第444号 2022.8.16発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…8月2日から3日にかけ、米国の大統領・副大統領に次ぐ「ナンバー3」といわれる下院議長、ナンシー・ペロシが台湾を訪問したが、それに対して中国は「報復」のように台湾近海での軍事演習を4日から9日まで行った。4日に行われた国際会議で、日本の林芳正外相が中国の軍事演習に「懸念」を表明したところ、中国の王毅国務委員兼外相が激怒。台湾の現状について日本の「歴史的な責任」を持ち出し「日本には発言する資格がない」と声を荒らげたという。今回は、この中国のイチャモンに対して徹底反論する!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…話題の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ/8月7日放送)「安定的な皇位継承とは?皇室と王室を考える!」を視聴した。なかでも、女性でありながら男尊女卑に加担する、典型的な“男系固執村”の村人と化した著名女性、倉田真由美、山口真由の両氏について書いておきたい。男尊女卑感覚や血に対する“穢れ”思想とは、そもそもいつの時代の感覚なのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…死に際して泰然としていられる自信はある?コロナ治療薬が回ってきていないのが感染拡大の原因?日本人はカルトに染まりやすいのでは?ガリガリ君の新作が出たら試してみる派?安倍元首相を暗殺した山上容疑者は死刑になる?ルールとマナーは厳密にはどう違う?糞口感染だとしたら、なぜ歯医者ではクラスターが起こらなかったの?安倍氏は嫌韓ネトウヨと親和性が高かったのに、反日の韓国系カルト協会とズブズブだったのは一体どういうこと?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第473回「ウクライナから台湾へ?」
2. しゃべらせてクリ!・第400回「ぽっくん涙の土下座! これもそれもあれもどれも赦してクリ~!の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第267回「男尊女卑に血の穢れ…それ、いつの時代ですか?」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第473回「ウクライナから台湾へ?」 もしもロシアがウクライナ侵略を達成し、国際法秩序の破壊に成功したら、中国は迷わず台湾を侵攻するだろう。だが逆にロシアが失敗したら、中国も一蓮托生となるかもしれない。今は世界史的な分水嶺にある。
8月2日から3日にかけ、米国の大統領・副大統領に次ぐ「ナンバー3」といわれる下院議長、ナンシー・ペロシが台湾を訪問した。
これに中国は猛反発、事前には米中首脳会談で習近平国家主席がバイデン大統領に「火遊びすれば身を焦がす」と警告した。
この言い回し、ほとんどマフィアの恫喝だが、ペロシはこれに動じず台湾訪問を実行。中国はその「報復」のように、台湾近海での軍事演習を4日から9日まで行った。
そしてこれとちょうど時を同じくして3日から5日までの間、カンボジアの首都プノンペンでは、ASEAN関連の国際会議が開催されていた。
台湾問題に関してASEAN各国の対応は分かれていて、シンガポールやマレーシアなど、米中双方と経済的な結びつきが強い国は「中立」的な態度を取り、カンボジアやラオスなど、中国に経済で大きく依存している国は「台湾や新疆ウイグル自治区、香港などは全て中国の内政問題」として、中国寄りの態度を取っている。
ウクライナ戦争について、ロシアへの依存度によって各国の態度が変わるのと同じ現象である。
そんな中、4日に行われた会議で日本の林芳正外相は、中国の軍事演習に「懸念」を示した。
すると、これに対して中国の王毅国務委員兼外相が激怒。王は台湾の現状について日本の「歴史的な責任」を持ち出し、「日本には発言する資格がない」と声を荒らげたという。
