A:鈴木邦男氏の見解

 私は、「右翼」一水会の鈴木邦男氏と対談し、それが2014年『いま語らねばならない

戦前史の真相』として出版された。

 ここで私は右翼と天皇について問うた。

孫崎「右翼思想の根本は天皇陛下を重視するということでしょう」

鈴木「確かにそうですが、それが難しい。

   例えば二二六事件で蹶起した将校たちは昭和天皇の決断で処刑されました。

   (省略)

  戦後に人間宣言したのも間違っていると思っている右翼はいるわけです。

  そうすると、天皇のすべてが偉いのではなく、天皇の理念こそが正しいという考え方が出てくる。だから、ゾルレン(あるべし)としての天皇とザイン(ある)としての二つの天皇が存在するというわけです。これが極端に進むと、ゾルレンの天皇を守るためには、ザインの天皇を殺してかまわないという暴論まではいた人がいました。

鈴木 天皇を守りたいのではなくて、自分が守