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記事 14件
  • むしマガ Vol.43【森山和道インタビューその8「有料メルマガに切り替えた理由」】

    2012-07-30 22:39  
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     クマムシシンポジウムは終わりましたが、まだポルトガルに残っています。これが僕の夏休みになります。・しかしながら クマムシシンポジウムで自分の発表が終わった次の日、本当はシンポジウム参加者と一緒にフェリーツアーに行く予定だったのですが、思いっきり寝過ごしてしまいました。 寝過ごした、というよりはベッドから起き上がれなくなっていました。今までにあまり経験したことの無いようなめまいに襲われていたのです。年のせいでしょうか...。おととい一瞬立ち直ったのですが、今日も朝からクラクラしていて1日中寝ていました。 ずっと寝ていたため今はやや体調が戻ってきたので、このメルマガを書いているところです。ちなみに日曜日に出したメルマガは先週の木曜日に書いたものです。・世界のクマムシ研究グループ 今回は世界のクマムシ研究グループその1をお届けする予定でしたが、ちょっと頭を使って書くコンテンツは今少し厳しいので、申し訳ありませんが次回のむしマガにてお送りさせていただきます。・その代わりに 何か頭を使わなくても書けるものでも。何がいいですかね。ここまで日記みたいな内容で来ているので、ちょっと違うものについて書いてみます。・ということで このむしマガに関連したことを書きます。 おかげさまで創刊から4ヶ月が経つこのむしマガ、どんな方に読んでいただいているのか、ちょっと気になっています。 内容自体はやや学術よりなのですが、読者さんには研究関係ではない方が多いように感じています。そして意外にも(?)、女性読者が過半数いらっしゃるように思います。もしかしたら、クマムシさんファンの方も多いかもしれません。いずれにしても、このメルマガが一般の方に支持されているというのは、とても嬉しいことです。 なので、もうちょっとクマムシさんのグルメリポートなどのコンテンツも増やした方がいいかな、と思ったりするのですが、それだとサイエンス好きの人は退屈してしまうかも、とか色々と考えてしまうんですね。・そこで もしかしたらクマムシさんだけのコンテンツでメルマガを始めるのもいいなー、と思っています。最近はTwitterでクマムシさんに質問してくる方が多数いるので、Q and Aコーナーなんかやったら面白いかもしれません。あとメルマガ読者限定にグッズのプレゼントや先行販売をしたりとか。 もしこのむしマガやクマムシさんメルマガなどについて何かご提案ありましたら、horikawadd@gmail.comやTwitterの@horikawadまでご連絡いただけると嬉しいです。クマムシさんのコンテンツを作りたい!という熱い方も随時募集していますので。 皆さんと一緒にコンテンツを、そして時代を作っていく。そんな風にできたら、とても面白いですね。★むしコラム「森山和道インタビュー(第8回)」 森山さんと初めてお会いしたのは、2006年12月に東京大学で開催された「第1回クマムシ研究会」でした。僕が発表を終えた後に、名刺をいただいたのを覚えています。 その時はそれっきりで終わったのですが、後に慶応大のクマムシ研究者、鈴木忠さんと共著でクマムシ本を出すなど、クマムシ周りでは有名なサイエンスライターさんでした。「クマムシを飼うには」鈴木忠/森山和道 著 僕がブログやtwitterを始めてからもたまに絡んだり、こちらのブログ記事を紹介してくださったりと、ネット上でゆるい交流をしていましたが、今年の3月に久々にお会いして今回の対談となりました。 森山さんはサイエンスメールというメルマガに、研究者へのインタビューをコンテンツとして載せているのですが、今回は研究者である僕からインタビューを受けるというユニークな形になっています。サイエンスメール それでは、どうぞお楽しみください。☆プロフィール☆森山和道(もりやま・かずみち)http://moriyama.com/ フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。 1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。