• このエントリーをはてなブックマークに追加
【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第二話第三章「紅き甘露」
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 第二話第三章「紅き甘露」

2022-02-20 19:35
    a698e9ec1ac3e4eb17b13cc9fe9aa9125fea69eb


    著:古樹佳夜

    絵:花篠


    -----------------------------------------------------

    ■『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』 連載詳細について

    https://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2060929

    ※本作『阿吽』のご感想・ファンアートなどは 

    #あうんくろねこ をつけてツイートいただけますと幸いです

    [本作に関する注意]---------------------------------

    本作(テキスト・イラスト含む)の全部または一部を無断で

    復製、転載、配信、送信、販売すること、

    あるいはSNSへの発信を含むウェブのアップロード、

    ウェブサイトヘの転載等を禁止します。

    また、本イラストの内容を無断で改変、改ざん等を行うこと、

    オークション等への出品も禁止します。

    -----------------------------------------------------
    -----------------------------------------------------


    ◆◆◆◆◆レストラン龍宮◆◆◆◆◆


    店主が特別に拵えたという珍魚の刺身は、

    品の良いガラス皿に乗って運ばれてきた。

    ほんの二、三切れではあったが、透き通った白身に

    少しの粗塩がまぶされていて、絶品だった。


    店主「これで、お料理は全てです」

    吽野「ごちそうさまでした!」

    阿文「どれも美味しかったです」


    二人の満足げな表情を見た店主は、にこりと笑い、一礼した。


    店主「ただいま食後のデザートをお持ちします」


    店主が廊下に去ったのを見計らい、

    吽野は小声で問いかけた。


    吽野「阿文クン、どう思う?」

    阿文「どう、とは……あの剥製のことか?」


    吽野は神妙な面持ちで頷いた。

    そして、先程のカーテンの奥にある、戸棚の方に視線を向けた。


    吽野「本物の人魚なのかな?」

    阿文「……本物なんじゃないか?」

    吽野「どうしてそう思うの?」

    阿文「あの、人の良さそうな店主が嘘をつくだろうか」


    疑いなど微塵もない、という顔で阿文は答える。


    吽野「自信たっぷりだね〜。あの人、かなり胡散臭いじゃない?」

    阿文「ははは。先生に言われたくはないだろうな」


    阿文の辛辣ぶりに、吽野は舌打ちした。


    吽野「ともかく、あれが気になるんだ。確かめてみよう」

     
    この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
    ニコニコポイントで購入

    続きを読みたい方は、ニコニコポイントで記事を購入できます。

    入会して購読

    この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

    コメントを書く
    コメントをするにはログインして下さい。