出典:G.B.サンソム、『世界史における日本』(岩波新書、一九五一年)
サンソムは一九〇四年に駐日英国大使館に配属。コロンビア大学東アジア研究所の初代の所長。前掲書よりの抜粋。
サンソムが指摘する秀吉時代は、田中角栄の時代を彷彿させるようにも思われる。
〈エリザベス時代は乱暴な時代、惨酷な時代であり、多くの点で粗悪通俗な時代であったが、そこには希望と勇気をもって、ゆるぎない確信と純粋な情熱でもって世界に立ち向かう血気盛んな若さというようなあらゆる好ましい素質が一世紀位の間はあったのであります。〉
〈私は信長や秀吉の時代にエリザベス時代をきわ立たせるものと同じ素質を見出すものであります。日本は封建主義体制の終末と社会改造への懸命な努力をむかえます。いまや新しい人々が権力を握り、新しい地平線が日本にとって開いて参ります。世間には冒険心があり、前の時代ならば世に出なかったであろう人々の心に大胆
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ポルトガル・スペイン帝国から大英帝国を経て現在の米帝国に至るまで中国を管理下に置くことがそれら帝国の主たる課題なのです。それぞれの帝国単独では目的達成は不可能。故に日本は中国攻めのパートナーとしての有力な候補になってしまうのです。帝国の強欲が収まらない限り日本への誘惑は萎えることが無いと考えるべきです。
サンソムのエリザベス時代との比較はともかくとして、我々が知っておかねばならぬことは明国征服をポルトガル・スペイン帝国の、まー言ってみれば、現在のCIAみたいな連中から信長は誘われているのです。賢い信長はその誘惑をはねのけています。本能寺の変は当時のCIAみたいな連中(本国政府は中國はインカとは違うぞ。中国は文字を持って居る。インカは文字が無い。文字を持つ国は倒せない、との訓示をマニラに出しているが、彼らは従わない)が公家、秀吉、その他、主だった不満分子をオルグし実行されたもの。
秀吉が田中角栄を彷彿させる?確かに、なるほど。秀吉は朝鮮征伐で、ベトナム戦争みたいに泥沼に足を取られ、最後は中國に敗北した。一方、田中角栄は直接中国とウインウインの関係結びに成功した。それぞれの目的は真逆だが中國絡みは共通しています。しかし、田中角栄の中国との単独ウインウインは米帝国の怒りを買った。それを忖度して、日本の特捜は動いた。結果どうなったか、どんな馬鹿でも知っている。日本の主権は無きに等しい。
信長、秀吉、田中角栄の苦境から学ぶことは、日本は米帝国とどう距離を保つかです。米帝国が萎えつつある現在、米戦争屋が冒険に打って出る懸念は十分あるのです。その距離をどう保つかだけが喫緊の課題だと私は考えます。
エリザベス1世と信長、秀吉、田中角栄を比較した国家発展、国家拡大論であり、ち密性には欠けた比較論としてみると面白い。一方、このような比較論を日本は乗り越えた段階にあるという認識が欠かせない。日本の場合、米国を凌駕する経済発展を遂げたが、さまざまな障害、特に為替問題を乗り越えられなくなり、日本独自の新しい国家形成の道を選択してきた。表面上の貿易額が大幅に減り、成熟国家としてのあるべき姿を日本なりに選択してきたといえる。拡大経済でなく、国家として、国民としての生きていく道が、経済的利益の安定性を選択したといえる。幸い、拡大経済の受益が国民全体に及び、内需がGDPの6割以上を占め、国民の所得が大幅な貯蓄に回り、企業の利益が内部留保として巨額になっている。海外債券は1000兆円を超えている。債務は670兆円ぐらいであり、世界一の債権国家である。完成品生産先を韓国、中国、タイ、インドネシアなど東南アジアに拠点を移し、海外投資による日本への送金が大きくなり、海外投資の配当、利息が巨額になっている。最近では、海外からの観光客が増えサービス収支が大幅に改善されている。日本の食事の豊富さ、観光資源の豊富さにおいて日本のすばらしさを日本人が認識しただけでなく、海外の人たちに認められている。日本という国が、成熟した国家として異次元の政界にあるという認識が必要なのでしょう。成長経済、拡大経済論は時代遅れであるという認識が日本人自身に必要となっている。
