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春日太一の木曜邦画劇場 第583回「“ありえない”主人公の名前は現実となりパロディを追い抜いた!」『極道社長』
コメ0 週刊文春デジタル 6日前
今回は映画『極道社長』を取り上げる。 梅宮辰夫の演じる金融業者の主人公とチンピラ二人組(室田日出男・川谷拓三)が、さまざまな手立てで大金を儲けようと企むコメディだ。
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春日太一の木曜邦画劇場 第582回「『戦争美化』と捉えられた本作は、戦争の恐ろしさを冷徹に伝えていた」『FUTURE WAR 1
コメ0 週刊文春デジタル 2週間前
今回はアニメーション映画『FUTURE WAR 198X年』を取り上げる。 東西冷戦が最後の激化を見せていた一九八二年に製作された、近未来戦争映画だ。 その内容が「戦争美化」と捉えられたために左派系団体などから猛烈な抗議を受け、ボイコット運動が巻き起こったことで知られている。そのため、現在でも本作はセンセーシ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第581回「香港クンフー映画に便乗しても、演出、アクションはそれを上回る!」『激突!殺人拳』
コメ0 週刊文春デジタル 4週間前
今回は『激突!殺人拳』を取り上げる。 一九七〇年代前半、ブルース・リーが巻き起こした香港のクンフー映画の大ブームに、東映が便乗して生み出した「カラテ映画」の企画である。だからといって、いい加減な作品では全くない。むしろ、作品としての見応えは一連の香港映画はどれ一つとして及ばないものがあると思え...
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春日太一の木曜邦画劇場 第580回「見直して気づいた名作オマージュ。時代劇への興味の原点かもしれない」『キン肉マン
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
ゆでたまご原作のマンガ『キン肉マン』は「週刊少年ジャンプ」で連載され、テレビアニメにもなった。 筆者はその直撃世代で、超人・キン肉マンが強敵たちと繰り広げる奇想天外なプロレス形式の激闘に胸を躍らせたものだ。『キン肉マン』は二〇一一年にウェブサイトで続編が連載され、そして今年はそのアニメ化も決定...
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春日太一の木曜邦画劇場 第579回「寺田農の、その“したり声”は傲慢で知的な悪役ムスカの生命だ」 『天空の城ラピュタ』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
寺田農(みのり)が亡くなった。 教養と知性と狂気とを内包した独特の眼差しと、なんともいえない太々しい雰囲気が、この名優の若手時代から晩年まで一貫した魅力だった。そのため、チンピラ、殺し屋、軍師、権力者、粋人、腹の底の見えない野心家――幅広い役で凄みを見せつけている。 また、声の仕事も素晴らしく、...
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春日太一の木曜邦画劇場 第578回「万博に沸く大阪で葬儀博覧会 開催を進めるというブラックコメディ」『とむらい師たち
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
今回は『とむらい師たち』を取り上げる。前回と同じく、その座組を見るだけで期待感が上がる一本だ。 なにせ、主演・勝新太郎―監督・三隅研次という『座頭市物語』を手掛けた二人に加え、原作が野坂昭如、脚本が藤本義一。アクの塊と言っていい面々が顔を揃えているのだ。 物語の設定も、この面々にふさわしい濃厚な...
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春日太一の木曜邦画劇場 第577回「本筋とは関係なさそうな芝居が人情噺に活気をもたらしている」『とんかつ一代』
コメ0 週刊文春デジタル 1ヶ月前
今回は『とんかつ一代』を取り上げる。 森繁久彌、フランキー堺、加東大介、三木のり平、淡島千景、団令子といった東宝喜劇でお馴染みのメンバーが顔を揃え、喜劇の名手・川島雄三監督が撮った一本だ。その座組に名前倒れすることのない、爆笑作に仕上がっている。 本作は日本映画にありがちなビターな涙も流させる...
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春日太一の木曜邦画劇場 第576回「あおい輝彦のガラス玉のような瞳が戦場の『地獄』を雄弁に伝える。」『二百三髙地』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
あおい輝彦のフィルモグラフィを俯瞰してみると、一九七〇年代半ばから八〇年代にかけての、日本映画界全体が大作映画を連発していた時代に、重要なポジションで配役され続けていたことに気づく。『続・人間革命』で原作者・池田大作をモデルにした青年を演じたのを始め、『犬神家の一族』では作品の代名詞となる仮面...
