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 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年8月18日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年9月1日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-08-18配信のハイライト

  • 「千葉豪雨」と「BYDラッコの躍進」
  • 「問題作アニメ化」と「非正規雇用のはじまり」
  • 『なぜ賃金は上がらないのか』紹介と「社員をブルーカラー転換」
  • 「ハズレの教師と教育現場」と「脆弱性を突くAIエージェント」
  • 「AI透かしの有効性」と「自衛隊の情報管理」
  • 「楽天の攻撃型ドローンビジネス」と「プールの人工甘味料」

「千葉豪雨」と「BYDラッコの躍進」

山路:さっそく時事ニュースなんですけど、千葉の雨、マジでヤバかったですよね。

小飼:ねえ。これ、過去形で言っていいのかな、

山路:あー、そうですよね、まだ復旧の最中というか。

小飼:で、その間にもまたゴリラ鯨雨が来たりする可能性っていうのは、

山路:意識的に今言ってますね、ゴリラ鯨雨って(笑)、

小飼:千葉は房総半島の突端のほうも、記録的大雨が前に来たことがあって。まだ完全に復旧してなかったというふうに聞きます。富津よりさらに南のほう、道路とか。

山路:今回けっこう雨とかの降る降り方なんかも、今までにはなかったっていうような降り方だったり。あとは千葉じゃないですけど、茨城に台風が初上陸したりとか、このパターンがだいぶ変わってきて、

小飼:しかも東から西に進んでる台風という、

山路:そうそう。だから今後ますますそういう天候、災害って予測しづらくなるんじゃないですかっていう、

小飼:威力を増すというのはもう、これは外れようがないことで。

山路:これって本当に地方自治体のレベルで対応できるのかなと。

小飼:今回は中央政府の対応ってどうだったの? なんか熊本地震でもうVTuberみたいなことを内閣はしてたわけですけれども。千葉どうなの?

山路:千葉のところの政府の対応に関して、どうなのかと。どうなんだろう。その辺のところの支援っていうのは行ってるのか。コメントで、

「これも気候変動のせい?」(コメント)

山路:っていうのがありますけども。

小飼:昔から気象災害っていうのはあったわけで。今ほど地球温暖化が進んでない時代でも伊勢湾台風みたいなものはあったんですよね。いまだに、確か日本の台風の大きさの記録っていうのは室戸台風だったはずです。室戸と伊勢湾と、どっちがデカいかな。伊勢湾の時には5000人を超える死者が出ましたね。おかげで名古屋というのか、伊勢湾というのか、濃尾平野では鬼のように水利事業をやってるわけですね、昔から。

山路:あー、そこが契機か。

小飼:昔からやってるわけですよ、いまだにやってるし。

山路:ただ本当にますます予測がしづらくなるというか、今までの経験則では。

小飼:予測がしづらくなるというか、威力を増す。

山路:でも、たとえば台風が東から西に来るっていうのはなかなか予測はできなかった、

小飼:なかなかね、

山路:それはやっぱそれは難しいでしょう、いくらなんでも(笑)。

小飼:いや、でももともと天気予報というのは難しいもので、少しは当てになるようになっただけでも、すごいことですよね。

山路:ただ、その経験則とか、あるいは最近だとLLM使って天気予報するみたいなものはあったりする、

小飼:それはダメじゃない、やっぱりナビエ・ストークスです、もうこの一言です。

山路:ナビエ?

小飼:ナビエ・ストークス方程式というのがあって、

山路:物理シミュレーションちゃんとやれと、

小飼:その通りです。でも大元になるデータをしっかり集められなければ、コンピューターにぶち込むデータが正しくなければ、正しい予測というのもできないわけです。

山路:LLMみたいなの使ったら、それこそ気象がどんどんずれていったら、そのずれた予測しかしないんじゃないかという気がするんですよね。

小飼:前回こうだったから今回もこっちだから、

山路:みたいなのがどんどん通じなくなる、

小飼:経験に引きずられるんです。だからLLMの場合は過去のデータがプロンプトになるわけですよね。

山路:だから、頼りすぎるのはやべえなと思いましたけどね。早く予報が出るとは言っても。しかし本当に千葉の方も災難でしたと。

小飼:それ言うとフィリピンはもっとすごいわけですよね。もっと赤道に近いので、もっと強烈なやつをガンガン食らうわけで。

山路:温暖化でまずダメージ受けるのは低緯度地方だって言いますよね。

小飼:うん、まぁでも高緯度は高緯度で強烈なやつは、永久凍土が溶けるとかね。

山路:ああ、そっちのほうか。じゃあちょっと時事ニュース絡みで、もう一つ話題になっていること、BYDのラッコ売れてるという。

小飼:ちゃんと売れてるという。

山路:この『論弾』でも何回か、けっこうすごそうじゃね? みたいなことを言ってたんですけど。

小飼:これが出たら、ねえ、うかうかしてられないという。いや、本当に抜け目ないというのか。で、我が国政府はものすごいセコい差別をしてて、補助金をこっちにはあんまり出さない。

山路:それでもなんかけっこう出足好調っていうのはすごいじゃないですか。

小飼:補助金が少なくても、なお安い。だいたいサクラぐらいの値段で、もう1回りいい車なわけですよ。

山路:私もマンションとかで、きちんと充電の設備とかいろいろあるんだったら、なんかちょっと欲しくなるぐらいの、

小飼:ただN-BOX型のやつの一つの欠点というのは、立駐に収まらない。

山路:あ、これも?(※編注:RACCOの全高は1800mm)

小飼:背が高すぎる。(多くの機械式駐車場の高さ制限は)1550mm。

山路:マンションとかだときついかもしれないんだ。

小飼:うちのCX30でギリギリなのかな。

「東京で子供を産むよりテスラ買ったほうがたくさんお金もらえる」(コメント)

山路:(笑)なるほど。そら子供増えんわ。

小飼:(コメントを見ながら)モデル3だったら入るんですよね。モデルYだと車高、高すぎるのかな。

「日本以外でも売れそう?」(コメント)

小飼:売れると思うんだけども、軽自動車というのは本当に、日本のお役人が作った規格なので。それがたまたま上手くいってしまった規格なので。でも、中国でも小さいの、売れてるんですよ。だから逆にこれが普及する可能性っていうのはあると思います。

山路:あとヨーロッパで人気出そうな気がするんだけどな。

小飼:ねえ。

山路:仮に日本で台数が、軽ワゴンみたいなふうには出なかったとしても、

小飼:ただね、欧州の場合ね、もう少しスピードが出ないと厳しいかもしれない。

山路:へえ、アウトバーンとかあるからってこと?

