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記事 6件
  • むしマガ Vol.5号【黒い森の中を抜けた後に待っていた天使】

    2012-04-30 21:00  
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    ★ご挨拶 みなさん、こんにちは。日本ではゴールデンウィークですが、こちらでは何の休みもなく、平常運転です。正直、日本国住民が羨ましい。・パリに 先週の木曜日にアメリカからパリに帰ってきました。帰りはサンフランシスコ→アトランタ→アムステルダム→パリと経由しながら20時間かけて戻ってきました。パリのシャルルドゴール空港で預けたスーツケースが出てこなかったので問い合わせたところ、アムステルダムにまだあるよーと言われました。 それでも翌日には自宅までちゃんと届けてもらえたので良しとします...と言いたかったところですが、よく見るとスーツケースのジッパーの部分が壊れていました。やれやれ。・シリコンバレー カリフォルニアのシリコンバレーでは、スタンフォード大学でLSJ(ライフサイエンス・イン・ジャパニーズ)のセミナーで発表しました。20人くらいの方にお集まりいただき、質問だけでなく意見交換もさせてもらい、とても有意義な時間を過ごすことができました。 その翌日は、およそ2年ぶりにNASAエームズ研究所に行き、研究発表を行いました。 研究発表の最後にクマムシさんについても説明したのですが、NASAでもまずまずのウケでした。そのうち、クマムシさんをNASAの公認キャラクターにしてもらうべく交渉してみたいと思います。・藤島皓介さん 私がNASAにいた時の研究室に、現在、藤島皓介さん(Twitterアカウント @fujishi)という日本人ポスドクが在籍しています。今回のシリコンバレーでの滞在中、藤島さんのお宅に2泊させていただきました。 ここで、藤島さんがNASAに来た経緯を簡単に紹介します。 もともと、藤島さんは慶応大学SFCに在籍していました。彼は元々宇宙飛行士になるのに憧れていて、NASAに行くことにも強い関心があったそうです。そして、3年ほど前に博士論文発表会の場で、将来はNASAで宇宙生物学を研究したい、と宣言したのです。その場で藤島さんの発表を聞いていた私の研究仲間でクマムシ研究者の荒川和晴さんが、藤島さんを私に紹介してきたのです。 そして、藤島さんは2009年にインターンとして2ヶ月ちょっとの間、私と一緒にNASAで研究をしていました。私が研究室のボスに掛け合って、藤島さんを受け入れてもらったのです。そして、藤島さんは1年前から学術振興会海外特別研究員として、正式にNASAで研究を遂行しています。 今回久しぶりに藤島さんにお会いして、とても楽しそうに研究生活を送っているのが印象的でした。彼は高い能力に加えてポジティブな性格なため、将来何か大きなことをやってくれそうな予感がします。 ところで、今回久しぶりに藤島さんとお会いして、私の場合もそうなんですが、人と人との出会いが点となり、その点が線となって人生が紡がれていくんだなー、ということを改めて実感しました。誰といつどこで出会うか。これで人生の大半が決まると言っても、過言ではないでしょう。 
  • むしマガ Vol.4号 【サイエンスコミュニケーションで大事なこと】

    2012-04-23 20:34  
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     みなさん、こんにちは。今、この原稿をアトランタ発サンフランシスコ行きの飛行機の中で書いています。アメリカに来たのは、アトランタで開かれた、NASA主催の宇宙生物科学会議に出席、発表するためです。学会自体は今日終わったのですが、これからカリフォルニアのNASAエームズ研究センターとスタンフォード大学でセミナー発表をしに行きます。 アメリカに来たのはNASAを去ってから、およそ2年ぶり。4年ぶりに出席した宇宙生物科学会議、やっぱり面白いです。何といっても熱気が違う。アメリカという国の科学に対する姿勢そのものが、学会でのテンションの高い雰囲気を醸成しているように感じます。・トークコンテスト 初日のイベントで面白かったのが、学生の3分間トークコンテスト。予選を勝ち抜いたファイナリストたちが、宇宙生物学のトピックについて各自3分間でプレゼンします。