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韓国ノワール映画の傑作『友へ チング』から12年。待望の続編となる『チング 永遠の絆』が公開されます。
編集部に届いた資料によると、本作には「『この手があったか!』と思わず膝を叩きたくなるほど狂気的な凶器が満載」、そして「狂気的な凶器は韓国ノワールの真骨頂!!」とのこと。
そこで今回は、自称凶器研究家である私が本作における「凶器攻撃シーン」を検証しました。ストーリーのネタバレは一切ありませんが、登場する凶器に関するネタバレは全開なので、ご注意ください。
なお、本記事における凶器とは「殺人に使われた道具」ではなく、「本来の用途は武器ではないのに、武器として使用された日常物」を指します。
■登場する凶器の種類
・プラスチックの箱
・バット
・角材
・燃える角材
・カマ
・灯油+ライター
・刺身包丁
・ナイフ
・木箱
・魚鈎(うおかぎ)
・木枕
・ジャージャー麺の割り箸
・食器棚
・岡持ち(出前用アルミ箱)
・屋台
・おでんの汁
・拡声器
・ゴルフクラブ
・ゴルフボール
・車
・斧
・チェーンソー
韓国では銃の規制が非常に厳しく、バトルの際は銃以外の武器や凶器で攻撃する必要があるそうです。本作では「あんたもヤクザなら凶器は使い慣れてるだろう?」という台詞すら登場します。そのため、使用される凶器も22種類となかなか多いです。
■ピックアップ凶器
『チング 永遠の絆』でまず印象に残るのは、中腰で頭がついてしまう、天井の低いサロン(?)での「木枕」攻撃。
やや地味ですが、窮屈な空間でその場にあった小さく振り回しやすい、なおかつ硬い凶器を使用するという、勢いに合理性がたまたまついてきた感が素晴らしいです。
次に、屋台周りの凶器を次々と使用する場面で登場する「拡声器」攻撃。
殴打の合間にハウリングが響くのが爽快です。欲を言えばせっかくの拡声器なので、罵声を増幅させて鼓膜にダメージを与える攻撃も加えるべきだったのではないかと思います。
そして、やはりはずせないのが「おでんの汁」攻撃。
傷口や口内炎に何かがしみる痛みを想像するとわかるかと思いますが、食品はものによっては激痛を与えられる強力な凶器です。調べたところ、どうやらこの汁は熱いだけのようなので、激辛だったらより良かったのと、おでん周りにある竹串も併用していればパーフェクトでした。
■凶器総評
想像を超えるような斬新な凶器攻撃シーンはありませんでしたが、わかりやすいものが多く、痛そう! ひどい! と素直にリアクションがとれるので、凶器を主眼としても『チング 永遠の絆』は面白いです。
どの映画でもそうですが、凶器攻撃シーンは「ぶつけると意外に痛い」、「扱いに気をつけないと実は危ない」レベルの日常物をタイミング悪く食らうと、シャレにならないダメージになるということを教えてくれます。ホラー映画が現実の恐怖の予行演習となるように、凶器攻撃シーンは現実の日常に潜む痛みへの予行演習になるわけです。
そして、格闘シーンや銃撃シーンの斬新さがアクション映画そのものを進化させてきたように、凶器攻撃シーンにもその可能性があります。
改めて感じたのは、凶器攻撃シーンにこだわった映画を作るのであれば、デスマッチ・ジーザスことネクロ・ブッチャーが出演者として必要だということ。プロレスラーとしての彼のキャリアを振り返るまでもなく、映画『レスラー』での出演シーンを見れば、それは火を見るよりも明らかです。
『チング 永遠の絆』は9月6日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー!
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(スタナー松井)
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