小飼:もあるけれども、アウトバーンでなくても、たとえば他の高速道路はだいたい制限があったとしても130ぐらいなので。100と130っていうのはけっこうな差なんですよね。

山路:走行性能、走った時の安定性みたいなものが違ってくる?

小飼:単純に必要なエネルギーが1.7倍になりますから。

山路:なるほどね。

小飼:1.3の2乗で。

「EVも小さいほうが環境負荷が低いのかな」(コメント)

小飼:本当におっしゃる通りで。それを言えば、車に乗らないというのが一番環境負荷が低いんですよね。

「EVならもっとコンパクトにできると思うのですが、車の形が変わるなんてことはないのでしょうか?」(質問)

小飼:まさにこのN-BOXの形というのが理想形というのか。

山路:バッテリーもきれいに収まるしって。

小飼:以上に、要は人と物を運ぶものなのだから、そうでない部分っていうのは小さければ小さいほどいいんですよね。これはもう本田宗一郎自身がそう言ってたぐらいで。

山路:つまりEVがどうのっていうよりも、機関がどうにせよ、こういう直方体というか、そういうものが理想形なんだけど、EVだとそれにより近づきやすくなるということなんですね。

小飼:そうですね。

山路:そこのところで、

「航続距離400kmは欲しいところ」(コメント)

小飼:そうね、少し短くなるんだよね。じつは軽自動車にすることによってバッテリーも小さくなるので、上位グレードというのか、普通の5ナンバーや3ナンバーのEVにはその辺は劣ります。テスラの一番いいやつって、条件いいと700キロくらい走るらしいからね。

山路:あとはこのEVって、家に置いておく場合は勝手に充電してくれるみたいなのがあるから、使い方によってはぜんぜん、あんまり航続距離問題にならないかもしれない。

小飼:そう、だから地方での一軒家であれば、理想的ですよ。

山路:400キロもぜんぜんいらないんじゃないかっていう気もしますけどもね(笑)。

小飼:いや、まぁ遠出したい時もあるかな、ぐらいな。

山路:でもね、地方、ガソリン車だって、ガソリンスタンドなかったりもするわけだから。

小飼:そうなんですよ。東北自動車道とか「この先GSありません」みたいなのがあって。前にもこの番組で話しましたけれども、あまりに給油ができなくなったので、そのためだけに下界に降りていいと、道の駅に行ってもいいみたいなのができてるんですよね。ただしそれはETCを搭載した車のみ、とかね。ただ今時の車というのは大抵ETCついてるので。ただETCついてても、カード差し忘れたとか、そういうのもあるので。

山路:さっきの豪雨のことについての質問なんですけど、

「豪雨が毎年起きる前提なら、住む場所選びで何を優先しますか?」(質問)

小飼:水はけの良さですね。

山路:ハザードマップとかそういうのを参照して?

小飼:単純に水はけだと、東京の都心3区というのはぜんぜん良くないです。そもそも人工的な土地ですしね。佃にしろ、月島にしろ、晴海にしろ、豊洲にしろ、お台場にしろ。なんだけども、そういうところというのは後付けで治水設備というのが充実してるので。

山路:金の力で。

小飼:そうなんですよ。東日本大震災の時に輪番停電というのをやりました。

山路:やった、やった、

小飼:ついに対象になりませんでしたからね、都心3区は。

山路:金の力。

小飼:そうなんですよ。

山路:これ、今後、今だったら住宅地になっているところでももっと厳しくそういうのを強制すべきなんですかね、ここは住宅建てちゃいかんとか、その辺のところっていうのは行政が。

小飼:本当はやるべきですけれども、本当に人口がバンバン増えてた時代というのもあったわけです。それでは、かつての山や田んぼだったところというのが住宅になったというところはいっぱいあるわけです。そういうところというのは少子高齢化で寂れつつあるんですけれども、やっぱり人口動態っていうのはそういうところにも正直ですよ。だから、その意味で人が入ってくる土地が基本的にはいいですよね。ただそれでOKとするには、輪番停電の時の武蔵小杉みたいな例もありますし。エレベーターが止まった、

山路:下水が溢れたみたいな、

小飼:そう、そういう時にこそ土地の真価が発揮されるというのか。

山路:今後ますますハザードマップによって地価が変わってくるかも。

小飼:ただハザードマップも、これ単純に読めないんですよね。だから佃って古い住戸とかも残ってるわけですよ。同列に扱えるか、

山路:そうか、同じ土地にあってもぜんぜん安全性とか違ってくるわけか。

小飼:そう、通り一本挟んで。

山路:なるほどな、それは難しいな。さっきのEVに関して今度また質問なんですが、

「ガソリンスタンドと電池ステーションは転換して、EVは統一規格の電池交換式みたいにならんかな」(質問)

小飼:それをやってる会社はありますね、だから中国だとNIO。トラックとかはもうそれが電池交換式のが市場を席巻してるらしくて。それはシャーシを作ってる車を作ってるほうではなくて、電池を作ってるほうが仕掛けたと。CATLが仕掛けたものだと。だからたぶん、赤魚の煮付けを食ったんでしょうね(笑)。

「問題作アニメ化」と「非正規雇用のはじまり」

山路:へえ、やべえな(笑)。じゃあちょっと時事ニュースってわけじゃないですけど、軽いニュースも行っておきましょうか。よく、時々話題に出る、『もちづきさん』。

小飼:軽くねえじゃん(笑)!

山路:重いか(笑)、

小飼:軽くねえじゃん(笑)、あのね、読んでるだけで、

山路:胃が重くなりますよね(笑)。なんていうか、この番組で時々名前を出すようなヤベえ感じのマンガがどんどんアニメ化されてますよね。『FX戦士くるみちゃん』もなるわけじゃないですか、アニメ化。前も言ってたそれこそ『ヤニねこ』とか『みーちゃんと山田さん』とか。あとなんだ、

小飼:主要人物を女の子にしとけばいいというものではないとも思うんだけど。

山路:確かにみんな女の子だな(笑)、

小飼:女の子が多い、女の子が多いんだけど、男の子のやつもあるんですよね。あるはあるんですけど、やっぱり少数派ですよね。なんだったっけ。

山路:男が主人公の?

小飼:そう、だから主人公というのが、主要登場人物が男男男という、まぁ男子高校生ばっかりのやつで。

山路:『ビー・バップ・ハイスクール』的な、ではなく?

