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■佐倉みさき/8月14日/20時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
スマートフォンをテーブルの上において、ノイマンは小さなため息を漏らした。「みつからないんですか?」 と私は尋ねる。ニールのことだ。 鹿児島の、あのカフェで姿を消してから、彼の行方はしれない。ノイマンは定期的に電話をかけているようだけど繋がらない。「だめね。面倒なタイミングで消えないでほしいわ」...
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■佐倉みさき/8月10日/19時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ノイマンが、一昨日の夜にあげたデータを少し急いで修正したいということで、私たちは尾道に留まっていた。 彼女は宿でノートPCを叩いていて、ニールはどこかに姿を消していた。「形式的な問題で」 とノイマンは言った。「貴女は私と同じ部屋にいてちょうだい」 形式ってなんだ、と思ったけれど、誘拐のことだろ...
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■佐倉みさき/8月9日/17時50分
コメ1 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
久瀬くんが母親を亡くしている、というのは、聞いたことがあった。 でも彼自身はなにも語らなかったし、私はその詳しい時期も知らなかった。 ――このころだったのか。 それは、私がポケットの中のキーホルダーを受け取ったのと、同じ年のことだ。やっぱり久瀬くんはすごいな、と思う。母親をなくした小学生が、それ...
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女子中学生誘拐監禁事件 学校側の「気づかなかった」に批判の声も
コメ0 AOLニュース 125ヶ月前
Filed under: 国内, 暮らし・車, ニュース中学3年の女子生徒(15)が約2週間もの長きに渡って誘拐されていた兵庫県姫路市での事件を受けて、8月7日、生徒が通う学校側では誘拐自体を把握しておらず、その期間、「生徒が一度も登校していない」という事態を、事実上、放置していたことが明らか
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■佐倉みさき/8月8日/17時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
東京を出発して、名古屋、秋田ときて、次は尾道である。 さすがにもう少し理性的なルートはなかったのだろうかとつい考えてしまうが、どうやら久瀬くんの年齢を辿っているようだから文句もいえない。 ノイマンとニールは誘拐犯であり、私はその被害者だからということで、飛行機は避けている。結局のところ、新幹線...
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■久瀬太一/8月6日/20時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
スマートフォンにメールが届くのが、断続的になってきた。 だが、電波はまだある。 ――ソルの方でなにかあったのだろうか? いや、もう充分に、有益な情報を貰っている。 そう思いながら、次のメールをひらいた。 ※ そのメールは、みさきの髪形に関することだった。 ――思えばオレは、まだ直接、みさ...
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■佐倉みさき/8月4日/17時33分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「思い出した?」 とノイマンがいう。 思い出した、というか、はじめて真相を知った。久瀬くんは素直じゃないから、私に真実すべてを話してはくれないのだ。 なんにせよ私は頷いて、それからふと気づく。 ――この人たちに、真実を話していいのだろうか? ノイマンは悪人ではないように感じている。それでも、誘拐犯...
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■佐倉みさき/8月4日/17時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
目を開くと心配そうな顔で、ノイマンがこちらを覗き込んでいた。「どうしたの? 大丈夫?」 私は思わず、反射的に応える。「あ、はい。寝てました」 感覚としては夢をみているようなものだったけれど、この返事はどうかと我ながら思う。「なにか悪い病気なんじゃないの?」「ずっと誘拐されているので、心労かもし...
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■佐倉みさき/8月3日/18時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
「あの辺りでいいわ」 とノイマンが言った。 自分がどこにいるのかわからないけれど、なんてことのない街の一角だった。 ニールが近くのパーキングに車を入れる。ふたりが車を降りたので、私もそれに従った。「旅行って、ここですか?」 あまりに近い。旅行感はない。「いいえ、旅行に行くには準備がいるでしょ。鞄...
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■佐倉みさき/8月3日/17時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
後部座席に載せられていた。 運転席にいるのはニールだ。トランクに詰め込まれはしないだけましだが、数十センチ先に誘拐犯がいるのは、やはり息が詰まる。「旅行は好きか?」 シートベルトを念入りに確認していると、前を向いたままのニールに尋ねられた。 いきなりなにを言っているんだ、こいつは。 ニールは気...
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■久瀬太一/8月3日/17時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
八千代は躊躇いのない足取りでマンションに入る。オレもその後ろに続いた。「どうしてここがわかったんだ?」 彼はいつもの、こちらの内心を見透かしたような動作で肩をすくめる。「協会内には、何人か知り合いがいる。実のところ、君の彼女の誘拐にも知り合いのひとりが関わっている」「なら、今いる場所もわかるん...