このトークは、これから研究者を志す学生にも科学コミュニケーションの担い手になってほしい、という意図が込められているんですね。これは、宇宙生物学者で作家でもあった故カール・セーガンが、優れた科学コミュニケーターであったことに由来しています。 さて、このコンテストでの学生たちの発表を見て、驚きました。もし彼らのことを俳優や女優やコメディアンだと伝えられていたら、信じてしまうほどの立ち振る舞いをするんです。内容も3分という短い時間できちんとストーリーを作っていて、構成も素晴らしい。これらの内容は以下のリンクから見ることができます。少し長いので、ちょっとかいつまんでご覧になることをお薦めします。NASA Features FameLab Finalists・ひそひそ ところで一昨年、NASAの研究者らが、ヒ素をDNAに取込む細菌を発見したという発表をしましたが、今回の学会では、この細菌のDNAからヒ素が見られなかったとする結果が、別の研究者らから発表されました。登壇者は、プリンストン大学のReave氏。赤色の蝶ネクタイをしており、几帳面そうな出で立ちでスピーチしていた姿が印象的でした。 このヒ素細菌にまつわる一連の経過は、僕のブログでチェックいただけると嬉しいです。ヒ素細菌のDNAにはヒ素がなかったーライバル研究者らが発表・自分の発表 で、僕はNASA時代に取り組んでいたヨコヅナクマムシの紫外線耐性に関する研究について発表しました。ヨコヅナクマムシが乾眠状態では紫外線を照射されてもDNA損傷が起こりにくくなること、そして、活動状態の場合は傷ついたDNAを効果的に修復することができるという内容です。この研究内容については、今号のクマムシトリビア取り上げました。 口頭発表だったのですが、英語が流暢に喋れなくても、クマムシの動画を見せると聴衆が良い反応をしてくれます。それもこれも、クマムシのおかげです。クマムシさん、さんきゅまむし。と言いたいです。阪本かもさんの描いたHP用のクマムシさんのイラストと、僕が作ったクマムシチョコ&クマムシ弁当の写真も最後に見せたのですが、これらも良い反応を貰えました。 クマムシさん、次の宇宙生物学会議のマスコットキャラになったりして。・クマムシさんTwitter そういえば、クマムシさんのTwitterのフォロワー数が3000人を超えました。Twitterを開始してからおよそ3ヶ月ですが、この勢いだと年内にフォロワー数が1万人に到達しそうです。このゆるキャラバブルの中でも、1万人以上のフォロワー数を抱えるのはほんの一握りです。クマムシさんが国民的、いや、世界的なキャラクターとなることも、夢ではなさそうです。それでは、今週のむしマガの始まり~。★むしコラム「サイエンスコミュニケーションのために大事なこと」 上の冒頭で宇宙生物科学会議でのトークコンテストを紹介しましたが、ここ数年、日本でもサイエンスコミュニケーションという言葉を良く耳にするようになりました。サイエンスコミュニケーションとは、科学を啓蒙するために一般市民とのコミュニケーションを持つことと定義されると思います。 日本でも、サイエンスコミュニケーターを養成するためのプログラムを開設する大学も出てきました。サイエンスコミュニケーションを研究する勉強会や研究会もさかんに開催されるようになりました。 でも何というか、「サイエンスコミュニケーション」という語を掲げて活動している人たちの印象が、一部を除いてなんとなくぱっとしないんですね。正直のところ。 本来、サイエンスコミュニケーションは科学に馴染みのない市民に科学的知識を授けることなわけですが、サイエンスコミュニケーションの活動をしています!とアピールしている感じの人や団体に限ってどうも内輪で完結してしまっているというか、サイエンス好きなコミュニティの外側にはなかなかリーチできていないと思うんです。 
  • むしマガ Vol.3号【NASAで働くための方法・研究者編】

    2012-04-16 20:17  