小飼:ちょっと違うな。

「BPOを試していくスタイル」(コメント)

山路:っていう(笑)、まさにそれのニュースありまして、『ヤニねこ』大丈夫か、規制したほうがいいんじゃねえかみたいなのがBPOに寄せられたらしいですね。

小飼:でも、表現の自由ということで。

山路:これもなんかどんどんBPOにそういうの寄せられそうな匂いはありますね。『地元最高!』とかそうなんじゃないですか。

小飼:いや、でも、BPO案件にはならないでしょ、だってあれはNetflix専門でしょ。

山路:あーそうか、そうか、あーなるほどな。

小飼:もうすぐか、来週あたりに始まるんだ。

山路:そうなんですか。

小飼:8月いつだったっけ、

山路:へええ。いやー、確かになんか日本のコンテンツ、この攻めるとこだいぶ攻める感じが。

小飼:いや、でも『もちづきさん』はやっぱり、僕も2型糖尿病をなんとか寛解させたので、余計に来るものがありますね。

山路:その立場からするともちづきさん、許せなくないんですか?

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
 無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします。なお、有料のYouTubeのメンバーシップでは、無料部分だけでなく、限定部分の配信もご覧いただけます(YouTubeメンバーシップでは、テキスト配信はございませんのでご注意ください)。

 今回は、2026年8月4日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年08月18日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-08-04配信のハイライト

  • 映画『ちいかわ』レビューと日本のIPの強さ
  • 「円安が切れるきっかけとは」と「人文系学部ダウンサイジング」
  • 「数学の問題は尽きない」と「人が理解できないAIの証明は証明か」
  • 視聴者質問「ジブラルタルの政治」と「AI壁打ちでコミュ障克服?」
  • 「AI企業が崩れるとしたら」と『みいちゃんと山田さん』問題
  • 『ヤバい日本の住所』紹介

映画『ちいかわ』レビューと日本のIPの強さ

山路:今日はなんか涼しくて、ずいぶん楽でしたよね。

小飼:いや、本当に久しぶりだな。この時間で30℃切ってるっていう。

山路:なんか九州のほうは大変みたいですけどね。よりにもよってって感じですけれどもね。

小飼:ね。厳しい。

山路:というところでその被害者の方は大変だなというのはさておき、ちょっとこの気楽に映画を見てきたので、それ、

小飼:気楽(笑)、

山路:(うさぎのフィギュアを見せながら)これ、行ってきましたよ。

小飼:僕がもらったのはこれ、ズーム(笑)、

山路:どっちのカメラに映る? さてさてと、これはまだ開けてなかったんですが、何が当たったかといえば、うさぎですよね。

小飼:うさぎと呼ばれてますよね、だから本当のうさぎではもちろんないんですけども。通称うさぎ。

山路:通称うさぎ、私一番好きなんですよね。この『ちいかわ』の映画でも、

小飼:まぁ草むしり検定の級も一番高いしね。

山路:3級持って、でしたっけ、

小飼:3級になったの、

山路:しかもじつはラッパーでもあるという設定がありましたよね。

小飼:言葉は話さないけどね。

山路:うさぎラップ、すごい癖になりますよね。私、Apple Musicで聞いてますよ、うさぎラップ、

小飼:まぁでも、亀ラップにはかなわんな、

山路:亀ラップって何ですか?

小飼:いや、弾けてないのか、『ボボボーボ・ボーボボ』の、

山路:ああ、それは知らないネタでした(笑)、ギャグマンガのやつですよね。

「二人仲良く行ってきたの?」(コメント)

山路:いやいや、私と弾さんは別々です。私は妻と行ってきました。本当によくできた、面白い映画でした。

小飼:ねえ。

山路:子供と大人両方が見て、わかる大人はホエーとビビリ、子供はそれなりに楽しい感じになって帰れるのではないかと。

小飼:『エヴァンゲリオン』って2度映画化されましたけど、新旧とも夏休み、わりといい時期にやって、中身を知らない親子連れが行って気まずくなるっていう、それをもっと拡大したのが。だから監督をその点では超えてますね。知らない人を気まずい思いをさせるという、

山路:ディスってんのか、勧めてんのかわかんないような(笑)、

小飼:やっぱり『エヴァンゲリオン』の興行収益は絶対超えてほしいですね。

山路:今でもなんかけっこう絶好調な、

小飼:『君の名は。』ぐらいいってほしいね、

山路:100億ね(※編注:『君の名は。』の国内興行収入は250.3億円)。

小飼:いや、まぁでも『鬼滅』がデカすぎるんだよ。

山路:400億でしたっけ、日本だけで。私は『ちいかわ』をとりあえず6巻ぐらいまで読んだ状態で映画見に行ったんですよ、

小飼:ああ、ゾウが、夢を叶えるゾウが出てきたのって7巻だったっけ?

山路:はいはいはい、

小飼:あれもテレビアニメでもやっちゃったので、けっこう早いペースで原作を消化してるなっていう印象があるんですけれども。

山路:テレビのほうの『ちいかわ』は見てなかったんで、6巻ぐらいまでマンガ読んで、これで長編物できんのかいと思いながら行ったんですね、

小飼:わざわざ長編用の書き下ろしてたんですよ。

山路:映画見てから8巻、この人魚の島編読んだんですけど、もう本当にそのまんまなんですよね。ここまで設計して作ってんだと思って、

小飼:いや、だって単に原作っていうんじゃなくて、総監督だもん(※編注:ナガノ氏は、原作・脚本)。

山路:脚本もね、書いてるわけだし。で、あれ、なんか曲とかも、

小飼:そうなんですよ。けっこう曲の歌詞とかだけではなくて、作詞だけではなくて作曲までやってたというのがね(※編注:うさぎラップの作曲者は、トクマルシューゴ)。

山路:あのうさぎラップ作ったのは大したもんだ(笑)、

小飼:すごい才能だなという、

山路:弾さん、前から『ちいかわ』すげー勧めてくるじゃないですか、どのあたりがやっぱり刺さったんですか?

小飼:やっぱりSFなところ。しかもどうやら人類滅亡ものっぽいんだよね。

山路:なんかそういう匂いもしますよね。今ちょうどコメント来ました、

「ちいかわは癒されるの、不穏なの、どっち?」(コメント)

山路:どっちもですわな(笑)、

小飼:えーとね、『ちいかわ』で癒され……まぁ癒される人もいるんだろうなあ、まぁよく出てくるトリオだけ見てれば、ちいかわとハチワレとうさぎのトリオだけ見てれば癒されるんだろうし、ラジオ体操の代わりに呼び込み君と踊ってるやつとか(笑)、そのあたりであれば癒されるんだろうけれども。あの世界にはちいかわ族には天敵がいるんですよね、でかつよ族というふうに便宜上呼ばれていることが多いんですけれども。ほぼ一方的な力関係なわけですよね。

「チャリメラすすりながら見てます」(コメント)