中国外務省も報道官(外務次官補)が記者会見で「日本は台湾問題で歴史的な罪を負っており、とやかく言う資格はない」と発言した。
王毅は4日に予定されていた、対面では1年9カ月ぶりとなる日中外相会談を開始予定の2時間前に急遽キャンセル。
翌5日の東アジアサミット外相会議では林外相の発言の際、ロシアのラブロフ外相とともに退席した。
一国の外相が国際会議の席で声を荒げて激怒し、その後にドタキャンだのボイコットだのを繰り返すとは、あまりにも子供じみていて外交的には失態としか思えないが、それほどまでに余裕を失っているようにも見える。
中国は日本に対しては、居丈高に「歴史的な責任」を言いさえすれば勝てると思っているから、今回も「日本は台湾を植民地にしていたのだから、台湾のことを言う資格はない」と言えば、日本は黙ると思ったのだろう。
そして実際に、中国に「歴史カード」を出されたら直ちに平伏する、歴史を全く知らないバカな日本人もいるのだから、始末に悪い。
そこで今回は、この中国のイチャモンに対して反論しておこう。
とはいえ、細かい検証などする以前に、いくらなんでも「台湾を植民地にしていた日本には、台湾のことでモノ申す資格はない」というのは、呆れるほど見当はずれな言いがかりであることは明白である。
だったら、ミャンマー(ビルマ)を植民地にしていたイギリスは、現在のミャンマーにおける人権侵害に対して何も言う資格はないのだろうか? もちろんそんなことはなく、イギリスはミャンマーの軍事政権に制裁措置を行っている。ミャンマーに対しては、なぜか日本政府の方が制裁に消極的なのだが。
さて、まず強調しておかなければならないことは、現在の中国=中華人民共和国は、歴史上一度も台湾を国土としたことがないという事実である!
コメント
コメントを書くこんにちは。
私的な面で色々とヤマ場を迎えてテンパっていて、今週はなかなかコメント出来ませんでした。
日本も色々と大問題が噴出していて、大きな節目を近いうちに迎えるのではないか、といった感じです。
思う所を全部書くと膨大な量になりかねないので、小林先生のブログに関連して『公安』に関して少し。
公安にとって「オウム真理教による一連のテロ事件」は『黒歴史』でしょう。公安がきちんと機能していれば防げた事件です。
公安は「日本共産党に政権を取らせない」という点に気を取られ過ぎて、他の面が全くおろそかになっていました。「公安より日本共産党の方が調査能力は上」などと揶揄される始末でした。
そんな公安が、政治家に言われるがままに統一協会を監視対象から外すなど、『黒歴史の教訓』を全く活かしていない事が露呈してしまいました。
こんな体たらくなので、公安が統一協会を監視すれば一安心とは言い切れません。「何もしないよりはマシ」といった程度だと思います。
公安も、機構改革や意識改革が必要かも知れません。
安倍元首相デジタル献花プロジェクトというのが今年の8月からツイッターで立ち上げて来月の27日までやるそうです。立ち上げたメンツが20代から30代の有志から作られたとあり、だれなのか謎です。話題になっていたので。
こんばんは。
ライジング配信ありがとうございますvv
木蘭さんのトンデモ見聞録・第267回「男尊女卑に血の穢れ…それ、いつの時代ですか?」
拝読しました。
倉田真由美氏が、「将来的には(直系長子優先継承)賛成」と平然と言えるのは、女性皇族は天皇・皇族以外の男性と結婚すれば皇族の身分を離れなくてはならないことも、一度皇族の身分から離れれば二度と皇族には戻れないことも、分かってなからでしょう。
今の男系男子限定継承のままでは、悠仁さまが男子に恵まれなければ皇統は断絶します。悠仁さまのご結婚相手は「男子が産まれなければ皇統断絶」という状況で、「男子産め圧力」に晒されることになります。
「男子産め圧力」に晒され続けた皇后さまは適応障害を患われ、今も療養中の身の上です。それが現在進行形である以上、悠仁さまはご結婚できるかどうかも危うい状況です。
それも倉田氏は分かろうともされないのでしょう。