メールマガジン「サイエンス・メール」、http://www.mag2.com/m/P0003148.html「ポピュラー・サイエンス・ノード」編集発行人。http://www.mag2.com/m/0000014382.html共著書に『クマムシを飼うには 博物学から始めるクマムシ研究』(鈴木忠、森山和道 /地人書館)。第8回「有料メルマガに切り替えた理由」森→森山堀→堀川堀: まさに森山さんお一人によってスタートしたメルマガだったんですね。森: 最初は金子邦彦先生で、次は丸山茂徳先生だったんですが、それなりに知名度のある先生に話を聞いたんです、最初は。で、その後は当時あまり知名度のない先生に話を聞きに行ってるんですよ。助手とか。いまでいう助教ですね。まだまだ当時は若手で、この後どうなるか分からないような先生に聞きに行ってたんですよね。 教授の人達の話はそれはそれとしてもちろん教授なりに面白いんですけど、いま手を動かしている人達じゃないじゃないですか。で、実際に手を動かしている人たちの話を聞きたいな、と。そう言う人たちはあまり取材もインタビューもされていないので、フレッシュですしね。で、そう言う人たちの話をテキストに起こして発信していったら意味があるだろうな、と思って始めたんです。堀: そこで一つお聞きしたいんですが、メディア、この場合はメルマガに多くの読者を呼び込むには有名な人を出した方がいいですよね?でもあえてそれをせずに、今手を動かしている助教やポスドクの人、まあぼくもその中の一人ですけど、そういう無名な人に話を聞いて紹介していると。それだと多くの読者を集めるのは難しいと思うんですが、そのあたりのジレンマに関しては、どうお考えですか?森: まぁ、名前で集客って言うことではないですよね。今は何も考えてないですね、正直いって。サイエンスメールで有名な先生に話を聞いて集客しよう、そういうのはないですね。なんでないのかというと、有名な先生に話を聞くことに興味がないからなんですよね。堀: つまり、ご自分の興味や関心、本当に面白いと思うことを優先されている、と。森: そうですね。一つはそれです。もう一つは、サイエンスメールでは、普段話を聞きに行けない人に会う、というのがあって。一般の人は大学教授の話も普段は聞けないわけなんですが、僕の場合は普段、雑誌なんかの仕事上で大学教授の話を聞けるわけですよ。だから、サイエンスメールではあえて有名な先生に話を聞く意義はないと思って。 
  • むしマガ Vol.42【世界のクマムシ研究グループ】【ずばり、酸化反応さ】

    2012-07-29 22:35  
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    ・世界のクマムシ研究グループその1 前回の号で、クマムシ研究グループごとに扱っているクマムシの種類が異なることをお伝えしました。今回からもう少し掘り下げて、クマムシの乾眠や極限環境耐性に関わる研究をしている各グループについて紹介していきます。今回は、イタリアのグループについて。1. イタリアグループ イタリアのモデナ大学のグループです。チョウメイムシを飼育して研究に使っています。ここは非常に古くからクマムシ全般についての研究を行っており、次回の第13回国際クマムシシンポジウムを主催することが決まっています。 このグループのボスは世界のクマムシ学コミュニティでもTop 3に入るであろうクマムシ学の権威、ロベルト・ベルトラーニ教授です。 ベルトラーニ教授はクマムシの生殖生物学における業績が目立つのですが、実際にはクマムシについては何でもやりたいようです。9年前のフロリダでの国際クマムシシンポジウムの時、僕が彼にクマムシについて何に一番関心があるのか尋ねたところ、全部だ、と答えてくれました。 で、このグループではロレーナ・レベッキ教授が中心となり、ここ10年くらい乾眠や極限環境耐性に関する研究を進めています。宇宙実験もしています。 研究手法は主に個体レベルでストレスに対する反応を見るというものですが、最近では分子生物学の手法も取り入れつつあります。乾眠と酸化ストレス防護の関係について注目した研究を進めているため、現在僕が取り組んでいるテーマとかぶっています。そういう意味では、こちらのライバルといえます。 この研究グループ、派手さは無いですが、研究論文のアウトプット頻度はそこそこ高く、安定感があります。今回のシンポジウムの発表を見ていても、相変わらずの研究アクティビティの高さを感じました。