読んでも、先生にも読者にも讒言にしか感じられませんし、
その上ウザテンプレ長文論点ズラしで承認欲求を満たされて、
御自分が嫌になりません?
まあ、ならないからこそのこの様な振る舞いなんでしょうね、
まあまた長文書いて下さいな、所詮はネット民の反面教師的な立ち居振る舞いですからね。
成る程、駄々をこねるわ不安を煽って振り向かせようとするわ、スパイかと思っていたらそれより遥か下の典型的な甘ったれストーカーですね。その内「死ぬ死ぬ詐欺」でもやらかしそうな雰囲気です。
迷惑極まりないですからさっさとゴー宣に見切りをつけて欲しいものです。出来ることならこの世からも。
連載中の【大東亜論】読みました!
宮川太一郎の「男」を推察する頭山満は「男」だと思いました。
本当の強さと、本当の優しさを持たなければ、男は「男」になれない、と感じました。
配信ありがとうございます。
仕事が忙しくて、ろくに書き込みもできない、
つぼきちです。
日本の貧困は悲惨な段階に入っているなぁと心から思います。
うちの図書館に勤めている、非常勤の女の子なんか
アパートで一人ぐらししていますが、
つい最近まで、生活するために借金していたくらいです。
女性が独り暮らしできないくらい悲惨な世の中が今の時代です。
私の友人のシングルマザーなんか、
一人っ子を介護職の日給月給で育てています。
その子供は、岩手でも上位に入るほどスキー競技が得意なのですが
スキー用具すら満足に買えず、苦しんでいます。
装備の差で負けることがあるかもしれません。
彼女たちは、能力が劣っているとか、自己責任で貧困に落ちたのでは
なく、明らかに、政府の政策で貧困層に落ちぶれました。
昔は年功序列で、会社は社員のものでした。
ところが今では、会社は株主と経営者のものです。
そこに悪徳コンサルが入り、人切りに非正規化するでしょう。
私は公務員ですが、人事評価制度が平成28年度から
政府の法律としてはじまりました。
人事評価は成果主義ですので、絶対評価が基本です。
ライジングの皆さんにはもう明かしましたが
私は精神障碍者2級の精神障碍者です。
成果主義と絶対評価のみで評価されたら、
給与が減らされ、降格させられ、いずれ解雇でしょうね。
そうなれば、生活保護や障碍者年金で食いつなぐしかありません。
今回の小林先生の論文は、他人事ではありません。
よし!
文字数制限が発動された時のために
できるだけみじかーーーーい文章で
できるだけ分かりやすーーい表現で
そして中身のあーーーーーる内容で
そっかぁ
川柳をやっていた人達って
随分先取りしてたんだなぁ
みんなどこいったんだろう