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■久瀬太一/8月3日/16時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
八千代は赤い、高級そうな国産車に乗っていた。よくわからない仕事をしているくせに、それなりに稼ぎはあるようだ。エアコンの効きも良くて快適だが、オレは宮野さんの車の方が好きだった。 移動しながらオレは、聖夜協会について、大まかな説明を受けた。「聖夜協会は元々、ジョーククラブとして誕生した。もっとも...
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■佐倉みさき/8月2日/18時57分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ノートPCを色々いじってみたが、ノイマンの言うとおり、手がかりらしいものはなにもみつからなかった。何度か、警察に助けを求めようか迷った。でも結局止めておく。 誘拐犯を信用するなんて、正気じゃないとわかっていたけれど、ノイマンはやはり最初の誘拐犯やニールとは違うように感じていた。 そうこうしてい...
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■佐倉みさき/8月2日/18時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
以前から、この日ノイマンは聖夜協会の食事会に行くと言っていた。 でもまさか誘拐した人間を、ひとり部屋に置いて出かけるつもりとは思わなかった。「もちろん逃げ出そうと思えば、逃げ出せるわよ」 黒一色のカバンを肩にかけながら、ノイマンは言った。「でも貴女はこの部屋を出ない」「どうしてわかるんですか?...
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■久瀬太一/8月2日/17時20分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
八千代が待ち合わせに指定したのは、ちょうど駅と駅の中間ほどの落ち着いた一画にある、品の良いカフェだった。店の前にはオープンテラスもあったけれど、夏の陽射しが強く、そこに座ろうという気にはなれなかった。 店内にはレコードの、レトロな音が流れていた。曲名はわからなかったが、心地のよい音楽だ。 オレ...
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■佐倉みさき/8月1日/23時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
私は清潔なシーツにくるまっていたけれど、リビングからはノイマンがキーボードを叩く音が聞えていて落ち着かない。 彼女の仕事の締め切りは明日だ。聖夜協会から請け負ったという仕事がどうなろうと知ったことではなかったけれど、やはり人が働いている横で眠るのは気がひける。この数日の私の仕事といえば、何度か...
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「ゴー宣道場」応募が締め切られた
コメ0 小林よしのりライジング 125ヶ月前
; 「ゴー宣道場」の応募が締め切られた。 今回は「危ない日本語」がテーマだったが、途中から 『保守も知らない靖国神社』への関心が多くなり、 さらに少女誘拐監禁事件が起こったら、 「児童ポルノ法」への関心が母親と [...]
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■佐倉みさき/7月30日/9時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
誘拐犯のくせに私には健康的な生活を提供してくれるノイマンだけれど、彼女自身はそれほど健康的というわけでもないようだった。 目を覚まして、ベッドでうだうだして、それからリビングに出ておどろいた。ノイマンが目の下に、大きな隈を作っていた。 彼女は私が眠る前と同じ姿勢で、一心不乱にノートPCを叩いて...
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■久瀬太一/7月28日/12時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
父への電話は、珍しくすんなりと繋がった。 挨拶もなにもなく、どこかにやけて聞こえる口調で、「どうだった?」と父は言った。「なにがだよ?」「佐倉さんとこの娘さんだよ。連絡あったか?」「ああ」「それで?」「ちえりとは会った。みさきはまだみつかっていない」 電話の向こうで、短い沈黙があった。 それか...
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■佐倉みさき/7月28日/10時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
長い夢をみた。 なんだか良い気持ちで、私は目を覚ます。 ベッドの上だ。清潔感のある白いシーツに寝転がっている。「よく寝る子ね」 声が聞こえた。呆れというよりは感心している風な口調だった。 目をこすって、そちらを向く。 長い黒髪が綺麗な女性が、ベッドわきの椅子に座ってこちらをみていた。「久瀬くん...
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週刊文春を読んで思うこと
コメ0 小林よしのりライジング 125ヶ月前
; 週刊文春を見てみたら、いろんなことを思った。 倉敷女児誘拐監禁事件の犯人の顔がムカつく。 警察に少女のことを「自分の妻です」と言ったというから、 もう日常と非日常の区別がつけられない精神状態になっている。 [...]
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■佐倉みさき/7月27日/12時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
――よし。 指先に、求めていた感触があった。 やれる。このトランクを抜け出せる。 街中ならあの眼鏡も、簡単に銃をちらつかせたりはできないだろう。人目がある中で誘拐を続行することは難しいはずだ。今度はきちんとナンバープレートを確認してやる。 あとは、タイミングだ。 車が停まったとき。できるなら、眼...
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■佐倉みさき/7月27日/11時30分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
サングラスの目的がわからない。 部屋の中で転がり回っていた私に対して怒っても焦ってもいないようだったし、相変わらず監視は荒いままだった。単に興味がないのだろうか。なら誘拐なんてしないでほしい。 時間の感覚がなくなりつつあった。部屋はいつも通りだ。いつものように暗く、いつものように私は床に横たわ...