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春日太一の木曜邦画劇場 第575回「倒錯する純愛。その乱歩作品を加藤泰監督は見事に描き切った!」『江戸川乱歩の陰獣』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
江戸川乱歩の小説といえば、倒錯した性描写が代名詞だ。 ただ、その根底にあるのは――いささか恥ずかしい表現だが――「純愛」であると捉えている。対象に対する純なる愛情が何らかの事情をキッカケに歪み、倒錯へと向かう。 ただ、乱歩小説の映像化となると、どうしても倒錯性に焦点が行きがちで、純愛的な部分がおろ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第574回「チャンスに飢えた役者たち。その熱気が強烈な任侠作品!」『懲役三兄弟』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
一九六〇年代の半ばから後半にかけては東映の任侠映画が全盛期で、邦画界においては一人勝ちの状況にあった。 そのため、他社で芽が出なかったり、人気が低落傾向にあったりする役者たちからすると、のし上がるチャンスは少なからずあった。 今回取り上げる『懲役三兄弟』は、そうした背景を踏まえたら一段と楽しめ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第573回「気軽にサクッと小気味よい切れ味。深作欣二の小規模アクション劇!」『白昼の無頼漢』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
前回述べたように昨今は映画の上映時間が長くなりがちだ。そうした中で「気軽にサクッと楽しめる、切れ味の鋭い小規模のアクション映画」が絶滅危惧種になりつつある。 これは日本に限った話ではなく、ハリウッドでもトム・クルーズ主演作のような超大作には目を見張る映画があるにしても、小作品となると「これ」と...
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春日太一の木曜邦画劇場 第572回「2時間超えが標準の当世だからこそ凝縮された短時間の娯楽作を希望!」『拳銃0号』
コメ0 週刊文春デジタル 2ヶ月前
近年、国の内外を問わず、映画の上映時間が長くなりがちな傾向にある。二時間オーバーが当たり前になっている現状は、少し考えものだ。 特に娯楽映画に関しては、よほどの超大作でない限りは最低でも二時間以内、百分前後が最も適しているというのが、筆者の持論だ。 そこで嬉しいのが旧作邦画、特に一九七五年前後...
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春日太一の木曜邦画劇場 第571回「原作小説から妄想した配役。ドラフト1位の面々がズラリ!!」『宮本武蔵』
コメ0 週刊文春デジタル 3ヶ月前
歴史上の人物を扱った小説を原作にした時代劇を観る楽しみの一つに、それぞれの人物がどれだけ原作小説や史実から受けるイメージの通りに配役されているか――がある。 そういう点で満点なのが、今回取り上げる松竹=加藤泰監督版『宮本武蔵』だ。 映画の『宮本武蔵』といえば、内田吐夢監督=中村錦之助主演による東...
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春日太一の木曜邦画劇場 第570回「厭な現実を吹っ飛ばしたい……。そんな時は新東宝の娯楽作品!」『花嫁吸血魔』
コメ0 週刊文春デジタル 3ヶ月前
近年は意識の高い映画人が多くなり、作品を通して現代の問題点を訴えかけようというのが、かなり目立つようになってきた。もちろん、そうした意識を持つことも、そうした作品自体も尊いものであることは大前提としてある。 ただ、そうした作品ばかりになっては、どうも息苦しくもなる。映画の効能として、現実逃避と...
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春日太一の木曜邦画劇場 第569回「凜とした鈴木瑞穂の美声が見せる、知で変革を説く剣豪の凜々しさよ!」『座頭市牢破り
コメ0 週刊文春デジタル 3ヶ月前
取材を希望していながら、結果として間に合わなかった方は少なからずいる。昨年十一月に亡くなった鈴木瑞穂も、そのような一人だった。 今から数年前にインタビューを依頼、お受けいただいていたのだが体調が悪化してしまう。そして、回復をお待ちしているところだったのだ。 鈴木の大きな魅力は、その声だ。重厚で...
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春日太一の木曜邦画劇場 第568回「丈吉を狙う夏八木勲の惨めな最期。シリーズは未完でも印象的な終焉だ」『無宿人御子神
コメ0 週刊文春デジタル 3ヶ月前
今回取り上げる作品は『無宿人御子神の丈吉 黄昏に閃光が飛んだ』だ。前回、前々回と紹介してきたシリーズの三作目にして、最終作である。 このシリーズは、妻子を惨殺された丈吉(原田芳雄)の復讐の旅を追いかけてきた。そうなると、最終作では最後の仇敵である国定忠治との決着が描かれるはず――と思う人も多いだろ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第567回「失態を犯す丈吉の情けなさの一方で内田朝雄、市原悦子の姿が際立つ」『無宿人御子神の
コメ0 週刊文春デジタル 4ヶ月前
前回に引き続き、年末に待望のDVD化となった原田芳雄主演の時代劇『無宿人御子神の丈吉』シリーズを取り上げる。今回は二作目『川風に過去は流れた』だ。 前作からの流れで、妻子をヤクザたちに惨殺された丈吉(原田)が、無宿人として関八州を旅して回りながら復讐を果たさんとする展開は同じだ。ただ、丈吉への印象...