今後もしばらく、この調子で研究継続していきそうです。クマムシトリビア その17 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答...の予定だったのですが、前回からクマムシさんとクマムシ助手のゆうさんにバトンタッチしています。☆クマムシさん【プロフィール】ヨコヅナクマムシの女の子。のんびりしている。☆ゆうさん【プロフィール】クマムシの世話をしているちょっと不器用な助手。好物はゆでたまご。http://www.kumamushisan.net/labo.html◆ 質問: クマムシはどれくらいの低温や高温の範囲に耐えられるんでしょうか(その2)。◇ 回答:・クマムシさん→ク・ゆうさん→ゆゆ「やっと1週間たったね。乾眠クマムシでも100度以上の高温になると辛くなってしまうのは体の構造がゆがんでしまうから、ということだったけど、もうひとつの理由をおしえて」ク「うん。これは、高温にすると、ある化学反応がすごく進んでしまうことによってクマムシが死んでしまうと思われているんだ」ゆ「化学反応?どんな?」ク「ずばり、酸化反応さ」ゆ「酸化反応...どっかで似たような話を聞いたことがあるような......」ク「そう、むしマガvol.30のクマムシトリビアに出てきた話だね。乾眠クマムシを何年も置いておくと、体が酸化して復活できなくなってしまうという話だったね」ゆ「そうそう、それそれ」ク「あれは室温で乾眠クマムシを置いておいた場合だったね。で、実は高温になればなるほど酸化反応が速く起きると考えられるんだ」ゆ「ということは...」ク「乾眠クマムシを高温にさらすと、体がものすごい速さで酸化されてしまうんだろうね。だから、死んでしまう、と」ゆ「そっかー」ク「数時間、100度ちょっとの温度で熱することで進む酸化反応は、常温で数年置いておく間に進む酸化反応に匹敵するということだね」ゆ「クマムシが高温にはあまり強くない理由は、そういうことなのね~」ク「ゆうさん、クマムシって意外と弱いと思ったでしょ?」 
  • むしマガ Vol.41【国際クマムシシンポジウム】【手なづけられたフェレットのように】

    2012-07-26 22:30  
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    ・国際クマムシシンポジウム 月曜日からポルトガルのポルトで始まった国際クマムシシンポジウムも、すべての発表が終わりました。僕の発表は昨日。発表内容は、むしマガvol.4のクマムシトリビアでも紹介したヨコヅナクマムシの紫外線耐性の話です。 ついでにクマムシさんのことも紹介したところ、結構ウケてくれました。 クマムシさんの外国人向けFacebookを見ていても感じていたのですが、外国人ではラテン系にクマムシさんがウケる傾向にあります。今回も、参加者の中でとりわけラテン系の人々がクマムシさんに興味を示していました。今後もしもクマムシさんが海外展開することになれば、ラテン系の国がターゲットになることでしょう。・現在のクマムシ研究情勢 
  • むしマガ Vol.40【森山和道インタビューその7「メルマガを始めたきっかけ」】

    2012-07-23 22:26  
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    ・国際クマムシシンポジウム パリからeasyJetにて1時間45分かけて、ポルトガルのポルトに到着しました。明日23日から、ここで第12回国際クマムシシンポジウムが開催されます。 空港に到着すると、クマムシシンポジウムから派遣されたイケメン運転手さんが待ってくれていました。真っ白なワイシャツを肌に直で着ちゃってるんですよ。 こちらの気候はほどよく暖かく、パリでいつも寒い思いをしていた自分にはひとときの休息となりそうです。いや、ならないか。だって学会で来ているんだし。 ラテン系の国というと、街がちょっとごちゃごちゃしていて道路上にもゴミが散乱していたりするイメージなのですが、ポルトは非常に綺麗で、いい意味で予想が外れました。パリもこれくらい綺麗だったらなあ、なんて。 ということで、今週は国際クマムシシンポジウムの様子もメルマガでリポートしていきたいと思います。★むしコラム「森山和道インタビュー(第7回)」  森山さんと初めてお会いしたのは、2006年12月に東京大学で開催された「第1回クマムシ研究会」でした。僕が発表を終えた後に、名刺をいただいたのを覚えています。 