意外と知らないサンタさんのこと。実は伝説だらけの偉人でした!
まずウィキペディアを参照してみますと、「4世紀頃の東ローマ帝国・小アジアのミラの司教(主教)、教父聖ニコラオス(ニコラウス)の伝説が起源」と書かれているサンタクロース。
貧しさから3人娘を身売りさせなければいけないという家の煙突に金貨を投げ込み、それが暖炉にかかっていたくつ下に入ったおかげで一家が救われたという逸話から、いつしか子供たちにプレゼントを配る恰幅の良い白ひげのお爺さんというイメージになり、世界中から愛されている人物です。
ですが、さすがに歴史の長いサンタさんだけに、世界中には様々な逸話が残されているようなんです。以下でご紹介します11の知られざるストーリーを読めば、これから先サンタさんに対して、違う見方で見てしまうようになる...かも。
色々読んでいると、かなりの超能力の持ち主なのです。
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1:サンタは生まれる前にもう喋っていた
イギリスの作曲家ベンジャミン・ブリテン氏が1948年に作った、『セイント・ニコラウス』というカンタータ(声楽)では、西暦270年のニコラオスはまだ母胎の中にいる時に、興奮から「神よ栄光を讃えよ!」と叫んだのだそうです。胎内の羊水でブクブクしなかったのでしょうか?
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2:売春を止めさせるお金を贈った
人知れず、誰かの靴の中に金貨を忍ばせておくのが趣味だったというお金持ちのセント・ニコラオスさん。あまりの貧しさに、未婚の3人娘を売春婦にして日々のお金を稼ごうとしていた父親の家の窓に、金貨の入った袋を投げ込みます。
これは長女が売春できる年齢に達する前夜にした行いで、結婚資金を得た長女はすぐに嫁いでいきました。次女の時もまた、誕生日前夜に窓から金貨袋を投げ込み、また売春婦になる道から救ったのでした。そして三女の時には、煙突から金貨袋を投げ入れたのだそうです。
しかしバラ撒いていた金貨は、もしやキリスト教信者たちからのお布施なのでしょうか? お金の出処が気になりますね。
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3:サンタのトナカイたちは、北欧の軍神の愛馬が発祥だった
トナカイが超高速で空を飛ぶコト事態がもう超常現象していますが...サンタが率いる8匹のトナカイは、異教徒たちを改宗させようとしていた早期のクリスチャンたちによって、ゲルマン民族の風習とノルウェイの軍神オーディンとを合体させて創った産物なんですって。
ゲルマン民族にとって冬というのは、太陽が遠ざかる魔法の季節と考えられ、オーディンが狩りをする季節と考えられていました。そのとき子供たちはオーディンのため、外に食事を用意しておき、オーディンはお礼にお菓子を置いて行くのです。
そのオーディンが駆るのが、8本脚の愛馬スレイプニル。この伝説をもとに、はじめはサンタも馬に乗っていたのですが...いつの間にか伝承される中で、スレイプニルがどういう風にか変化して8匹のトナカイが生み出されたのだそうです。
これは1822年に、コロンビア・カレッジの東洋・ギリシア文学教授クレメント・クラーク・ムーア氏が書いたポエム、『クリスマスの前の晩』で登場する話だとのことです。
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4:ハムになった少年らを瞬時に人間へと復活させた
セント・ニコラオスさんが残した奇跡の数々ですが、頭のイカれた肉屋が3人の子供たちを切り刻んで、ハムにして売っていたところでソレに気が付き、一瞬にしてハムから子供たちを蘇生させてしまったという逸話も残っています。他のバージョンでは、子供らはピクルスにされた...という伝承もあるようです。
殺人とカニバリズムに真っ向から立ち向かう正義のサンタさんには、ぜひとも歴史的な連続殺人鬼と対決して欲しかったかな、と思います。
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5:北極点に居を構える前は、スペインで働いていた
ベルギーとオランダの伝説によりますと、サンタさんはスペインからわざわざ蒸気船に乗って子供たちにプレゼントを配りにやって来ていた、と言われているそうな。
そして良い子と悪い子をリストに書き出して、贈り物をしていたという設定は、ちょうどこの頃から始まったのだそうです。
「サンタクロース」という言葉は、オランダ語の「シンタクラース」が語源であるという話ですが、この伝説では「シンタクラース」は良い子に嬉しいプレゼントを、そしてサンタクロースは、悪い子たちに何もあげないオジさんとして、別々の人物として扱われていたんですって。
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6:コカ・コーラのための客寄せパンダだった
サンタクロースが赤白の衣服を着ているのは、コカ・コーラ社がイメージ・キャラクターとして起用してからというのは有名な話ではないでしょうか?