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春日太一の木曜邦画劇場 第566回「原田芳雄演じる主人公だけでなく脇役悪役までキャラ立ちしている」『無宿人御子神の丈
コメ0 週刊文春デジタル 4ヶ月前
年末に嬉しい知らせがあった。原田芳雄主演の時代劇『無宿人御子神の丈吉』三部作がDVD化されたのだ。 VHS時代も含め長くソフト化されなかったシリーズで、実は原田が亡くなった際には、付き合いのあった東宝のソフト担当者に掛け合っていたのだ。その担当も乗り気で動いてくれたのだが、結局はなかなか実現に至らな...
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春日太一の木曜邦画劇場 第565回「物語中盤から見せる丹波の大熱演。計算された橋本脚本は見逃せない」『人間革命』
コメ0 週刊文春デジタル 4ヶ月前
今回は『人間革命』を取り上げる。原作は池田大作。自身の師でもある創価学会二代目会長・戸田城聖の半生を追った小説を映画化した作品だ。 太平洋戦争末期、信教を捨てて転宗することを拒んだことで投獄されていた戸田(丹波哲郎)が出所してくるところから、物語は始まる。そこからしばらくは、戸田による学会立て...
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春日太一の木曜邦画劇場 第564回「別々の4人の物語が終盤で一つに。これが『まくり』の橋本の腕力だ!」『七つの弾丸』
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
橋本忍といえば、『砂の器』『八つ墓村』などにおいて、原作の内容をガラリと変えて自分の色に染め上げる豪快な脚色をしてきた。ただその一方で、キャリアの前半ではオリジナル脚本でも名作を数多く残しており、脚色だけでなくゼロからの創作においても類稀な技量を見せつけている。 今回取り上げる『七つの弾丸』も...
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春日太一の木曜邦画劇場 第563回「恐ろしいまでの『作家の業』。鶴屋南北の姿が橋本忍に重なる」『白扇 みだれ黒髪』
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
橋本忍は名作として広く知られる映画の脚本を数多く書いてきた。ただ、実は結構な多作でもあり、そのフィルモグラフィの中には有名ではない作品も少なくない。 そうした映画は、名画座や衛星放送で稀にかかる時にしか観る機会はなかった。それが今では、配信プラットフォームのU-NEXTでかなりの数が観られるように。...
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春日太一の木曜邦画劇場 第562回「幼い頃、逢魔が時に見た本作が橋本忍の名を強烈に焼き付けた」『八つ墓村』
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
おかげさまで、最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』は発売から三日で重版という猛烈な初動の売れ方となった。 その生涯を追うほどに橋本作品に魅せられたキッカケは、子どもの頃の土曜日の夕方にテレビで観た二本の映画だ。 一つは『影の車』。不倫相手の息子に殺されるかもしれないと考えるよ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第561回「悲劇をドラマチックに。橋本忍は原作を自分の色に染め直していく!」『ゼロの焦点』
コメ0 週刊文春デジタル 5ヶ月前
橋本忍の映画人生を追った最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』では、橋本の「脚色」にも着目している。 橋本は原作小説の内容を大きく様変わりさせ、自分なりの色合いに染め直していく脚色方法を得意としていた。前々回の『砂の器』は、その最たるところといえるだろう。 今回取り上げる『ゼロ...
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春日太一の木曜邦画劇場 第560回「名作を生み続けた橋本忍は、なぜこのカオスな作品を製作したのか」『幻の湖』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が十一月二十七日に発売される。『羅生門』で脚本家デビューして以来、幾多の名作を生み出してきた橋本の映画人生は、「栄光」そのものといえる。だが、それだけではなかった。キャリアの終盤は「挫折」が続いたのだ。その双方をサブタイトルに入れたのは、光と影の双...
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春日太一の木曜邦画劇場 第559回「原作にはない過酷な父子の旅姿。年を経て橋本忍の脚色を理解する」『砂の器』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
いよいよ十一月二十七日、最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が発売される。 これは、名脚本家・橋本忍の生涯を追った評伝だ。当人への計九回、約二十時間のインタビュー、没後に発見された門外不出の創作ノート、周辺人物への取材などから、創作の裏側を詳らかにした。 そこで今回は、橋本の...
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春日太一の木曜邦画劇場 第558回「原作小説と映画的脚色を語り合った鶴橋康夫監督と筆者、若き日の記憶」『愛の流刑地』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
筆者は大学卒業後は大学院に在籍して「時代劇研究」をする一方で、脚本家を目指して各所で下働きもしていた。 その際に、最も目をかけてくださったのが、先日亡くなった鶴橋康夫監督だった。読売テレビのディレクター時代に撮った『性的黙示録』『永遠の仔』『刑事たちの夏』など、人間の深淵を抉るような毒の強いド...
