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「素晴らしい未来はひとり一人のやさしい想いが編み上げる奇跡なんだと思った。」
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「素晴らしい未来はひとり一人のやさしい想いが編み上げる奇跡なんだと思った。」

2016-06-03 07:00
  • 10

 子供たちの「大切に育てまーす!」という元気な声が初夏の校庭に響き渡っていた。小さな手にひと粒ずつ託されたのはひまわりの種。僕がその想いを受け継ぎ、東京のコミュニティFM「渋谷のラジオ」に託した「未来の種」だ。

 2020年までにヒートアイランドを解消するという目標を掲げ、渋谷区で養蜂を通じての緑化活動を推進されているKATSU佐藤さんから「未来の種」を渋谷区の小学校で子供たちに植えて貰ったと、ラジオを通じて報告があったのは昨日のことだ。

「このひまわり、最初のひと粒は福山雅治さんが2002年に植えた種なんです」(※2002年に放送されていた「福山エンヂニヤリング」というテレビ番組において)

 KATSUさんがあったかい語り口で子供たちひとり一人に託された種の由来を説明する。

「このひと粒を植えて大切に育てて花を咲かせると、100粒くらいの種が採れるんですね」

 手の平のひと粒がやがて100粒になるという事実に子供たちが驚きの声を上げる。

「それを15年間、夏が来るたびに大勢の人が繰り返して来た結果が、皆さんひとり一人に託したひと粒の種なんです」

 自分たちが生まれる前から15年に渡って繋がれて来た命の連鎖について、そしてその重みについて彼らなりに理解してくれたのだろう。その答えが子供たちの中から自然に沸き上がって来た「大切に育てまーす!」という元気な声だった。

 都市開発により失われた緑を取り戻すことで温暖化を食い止め、2000年前から受け継いで来た渋谷という土地を、未来の子供たちに繋いでいきたいとKATSUさんは語っていた。そう、土を耕し、種を蒔くのは、今生きている自分たちが愛でる花や食べる物を育てることだけが目的なんじゃない。生きた大地を守ること。そして、そこで芽を出す種を守ること。すなわち地球環境と種を保存し、未来につなぐことも大きな使命なのだ。しかし、経済効率が優先されがちな現代において種を採っているのは「種の大切さ」に気づいている一部の有機農家だけだ。多くの農家が種苗メーカーが改良した種を毎年買い、収穫を終えたら次の作付けの為に畑を空ける。人類の未来はもはやグローバルな種苗メーカーだけに握られていると言う識者も数多くいる。

 しかしそれも仕方ないのだろう。経験したことのある人なら分かると思うけれど、種を採るのはそれなりに面倒だ。ひまわりで言えば花を楽しんだ夏が終わっても土から茎を抜くことなく、その命が朽ち果てるのを晩秋まで待ち続けなければならない。命に対する慈しみとやさしさがなければできない行為だ。にもかかわらず「未来の種」を手にした人たちはそれを誰に頼まれたわけでもないのにやってくれた。そして全国に拡散してくれた。その命を繋いでくれた。もちろん知っていた。毎年夏に花を咲かせたひまわりを、福山さんのラジオ番組に届く手紙やファンクラブの会報に掲載された写真などで目にするたび、この静かなる連鎖は「実はとてもすごいことなんじゃないだろうか」と感じていた。それは3年前、大勢の人が繋いで来た中の数粒が僕の手元にも届いた時、確信に変わった。

 今年25周年を迎えたファンクラブBROS.について「いい人、やさしい人が多いですよ」と福山さん自身も語っていたけれど、そんなファンの皆さんによって15年の長きに渡り命をつながれて来た「未来の種」はまさしくそれを象徴するもののひとつなんじゃないだろうか。そして、そのやさしさの種はこの夏、東京の渋谷区でも子供たちの手でさらなる未来へと受け継がれ始めた。

 ここまで命をつないで来てくれたファンの皆さんひとり一人のやさしい想いに僕からも改めて感謝の意を伝えさせて頂きたいと思います。

 本当に、本当にありがとうございます。

 素晴らしい未来はひとり一人のやさしい想いが編み上げる奇跡だと、改めて気づかされました。

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おはようございます。
大量生産・大量消費が「当たり前」になってしまっている現代は多くの方々が「生命」の尊さを忘れてしまったり、分かっていても後回しにしているように思います。
自分も「生命」の尊さを意識するように心掛けていますが、ふとした瞬間に忘れているのかもしれません。
そう考えると今の世界の現状は自分にも責任があります。
世の中の流れに流されるのではなく、本当に大切にしたいことを大切にしていくことが一番大事なことで一番素晴らしいことなのかもしれません。
大切なことを考える機会を与えてくださり、ありがとうございます。