山路:いいですね(笑)、(チャルメラじゃなくて)「チャリメラ」っていうところがわかってる。

小飼:なぜか『ちいかわ』の世界には食料湧きどころという、いわばベーシックインカムみたいな制度があるにもかかわらず、討伐という不穏な仕事があるんですよね、すごい。たいてい討伐ではちいかわの天敵相当の怪異を文字通り討伐するんですけれども、逆に狩られることもあるし、狩られることのほうが多いんじゃないかな、そういう世界なんですよね。いやー、だからもし皆さんがラッコだとしたら、サメとかシャチとかがその辺をうろうろしてる世界なんですよ。

山路:1巻から何気に不穏なんですよね。で、あのかわいい絵で描いてるんだけどけっこう気持ち悪いぞというのが。

小飼:いや、もともとあれ、なんだったっけ、けっこう有名な投稿で、おみくじを引いたら「人の心がない」って書いてあったっていうのがあって、いや「だよねー」っていうね(笑)。べつに『ちいかわ』に始まったわけではなくて、『もぐらコロッケ』という通称もぐコロという作品がその前に、

山路:ナガノ先生の、

小飼:『もぐコロ』もっと、ある意味極めてる作品で、『もぐコロ』というのはさっき『もぐらコロッケ』って言ったじゃないですか。要はコロッケがモグラの姿をしてるんですね。そういうキャラなので、キャラであると同時に食べ物でもあるわけです。コロッケでもあるわけです(笑)。それである時、もぐコロの一人がコロッケ屋で美味しいコロッケを食べてしまった。で、自らの味に目覚めてしまったんですよね。それでコロッケを食べてしまったもぐコロの一人は、その晩の間に耐えきれずに仲間の一人をパクッとかじってしまったという。かじったってところがちょっと面白いんですよね。全部は食べてないんですよ。もぐコロはちいかわと同じで、ちいかわっていちおう白豚みたいなやつの固有名でもあるけれども、一族の名前でもあるじゃないですか。ほとんどのやつが灰色してるやつ。もぐコロ族も、もぐらコロッケも大抵のやつには固有名ないんですけど、その仲間をかじっちゃった奴には「共食い」というあだ名がついててっていう(笑)、すごい感性でしょ。

山路:それはキツいっすね、それは。

小飼:R指定って言ってるでしょ、これGなんですよ。みんなそれ見て、永遠に仕事しろって(笑)、

山路:グッズ展開もできるしな、この絵柄だと。

小飼:むしろグッズが売れまくってるんですよ。マンガそのものはもうTwitterに放流してくれてるので。まとめられてたりもするわけです、ただで読めるわけですよね。なのにグッズが売れまくりなので、本当にいくら売れまくってるんだという。

山路:息するように金入ってくるんじゃないかって気が、

小飼:まぁそうでしょうね。で、じつはマンガの権利というのはIPというので、一番お金になるのはじつはグッズやマーチャンダイズなんですよ。ドラゴンボールとかも印税よりもマーチャンダイズのほうが。

山路:ジョージ・ルーカスも『スター・ウォーズ』で結局グッズの売り上げがすごかったみたいな、そういう話聞いたことがありますね。

小飼:そういう話ですね。

山路:でも、じゃあグッズしか知らないで、マンガの本編がどういう話か知らないでかわいいと言ってる人もやっぱり多いわけなんですね。

小飼:いや、もうそれはどっさりいるでしょう。

山路:そういう人らが劇場版を見に行くという(笑)、

小飼:いや、もう原作勢は原作勢でどっしり身構えてて(笑)、

山路:あの不穏な感じの表現が上手いんですよね、おどろおどろしいんじゃなくて、かわいいキャラのまま不穏なことをやるから。

小飼:けっこう懐かしくもありましたよっていうのも、話の入り口がそのまま『七人の侍』なので。『七人の侍』では食べ物で釣ったりはしなかったんですけれども。

山路:まぁしかし本当に、これは親子で行ってトラウマを受ける人も、なっちゃう子供もいるとは思うけれども、

小飼:いやー、まぁでも間違って『エヴァ』見ちゃってもちゃんとした大人になるんだから、それは大丈夫でしょう。

「VTuberもアイドルも物販が稼ぎ頭ですからね」(コメント)

山路:そうなんですか。アイドルはそうだけど、VTuberもそうなんだ。

小飼:やっぱ物販しやすい造形をしてるんですよね。いや、だから本当に天才的な猟奇性だよな、だからこの絵とあの話を組み合わせられるっていうところがやっぱ素晴らしい。やっぱりSF作品として面白いのは、天敵がいる世界だと。人って今や天敵いないじゃないですか。昔はいたらしいんですけど、

山路:あえて言うならウイルスぐらいか、

小飼:ウイルスは天敵では、天敵っていうのとはちょっと違うな。まぁでもそれは置いといても、今や地上では人がホモサピエンスがエイペックスプレデターなわけですよ。なんですけれども、もしそんな人類社会に天敵がいたらどうだろうと。だから、そういう作品の一つが『進撃の巨人』だったんですよね、なかなか勝てない。それこそリヴァイぐらいよくできたやつも、『ちいかわ』の世界だったらラッコ先生ですね、リヴァイは、

山路:そうしか見えなくなっちゃうじゃないですか(笑)、これから。

小飼:だけどそういうのでなくて、じつはでかつよになるやつ、天敵になるやつらというのも、ちいかわ族が変異した結果だというのもなかなか面白いところですし。

「まるでけもフレの解説を聞いているようだ」(コメント)

小飼:でも、まだ一番大事な謎が残ってるんです。あの世界には。だから、もう主要キャラクターが揃った後は、あのほのぼとした日常が続くわけないんだけれども、じゃあどうやって落としてくるのかというのが、まだやっぱりネタがいっぱい残ってるんですよね(笑)。その中の一番のネタっていうのはちいかわ族ってどこから生まれてくるのか。

山路:あれ、やっぱカギになるのって一つ「モモンガ」なんですかね?