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春日太一の木曜邦画劇場 第557回「定番展開のポルノ映画も監督の素性を知った途端、妖しく輝く!」『秘蔵版 日傘の女』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
今回は『秘蔵版 日傘の女』を取り上げる。戦時中を舞台にした、ポルノ映画だ。 料亭で下働きをしていたお雪(親王塚貴子)は、帝国軍人の駒造(喜田晋平)に見初められ、愛人として囲われる。だが、お雪は性的な快感を得ることができないでいた。 エスカレートする駒造の仕打ち。耐えかねたお雪は逃げ出し、想って...
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春日太一の木曜邦画劇場 第556回「付和雷同する戦禍の庶民に蔑まれる山下清。演じる小林桂樹に驚嘆!」『裸の大将』
コメ0 週刊文春デジタル 6ヶ月前
小林桂樹は不思議な俳優だ。「普通のサラリーマン」役が得意なことは、自他ともに認めている。その一方で、前回の『首』や『激動の昭和史 軍閥』や『日本沈没』のように、狂気の域にまで達した苛烈な役柄も完璧に演じてのける。実は、役柄も演技もかなり幅が広いのである。 今回取り上げる『裸の大将』も、そんな小...
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春日太一の木曜邦画劇場 第555回「警察による拷問死を追う弁護士の狂気への変貌を橋本忍が見せる!」『首』
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
いよいよ来る十一月二十七日、脚本家・橋本忍の生涯を追った評伝が発売になる。 そんなタイミングで、東宝が期せずして小林桂樹主演映画を立て続けにDVD化、その中には橋本忍脚本作品が二本あった。一つは、本連載でも何度か紹介したミステリーの傑作『白と黒』である。 そしてもう一本が、今回取り上げる『首』だ。...
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春日太一の木曜邦画劇場 第554回「あの傑作映画の「パクリ」に非ず。独創的、刺激的創作に溢れている!」『隠密侍危機一
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
今回は『隠密侍危機一発』を取り上げる。前回に続き、山下耕作監督が若手時代に撮ったモノクロの時代劇だ。 舞台は信州高遠藩。江戸詰めだった藩士・秋月慎次郎(丹波哲郎)が素行不良を咎められたという理由で国表ヘと「左遷」されてくるところから、物語は始まる。
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春日太一の木曜邦画劇場 第553回「見廻り同心たちの必死の捜査劇と長屋や路地裏の造形が素晴らしい!」『江戸犯罪帳 黒
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
今回は『江戸犯罪帳 黒い爪』を取り上げる。 隅田川に三姉妹の惨殺死体が上がるところから、物語は始まる。深川の賭場に出入りしていた四人の遊び人が捕まり、深川見廻り同心(西村晃、加藤嘉ら)の激しい拷問を経て、死罪と決まった。だが、若手同心・高倉(松方弘樹)が新たな証拠を探し出したことで他に犯人がいる...
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春日太一の木曜邦画劇場 第552回「近衛十四郎が、盲目だが凄腕の破戒僧を人間臭さとともに魅せる!」『悪坊主侠客伝』
コメ0 週刊文春デジタル 7ヶ月前
先週も述べたように、数多くある配信プラットフォームの中でも旧作邦画のラインナップにおいては、U-NEXTが圧倒的だ。ソフト化どころか名画座でも長らくお目にかかれなかったようなレアな作品が並んでいるので、そのリストを眺めていると一本ごとに「ええっ、これもあるの!」と驚愕してしまう。 今回取り上げる『悪...
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春日太一の木曜邦画劇場 第551回「U‐NEXTにあった幕末動乱劇。笠原和夫脚本で人物造形が見事!」『祇園の暗殺者』
コメ0 週刊文春デジタル 8ヶ月前
近年、さまざまな動画配信プラットフォームで、映画を気軽に観られるようになった。中でも旧作邦画に関しては、U-NEXTが圧倒的だ。 未だにソフト化されていなかったり、衛星の専門チャンネルや名画座でもあまりかからなかったり――という、「え、こんな作品も配信されているのか!」とビックリするようなレア映画が目...
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春日太一の木曜邦画劇場 第550回「予告編でネタバレなどお構いなし。角川映画は観たくなる理由がある!」『野性の証明』
コメ0 週刊文春デジタル 8ヶ月前
かつての角川映画は、予告編が感動的で、一本の映画を観たような満足を得られた。 その大きな仕掛けとしては、主題歌と映像とのミュージックビデオ的な組み合わせというのがあるという点を前回述べたのだが、実はその映像のチョイスも重要だったりする。 昨今は「ネタバレ」といって、映画の内容が事前に漏れること...