近況報告コラム「東奔西走」第39回 ------------------------------------------文化になる日 ------------------------------------------個人的な所感ではあるけれど、2.5次元演劇と普通の演劇（なにを以て普通とするかはさておき）は演技における方法論がまったく異なる。普通の演劇の名優を連れてきたからといって2.5次元演劇に適応できるかは別の話だし（適応できる人もいる）、2.5次元を突き詰めた俳優が普通の演劇に対応するのも容易な話ではない。 それじゃダメだという人もいる。でも、俺はそれでいいと思っている。2.5次元系の演劇関係者のあいだでよく話されるのは、2.5次元俳優の将来についてだ。創作世界のキャラクターと違い、人間は歳を取る。年齢を重ねて、新しく出てきた若手にかつての自分のポジションを取られ、今までやってきた

近況報告コラム「東奔西走」第38回 ------------------------------------------世界が回っている ------------------------------------------先日、『TRUMP』『SPECTER』『グランギニョル』の上演権を期間限定で開放した。TRUMPシリーズ１０周年企画の一環としてだ。ミュージカル『マリーゴールド』を皮切りに始まる１０周年企画。思いついたことは一先ず全部やってみようという精神でいる。中には「いや、いくらなんでもそれはちょっとムリ！」と言われてしまったものもある。たとえば、「TRUMPシリーズ一挙上映会」がそれだ。『マリーゴールド』に向けて上映会をしたいと提案したが、制作スタッフは差し迫る『マリーゴールド』の準備で手一杯なため、「人手が足りない！」ということでこの話はなしになった。「たとえば」という書き出しで