岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2019/03/01
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2019/02/03配信「関ジャニ∞の村上君と話した『ユーチューバーが消滅する未来』の補足と、『スターウォーズ』のこれじゃない感」の内容をご紹介します。
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2019/02/03の内容一覧
- 今期のアニメ
- 『メリー・ポピンズ リターンズ』、映像はすごいが……
- ウォルト・ディズニーの抱えた矛盾
- 64年版『メリー・ポピンズ』の狂気と面白さ
- 宮崎駿にとっての「映画」とは?
- 『メリー・ポピンズ リターンズ』のテーマは、エグいリアリズム
- 『ユーチューバーが消滅する未来』をどう生き抜くか
- 愚かなスネ夫と、賢いスネ夫
- 「未来格差」を意識して、過去を勉強する
- 質問:アニメとフェミニズムについて
- 質問:潜水艦について熱く語ってください!
- 質問:趣味の違いで別れた
- 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の胸が熱くなるところ
愚かなスネ夫と、賢いスネ夫
こういう僕が話しているようなニコ生とかYouTubeというメディアは、これから先もずっと安泰なのかっていうと、とんでもないんですよ。
ここからが村上くんに話したことなんですけども。
村上くんに話したのは「以上のようなことが、ついこの間までの常識でした」というのを前提にして、「ここから先は「大型恐竜」が滅びる時代に入ります」ということなんです。
いわゆる、ネットワークの会社、それはYouTubeにしても何にしてもそうなんですけども、「そういう大型の会社が、身体が巨大になった故に、大型恐竜のように滅びていく世界で生き残る算段をした方がいいですよ」っていう話をしたんですね。
例えば、ディズニーにしてもNetflixにしても、ここから先、どんどん予算を掛けて映画をシリーズモノとして作るでしょう。
なぜ、マーベルのヒーローモノが「マーベル・シネマティック・ユニバース」みたいに世界観を共有しているのかというと、「1本当たりの予算が大き過ぎるから」なんですよ。
1本当たりの予算が大き過ぎるから、失敗は許されない。だからといって、失敗しないとは限らない。そのために、他の作品と同一の世界観の中にすべてを組み込んで、シリーズ全体の人気で支えていこうという方式だから、なんですね。
いわゆる「アイドルグループとかをやる時に、最初はメンバー間の人気の格差があるんだけど、続けていれば、そのグループ全体の人気が上がっていく」というのと同じように「各マーベルヒーローも1つ1つを見れば、人気があるヒーローないヒーローがあるんだけど、続けて行けば、徐々に徐々にグループとしての人気が上がって行く」という考え方なんですね。
だから、今のディズニーにしても、マーベルにしても、映画をやる時は必ず、続編があって、それがシリーズ化されて他のものと組み合わせるようなものでないと企画ができない。
でも、そんな絶対に面白いものっていうのはお金も掛かるし準備も大変だから、もう本当にハズせない作品ばっかりになっているんですね。
大型恐竜がどんどん戦闘力を強くして身体を巨大化しているのと、すごく似ているわけです。
こういう大型恐竜を、「ジャイアン」みたいに考えると、「いや、その大型恐竜の近くにいれば、自分も生き残れるだろう」というのは「スネ夫」的な考えです。
これを僕は愚かなスネ夫と呼んでいるんですけどね。
世の中には愚かなスネ夫と賢いスネ夫があるんです。
そして、「いや、今Netflixさんが金出してくれるから、Netflixさんでアニメ作りましょう! Amazonさんがお金出してくれるから、Amazonさんでアニメや映画を作りましょう!」というのは、これは愚かなスネ夫の戦略なんですよ(笑)。
なぜかというと、それらすべての大型エンターテイメント産業というのは、考える間もなく、ハリウッドの歴史が示す通り、先がないからなんですね。
予算が大きくなってくるに連れて、どんどん「1本外れれば会社が倒産」というリスクが上がっていくわけですから。
現にMGMスタジオは、エリザベス・テイラー主演の『クレオパトラ』という映画が1回コケただけで、あっという間に芝生に水を撒くお金もなくなって、スタジオの前は焼け野原みたいな外見になって、倒産までしちゃったんですけど(笑)。
この方式って、やっぱり、無理があるんですよ。どんどん予算を掛けて巨大にしていこうという考え方に、そもそも無理があるんですけど。
どっちにしても、大型恐竜が滅びる時というのは、大きな恐竜は大量の餌が必要だから、倒れる前に、やっぱりそばにいるスネ夫が食われることになるんですね。
つまり、「AmazonとかNetflixにすり寄って、なんとか場を貰えた、作品を作れた!」というふうにやっても、それらの会社が傾き出すと、勝手に安売りを始められてしまうんですよ。
いわゆる「ZOZO離れ」というやつですね。ZOZOTOWNが大きくなって行く時は良いんだけど、ZOZOTOWNがいざ大きくなって、ある臨界値に達して、会社が危なくなったらどうなるのかというと、自分達が借りているいろんなブランドを勝手に安売りしようとして、そしてブランドが離れていく。
つまり、大きい恐竜というのは、倒れる時に「共食い」を始めるんですね。
こういうことがあるから、賢いスネ夫は、あまりそういうところに近寄らない方がいい。
なんか、大手のテレビ局とか芸能事務所に残ると、実は生き残れそうで生き残れないんです。最後には食い物にされるからですね。
それよりは、小型の哺乳類の方が有利である。
つまり、賢いスネ夫戦略です。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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