竹田恒泰氏も、山口真由氏も、女性・女系天皇を否定するためだけに、中国由来カルトの“血の穢れ”という概念を都合よく利用しているだけ。
実際に穢れているのは、血でも月経でもなく、「血の穢れがあるから女性には皇位を継がせない」と言い張る竹田氏や山口氏の性根でしょう。
>>208 前のブログコメントなんで見てるかどうかはわかりませんが、一応反論しておくと、私のコメントのメインはトッキーの、そういう感染者を責めるような医療従事者が本当にいるのか?的な疑問に、私が普段見ているSNS上では結構みかけますよ、という情報提供的な意味合いです。後半に関してはサヨク的知識人にありがちな皇室に対して、大して興味を持ってない人にいくら皇室の大切さを説いても暖簾に腕押しじゃないかなぁっていう意見と、あと皇室に対する知識が薄い一般人は、こういうのを見ると「皇室問題って怖いんだな。関わらんとこ」って思い余計距離を置かれてしまわないかな?と危惧ですね。あとSNSに関するくらたまさんの主義に関しては、そういう主義で前からやってますよ。っていう情報提供のつもりでした。まあ、最後に擁護って書いたので反応されたのかもしれませんが、実際みたらあんま擁護になってないですねw
あと、私のPN(って言うのかな?)を揶揄されて「立ち読みして流されるよしりん先生」と書かれていますが、名前の由来は「適当に流し読み」するという意味ではなく、本屋に行って色々な本を立ち読みして面白い本を探すのが大好きという所から来てます。まあ、最近は書店が減ってできなくなって寂しいですが…
まあ、どうでもいいですね
なんか長文で反論があって気になって返信しましたが、まあ、適当に流し読みしてください
公論サポーター東海支部の茶吞みじじいです。
9/11開催の東海ゴー宣道場に当選された方へのお知らせです。
東海支部では、道場当日本編開始前の11時~12時に「名古屋か(なごやか)座談会」と題して
参加者の皆さんと私ども公論サポーターとの交流企画を行います。
あなたの周りにいる男系派のトンデモな発言や、逆に皇室を敬愛するお知り合いの話など、情報交換することで何か新しい発想が生まれるかも知れません。
愚痴、笑い話、なんでもOK!気軽に語り合いましょう!
まずは、下記の東海支部のメールまで
・お名前(同伴者といっしょに参加される場合はその方も)
・当選番号
・お住まいの都道府県
・座談会に興味を持たれた理由
を書いて送ってください。
メールの件名には 「名古屋か座談会参加希望」 と明記ください。
東海支部e-mail
tokaigosendojosetueitai@yahoo.co.jp
ご応募お待ちしております~
今号の感想を書きます。
ゴー宣の感想です。
オドレら正気かin横浜Liveで、ウクライナが日本と同じく平和ボケであったことを知った時は衝撃でしたが、ウクライナ人は戦う気概がある分羨ましくもあります。
翻って我が日本は、8月になったら戦争と平和について考えると言ってマスコミは戦争はいけないという化石脳による最早論とは呼べない論調で国民を洗脳しようと躍起です。
かたや大衆は、マスコミの反戦報道にウンザリしているかと思いきや、アメリカあるいはウクライナもロシアもどっちもどっちという煮え切らない態度ばかりが目立ちます。
すぐ目の前で中国が台湾を恫喝しているのに、これ以上平和ボケを日本は続けて良いのでしょうか?
自称保守は統一協会とベッタリの自民党を擁護し、自称西部邁氏の後継者とその雑誌はロシアを擁護する、こんな連中が「保守」を名乗るとは、呆れます。
台湾の危機は日本の危機ですので、今後も注視します。それにしても小林先生の分析はNHKよりもしっくりきます。
トンデモ見聞録の感想です。
「論破祭り」に関しては、体調が万全になったら思い切り全開でやるとして、倉田真由美や山口真由の意見のアナクロニズムさは、何なのか未だに理解しがたいです。
男の私でさえ、「男尊女卑をひっくり返すのは無理」とか「女は血が穢れている」と言うのは躊躇われるのに、女性の倉田氏や山口氏が平然とそれを言うのはどうかしてるのではないか?