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     みなさんこんにちは。日本のほとんどの地域では、葉桜が美しい時期ではないかとお察ししますが、いかがお過ごしでしょうか。・トップ5 今月から始まったむしマガ、おかげさまで、まぐまぐ有料メルマガの教育・研究カテゴリーでいきなりトップ5に入りました。自分でも大変驚いております。まぐまぐメルマガランキング: 教育・研究カテゴリー 今後もより多くの方に購読いただけると、その分福島の子どもたちに還元するための選択肢も増えますので、本メルマガに関心のありそうなお知り合いにコンテンツの一部を転送するなどして宣伝いただけますと幸いです。本メルマガの著作権は僕に属しますが、こちらとしてはあまり気にしませんので、コンテンツの転送に関しては、むしろバンバンやっちゃっていただいて結構です。・ロゴ ところでむしマガのロゴ、自分で作ったのを使っていたのですが見栄えが余り良くなかったので、Twitterで制作協力を呼びかけてみたところ、macoさんが新しいロゴを作って送ってくれました。むしマガのロゴ決定 macoさん、有り難うございました。このかわいいロゴで女子の読者も増えそうな気がしてきました(笑)。・1位は ちなみにまぐまぐ有料メルマガの教育・研究カテゴリー1位は、サイエンスライター・森山和道さんのサイエンスメールです。サイエンスメール 森山さんは、日本で数少ない硬派なサイエンスライターの1人です。硬派、というのはポピュラリティに流されない、とでも言いましょうか。ご自身が本当に面白いと思うものを取り上げてらっしゃる、そういう姿勢が見てとれます。それから、奇をてらわない。僕なんかはどうしても奇をてらおうとしてふざけたことを書いたりするんですが、森山さんは余計な表現を使わない。かっこいいです。 先月帰国した際、森山さんとお話しさせていただく機会がありました。僕が森山さんにインタビューした内容はむしマガで近々お届けしますので、どうぞお楽しみに。森山さんが僕にインタビューした内容は、サイエンスメールに掲載される予定ですので、その時にまたここでお知らせいたします。・クマムシさんパズル 前号(Vol. 2)のむしマガで紹介した木村竜司さん制作のクマムシパズル、木村さんご本人のブログで解法を掲載していただきました。クマムシさんパズル解説: 木村算数教室のブログ パズルってロジカルな解法があるんですね。普段この手の問題をあまり解くことのない自分には、目から鱗でした。クマムシさんを活用した教材開発も今後展開できたら楽しそうです。 それでは今週のむしマガ、はじまりはじまり~。★むしコラム「◆ NASAで働くための方法 (研究者編)」 NASAで働くための方法、今回は研究者編です。ここでは博士号を取得後の博士研究員、つまりポスドクとしてNASAで研究する方法に焦点を絞ってお話します。・二通り NASAでポスドクとして働くためには、大きく分けて次の二通りのやり方があります。それは、1. 研究室が獲得している予算から給料をもらって働く2. フェローシップに採択されて奨学金をもらいながら研究する です。これはNASAに限らず、ポスドクとして海外留学する方法と同じです。・ひとつめ それではまず、1の研究室が獲得している予算から給料をもらって働く方法について。これは、とにもかくにも自分が行きたいと思う研究室に直接コンタクトをとらなければなりません。もし、あなたの知り合いの研究者と、行きたい研究室のボスが知り合いであれば、紹介メールを書いてもらってもいいでしょう。 もし、どこの研究室に行ったら良いか分からない場合は、以下のサイトから関心のある研究分野をキーワードですれば、NASAの研究プログラムとその担当研究者の名前を探すことができます。Search NASA Postdoctoral Program Opportunities とはいえ、いきなりコンタクトをとってきた外国人を自前の研究費ですんなりと雇える研究室は、かなり稀です。あなたがよほどのコネクションを持っていなければ、リッチな研究室に留学できるということはなかなかないでしょう。大抵の場合、研究室にコンタクトをとっても返ってくる答えは、「ウチには十分な予算がないから、フェローシップに応募してください」 というものになります。そこで、2の「フェローシップに採択されて奨学金をもらいながら研究する」方法を考えることになります。 
  • むしマガ Vol.2号 【クマムシさん】【NASAで働く方法学生編後編】

    2012-04-09 20:01  
