岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/04/26
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今日は岡田斗司夫のゼミ室通信をお届けします。
DMMオンラインサロンの岡田斗司夫ゼミ室では月に1回オフ会があり、ここで質問や相談を受け付けています。
映画『火垂るの墓』は原作に忠実?
今回は4月大阪オフ会より、参加者の方から出された質問を関西弁で紹介します。
質問:
映画『火垂るの墓』について質問です。
あのアニメ作品は、野坂昭如さんの原作には忠実なんでしょうか?
野坂昭如のイメージが先にあるので、「あんな話を書く人なんだろうか?」と思ってしまいます。
回答:かなり忠実です
ある程度は忠実。
いや、かなり忠実かな。
結局、高畑勲というのは原作を変えない人なんよ。
俺、この間 読んだので面白かったのが、『じゃりン子チエ』で主人公のチエちゃんがお母さんに会いに行くエピソードが原作であってん。
それはアニメ版でもあるんやけども、原作版ではもっと早く会いに行くシーンが、アニメ版では無いねん。
まるまるカットしてる。
それで「それは何でですか?」って高畑さんに聞いたら、「あれは、はるきさん(原作者)があの当時、元気が無かったんだ」と。
「元気があったら入れてないんだ」と。
だから原作を変えないどころか、原作を大事にするあまり、原作通りにしない人やねん(笑)。
「たまたま原作者が風邪をひいたから、このエピソードを入れたんだ」と。
「本当のチエちゃんは違う」と言って、やってしまうのが高畑さんなんよ。
だから、そういうのがあるから、ちょっと変えるんやけども。
野坂昭如さんの原作には、かなり忠実に作ってると思う。
・・・
野坂昭如さんなんて「妹が死んでからの人生は、全部オマケ」って言ってますし。
週刊で原稿を書かないといけない、当時は一番 売れていた時期で、「何が何でも原稿を書け」と言われて、喫茶店で2時間で書いた話が『火垂るの墓』。
だから書くつもりが無いのに書いた話やから、いまだに後悔してるという。
あんな辛い話は。
ただ自分としては凄い露悪的な人やねんけども、「文学者である以上は、自分の一番辛い話を書かねばならない」と思って。
それまで色々と書いてて、それで文学者になってんけども、流行作家にもなってしまったおかげで、注文もドンドン来るねんやんか。
で、それで書き飛ばしで書いてるつもりが、実は一番つらかった記憶を気づかずに書いてしまってん。
なので、書いてから読み返した事が無いっていう。
映画の方は、舐めてかかって見て、号泣したそうやで(笑)。
でも「辛かったけども良かった」みたいな事は書いてるからね。
本人には良かったんやないかな。
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