気がつくと、いつの間にか日本は「人気者社会」になっていた。「人気者」が脚光を浴び、優遇される世の中になったのだ。あるいは、全ての人が「人気者」を目指す時代になった。
そこで今回は、そんな「人気者社会」について考察する。

その1:「人気者社会」とは何か?
その2:なぜ「人気者社会」が到来したか?
その3:「人気者社会」になってどうなった?
その4:「人気者社会」は今後どうなるか?


その1:「人気者社会」とは何か?

「人気者社会」とは、全ての人が「人気」というものを身につける必要に迫られる時代だ。
ところで、「人気」とは何か?
それは、不特定多数の人から好かれること――である。それも、家族や友人、恋人として好かれるというよりも、タレントとして好かれるのに近い。憧れられたり、見習われたりする状態のことだ。あるいは、なんとなく好意を抱かれる状態だ。

昔は、そういう性質は一部の人が持っていれば良かった。昔は、無愛想だし、嫌われ者でも、その他の能力が高ければ、社会の中で居場所を見つけることができた。
しかし今は、ほとんどの全ての人が「人気」を持たなければいけなくなった。無愛想や嫌われ者だと、社会から爪弾きにされ、生きづらい世の中になったのである。
それを、ここでは「人気者社会」と称する。


その2:なぜ「人気者社会」になったのか

なぜ人気者社会になったかといえば、