>>2 追記
中国、韓国に主体を置いた完成品生産先を変えざるを得ない状況が急速に早まっている。韓国は、韓国自身が日本製品不買運動を展開し、日本との距離感を強めようとしており、韓国自身が他の道を選択しようとしている。韓国との関係では、韓国との交流により利益が相対的に低くなっていくわけであり、日本は他国との交易を拡大し、韓国との関係を薄めていくことになるのでしょう。日本が困るわけではない。中国は、6%成長に低減しているいるが、実質的には、0%どころかマイナス経済に入っているのではないかという数字が出始めている。自動車の生産・販売が低下していることが気にかかる。減税と箱物建設でカバーしてきたが、限界が出始めたようだ。中国に対する投資が一気に東南アジア、インド、南米、アフリカに移って行くのでしょう。日本という国は、そういう国であり、韓国、中国は日本をもっと利用すべきであるが、日本に追いつき、追い越したという誤った気持ちを持ち始めれば致し方ないのでしょう。
>>3
中国は日本と仲良くし、ウインウインの関係を更に強化したい意向を示しているのに何故貴殿は素直に応じられないのでしょうか?
韓国も日本とウインウインの関係を深めようと頑張っているのに邪険に対応しようと貴殿は何故思うのでしょうか?
貴殿みたいな心境になるのはある学者に言わせると何かの喪失感があると診断しているのですが、貴殿の場合、何か喪失感があるのでしょうか?
是非、お教えください。
>>4
日本の海外分業生産の流れを言っているのであって、私の希望的観測を言っているわけではない。韓国の場合、日本製品の不買、裁判で徴用工の企業賠償になっていけば、製品生産の分業体制の見直しにつながり始めたことを言っているだけであり、「ウインウイン」などと日本人は理解しないでしょう。私が「うつ」でも何でもいいですが、方向性をいっているだけです。
中国の場合は,尖閣諸島に対する中国の行動が災いしているのか、日本人の意識「良くない」が84.7%であり、は逆に中国人が日本人を見る「良い」は45.9%になっている。(日中の共同世論調査の結果である)。また、米中貿易戦争の余波が日本にも降りかかり、日中分業体制が見直されているのも致し方ないことでしょう。私の勝手な見方ではありません。経済界の動向を言っているだけです。
今回はわたしに向けられたものではないけれど、あまりにひどいとおもうので、例外的にコメントします。自分も同様な被害者だとおもうので。
日韓関係も日中関係も、フレデイ タン さんのいうような単純なものではない。たとえば、文大統領が「こうなれば、それが日本とのウインウインな関係だ」とおもっても、日本国民の多くがそうおもわないことなんかは、普通にあるでしょうに。交渉というのは個人間でも国家間でもそこからはじまるのなんか、常識以前。
こんな常識もなく、よくエアコンのセールスなんかできたもんだとおもう。
しかし、フレデイ タン さんにはフレデイ タン さんの、日韓・日中関係のとらえかたがある。問題は、フレデイ タン さんのように考えない相手には、こころの問題があるかのように考えているところです。
そういう考え方がどれほどまともでないか、よく考えてみればいいと思う。
しかしまあ、「自分の考えに相手が従わないとき、それは相手にこころの問題があるのだ」というのは、別の観点からすれば、まちがいではない。
中国も韓国も北朝鮮も、「自分の考えどおりに日本が動かないのは、日本国民のこころの問題だ」ととらえて、日本国民相手にきょうも情報工作活動にいそしんでいることでしょう。