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     みなさま、こんにちは。むしマガ第二号目です。本州では桜が満開だー!ということだそうで、ブログやTwitterなどで桜の写真を良く目にします。そんな写真を見るたびに日本が懐かしくなります。といっても、日本には先月行ってきたばかりですが。いや、別に日本が恋しいというわけじゃないんですが、桜を見ながらまったりしたいよね、という話です。みんな羨ましいよね、という話です。 さて、ほとんどのむしマガ読者の方にはおなじみと思われる、地上最強マスコットキャラクターのクマムシさん。このキャラクター自体は私がデザイン、命名したもので、科学啓蒙目的に生み出されました。クマムシさんを入口として、多くの人に生き物や科学に関心を持ってもらおう、というコンセプトです。 現在、クマムシさんはTwitterやFacebookに公式アカウントをもち、緩歩動物のごとくゆる~く活動中です。クマムシさんがデビューしてからまだ2ヶ月ちょっとくらいなのですが、おかげさまで多くの方々に気に入っていただいており、クマムシさんをモチーフにした作品もファンの方々から自発的に作られています。 このむしマガを購読していただいている木村竜司さんには、クマムシさんを登場させたパズルを作っていただきました。木村さんは中学受験塾を主催されているそうで、このパズルからも、子ども向けの教材として楽しく学べる工夫がうかがえます。クマムシさんパズル これが結構難しいです。特に「クマムシさんを探せ!」の方は隠れているクマムシさんが10匹ということですが、何度やっても11匹になってしまいます。おまえ本当に博士号持ちかよ、というツッコミが来そうですが、言わせてもらいます。 木村さん、答え教えてください...。 そして、かわいいクマムシさんブローチをななをさんに作っていただきました。このブローチには、クマムシさんの化身としてパリのグルメレポートをしてもらいました。 そのうちクマムシさんのぬいぐるみが出来次第、このメルマガのコンテンツにする予定ですので、どうぞお楽しみに。 さらにさらに。クマムシさんニット帽をクマムシ研究者仲間の片山俊明さんの同僚のKさんからいただきました。クマムシさんニット帽 このクオリティが半端じゃなく素晴らしいです。感激。Kさん、有り難うございました。ちなみにこのモデルは僕の妻で助手です。 そして現在、クマムシさんのロゴデザインを募集しています。賞金9064(くまむし)円、そしてクマムシさんの会の名誉会員称号授与の特典付きです。クマムシさんのロゴデザイン募集 採用されたロゴは今後、クマムシさんの関連商品や公式サイトなどに使用させていただく予定です。応募していただける方はhorikawadd@gmail.comまで作品をお送りください。締め切は4月15日(日)です。 現在、クマムシさん公式サイトを、やはりむしマガ読者でイラストレーターの阪本かもさんと一緒に作成中です。阪本さんとはだいぶ前からTwitter上で仲良くさせていただいていて、今回クマムシさんのサイトを作るにあたり、イラストの作風がクマムシさんのイメージにぴったりだったことから、こちらからイラスト作成をお願いさせていただきました。阪本さんのイラストは、以下のご自身のブログで見ることができます。カモムスビ -Camomusubi- 公式サイトの完成は5月頃になりそうです。日本語だけでなく、英語や中国語でも公開する予定です。私自身、サイトが公開されるのが楽しみで仕方ありません。 ということで、クマムシさんの話題でてんこ盛りになってしまいましたが、みなさまからの支持のされ方を目の当たりにし、クマムシさんが今年ブレイクする予感がかなりしています。今後、むしマガ読者のみなさまには抽選でクマムシさんグッズのプレゼントも実施できればと思っていますので、どうぞお楽しみにしていてください。 それでは、今週のむしマガ、はじまりはじまり。★むしコラム「◆ NASAで働くための方法 (学生編(後編))」 前回の続き、どうしたら学生のうちからNASAで勉強したり研究したりできるのか、その後編です。今回は、NASAが公募しているインターンシップに参加する方法について解説します。・NASAのインターンシップ NASAが募集しているインターンシップは、残念ながらその多くがUS市民向けです。ここでも、NASAに入るためにはアメリカ人の方がアドバンテージがある、という事実が浮かび上がってきます。 しかしながら、国籍を問わないインターナショナル・インターンシップ・プログラムも、わずかながら存在します。今回は、このインターナショナル・インターンシップ・プログラムについてご紹介したいと思います。 ただし、年によって募集するプログラムの種類や応募資格が変更される場合があるので、これから紹介する内容はあくまでも参考までにとどめておいていただければと思います。