小飼:入れ替わるやつ。まぁでも、まあ食われて減るわけじゃないですか、でかつよたちに食われて減るわけじゃないですか、でかつよとかセイレーンとか。なんですけど、減った分っていうのはどうやって補充されているのか、やっぱり食べ物みたいに湧きどころから湧いているのだろうか。あと鎧さんたちという連中がいるよね。だから、こういう丸っこいマスコットをした連中ばっかりの世界で、でかつよもやっぱりこういうプロポーションなんですけれども、普通の人間のプロポーションをして鎧を着ている鎧さんたちというのがいるんですけれども、あいつらはもう一体何なのだ、

山路:鎧さんは、ちいかわたちなんか言っちゃいけないことがあるみたいな。

小飼:『マンアフターマン』で宇宙に逃れてた人類が地球に戻ってきて、観察員をやってるんじゃないかという、

山路:ああ、『マンアフターマン』懐かしいですね、

小飼:いや、でもその鎧さんの造形がやっぱり一番おぞましくて、ナガノ先生らしいなと思うんです、こうやって歯茎が出てるところが。あんなの思いつく? あれが一番なんと言えばいいのか、絵的にすごいなと。こういう、ちいかわ的に二頭身のキャラというのは昔からいたわけじゃないですか、特にサンリオとかはいっぱい出してますよね、ハローキティとかと同じプロポーションですよね、こいつら。でも鎧さんのこれっていうのは、あの歯茎、本当何食ったらあんなものを出せるのかという(笑)。

山路:あと今回の映画で言うと島二郎、あれはまた異質なキャラですよね。

小飼:それだー。あの名前のパクリ具合、ちゃんと本家に仁義を切ったのかって言ったら、本家しまじろうがあの、Twitterで(笑)、さりげなくそういうのを出してたんで、ちゃんとその辺というのは、ちゃんともう仁義を切ってたというのか、まぁ事後承諾なのかもしれないですけど。

「著者は女性なの?」(コメント)

山路:ってありますけど、確か女性ですよね。

小飼:もろ、まだ今ほど人気爆発してない頃に普通に返事で書いてましたね。

山路:私らが『ちいかわ』を勧めなくても、人気はぜんぜん増えていくでしょうけど(笑)、

小飼:でも、もうたぶんお母様方が一番見たかったのは島二郎のケツでしょうね。

山路:ははは。

小飼:いやーでも、そう、島二郎の造形もすごいよね。いや、太鼓腹の中年男をあれほど魅力的に、

山路:そこか(笑)、

小飼:いや、それでしょう。いや、あれぞ画力ですよ。

山路:なるほどね。

小飼:あれぞ画力ですよ。なんかこの辺(可愛いキャラクター)はですね、サンリオにいっぱいできる人がいると思うんですよ。だけど島二郎を出せるか。

山路:これ、このフィギュアも島二郎もらえるんですかね、ランダムで全8種って書いてありますけど。

小飼:島二郎はなかったと思う、だから島二郎やセイレーンは買ってくるしかないんでしょうね。

「日本のコンテンツ強いな」(コメント)

小飼:強いですね、本当に世界のIPの強さリストっていうので、圧倒的1位がポケモンなんですよね。確かにディズニーとかが次で。他はジャンプとか(笑)、ずらずら並んでて、そろそろちいかわも入ってくるとは思いますね、これ。

「ちょっと栗まんじゅう買ってくる」(コメント)

小飼:日本以外でも人気があるので。

山路:栗まんじゅうもいいですよね、栗まんじゅう、飲んだくれているように見えてちゃんと資格を持ってるっていうあたりとか。

小飼:そう、だから飲んだくれる資格もあるという、あの世界における資格って一体何なんだろうっていう。

「美少女だけじゃないっていうのがすごいな」(コメント)

山路:ああ、そうかもしれない。

小飼:いやー、でも、ああ、日本のIPの話ね。今回の『ちいかわ』はちゃんと美少女も出てきますよ、しかも圧倒的なラスボスポジションで。

山路:あれを美少女と言うってこと(笑)?

小飼:映画スペシャルなだけではなくて、たぶん『ちいかわ』世界の中の強さランキングで今のところトップなんでしょうね、セイレーンは。

「続編は作れそう?」(コメント)

山路:もう余裕で作れますよね、人魚の島編は難しいだろうけど、

小飼:『ちいかわ』はいくらでもあります、まだ出てないネタというのがいっぱいありますし(笑)。

「ちいかわはサンリオを超えると思いますか?」(コメント)

小飼:えーとね、どうなんだろう、ハローキティとタメを張れるところまでは来てると思う。ただハローキティの仕事の多彩さには、まだね。

山路:ハローキティは仕事選ばないから。

小飼:だってまだ草むしり検定5級だよ(笑)。いや、だからハローキティがあのちいかわ世界にいたら、資格どれくらい持ってるんだっていう(笑)。でもね、そういうこと言うとね、コラボレーションとかやったりするんだぜ。

「円安が切れるきっかけとは」と「人文系学部ダウンサイジング」

山路:ということでちょっと最近、時事ニュースのほうにちょっと行こうかと思ったんですが、

小飼:ババニュースじゃないよね、もうほんとに(笑)、

山路:オヤジギャグ。

小飼:夏なんで許してくれ(笑)、

山路:すごい円安是正、入ったじゃないですか。

小飼:ああ、163円が今157円くらい?

山路:そうそうそう、いったんは157円まで、

小飼:6円しか動かないんだよね、協調介入してて、

山路:弾さんどう見ます? これで円安の方向っていうのは変わると思いますか?

小飼:この程度じゃ無理だね。

山路:この程度(笑)、まだぜんぜん足りないよと。そんな通貨をどうにかこうにかしただけでどうにかならないよと。

小飼:あれ、たぶんこの円高が切れる、ごめんなさい、円高じゃなかった、円安が切れるきっかけっていうのはキャリートレードが切れる、いつ切れるか、なんですよ。

山路:ちょっとそれは解説してもらえます?

小飼:要は円で借りた人たちが円、勝手に下がってるので、返す時にもかえって借りたほうが得になってる、そんな状態になり得るし、実際になるじゃないですか。これがプツーンといった場合、でも野放図に貸せないわけですよね。

山路:それっていうのはどういうところの指標を見ると見えてくるんですか? そのあたりは。

小飼:やっぱり一番借りてる人たちというのは、かつては不動産だったんですけれども、今はけっこうAIというのがでかいかもしれない。だから、あれも一種の不動産ではあるけれども、ずっと成長しているし、単に土地を必要とするだけではなくて、電力を必要とするので。一番手っ取り早いのはガス発電機、gas turbineでもディーゼルでもいいんですけど、を持ってくることなんだけれども。でも、そういったものというのは原発であろうが、ガスであろうが、必ず冷却しなくちゃいけなくって、アメリカとかだともう冷却って川から取ってきた水をクーリングタワーにビャーとかけて、そこで使った水というのはそのまま放流しちゃうわけです。だから、川が渇水で水位が下がったりすると、それも止める要因になったりしますし。なんでデータセンターで水不足が起きるの? って言ったら、それが理由の一つなわけです。だからこれ、じっくり時間をかければ、もう再エネから持ってきた、ソーラーパネルから持ってきた電源で足りたりもするんですけど。今はもう急速に必要なので、ということでそういう状態になってるんです。

山路:キャリートレードが反転するみたいなものっていうのは、事前に察知することっていうのがどの辺りを見てると見えてくるものなんですか?