No.1 96ヶ月前

おはようございます。

今朝の小原さんのコメント、BROS.の一員として本当に嬉しいです。ありがとうございます。エンヂ二ヤリングから15年、縁あってやっと自分の手元に届いた未来の種だからこそ、大切さやその思いを知っているBROS.だったからこそ、こうやって繋がっているのだと思います。本当に、みんなみんな大切に大切に育て、生長を報告しあって喜んだり悲しんだり。そんな経験をさせてもらっているだけで、福山さんたちに感謝しているんですよ♪

こんなふうに、種を愛するあったかい想いがみんなに伝われば、農家の種問題もヒートアイランド現象も少しずついい方向へ向くのではないかと思います。

渋谷で未来の種。小学生がきっと育てて、種をとって、次に渡し続けてくれるんですね。小原さん、はじめ、渋谷のラジオの皆さんに感謝です。

今年は今以上に、BROS.以外の場所で楽しい話が聞けますね♪楽しみです。

No.2 96ヶ月前

おはようございます。
『未来の種』我が家でもすくすく育ってます。(この春に種をいただきました)
譲ってくれたましゃ友さん(福山さんファンのお友達)は
「もう、何代目かわからなくなっちゃった~」と言ってました。15代目なんですね。ほんとに、ずっと繋いでくれた方々に感謝です。
嬉しい偶然で、今日『ましゃ友ランチ会』があるのでこの話してきまーす!!

No.3 96ヶ月前

それぞれが色んな想いを込めて育て繋がれた未来の種。同じなのは福山雅治を愛して止まないこと。BROSの一員でいられたことに感謝しています。
私のもとに来たのは仙台ライヴ。未来の種が新しい店舗で育てられたらいいなと話していた矢先、頂くことが出来ました。10粒から4000粒に‼
命のリレーです。娘たちがお世話になった小学校の教頭先生から是非種を蒔かせて下さいと暖かい言葉を頂いたので今年は小学校でも育てています。
先日の渋谷のラジオでのコメントも心が温まり嬉しかった。BROSで良かった。みんなに出逢えて良かったと思いました。
今年はどんな花が咲くか楽しみです。
SIONさんの12月の歌詞の【ひからびた時間に 夢という水をまき】と思いながら福山さんに逢えることを願いながら毎日ひまわりに水をあげています(笑)

こどもたち。ひまわりのように こころもからだも
大きくなあれo(*⌒―⌒*)o

No.4 96ヶ月前
userPhoto 小原信治(著者)

>>1
今、日本で生きる子供の6人に1人が貧困に喘ぎ食べるものも食べられないそうです。大量生産大量消費の国でどうしてと思うかもしれませんが、その原因が大量生産大量消費にあると知るとなおさら生命を大切にしなければならないのだと思いますよね。

No.5 96ヶ月前
userPhoto 小原信治(著者)

>>2
命だけでなく「やさしい気持ち」を未来に繋いでいるんだなと子供たちの言葉を聞いて改めて感じました。やさしさを15年間繋いで来た皆さんは本当に素晴らしいと思います。

No.6 96ヶ月前
userPhoto 小原信治(著者)

>>3
わからないくらい繋いでいるのもすごいことですよね。ありがとうございます。

No.7 96ヶ月前
userPhoto 小原信治(著者)

>>4
仙台を始め東北の被災地でもたくさんの花を咲かせていると伺っています。皆さん本当に素敵だと思います。本当に本当にありがとうございます。

No.8 96ヶ月前

いろんな人に渡り、命のリレーがこんなに長く続いているって素晴らしいことですね。
お子さんたちの「大切に育てます」という声。永遠に続いていくといいですね。
ひまわりの種、いつか私にもくるかな?(笑)

No.9 96ヶ月前
userPhoto 小原信治(著者)

>>9
本当に素晴らしいことですよね。こういう話こそ多くの人に伝わればいいのにとひそかに思っていたりします。

No.10 96ヶ月前
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