・NASA Academy NASA Educationというサイトがあり、ここにインターンシップに関するプログラムがリストアップされています。All NASA Education Projects Listed Alphabetically このサイトの各プログラムのリンクで[Available]とある項目の中に[Internationally]とあれば、それはインターナショナル・プログラムを意味しています。 このページにあるNASA Academyというプログラムは[Available: Nationally & Internationally]とあります。NASA Academy[Students Higher Education][Available: Nationally & Internationally]The NASA Academy is an intensive ten-week leadership developmentproject for highly motivated and successful undergraduate andgraduate students. 学部生と大学院生を対象とした、10週間のプログラムのようです。"Find out more"をクリックしてリンク先に行ってみましょう。NASA Academy このページにこのプログラムの詳細が書かれています。要約すると、この夏のインターンシッププログラムは、将来の宇宙開発を担うリーダーをNASAが発掘し育てる、というもののようです。インターンシップ期間中、学生はリサーチ・アソシエイトとしてNASAの研究者とともに独自の研究プロジェクトを遂行し、研究能力やリーダーシップの向上を計るというものです。
     
  • むしマガ Vol.1【NASAで働くための方法 (学生編(前編)】

    2012-04-02 19:47  
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     むしマガ創刊号をご覧のみなさま、購読登録いただきまして本当に本当に有り難うございます! メールマガジンとはいえ、個人でマガジンを出版できるということ、そして有料にもかかわらずこれだけ多くの方に購読登録いただいたという事実に、新鮮な喜びを感じています。ブログで記事を書くのとはまったく別物の高揚感があります。 別に私のブログ読者さんのことを軽視しているわけではないのですが、このメルマガの読者さんには本当に「いいこいいこ!」となでなでしたくなるくらいの愛着を感じてしまいます(気持ち悪くてスミマセン)。いやー、嬉しいなー、本当に。 ネットができてブログサービスが全盛を迎え、さらにこの有料メルマガに参入する人も増えており、個人がマイメディアを持つということがごくごく当たり前になってきましたが、有料メルマガは「双方向性コミュニケーションがとりやすい」という点で他の媒体とはひと味違うものです。まぐまぐの大川弘一さんによる表現を拝借すれば、有料メルマガというのはシェフが家にやってきて調理してくれるスペシャル料理のようなものにできるわけで、みなさまからのご要望に応えつつ、より面白いメルマガ作りを目指していきたく思っています。 みなさまに少しでも「タメになったか良くわからないけど読んで良かった」と思っていただけるようにしていきたく思いますので、どうか末永くお付き合いくださいませ。 それではむしマガ創刊号、はじまりはじまり~!★むしコラム「NASAで働くための方法 【学生編(前編)】」・学生だけどNASAで研究できる? 今回は学生のうちからNASAで研究や勉強する方法(前編)をお届けします。正直、学生のうちはNASAなんて本当に遠い遠い存在だと思うんです。周りにNASA情報を持った人に出会う機会もほとんどないし、NASAに行きたいなんて相談しても「アメリカ人じゃなきゃ入れないんだよ」なんてしたり顔でアドバイスする大人しかいなかったりしますからね。 日本の学生の立場でNASAに行って研究や勉強する方法は、大きく以下の2通りがあります。 
  • むしマガ サンプル号 2012/04/01【NASAに入るための条件】

    2012-04-01 18:43  