小飼:要は皆さんいくら借りてるのと、

山路:今、「円を」って言ったじゃないですか、円建てでってこと?

小飼:そういうことですね。キャリートレードというのは円で借りて、それで海外で何かを買うという。これだけ急速に円高が進むと、円をいくら変えても円が弱すぎて、買えるものがだいぶ減っちゃってるんですよね。

「この程度の円高じゃインバウンドは減らない?」(コメント)

小飼:まだまだ増えるんじゃないでしょうかね、こうも円が安いとね。

山路:今回アメリカとの協調介入みたいなニュースが出てるじゃないですか、そこでウォールストリートジャーナルに書いてあったのが、保有する米国債を売却するのではなく、新型コロナウイルス禍への対応で設けられたFRBからのドル借り入れ制度を使ったみたいなことが書いてある。それってちょっとよくわからなかったんですけど、それっていうのはご存知でした?

小飼:まぁ似たようなことですね。いや、この場合日本が借り入れてるので、いずれ返さなければいけないですけれども。

山路:いつもやってるのとは違うところから、でも結局、

小飼:ただずっと日本は米ドルを買い続けて買い続けて買い続けてたので、じつはタマはいっぱいあるんです。

山路:でも、人によってはあとこういう大規模な介入って1回か2回分ぐらいしかタマがないんじゃねえの? みたいなことを言う人も。

小飼:いや、だからあっという間に尽きるときはあっという間に尽きる。

山路:そうなんですか(笑)、

小飼:で、タマを打つたんびにそれが円安圧力になる。

山路:今回ってじゃあ円安方向に行くとして、どれぐらい、163円ぐらいまで戻るのにかかると思うと、今までよりは戻るのに時間かかりそうですかね?

小飼:協調介入したので、それはやっぱりメッセージとしてはデカい。だから、これ以上の円安は日本だけではなくてアメリカも望んでませんっていうメッセージにはなる。

「ユーロ・ポンドに波及してて笑った」(コメント)

山路:って。アメリカがユーロを売って、みたいな話が出てたように思ったんですけどね。

小飼:そんなに持ってたのかな。でも、それはもういくらでもやろうと思えばできるので。

山路:あと、ついでにこの政治の、日本の政治の話もついでに流れで行っておこうかと思ったので、ちょっと気にかかったのはこれですよ。財政運営と改革の基本方針というのが出されたんですけど、その中でけっこう人文系学部のダウンサイジングというのをけっこう明確に謳っているという。

小飼:ダウンサイジング(笑)、何を?

山路:人文社会科学系ダウンサイジングみたいなことが言われているんですけれど。

小飼:あのさ、なんで無学な連中が決めているの?

 

 「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2026年7月21日(火)配信のテキストをお届けします。

 次回は、2026年08月04日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2026-07-21配信のハイライト

  • 今季アニメの見どころと「ポピュリズムは愚かさを増幅する」
  • フィジカルAI、神田で飲み会してる場合か?
  • 「LLMが最適だとまだ決まったわけではない」と「メモリ下がるのは?」
  • 「AIブームはバブルかもしれない」と「AIによるソフトウェア書き換え」
  • 「ヤコビアン予想の解決」と「数学は単なるAI待ちの作業に?」
  • 「天皇の人権問題」と「スターシップはなぜ足を使わなかったのか」

今季アニメの見どころと「ポピュリズムは愚かさを増幅する」

山路:すっかり私もクールビズというか、ビズではないですけどもクールな格好で。

「今夜は月がきれいです」(コメント)

小飼:ビールクズになりたいところだけど、ビールないしね、

山路:なんかYouTubeのほうからスパチャいただいたみたいで、

「複利をわかりやすく教えてくださりありがとうございました」(コメント)

小飼:ありがとうございます。

山路:ありがとうございます。解説した時のお礼みたいなことをいただいたようです、どうもありがとうございます。

小飼:じつは複利の話というのはパイの次に有名な超越数eの定義にもつながってきまして。

山路:ちょっと(笑)ここで始めると長くなりそうなんで(笑)、とっ始めは今期見ているアニメみたいなところからいきますかね。

小飼:いや、けっこう濃いというのか、見ててつらい奴が多いのが特徴ですね(笑)、

山路:『ヤニねこ』つらいですよね、

小飼:あれは汚えだけだから、

山路:確かにね(笑)、

小飼:でも、あそこまで汚えの、まさに垂れ流してるという意味では。いやー、猫耳と尻尾つけとけば何でも許されると思ってるところがというのが、

山路:あれはなんかこう、メタファーとしてちょっと使ってるわけじゃないですか。

小飼:メタファーじゃないでしょ、

山路:メタファーっていうか、言ってみたら今の世の中でうまくいってない人のメタファーじゃないですか、

小飼:うまくいってない、

山路:獣人たちっていうのが、

小飼:いや、でも獣人とまぐわうとだから獣人が生まれるという仕組みじゃなかったっけ、あの世界っていう。

山路:あ、そうなんだ、

小飼:獣人のDNAのほうが強い世界なんです。いずれは人類はみんな猫耳つけるという世界なわけですよね。

山路:獣人って、でも確か医者とか弁護士にはなれないのか、いろいろ職業に制限があったりとか、苗字がないとか、

小飼:いずれその制限っていうのも耳なし人の人口減少でもって淘汰されていくっていう世界でしょう。

山路:そういう世界観の話なのか(笑)、

小飼:そういう世界観なんでしょうね、真面目に工作すれば。真面目に「考察」ですね、工作してはいけない話、失礼しました。僕も、

山路:暑さで舌がやられた(笑)、

小飼:滑舌をかなりやられているので。

「地元最高! のアニメを期待している」(コメント)

小飼:そうだそれ、でも、Netflixに入らないと見れないんじゃないか、うちも入ってるけど、Netflixは。で、まぁ見ますけれども。

山路:『地元最高! 』予告編見たけど、イカれてますよね。

小飼:いやー、そうね、『ヤニねこ』をさらに鬱にしたのが『地元最高! 』なので。でも(笑)、主題歌aikoっていうのは本当に、本当にあそこで人が膝がカックンとくる奴だったよね。あの人はなんであんな不協和音が似合うんだろうね(笑)。

山路:『アポカリプスホテル』の主題歌もやってましたよね。

小飼:そうです。

山路:あれ、初めて聞いた時は不協和音、気持ち悪いと思ったんだけど、ちょっと癖になるんですよね。

小飼:癖強いですね、あれは本当に。

山路:で、今期いろいろ豊作とか言われてるんですが、なんかアニメについてのコメント、

「最近のアニメ、コンプラが20年前に戻った作品が多い気がする」(コメント)

山路:あー、つまりなんていうか、きれいごとじゃない『ヤニねこ』とか『地元最高! 』みたいな、あんまりこう大っぴらにできなかったような話を書いてるってこと?