その時はそれっきりで終わったのですが、後に慶応大のクマムシ研究者、鈴木忠さんと共著でクマムシ本を出すなど、クマムシ周りでは有名なサイエンスライターさんでした。「クマムシを飼うには」鈴木忠/森山和道 著 僕がブログやtwitterを始めてからもたまに絡んだり、こちらのブログ記事を紹介してくださったりと、ネット上でゆるい交流をしていましたが、今年の3月に久々にお会いして今回の対談となりました。 森山さんはサイエンスメールというメルマガに、研究者へのインタビューをコンテンツとして載せているのですが、今回は研究者である僕からインタビューを受けるというユニークな形になっています。サイエンスメール それでは、どうぞお楽しみください。☆プロフィール☆森山和道(もりやま・かずみち)http://moriyama.com/ フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。 1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。メールマガジン「サイエンス・メール」、http://www.mag2.com/m/P0003148.html「ポピュラー・サイエンス・ノード」編集発行人。http://www.mag2.com/m/0000014382.html共著書に『クマムシを飼うには 博物学から始めるクマムシ研究』(鈴木忠、森山和道 /地人書館)。第7回「メルマガを始めたきっかけ」森→森山堀→堀川森: いやだから、有料メルマガの不思議なところは、ホリエモンとかのメルマガでもそうなんだろうと、いくら分量が多かろうとなんだろうと1記事あたりの単位で考えたら物凄く割高ですよね。堀: ええ、そうですね。森: 津田大介さんのメルマガにしても、僕は読んでないんで分かりませんけど、相当の分量があるって聞きますよね。それでも多分割高なんだろうと思います。読者が多ければ、分量多くするのは簡単でそんなに難しくないじゃないですか。やってない自分が言うのは何ですが、そんなに難しくないのはそれは想像できる。堀: で、メルマガについて面白いと思うのは、分量が多ければ良いというものでもないらしいですよね。メルマガ業界の人たちの話を聞くと。メルマガにはメルマガの、最適な分量というのがあるらしい、と。森: 15分で読めるとか、そんなのですよね。堀: そうそう。森: ただ、そのへんも非常に難しくてですね。僕のメルマガが長いのか短いのかは僕も未だに良く分からないんですが。読者の方から「あれ、これで終わりなんですか?」って言われたこともあるんですが、一方で私の妻には「最近、分量が多すぎて全然追いつけないんだけど」とぶーぶー言われるわけですよ。 それから、これも読者の方から聞くんですが、結構携帯で読んでいる人が多いらしいんですよ。必要な号だけ携帯で買ってますよ、とか。で、携帯で読むとなると5分くらいで読めないとダメですよね。 
  • むしマガ Vol.39【クロレラあげるから許して。はい♪】

    2012-07-22 22:21  
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    ・過剰なサービス競争が引き起こす社会問題 今回は、日本で起きている過剰とも思えるほどのサービス競争がなぜ問題なのかを書きたいと思います。 まず一つめには、客のモンスター化を助長させてしまうという問題があります。過保護ともいえるようなサービスを受けて当たり前の日本では、店員のちょっとしたミスや態度に腹を立てて、延々とクレームをつける客を増やしてしまいます。 このようなモンスター客が増えると、企業はこのような人たちのための対策に多くの人的、時間的なリソースを割かなくてはなりません。これはマクロな視点で見ても大きな経済損失です。 そして二つめは、多くの人々が社会に出られなくなってしまうことです。 日本ではファミマでもマクドナルドでも、アルバイト店員に要求するホスピタリティのレベルが非常に高くなっています。しかし、世の中には一定の割合で、このレベルに到達できない人々もいます。 それは、どんなに努力をしても、お釣りを出すスピードやポテトを揚げるスピードがちょっと遅かったりする、そんな人たちです。 この程度のことは、他国ではほとんど問題になりません。はっきり言って、アメリカやフランスではスーパーの店員のレジ打ちのスピードは、日本のスーパーの店員の3倍くらいかかっています。それどころか、携帯で友達と話しながら働いている人もいたりします。