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口に入れたときのハイな気分、収集欲をかき立てるパッケージ、なんだったらメッセージ性。連載「スナック・タイム」では、文筆家・甲斐みのりさんが、男の空腹を満たすためだけではない「嗜好品」としての食べものを紹介。第1回は、高知では青春の味として知られる「マックのポップコーン」。
小学生の甥っ子を連れて行った映画館で、久しぶりにポップコーンを食べた。私が子どもの頃から、映画を観るときのお供はポップコーンと決まっていたけれど、それは平成生まれにも脈々と受け継がれているようだ。
ネイティブアメリカンも親しんだ、世界最古のスナック
ほどよく香ばしく、ハムッと口に馴染み、フレーバーの後味が尾をひくポップコーン。紀元前にネイティブアメリカンやメキシコ先住民の食糧として誕生し、世界で最も古いスナック菓子と言われている。
1893年のシカゴ万博博覧会で移動式ポップコーン製造マシンがお披露目されてからは、サーカスやお祭り会場で食べられるようになり、その後、庶民の娯楽として映画が普及するのに合わせて、安価なポップコーンも映画館の定番になったという。
マッチしてグーな「マックのポップコーン」
あぜち食品の「マックのポップコーン(しお味)」とは、日本各地の名物を集めた物産館で出合った。袋に描かれた「マックちゃん」なるキャラクターと、「現代人にマッチしたグーな味!!」という謳い文句に惹かれて購入し、帰ってからホームページを見た。
するとどうやら、マックのポップコーンの定番は、ほんのり甘い「シュガーコーン」で、地元・高知では50年ものロングセラーらしい。特に高知の映画館ではなくてはならない味で、マックのポップコーンに、青春や初恋(初めての映画館デート)を重ねる人も多いと知った。
かきたてられる旅情を抑えて、しお味のポップコーンを味わいながら、仕事終わりに家で映画鑑賞。砂糖蜜をまぶした甘いのは、いつか高知を訪れたときにまた。
photo by Ryuichiro Suzuki
RSSブログ情報:https://www.roomie.jp/2017/05/384938/