小飼:コンプライアンスのかけ方が変わったね。昭和にはそもそもコンプライアンスという考え自体がなかった、うん。昭和でなくて平成の真ん中あたりまでなるのかな、今世紀初めぐらいになるのかな。ねこぢるが存命だったぐらいの頃、その時は露悪でしたね。悪を晒しているというのか。今はその形というのも、かなり洗練されてきましたよね。

山路:ホンとして強いものが増えてきた気がするな。

小飼:そうですね。『ちいかわ』とか。

山路:確かに(笑)。

小飼:そうか、『ちいかわ』は来週か。

「みいちゃんと山田さんもアニメ化するかも」(コメント)

山路:するかもしれないですね。いや、するかどうか情報は聞いてないですけど。

小飼:みんな一緒にホチキス詰めよう(笑)。

山路:またコメントいただきました、

「誰でも見れるテレビからレーティングが細かくかけれる配信がメインになってきたからでは」(コメント)

小飼:うん、そうなんだよね。だから配信っていうチャンネルができたことによって、わりと、要するに公衆の電波で誰が見てるかわかんない地上波で流すの無理な作品でも流せるようになったっていうのは、これはものすごい大きい。

山路:『ヤニねこ』とかあの辺の最近の作品って、地上波の放映が切られたとしてもぜんぜん困んなそうな感じ、ありますもんね。

小飼:いや、もういっそサザエさんの後番組としてとか(笑)、

山路:いや、それは嫌だな(笑)、飯時に見るアニメじゃないですよね(笑)。

小飼:うん(笑)、飯がまずくなるのは確かなので。けっこうダイエット向きなのかもしれない、あれは。いや、あれのおかげで禁煙できましたとか、あれのおかげで、

山路:よく聞きますよね、

小飼:でも、あれのおかげでヤク断ちができました、とまでは言う声までは聞こえてこない、そこまで日本ではヤクが蔓延してないのか、でもヤクねこは出てきたよな、

山路:アルコールの猫も出てくるみたいですね、

小飼:アルねこは出てきた。

山路:マンガの原作のほうでは出てくるみたいですね。『ヤニねこ』なんか海外でも話題になったりするんですけど、同じくらいというか、それ以上に海外で話題になっている作品がこれですよ、『天幕のジャードゥーガル』、

小飼:いやー、僕がじつは原作けっこう追ってて、いやーこの絵でこれをやるのかっていうのか、モンゴル史っていうのは人類史の中でも一番凄惨なやつで、要するに残酷なやつっていう意味の凄惨ね、
 それをこの絵でやるか、でたぶんですね、Wikipediaで簡単にネタバレになる、史実を元にした作品で、シタラ改めファーティマが最後どうなるのかというのとかもバレちゃう作品でもあるんだけども。いやー、これ手をつけたか、でも手をつけたからには最後まで行ってほしいっていう気持ちがありますな。っていうのも、歴史マンガって最後まで行けないのが普通なんですよ。まぁ有名どころではみなもと太郎先生の、明治維新まで行く前に、明治維新というのか、どこまで描きたかったんだ? 坂本龍馬まで行く前に寿命が尽きちゃったという例ですね。本来、坂本龍馬を描きたかったんだけども、描くためには関ヶ原の戦いから話を始めないと話が通じないって言ってたから、そこまで巻き戻して書いてるうちに寿命が尽きちゃったんですよね(笑)。で、もう一つの歴史ものって言ったら、『ヒストリエ』ですね。

山路:岩明均先生の。

小飼:これもアニメ化されるって言ってて、けっこう驚いてるんですけども、これももう未完になるということがもうほぼ確定しちゃってるので。『ジャードゥーガル』まだ原作というのか、マンガも未完なんですけれども、未完で今育休に入ってらっしゃるんですけれども、長さからいっても、これは完結するだろうというので、完結までいってほしいですね。完結までいってほしいですね。

山路:『天幕のジャードゥーガル』のそういう感想をXで見てると、最近のXの自動翻訳でいろんな国の人のコメントが入ってくるじゃないですか。

小飼:そうですね、アラビア語もペルシャ語もそのまま入ってくるので、でもあれ持たない、あれちゃんと原語がなにで書かれているのかっていうのを見てないと、かなり勘違いしちゃうと思いますよ。でも、あれのおかげでアラビアとペルシャというのは、かなり文化的にも違う地域だというのがわかったと思います。同じ文字を使ってるんですけど、ぜんぜん違う言葉なんですよ。

山路:アラビア語で書いてる人が、こういうのはイスラム教の作法じゃねえみたいなことを言って、それに対してペルシャ語の人がいやいや、それはイランの文化のことわかってねえよみたいなことをたしなめてたりとかするっていうのがよく見られますよね。

小飼:いやー、だからアザーンの礼拝のところで、けっこうあれで巧妙だと思ったのはアザーンで、要は歌を流すじゃないですか。あそこはスンニにもシーアにも共通なんですよ。あそこの部分っていうのはあんま変わらない。イスラム圏どこで行っても夕刻にはあれが流れるわけですよね。ただし、お辞儀の仕方というのは、礼拝の仕方っていうのはやはり宗派によって差があるらしくて。で、そこの差が出る前で画像を打ち切ってるんですよ(笑)、だからどっちとも取れるんですけども、まあ明らかにシーアであろうと。なにせ、ペルシャ人なので、シタラは。

山路:それにしても、今期のアニメって相当攻めたっていうか、他の海外の、

小飼:いや、何が攻めたかって言ったら、モンゴルを敵に回す覚悟を背負って書いてありますよね。現代人の国連憲章とかに書いてある倫理とは全く相入れないんです、そう、だからモンゴルの教義というのは。全く相入れない。だから、ここまで相入れないものというのはない。というのか、あまりにモンゴルのやり口というのが苛烈すぎて、その一方その反動でロシアとかあんな国になっちまったというぐらいの(笑)、

山路:あれ、イル・ハン国の後になるんでしたっけ、ロシアの元みたいなのって、あの辺の東の方の、じゃなくて(※編注:現在のロシア領域を支配していたのは、キプチャク・ハン国(ジョチ・ウルス))。

小飼:スラブ人がモンゴルを叩き返してからなんですよね、今のロシアに続く。なんでロシアがあんなにシベリアまで含めて広いのか、やったら領土に固執するのかっていうのが、もうそこに反映されると。じつはですね、同じ征服された地域でも、どの程度苛烈で、どの程度寛大だったかっていうのはやっぱり温度差があって。元はかなり寛大だったっていう、他の地域に比べればね。それでも、仮に日本やベトナムが占領されてたらどうなってたのかというのは、ちょっと歴史のifとして興味があるところです。

山路:シタラというかファーティマ、このジャードゥーガルの舞台のちょっと後が元寇ですよね、ちょっとというか、

小飼:そうですね。その後、文永の役ですね。ただ上陸戦で勝負になるはずがないんですよ。

山路:海があるから。

小飼:鎌倉武士が弱くなかったっていうのは確かですよ。でも海に比べれば物の数ではない。

山路:まあ、馬が船をこげるわけでもない。

小飼:その意味では、モンゴルを跳ねのけたという点ではベトナムのほうがすごいと言わざるを得ないですね。

山路:ベトナムってモンゴルを跳ねのけてる?