でも、客は誰も文句を言いません。それでよしとしているのです。 しかし、日本ではちょっと動作が遅かったり、愛想笑いが苦手な人たちは、店長や上司や同僚から怒られ、下に見られ、そして解雇されたりしてしまいます。こうなると、自分のことを社会不適合のダメ人間と思うようになり、心も病んで外に出られなくなる人もいることでしょう。 これも、潜在的な働き手を社会に還元できなくなるため、経済損失は計り知れません。 つまり、どこかでこのサービスのハイパーインフレに歯止めをかけないと、日本という国はすごく生きづらい国になるのです。いや、すでになっているのです。それは、外国に暮らしていると良くわかります。 毅然とした態度で臨む企業が増えることで、日本人がサービスに対して寛容になり、日本が今よりも住みやすい国になるといいですな。★クマムシトリビア その16 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答...の予定だったのですが、今回からクマムシさんとクマムシ助手のゆうさんにバトンタッチします。☆クマムシさん【プロフィール】ヨコヅナクマムシの女の子。のんびりしている。☆ゆうさん【プロフィール】クマムシの世話をしているちょっと不器用な助手。好物はゆでたまご。http://www.kumamushisan.net/labo.html◆ 質問: クマムシはどれくらいの低温や高温の範囲に耐えられるんでしょうか(その1)。◇ 回答:・クマムシさん→ク・ゆうさん→ゆゆ「わーい!むしマガ初登場だ~!読者のみなさん、よろしクマムシ☆」ク「ゆうさん、はしゃぎすぎだよ~」ゆ「ごめーん。ちょっとテンション上がっちゃったもので...」ク「それに『よろしクマムシ』ってあいさつは、ぼくの専売特許だよ」ゆ「ホントごめんね!クロレラあげるから許して。はい♪」ク「ぱくぱくまむし。うん、許してあげる♪」ゆ「(単純ねぇ...) えーと質問は、っと。クマムシがどれくらいの温度に耐えられるかね。」ク「このひとは、たぶん乾眠のクマムシのことについて聞いているんだろうね」ゆ「うん。クマムシは熱や寒さに強いことで知られているよね。下は絶対零度のマイナス273度から上はプラス150度まで大丈夫とか。これって本当なの?」ク「うん、本当だよ。高温には150度までたえられたっていう報告も「あるにはある」んだ」ゆ「あるにはある?」 
  • むしマガ Vol.38【このクマムシ何のクマムシ気になるクマムシ】

    2012-07-19 22:06  
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    ・サービスのハイパーインフレが日本を滅ぼす 早いもので、海外生活も通算で3年を超えました。アメリカで2年、フランスで1年ちょっと。 海外で過ごしていると嫌でも日本と違う、というか日本よりも劣る部分に目が行きがちになってしまうのですが、その最たるものがサービスです。 海外に行ったことのある方はご存知だと思いますが、日本に比べるとほぼ全ての国でサービスが遅い。レストランのウェイターやウェイトレスの対応が分かりやすい例です。 注文を早く取りにこなかったり、会計を間違えたりなんてこともしょっちゅうです。で、間違えても謝らない。けっこういい加減です。 日本での「お客様は神様」というサービスの風潮に慣れた日本人は、このような対応をされると本当にイライラしてしまいます。日本であれば、マクドナルドのようなファストフード店であってもファミリーマートのようなコンビニでも、時給800円程度で働く人たちは礼儀正しく、迅速に作業をしてくれます。 しかしよく思い出してみると、日本でも20年前くらいまでは、横柄な態度を取っていた店主や店員も多かったように思います。日本ではいつの頃からか、熾烈なサービス競争が始まり、今やそのサービスが過剰とも言えるようなハイパーインフレが続いているように見えます。 このようなサービスの向上はお客さんにとっては喜ばしいことであるように思えます。市場原理の働きで、あらゆるサービスが良くなってくれれば良いと私も思っていました。 逆に言うと、なぜフランスではこのような市場原理が働かないのかと不思議にすら思っていました。日本に比べて遅れている国なんじゃないか、と。 しかし、実はそうではない、間違っているのは日本の方なのではないかと気付き始めました。 日本のようにサービスを際限なく向上させようとすると、人材の枯渇と国民の人間性の劣化という大変な問題を引き起こしてしまうということが分かってきたのです。 