起用される1931年より前は、サンタクロースは青や緑、茶色など出てくるものによって色々なバリエーションで展開されていたのだそうです。
コカ・コーラ社が行った大キャンペーンにより、それ以降サンタクロースが赤白の衣装だというのが、すっかり定着してしまったのです。
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7:イエス・キリストよりも大きな人物だった
西暦311~312年、今はトルコ内に位置する古代都市ミラ(もしくはミュラ)での出来事です。もともとセント・ニコラオスさんはこの土地で司教をしていました。
ある時、波止場に停泊した小麦いっぱいの輸送船の船長さんに、「貧しい人たちに小麦を分けてやってくれないか?」とお願いするも、船は東ローマ帝国の首都・コンスタンティノープルへ小麦の量を減らさずに届けることを条件にされていたため、断られてしまいます。
セント・ニコラオスさんは、船長が小麦を分けたとしても何も損することはないと説き伏せ、分けてもらった小麦で街全部が、丸々2年間食っていけるようになった...と言われています。ですが不思議なことに、船は出発と同じ重量の小麦を積んで目的地に到着しているのです。
イエス・キリストは、1日だけ民衆を飢えから救ったと言われていますが、セント・ニコラオスさんは街全部を2年間救ったことになります。ケタ違いのミラクルですね。
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8:サンタの職務はかつて山羊が担っていた
セント・ニコラオスさんやオーディンの風習などよりもずっとずっと昔、ヨーロッパ北方のスカンディナヴィア地方では、「ユールゴート」と呼ばれる山羊があちらのクリスマス(ユール)におけるマジカルな存在であり、その風習は今でも藁人形にして飾ったりと、現役で受け継がれています。
サンタクロース云々の前には、このユールゴートが各家庭のクリスマスの準備は大丈夫か、交換するプレゼントは用意されているかという、チェック係をしていたのだそうです。そのうち、19世紀になるとこのユールゴートがプレゼントを持ってきてくれる魔法のヤギさんへと移り変わっていったのです...サンタクロースにその地位を奪われるまでは、ですけれども。
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9:サンタが好きなのはミルクとクッキーだけではない
12月24日から25日にかけて、良い子が眠っているお宅にプレゼントを運んでくるサンタさんには、お礼とその労をねぎらう意味でミルクとクッキーを置いておきます。
日本にはそこまで伝わっておらず、特に何も用意する風習はないかもしれませんが...世界各国では、その国独特の食事を置いておくことがあります。
たとえばイギリスとオーストラリアでは、シェリー酒やビール、またはドライフルーツが詰まったミンスパイが用意され、スウェーデンとノルウェイではお粥を置いておきます。またアイルランドでは、ギネス・ビールまたはミルクを、クリスマス・プディングかミンスパイと共に置いておくのだそうです。子供のために働くサンタクロースに、お酒を用意する辺りが、いかにも外国って感じですねぇ。
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10:トナカイたちは去勢されているかもしれない
ソリに乗ったサンタクロースを引っ張る、8頭のトナカイたちにはもれなく、ダッシャーやダンサー、プランサーといった男性の名前が付けられています。ですが通常、トナカイの象徴である立派なツノは、秋の終わりから12月中旬までに落角と言って角が落ちてしまうのです。
しかし、いつも絵に描かれる時は、みんなツノが生えているようです。本当にサンタクロースを引っ張るトナカイたちは、オスなのでしょうか? 実はトナカイは、メスにもツノが生えるので、もしかするとメスのトナカイたちに男性の名前を付けているのかもしれません。
しかしながら、メスは冬にツノが生え、春から夏にかけて抜け落ちるので時期的に立派なツノには成り得ないのです。
つ・ま・り! サンタクロースを引っ張る8頭は、可能性からして去勢されたオスというのが非常に有力な説となるのです。実は北欧でも、ソリを引くのは去勢されたトナカイなので、これはもう決定的ですね。
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11:サンタの骨から奇跡の液体が湧き出す
セント・ニコラオスさんは、西暦343年にお亡くなりになっています。そして故郷のミュラに埋められました。人々を助ける仕事をしていた彼は死して尚、人々を助けたのです。それはセント・ニコラオスさんの骨から、奇跡的なパワーを生む液体が湧き出していたというもの。
11世紀のこと、セント・ニコラオスさんが夢枕に立ち、お告げを貰った船乗りがバリからやってきてセント・ニコラオスさんの綺麗な状態の骨片を持ち帰ります(その時、ガイコツのほぼ半分を持って行ってしまったそうですが、最終的にはヴェニスの寺院に葬られることに)。
バリに埋められたその骨ですが、墓石から液体が湧き出すようになり、現地の人々はミュラの骨汁と同じものであると信じるようになりました。
科学者からしたら、海抜より低い場所に在る、海沿いの墓場に埋めたのなら、ひょっとするとやたらしょっぱい水だったんじゃないか? なーんて身も蓋もないことを指摘せざるを得ないようですが...わざわざ遠い異国の地からピンポイントでミュラまでやってこれた船乗りは、本当にお告げを授かったのかもしれませんね。
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ということで、「io9」で特集されていたこれら11のトリビア。サンタクロースについて衝撃の伝説ばかりでしたね。今年のクリスマスは、ここで読んだムダ知識を披露してみてはいかがでしょう。
それではみなさん、メリー・クリスマス!
photo by Thinkstock/Getty Images
11 Insane Things You Didn't Know About Santa Claus[io9]
(岡本玄介)
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