小飼:跳ねのけてます。有名です。元寇を跳ねのけたという。

山路:あ、海から来たんだ。その時のモンゴル軍。

小飼:いやいや、ベトナムは陸、陸経由にも関わらず、モンゴルははね退けたんですよ。で、その意味でもう一つのすごいって言ったら、エジプトのマムルーク朝で、エジプトのマムルーク朝はじつは話としてはもっとすごい。奴隷からのし上がったという点では、シタラよりももっとすごいんですよね、マムルークの話というのは。これものすごい話なので、やっぱりドラマ化してほしいんですけれども、やっぱり日本からは文化的にもあまりに遠い話で、ドラマ化されてないし、あるいはドラマ化されたものを見る機会もないという。

「日本のコンテンツの多様性すごい」(コメント)

小飼:だから、まだまだ、だって。それを言ったら、やっぱりマムルーク朝の、マムルークがモンゴルに勝った話というのもやってほしいですし、

山路:言いたいのは、海外の国とかのある意味、ある国全体が何かの宗教によっている国って多いじゃないですか、たとえばイスラム教の国だったらイスラム教を中立に見た話ってのはなかなか書きづらいじゃないですか。そういう意味で、

小飼:ああ、難しいね。そもそもキリスト教徒とイスラム教徒を足しただけで人類の過半になってしまいますから。だから、その時点でちゃんと書くのはタブーなんですけど、少しずつ、本当に少しずつなんですけれども、それが崩れてきている感もありますね。皮肉にもイスラエルの狼藉のおかげでしょうかね、これは。あれのおかげで本当にアブラハム一神教ろくでもないというのは。

山路:ちょっとイスラエルの話が出たところで一つ、言っといていいですか。ちょっとあまりにもキテレツなニュースが入ってきたんで。イスラエル、刑務所からのパレスジナ、パレスチナ人の、

小飼:噛み噛みだね(笑)、

山路:脱走防止にワニを導入するという。

小飼:あのおっさんの名前なんだったっけ?

山路:ネタニヤフじゃなくて、大臣の、

小飼:もっとぶっ壊れてるやつ、

山路:極右のやつですよね、

小飼:が言ったことだからもうしょうがない、というところはあるかもしれない。

山路:いやー壊れてるなと思って。

小飼:あんなのが取り沙汰されてしまうというのは、っていうのか無視できないっていう意味では、

山路:ベン・グヴィルか、

小飼:そんな名前だったような、努めて覚えないようにしてた感じもする、そういったらネタニヤフという固有名詞だってそうだったんだけど、さすがにあまりにくり返されたので覚えてしまった。

山路:ちょっとスパチャいただいたんで、ここで。

小飼:ビビでいいんだ、あんなやつ。

山路:スパチャありがとうございます。

「高市内閣の支持率低下と野党がグダグダで分裂している中で政権交代へ向けて何をすべきだと思いますか?」(質問)

小飼:政権交代以前に野党が悪い、与党が悪いとかっていうのではなくて、国民が悪いんです。あんたが悪いんです。わしが悪いんです。これが民主主義なんですよ。そこからでしょ。野党がしっかりしなかったおかげでって言ってる人は、じゃあその野党の候補に投票しましたか? 単に投票するだけではなくて、その野党の人たちの選挙活動を手伝いましたか? そういうことなんです。だから民主国家で気に食わない結果が出たら、我々が悪いんです。それが民主主義です。そこからです。そう、だから確かに今の自民党というのはまぁろくでなしですし、が選んだ総裁、総理というのもまぁ役立たずです。

山路:ハハハ、

小飼:でも、それを積極的に止めるのに何しましたかと。だから、そこなんですね。

山路:これはちょっと後のほうで出てくる皇室典範なんかの話にも関わってくる話ですよね。

小飼:はい。

山路:ということで、

小飼:バラ撒き政策とかクレクレ国民に関しては前にも言った通り、バラ撒きになってないんです。

山路:ちゃんとバラ撒けと。

小飼:だから、コイがいっぱい集まっているところにパラッとやっても、そのパラッとやったのは強くてズーズーしいコイだけなんです。だから、どのコイにも均等にやるというのはこれ、ノントリビアルなんです。難しいんですよ。きちっとやらないとダメなんですよ。だから、真のバラ撒きが必要なんです。今までバラ撒きと言ってるのはバラ撒きのフリをしたえこひいき政策に過ぎないんですね。

「ポピュリストは複雑な問題に対処できない」(コメント)

小飼:そうなんですね。それは確かです。面白いことに一人一人はすごい頭が切れる人たちというのは、集まれば集まるほどアホになるんですよね。またこれもTwitterネタなんですけれども、3の倍数と3が入る数の時だけアホになるというネタがあるじゃないですか。

山路:世界の、えーなんだっけ、ど忘れしちゃった(笑)、

小飼:これって無限のほうまで押し進めていくと、ほとんどアホになるんですよね。

山路:それが言いたいのね(笑)、

小飼:そう、だからそれ、30万に達した時にツイートの数が、で30万になったっていうことは3が全く入らなくなるために、もう10万かかるわけですよね。まあ、大抵の場合、アホになる。それがちょっとジョークなんですけれども。だからポピュリズムというのは賢いところを打ち消して、愚かなところを増幅するんですよね(笑)。ということを常識にしとかなければいけない。

山路:今時の問題って、みんなものすごく難しくないですか? 難しいっていうのは前提となることを把握するのにすごい手間かかりませんっていう、今時の問題って。

小飼:いや、だからあっち立てばこっち立たずっていうのは一般論としては難しくないでしょ? そこは。

山路:まぁそれはそうですね、トレードオフになってくるっていうのは。

小飼:だからそれがポリティクスなんですよ、政治なんですよ。政治とはあっち立てればこっち立てずっていうことなんですよ。だからまず、そこから始めなければいけない。お前らの主張を一方的に受け入れれば、それで凹む人というのは必ず出てくるよね、だからそこが出発点なんですよね。

 
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