ちょっと長くなりましたので、この理由は次回のむしマガで書きたいと思います。★クマムシ研究日誌「このクマムシ何のクマムシ気になるクマムシ」 豊平川の上にかかるM橋から見つかった、赤褐色のヨチヨチボテボテした可愛いクマムシ。オニクマムシと同様、この種類もコケからたくさん出てくるので、今後の研究対象にすることが可能と思われた。 そこでまず、こいつが一体どの種類のクマムシなのかを知る必要があった。さっそく、クマムシに関する文献やインターネットで調べてみた。 全体のずんぐりした形と模様の特徴から、どうやらこれはツメボソヤマクマムシ属の1種らしいことが分かった。しかし、倍率50倍程度の実体顕微鏡では、種までは判別できない。 ツメボソヤマクマムシ属には20種類ほどの種がいる。「属」とは、「種」のひとつ上のレベルのカテゴリーである。「都道府県」と「市町村」の関係と似ている。例えば「北海道」が「属」、「札幌市」が「種」のような対応関係にある。 そこで、当時北海道大学大学院理学系研究科で博士研究員として在籍していたクマムシ分類の専門家、阿部渉さんのもとを訪ねた。 そう、むしマガ Vol.15のクマムシトリビアで登場した、「標本は押し潰すな!」がモットーの、あの阿部さんである。 阿部さんが北海道大学にいることは宇津木先生から聞いていたので、北海道大学に入学してすぐに僕は阿部さんに挨拶に行った。当時、日本でクマムシの専門家は3~4人ほどしかおらず、阿部さんが同じ大学にいたことは、僕にとって非常にラッキーであった。 阿部さんの机の脇の大きな棚には、クマムシ分類に関する文献が著者のアルファベット順に整然と並んでいた。実験台も綺麗に片付いており、無駄が無い。 
  • むしマガ Vol.37【森山和道インタビューその6「科学雑誌が売れない理由」】

    2012-07-16 18:22  
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    ・アカトンボはなぜ赤くなるのか アカトンボが赤い理由。それは色素が還元型タイプになっているから、という今までに知られていなかったメカニズムが明らかになりました。アカトンボがどうして赤くなるのかを解明:産総研 これまでは、体色は体表に蓄積する色素の「種類」によって変わるものと思われていました。ヒトでもメラニンが蓄積していくことで、より黒い肌になっていきます。 ところがアカトンボのオスでは元々オモクローム系色素をもっており、これが還元型、つまり水素が多めにくっついた状態になることで、体色が黄色から赤色に変化することが分かりました。 アカトンボのオスは自分の縄張りをパトロールし続けるため、紫外線のダメージをこの還元型オモクローム系色素の抗酸化作用で緩和しているのではないか、とのこと。UVカット色素ですね。まぁ、ありそうな話ではありますが。 ところで論文の方を読んでみると科学論文らしからず、アカトンボをモチーフにした日本の伝統工芸品などをもちだして「アカトンボは日本人の詩情を誘う存在である」みたいなことが書いてあり、ああ、著者はこれが書きたかったんだな、してやったぜ!って満足感を味わってるんだろうな、というのが伝わってきて羨ましいです。★むしコラム「森山和道インタビュー(第6回)」 森山さんと初めてお会いしたのは、2006年12月に東京大学で開催された「第1回クマムシ研究会」でした。僕が発表を終えた後に、名刺をいただいたのを覚えています。 その時はそれっきりで終わったのですが、後に慶応大のクマムシ研究者、鈴木忠さんと共著でクマムシ本を出すなど、クマムシ周りでは有名なサイエンスライターさんでした。「クマムシを飼うには」鈴木忠/森山和道 著 僕がブログやtwitterを始めてからもたまに絡んだり、こちらのブログ記事を紹介してくださったりと、ネット上でゆるい交流をしていましたが、今年の3月に久々にお会いして今回の対談となりました。 森山さんはサイエンスメールというメルマガに、研究者へのインタビューをコンテンツとして載せているのですが、今回は研究者である僕からインタビューを受けるというユニークな形になっています。サイエンスメール それでは、どうぞお楽しみください。☆プロフィール☆森山和道(もりやま・かずみち)http://moriyama.com/ フリーランスのサイエンスライター。1970年生。愛媛県宇和島市出身。1993年に広島大学理学部地質学科卒業。