シューッとスプレーを肌に吹きかけて服をまとう。もしかすると、これがちょっと先の未来における服のカタチかもしれません。
© Fabrican Ltd 2001 Photographer Rebecca Harman
スペイン人のデザイナー、Manel Torres博士によって発明された「Fabrican」。スプレーをシューッと肌に吹きかけると、繊維が肌を覆い、あっという間に洋服になります。
© Imperial College London / Layton Thompson. Fabrican Ltd 2010.
液体に繊維を分散させる技術(繊維の懸濁液化)を開発したことで、繊維をスプレー缶から噴射できるようになったとのこと。これまで、編まれたり、織られたり、そして縫われたりして出来上がった洋服が、シューッとしただけで出来てしまうわけです。
シューっとすることで繊維が肌の上でくっつくので「あ、カーディガンのつもりだったけど、やっぱりセーターにしようかな」 や「ちょっと丈が短いから少し長めにしよう」というアレンジが、できてしまうわけです。デザイナーじゃなくても、裁縫が苦手でも、自分の思い通りの洋服ができてしまう。
もちろん洋服なので脱ぐこともできますよ。そして、やさしくであれば洗うこともできます。一人暮らしの場合、後ろ身頃への噴射が不安ではありますが。
© Fabrican Ltd 2007
TIME紙が選ぶ、2010年「50 BEST INBENTIONS」に選ばれたほか、数々のアワードも受賞し、ロンドンコレクションでも発表済。また、洋服だけでなく、ギプスなどの医療用製品や家具デザインにも応用可能という注目の技術で、製品化に向けて開発中とのこと。
© Fabrican Ltd 2010 Photographer Ian Cole.
いつかFabricanがわたしたちの生活に馴染む日がくるのでしょうか。いまから楽しみです。
Fabrican[Fabrican Ltd.]