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■久瀬太一/7月27日/11時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
佐倉ちえりとの待ち合わせ場所は、都内のある喫茶店だった。オレがとっているホテルから少し距離がある。 オレはちょうど11時になる頃、約束の喫茶店に入った。 店内をざっと見渡すと、若い女性がひとり、席から立ち上がって頭を下げた。彼女が佐倉ちえりだ。 オレが歩み寄ると、彼女は微笑んで、「変わっていませ...
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■佐倉みさき/7月26日/24時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
丸一日、私はフローリングの上に転がっていたのだった。 人間というのは意外と環境に対応するもので、私は両手両足をしばられ口にガムテープを貼られたまま身体をストレッチする方法を習得しつつあったけれど、とはいえ腕も足も可動範囲が極めて制限されているから全身の筋肉が強張って気持ちが悪い。これまで肩こり...
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■久瀬太一/7月26日/22時10分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
彼女は7月25日22:00時点では、どこかのマンションらしき部屋にいた。彼女を捕らえたサングラスの男性も部屋にいた。それ以降はわからない。 ※ ――あいつか。 オレはスマートフォンを強く握りしめる。 やっぱり、あいつなのか。 考えれば、当然、推測が着くことだ。 明日の意味がまったく変わったように...
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■久瀬太一/7月26日/12時
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
ずいぶん空腹だった。思えば昨日から、まともに食事を摂っていない。 目の前に命の危機があるのだから多少の贅沢は許されるのではないかとも思ったけれど、やはりいきつけの安い定食屋に入る。今後のことを考えれば、浪費しない方がよいに決まっていた。 メンチカツ定食をかき込みながら、スマートフォンで撮影した...
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■久瀬太一/7月25日/22時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
目を覚ました時、オレは白いベッドの上にいた。消毒薬の匂いがしたわけでもないけれど、ここが病院の一室だとわかった。 オレは頭を掻く。全身がまだ痛いが、骨が折れている様子もなかった。とりあえずベッドから立ち上がり、身体が動くことに安心する。 ――オレは。 きっと、警官の前で気を失ったのだろう。そして...
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■佐倉みさき/7月25日/22時20分
コメ1 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
奇妙に息苦しかった。 周囲は薄暗い。どこか、フローリングの上に転がされているようだ。そう間もなく、また誘拐されたのだ、と気づく。 今度は手足が縛られていた。口にはガムテープか何かがはりつけられている。べったりと頬を覆う粘着面が気持ち悪かった。 首を動かし、辺りを見渡す。 広い部屋だ。高級マンシ...
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■佐倉みさき/7月25日/20時40分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
私はまだ捕らえられている。 それでも、爆弾は止まったのだ。 ――きっと、反撃のチャンスはある。 誘拐犯には、私に対する明確な殺意があった。そう仮定する。 なら、時限爆弾を止めたことは、あちらにとっては想定外なはずだ。爆発が起こらなければ、必ずこの部屋の様子をみにくる。間違いない。それが起こるのは...
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■久瀬太一/7月25日/19時05分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
オレは椅子に縛られ、床に転がったまま、目の前の図をじっと眺める。 ――これを読み解けば、みさきを助けられるのか? いや、でもどうやって解除方法を伝えればいい? オレはしばられ、身動きがとけない。 スーツの男は再びベッドに腰を下ろし、懐中時計を眺めている。「ああ、もう日が暮れてしまうじゃないか」 ...
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■久瀬太一/7月25日/18時45分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
目を開けても視界はぼやけていた。 頭と肩の辺りに痛みが残っていた。 ――いったい、オレはどれだけ気を失っていた? 時間の感覚がない。 どうやらオレは、ロープで椅子に縛りつけられているようだった。木製の小さな椅子だ。オレの身体には合わず、窮屈に感じる。 カーテンのない窓から空がみえる。ちょうど夕暮...
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■久瀬太一/7月25日/16時20分
コメ0 3D小説「bell」本編 125ヶ月前
オレはドアに両手をつく。「こんなところで何してんだよ?」「そっちこそ。どうして……」「なんとなくだよ。なんだっていいだろ」 君が倒れている未来をみて、なんて、いちいち説明していられない。「ドア、開けてくれよ」「ダメ。ドアノブがないの」「ない?」「なんか、コンクリートで埋まってて」 やはり彼女は誘...
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女児誘拐事件、アニメの影響を指摘したテリー発言に「またアニメが悪者か」
コメ0 AOLニュース 125ヶ月前
Filed under: 国内, 暮らし・車, ニュース岡山で発生した女児誘拐事件の被疑者逮捕を受け、連日、被疑者の内面性などについて言及する報道が激増しているが、そうした中、テリー伊藤が語ったコメントが物議を醸している。問題となったのは7月22日朝に放映された情報番組『スッキリ!!』(日本