同年、NHKにディレクターとして入局。教育番組、芸能系生放送番組、ポップな科学番組等の制作に従事する。 1997年8月末日退職。フリーライターになる。現在、科学技術分野全般を対象に取材執筆を行う。特に脳科学、ロボティクス、インターフェースデザイン分野。研究者インタビューを得意とする。メールマガジン「サイエンス・メール」、http://www.mag2.com/m/P0003148.html「ポピュラー・サイエンス・ノード」編集発行人。http://www.mag2.com/m/0000014382.html共著書に『クマムシを飼うには 博物学から始めるクマムシ研究』(鈴木忠、森山和道 /地人書館)。第6回「科学雑誌が売れない理由」森→森山堀→堀川堀: ところで、今は科学離れとか言われていますが、ああいう科学雑誌が売れなくなっているというのはどういう理由だと思われますか?森: 日本で売れない理由ですか?いや、僕、逆に堀川さんに話を聞きたいんですけど、そのへんアメリカやフランスではどんな感じですか? 相当売れてるんですか?堀: 相当売れているんじゃないですかね。アメリカはやっぱり凄いですね。科学雑誌がスーパーとか空港の売店で必ず売られていますから。日本ではまず見ない光景ですよ。それくらい科学が市民に浸透しています。 フランスでも、駅のキオスクとか、スーパーに科学雑誌が並んでます。これが日本だと、ある程度の大きさの書店でないと科学雑誌は見ないですからね。日本に比べると人々の科学に対する関心は高いんじゃないでしょうか。森: まあ、前に日経サイエンス、あれはアメリカのサイエンティフィック・アメリカンの翻訳版ですけど、この雑誌の編集者からも聞いた話なんですけが、アメリカの方の編集者から「なぜ日本ではもっと売れないんだ。日本は科学技術大国だろう。」と言われたらしいんです。でも現に、キオスクで日経サイエンス見ないですもんね。堀: ニュートンもないですよね。森: ニュートンもせいぜいコンビににあるくらいですよね。堀: コンビニでもニュートン見ない方が多いですよね。でも、科学に関心がある人は日本でも一定の割合でいますよね。ネットやってても、僕なんかのブログにも結構人が来たりしますし。森: そこは、出版業界でも前から言われているらしくて、マジックワード3万。マックス3万。堀: マックス3万? 
  • むしマガ Vol.36【クマムシ研究に参入するのは今が絶好のチャンス】

    2012-07-15 18:11  
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    ・クマムシさん トップページだけ公開していたクマムシさんのウェブサイトですが、このたびコンテンツを公開しました。クマムシさんオフィシャルウェブサイト 例によって、阪本かもさんの可愛らしいイラストが映えます。 それでは、今号のクマムシトリビアをどうぞ。クマムシトリビア その15 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。◆ 質問: クマムシは、世界でどれくらいの数の研究者が研究しているんでしょうか。◇ 回答: クマムシの最近の知名度の高さとは裏腹に、クマムシを研究している研究者は、かなり少ないです。 クマムシを研究している研究者の正確な人数は把握できませんが、3年に一度開かれる国際クマムシシンポジウムの参加者数から、おおよその人数を推測できます。 前回、2009年にドイツで開催されたクマムシシンポジウムの参加者数は、70人程度でした。シンポジウムの開催回数を増すごとに参加者数も増えているのですが、世界中からクマムシ研究者が集まっても、この程度です。 シンポジウムに参加しなかったクマムシ研究者の数は良くわかりませんが、多く見積もってもせいぜい60~70人程度でしょう。ということで、世界中でクマムシを研究している研究者の数は130~140人ほどと予想できます。 実は来週から、第12回のクマムシシンポジウムがポルトガルで開催されます。第12回国際クマムシシンポジウム 
  • むしマガ Vol.35【運命のクマムシ】

    2012-07-11 16:45  
