01月07日に,ジュニアドクター育成塾事業「科学イノベーション挑戦講座」第6テーマ「ロケットで宇宙を目指す」の内容について,受講生がえひめこども科学新聞第5号を作成しました。
今回も未来の受講生(小学校2年生)からも新聞の画像が送られてきました。
個人情報を削除した新聞を以下に示します。
どの紙面が良かったかについて,投票を受け付けています。
どなたでも投票に参加できます。締め切り2018年02月17日(土)18:00
投票サイト
https://goo.gl/forms/iGp9dpyIAwvKA3M33
※投票は公平を期すために1端末1回までです。
※個人情報は収集していません。
以下の3つの観点で,どの紙面が良いかを投票してください。
1 伝わりやすい紙面
2 独創的な紙面
3 チームでの一体感がある紙面

1班 愛媛大学から宇宙へ
2班 宇宙の果までイッテU
3班 ロケット To the Future
4班 技術の宝箱ロケット
5班 打ち上げよう! 〜地球と宇宙を学ぶ架け橋〜
6班 ハイブリッドロケットの可能性
7班 羽ばたけ! ハイブリッドロケット
8班 飛べ!!ハイブリッドロケット
図9 飛べ!ロケット!!
(9班は特別チームとして1名で作成しています)
図10 ロケット,宇宙を目指せ
(小学校2年生の未来の受講生が1人で作成しました)
以上です。どの新聞も2時間で作成した力作ぞろいですね。
せっかく読んでいただいたので,投票をお待ちしています。
【ジュニアドクター育成塾】第6テーマ「ロケットで宇宙を目指す」実験解説【愛媛大学】

図1 愛媛大学工学部の中原真也教授
今回用いた教育用ハイブリッドロケットは,愛媛大学工学部の中原教授が,埼玉工業大学の石原教授とともに開発したものです。火薬を使うロケットはさまざまな規制があって,かんたんに発射試験を行うことができません。そこで,開発されたのが,安全性の高い次世代ロケット,ハイブリッドロケットを題材にした教育用ロケットなのです。

図2 ハイブリッドロケット
今回は実験『ハイブリッドロケットの組み立てと発射実験』について考えてみましょう。
2 ロケットの科学理論
ロケットはどうして宇宙に飛んで行くのでしょうか?
ロケットが空を飛ぶのを支える科学理論は,作用反作用の法則と呼ばれています。
作用反作用の法則はジャンプで考えるとわかりやすいかもしれません。

思いっきり高くジャンプするためには,『床』を強くけらなくてはいけません。ここで,あなたはジャンプするときに床をける,つまり下向き(①)に力を加えています。しかし,あなたは力を加えた方向とは逆の上向き(②)に飛んでいきます。
力を作用した方向とは逆に動くので,これを反作用と呼びます。ロケットは,この作用反作用の法則を利用して,強く下向きの力を出しながら,上向きに飛んで行くのです。
また,ロケットの構造には,固体ロケット,液体ロケット,ハイブリッドロケットの3種類があります。

図3 ロケットの構造。左からハイブリッドロケット,液体ロケット,固体ロケット
それぞれの特徴は事前学習動画を確認してください。このなかでもハイブリッドロケットは,固体燃料と液体(気体)燃料の両方の良いところ取りをした次世代のロケットです。

図4 カッターコンパスでパッキンを切り出す

図5 切り出したパッキンを組み付けよう
次に点火装置の組み立てに入ります。今度は点火コイルを点火燃料であるプラスチックチューブに組み付けます。コイルとチューブは,ピッタリと密着する必要がありますので,慎重な作業が必要です。

図6 チューブに点火コイルを組み付けました
このチューブは燃料になる酸素を通すためにチューブ状になっています。考え抜かれた設計で,無駄がありません。点火コイルとチューブを組み付けたら,今度は固体燃料に点火装置を組み付けます。

図7 固体燃料(白い部分)に点火装置を組み付けます
これでハイブリッドロケットは完成です。
……いや,ちょっとまって。
せっかくですから,尾翼をつけましょう。それぞれの班が工夫した独自の尾翼を設計します。

図8 尾翼を設計しよう
完成したら打ち上げ試験です。といっても,空に向かって飛ばすと回収できないこともあるので,今回はレールの中を2 mほど飛ばします。
自信のほどは,どうでしょうか?