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    クマムシ研究者の堀川大樹です。 私のブログ読者やTwitterのフォロワーにはクマムシに興味のある人が多いので、このメルマガでも当面の間、クマムシを中心に取り上げていく予定です。 世界初のクマムシメルマガ。う~ん、マニアック。1. むしコラム「NASAで働くための方法」ここでは、堀川が最近気になったネタを紹介したり、思いついた事を綴ります。何でもありのコーナーです。・NASAで働きたい 米航空宇宙局、NASA。言わずと知れた世界最大規模の宇宙開発機関です。2012年の年間予算は177億ドルで、日本円にして1.4兆円(1ドル78円計算)にも上ります。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の年間予算がおよそ2000億円であることを考えれば、その規模が桁違いであることお分かりになると思います。 そんなNASAで2年間、私は博士研究員、いわゆるポスドクとして働いていました。任期付のポジションとはいえ、自分でもまさかNASAで働けるようになるとは思っていませんでしたし、採用が決まった時はめちゃんこ(死語)びっくりしました。もちろん、周りの人々も皆驚いていました。 アメリカだけでなく、世界中の多くの若者がNASAで働くことを夢見ています。もちろん、日本の若者も。私にも、どうしたらNASAで働けるのか教えてほしい、という質問がよく来ます。 そこで、今回はNASAで働きたい人のために、NASAに入る方法をお教えします。・NASAに入るための条件 よく耳にする話に「NASAはアメリカ国籍を持つ者しか採用しない」というものがあります。これは半分正解で、半分間違いです。確かに、NASAの正規職員になるにはアメリカ市民である必要がありますが、有期の契約被雇用者などは国籍に縛りはありません。 また、難関大学で航空宇宙工学などを専攻しなければダメだ、ということを主張する人もいます↓----------Yahoo!知恵袋「NASAに就職するには・・・」"東京大学工学部宇宙工学科卒のみNASAに就職できる可能性があります。(中略)東京大学理科一類に合格して下さい。まずはそこからです。じゃないと100%無理です。"http://bit.ly/x6KS4P---------- これは完全な誤解です。というのも、NASAは航空宇宙工学の専門家だけを採用しているわけではないからです。NASAで行われている研究分野は、航空宇宙工学だけでなく幅広いジャンルに及んでいます。そしてNASAは超大規模組織なので、当たり前ですが研究のみでなく経理、財務、広告など組織として機能するためのあらゆる部門で人材を必要としています。 また、出身大学の名前もあまり重要ではありません。NASAから見れば、東大だろうがヌアクショット大学だろうが同じです。大事なのはその人の能力でしょう。ちなみに私の出身大学(学部)は神奈川大学です。・実際にどうすれば良いの? それでは、NASAに潜り込むには実際にどのような手順を踏めば良いのでしょうか。日本人としてNASAで働いたり勉強するためには、まず自分が以下のどのカテゴリーにあてはまるかを確認します。1. 研究以外の仕事でもいいからNASAで働きたい(技術職・事務職その他)。2. 博士号を持っていて、ポスドクや研究員として働きたい。3. 学生として研究、勉強したい。 まず、1のカテゴリーから。 研究以外の仕事となると、もうほとんどすべての業種がこれに当てはまります。それこそ、清掃員とか売店の店員なども含まれます。私がNASAに居たときに仲良くなった清掃員はメキシコ人の中年女性でした。マリアという名前のかわいいおばちゃんでしたね、そういえば。今でも居るのかなぁ?カフェテリアで働いていたお兄さん達もメキシコ人でした。・MegaBites Cafe 余談ですが、NASA Ames Research Centerには「MegaBites Cafe」という店名も料理も大味なカフェテリアがあるんです。そこの5ドルくらいの日替わりメニューはだいたい4種類くらいあるんですが、その中で「食べてもいいかな」と思えるのがたいてい1種類くらいしかなくて、そのメニューが売り切れていると「これは食べたくないわー」というメニューを食べざるを得なくなってしまうのです。 例えばこんなのとか。MegaBites Cafeのある日の日替わりメニュー 日本の刑務所の方がよっぽどいいもの出すんだろうなー、とその時はちょっとホームシックになりかけました。 でもYelp(アメリカ版食べログ)ではなぜか高評価になっているぞ、MegaBites Cafe。絶対ステマだ。なんちゃって。・さてさて 話を元に戻します。