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    ・科学とは非常識を常識に変えることである 突然ですがこの言葉、私の恩師の元神奈川大学教授・関邦博さんが好んで使っていたもので、僕も好きな言葉です。 昔も今も、その時点では99.9%の研究者に受け入れられないような非常識とされていた説が実は正しかった、ということがよくあります。 ヒッグス粒子(と思われる物質)の発見もその一例です。ヒッグス粒子提唱の学者「放心状態」、CERNとは皮肉な過去も ヒッグス粒子を超簡単に説明すると、すべての物質に質量、つまり「重さ」を与える実体といえます。1964年にヒッグス粒子の存在を予見したヒッグス氏は自説を論文にまとめてジャーナルに投稿したものの、これは却下されてしまいました。 そしてこの論文を却下した審査員は、今回ヒッグス粒子と思われる物質を発見した欧州合同原子核研究所(CERN)に所属する研究者だったということです。なんとも皮肉な話です。 そしてもうひとつ、例のヒ素細菌の話。 2011年にDNAにヒ素を材料として使う細菌の発見が報告されました。このあまりにも「非常識な」発見については猛烈なバッシングが巻き起こりましたが、ついに今回、Science誌に反証論文が掲載されました。 僕もこの4月にアトランタで開かれた宇宙生物学会で、この反証論文を出した研究グループの人たちに直接話を聞きました。ヒ素細菌のDNAにはヒ素がなかったーライバル研究者らが発表 やはりというか、残念ながらというか、2011年のヒ素細菌の論文の主張はかなり黒に近いと思われます。 しかし、だからといって、あの2011年の報告の価値がゼロになるわけではありません。 そんなことが本当にあるかもしれない、我々の常識の及ばない生命体が、まだこの地球上に、そして宇宙には存在するかもしれない。 このヒ素細菌騒動では、そんなロマンを感じ、生命科学に興味を持った子どもたちも多いでしょう。そんな子どもたちが将来、型破りな研究者として活躍してくれるに違いありません。★クマムシ研究日誌「運命のクマムシ」 私がクマムシの研究を初めて10年以上が経ちました。ここでは、これまでのクマムシ研究生活を振り返りつつ、その様子を臨場感たっぷりにお伝えしていきます。 変な人に勘違いされながらも採取してきたコケや地衣類は、その都度実験室でベールマン装置にかけた。ベールマン装置 ベールマン装置についてはクマムシトリビアその1でも触れたが、土やコケや地衣類などから微小動物を抽出するための装置である。漏斗の上部にコケやなどの試料を置いて水で浸し、一晩かけて漏斗の下にクマムシを落とす。この方法だと、多量の試料から一気にクマムシを集めることができる。 下にたまった水をシャーレに回収し、実体顕微鏡を覗きながらクマムシを探し、ピペットを使って回収していった。 クマムシがまったく見られないコケや地衣類サンプルもあれば、多量に出てくるものもある。また、数十センチ離れた2地点の一方のコケからはクマムシが多数出てくるが、もう一方のコケからは全く出てこない、ということも多い。コケの中でクマムシは、固まってコロニーのようなって存在しているようだ。 多くのサンプルを調べていて気付いたことだが、センチュウやワムシはコケからほぼ100%出てくるのに対し、クマムシは30%ほどのコケからしか見られないことだ。また、個体数もクマムシはセンチュウやワムシよりも少ない。野外での増殖能力の点において、クマムシはセンチュウやワムシより劣っているのだろう。 また、もうひとつ興味深いことが分かった。 
  • むしマガ Vol.34【森山和道インタビューその5「科学イベントに参加する理由」】

    2012-07-09 16:38  
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    ・JAPAN EXPO こんにちは。今号では先週土曜日に遊びにいってきたJAPAN EXPOのレポートをお届けします。 当日はあいにくの小雨。しかし、会場に着くと昨年同様に人々の波、波。そして、フランス人の熱気に圧倒されました。 なんかこう、お祭りはお祭りなんだけど、みんな気合いがすごい入っているんですよね。ゆるい感じではないんです。 クマムシさん、クマムシさんの助手のゆうさん、そして僕の1匹と2人はあっとうされつつも、なんとかフランスのみなさんと交流をもつことにチャレンジ。 クマムシさんはマシュマロを盛ったバスケットにのってもらい、ゆうさんと会場をウロウロしました。 すると、意外にもマシュマロを食わせろ!と多くの人が寄ってきました。マシュマロは単にデコレーション用のつもりだったのですが、まさか食用としての需要があるとは思いませんでした。 そして寄ってきた人たちに、クマムシさんのことを説明