図9 ロケットについて一言お願いします
打ち上げ試験場はこのような感じです。臨場感は出ましたか?

図10 打ち上げ試験場
いよいよ打ち上げ試験です。打ち上げを行うときは,周りの人にもわかるように掛け声をかけます。
「点火します!」「3,2,1」「イグニッション!!」

図11 打ち上げ試験
着火に成功しました。ロケットは大きな音とともにレールの中を上のフタまで飛び上がりました。

図12 ロケットの点火の瞬間

図13 みんなで話し合います
打ち上げが終わった後は,みんなで結果について話し合います。
今回のペットボトルは500 mLと1000 mLの2種類がありました。
どちらが長く飛んだでしょうか?
また,どちらが速く飛んだでしょうか?
理論的に予測される予想と,観察した結果は同じだったでしょうか。それとも少しちがったでしょうか。それを考えることが科学です。
ロケットを通して,私たちの便利な暮らしを支える宇宙技術について考えました。みなさんが研究者になるとき,宇宙はもっと身近になっているでしょう。そのとき,あなたは何を研究するのでしょうか?
それは夢物語ではなく,20年後に現実になるお話です。
来るべき宇宙時代に,あなたなら,どんなことを研究してみたいですか?
課題2 (有効回答数37)
1 あなたが活躍したい研究はどちらでしょうか?
- ロケットを作る研究
- 宇宙を探査する研究

図1 宇宙探査とロケット開発どちらをやってみたい?
ロケット開発を希望する人が,宇宙探査の約2倍くらいでした。男女の差は,この傾向とほとんど同じです。小中学生のちがいは次のようになります。


図2 小中学生のちがい
中学生はロケットの研究に興味があることがわかります。
・テキスト・マイニングから考えよう
見える化エンジン(プラスアルファ・コンサルティング社)で分析してみましょう。全部の研究計画を分析した結果を示します。

図3 研究計画のテキスト・マイニング結果
どんな言葉がたくさん使われたのでしょうか?
単語が出て来る回数のランキングを示します。
表1 単語が出て来る回数ランキング

・男女の言葉の使い方のちがい
テキスト・マイニングの結果を男女でくらべてみましょう。

図4 男子の研究計画のテキスト・マイニング結果

図5 女子の研究計画のテキスト・マイニング結果
テキスト・マイニングからも大きなちがいは認められません。
・小中学生の言葉の使い方のちがい
小中学生ではどうなるでしょうか?

図6 小学生のテキスト・マイニング結果

図7 中学生のテキスト・マイニング結果
一番大きなちがいは,中学生の右下にある小型ロケットでしょうか。中学生は観光用を代表とする小型ロケットの開発に興味があるようです。小型ロケットは制御がやや難しいという技術的な課題がある一方で,安価で使いやすいという点に注目した中学生が多いようです。
それぞれが独自の研究計画を立てました。この計画は,ここで終わるわけではなく,みなさんが20,30年後に十分実現しうるものです。そういった夢と希望を持って,講座で学んでいくことが重要です。
このブログでは,国立大学法人愛媛大学が国立研究開発法人科学技術振興機構から受託している愛媛大学ジュニアドクター育成塾を紹介していきます。 科学や科学研究のおもしろさや重要な点を紹介し,科学者という仕事のおもしろさを伝えていければと思います。
大橋淳史准教授
愛媛大学教育学部理科教育講座で化学を担当しています。元々は合成化学や分析化学,生物化学などをやりながら博士(理学)を取得して研究畑から,教育関係に来ました。専門研究者として11年,科学教育研究者として12年,研究人生はちょうど2分されています。いろいろなことをやってきたからこそ,何にでも興味をもてるという感覚を,みなさんにも理解してもらえればと思います。
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