さすがはもくれん先生、古事記からの引用で、月経は穢れではない事を説くなんて!見事です。
それにしても、「血盆経」なるもの、今号で初めて知りました。それで知った勢いでネットで調べてみたら、富山と千葉で最近、昭和時代までそんな信仰があった事を知り仰天しました。
古代日本にはそんな信仰はなかったんですね。海の向こうの国からやってきた信仰なんですね。
じゃあ伝統じゃないやんか!
倉田真由美さん、山口真由さん、こういうのは「伝統」とは言わず、「因習」というのですよ。
おっと、「論破祭り」は後回しにしようと思ったらいつの間にかお二人を論破してしまった。
論破祭り、面白いのでいつまでも続いてほしい。
次号も感想を書く予定です。
この号の「しゃべクリ」の、「丁寧に説明する」のコマの元になったのは、サカナクションの「新宝島」の歌詞で、そこから着想を得ました。
サカナクションは北海道出身ということもあって、丁寧に→サカナクションの歌詞→北海道→札幌市→手稲区→「ていね」の連想でネタが思い浮かびました。
どうでもいいかもしれないですね。
失礼しました。ゲロゲロ🐸
♪
m
ゴー宣「ウクライナから台湾へ?」を読みました。ようやく、読みました。
冒頭の文章を読み、今は世界史的な分水嶺にあると、改めて身の引き締まる思いが致しました。
ロシアと中国が、一蓮托生で倒れて欲しいと願います。それにより、解放される国の人々が、どれ程居るのだろうかと想像すると、正義と平和の為に、そうなって欲しいと願わずにはおられません。
一方、そうなった時、最後の断末魔を上げる露中両国のすぐそばに居ながら、まるで準備が整っていない日本は、どうなってしまうのか、一体どれほどの被害を被ってしまうのか、想像すると恐ろしいです。おそらく、想像が追い付かない程の恐怖が待ち受けているのではないか、そう思えます。
けれど、これは運命かも知れない、そんな思いも強く致します。
皇位の安定継承を初めとした諸問題の原因が、統一協会問題にあったことが、奇しくも今、発覚致しました。その問題解決が間に合えば、日本にも光明が射すかと思います。露中の暴走にも耐えうる秩序の根幹が、おぼろげながらも整うかと。
何としても間に合わせて、なるべく万全の体勢で、大きな時代のうねりに向かい合いたいです。
今回のゴー宣を読み、改めまして歴史認識を学ばせて頂きました。とても実りのあるものでした。
権威主義・独裁主義国家のやることは、ソックリだと言うことは、肝に銘じておきます。
今号も、どうもありがとうございました。
トンデモ見聞録「男尊女卑に血の穢れ…それ、いつの時代ですか?」を読みました。ようやく、読みました。
木蘭先生は、男系村の住人になりたがっている2人の心理を完璧に見抜かれていますね。
2人は、自分のせせこましくて卑しい内面が露呈していることに、気付けないのでしょう。みんな、自分と同じ思考回路になるはずだから、分かりっこないと思っているのか。
恥ずかしさに気付けないなんて、憐れです。
くらたまの感覚は、同世代だから分かります。けど、下の世代からは1番煙たがられる、頭のカチカチな迷惑オバサンになってしまっている。
山口真由は、女性を代表して発言する気概なんて無いのでしょうね。自分に実害が及ばなければ、怒りも湧かないのでしょうか。
古くて権威がありそうなものには、騙されやすいとか。
玉川徹と一緒にテレビに出られるくらいだから、竹田恒泰にヨイショするのもお茶の子さいさいなのでしょう。
旧皇室典範改正で、側室有りの男系男子継承が書かれた明治時代に、「血の穢れ」が否定されていた事実は、日本人への希望を感じて、とても嬉しくなりました。
分かりやすく、胸のすく論考を、どうもありがとうございました☆