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明治維新150年を祝う政府の記念式典に思う。明治時代は明治時代だけに意義があるのではない。その後の時代にどう影響を与えたか。夏目漱石「奥行削り、一等国だけの間口張った。なまじい張れるから、なお悲惨。牛と競争をする蛙と同じ、もう君、腹が裂けるよ」
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明治維新150年を祝う政府の記念式典に思う。明治時代は明治時代だけに意義があるのではない。その後の時代にどう影響を与えたか。夏目漱石「奥行削り、一等国だけの間口張った。なまじい張れるから、なお悲惨。牛と競争をする蛙と同じ、もう君、腹が裂けるよ」

2018-10-24 09:27
  • 11

 明治時代は明治時代だけに意義があるのではない。

 明治の在り様は、その後の時代にも影響を与えていく。その視点を示しているのが夏目漱石だ。

 著書『三四郎』(1908年作)

主人公、小川三四郎が熊本の高等学校(第五高等学校)を卒業し、大学(東京帝国大学)に入学するために上京する時、車中での出来事を書いています。

*********************************

「髭の男は「いくら日露戦争に勝って、一等国になっでも駄目ですね。・・・・・」

(三四郎は)「しかしこれからは日本も段々と発展するでしょう」と弁解した。するとかの男はすましたもので、「亡びるね」といった。。。

 熊本でこんなことを口に出せばすぐ擲ぐられる。わるくすると国賊扱いにされる」

 夏目漱石は『それから』(1909年著)で、日露戦争後の日本を実に見事に描写しています。

 

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他1件のコメントを表示

トランプ氏でなくても、一体どうしてこうなったかと歯ぎしりしていることだろう。アメリカのoligarchyの構成員の中に中国の台頭が自己の欲望と一致する者がいたので亜hないか。

No.2 74ヶ月前

孫崎先生が仰る通り「日露戦争から真珠湾攻撃に至った」と私も考えます。

大仏次郎の「天皇の世紀」はもっと遡って、幕末の右翼の国粋主義に真珠湾攻撃から大敗北に至る戦争の因を求めて居ます。確かにそういう面が明治維新に臭いますね。

そういう歴史ですから、明治維新150年を無条件で祝うのはアナクロニズムそのもので滑稽至極。更に言わせてもらえれば、式典参加者全員に「周辺諸国の眼差し」がどうあるのか分からない幼児性を感じるのは私だけでしょうか。

安倍氏は天皇陛下に招待状を出せなかった。彼の精神に星条旗ファシズムがしっかり約80年前にあるからだと私は考えて居ます。菊より星条旗、倒錯しています。安倍氏の天皇陛下をネグレクトする姿は約80年前に乱暴な軍部を代表した東条英機の姿と寸分とも違わない。

No.3 74ヶ月前

>>2
米のOLIGARCHYは中国の新自由主義の採用でその指導料というかそういうものを得て膨大な利潤を蓄えたのは事実ですね。

米の金持ちはとてつもなく大きくなったが、どうでしょう。米国には貧困がある。下手すると、あなたの好きな米国にあなたが嫌うプロレタリア革命が起きますよ。それではいかんとトランプが立ち上がった、という面があると私は観ているんですが。

No.4 74ヶ月前

>>3
訂正 私の文章の4番目のパラグラフの一行目から二行目は「彼の精神に星条旗ファシズムがしっかりあるからだと私は考えます」が正しいです。

No.5 74ヶ月前

>>2
わたしは「中国」を礼賛しないし、基本、性悪の国と思っている
のですが、歴史をみれば大国なんてみなそうです。

わたしはながらく中国を注視してきました。
大変に理性的な国です。
得なることはするが損になることはしない。

わたしもoldjapさんも日本史の中で一番いい時代を
生きてきました。
わたしより年長のoldjapさんは戦争を経験されたでしょうから、
その言い方には抵抗があるかもしれませんが、わたしは
貧しい時代の日本をたっぷり知っているという程度です。

高度経済成長期に青春時代を送りましたから、有史以来
最高の日本をつまみ食いしてきた世代です。

日本は長期低落国家の道をあゆみ始めました。
GDPで中国に抜かれ、一人当たり所得でも韓国に抜かれるだろうと
予測される国になってしまいました。

ですが、希望はあります。
中国の発展です。
13億の巨大市場がこつぜんと姿を現しました。
日本のすぐ隣にです。
天は日本を見捨てなかった。
これと敵対するなどとんでもない。

中国は米国などとは違います。
冷徹に長期的スパンで損得を計算します。
日本のすべきことはただ一つ。
日本との友好善隣関係は中国の死活的利益と
中国の政治家に思わせることです。

そう思わせるぐらいの国力は今の日本に十分あります。
民主党のバカ政治家たちは中国との関係をめちゃくちゃに
壊してしまいましたが、十分に補修できます。まだ。
さいわいにして中国は冷静ですから。

中国の勃興、日本にとってのこんな幸運をドブに投げようと
しているのが今の政治家たちです。

No.6 74ヶ月前

恥ずかしながら明治の在り様も漱石もよく知らない。
「戦後史の正体」も同様でしたが、遅まきながら こうした切り口のご提示で漸く関心持ち始めた次第。
日露戦争→真珠湾攻撃→原爆投下で ついに腹が裂けるも、振り出しに戻って再び「奥行を削って、間口を広げるだけ」を繰返すのが日本だ。
まるで無限ループのように延々やっている。結局 漱石も無力なほど日本はバカな国ということでないか。国の規模に不相応な「経済大国」なども腹が裂けた蛙の屍累々ものだ。

ツイートのWP記事「米国は道徳性、人権擁護の旗手」━殺し方が良くなかった、としか聞こえない。

Tips:
「孫崎享のつぶやき」-迷惑コメントを非表示にする方法━「消さないで!」哀れウザコメ、皆ドン引き
http://magosaki-blog-tips.blogspot.com

No.8 74ヶ月前

漱石ですか・・・
あまり知られていませんが、夏目漱石(1867年-1916年)は1909年に、満州・朝鮮各地を旅行しており、そのさいの印象を
「韓満所感」として随筆にまとめ、1909年に「満洲日日新聞」に発表しています。
このなかで漱石は、「余は支那人や朝鮮人に生れなくつて、まあ善かつたと思つた」と書いています。
https://www.sankei.com/life/news/130107/lif1301070012-n1.html

なお、「満韓ところどころ」も、ゆっくり読むとなかなかおもしろい。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/781_14965.html

孫崎さんの引いているのは小説ですが、これらには、小説ではないナマの漱石の心情が書かれているのではないでしょうか。

漱石の口を借りるまでもなく、近代化に遅れた地域は当時悲惨を極めた。明治維新は、日本が植民地化を免れ、
近代化に成功する契機としての意義があり、日本人ならだれでもそれを知り、さらに学びたいとおもっているので、
何度も何度もドラマになったり小説になったりするのですね。

ところで明治維新のそのとき、日本の革命家たちは、思想的におおむね帝国主義者でもありました。つまり、日本を侵略しに来た連中を学んだわけですね。
これは、当時日本が置かれた状況をおもえば、批判できるようなことではないとわたしはおもいます。

しかし、帝国主義を大きく実践に移した、それはおおむね日露戦争の勝利のころにはじまるのですが、これがつまずきの石でした。
帝国主義思想を克服するなおいっそうの思想の深まりが日本の大勢をしめることができなかった。これが当時の日本の限界であったのでしょう。
具体的には朝鮮問題の処理と日韓併合ですね、なぜか孫崎さんは日露戦争の原因である朝鮮問題のことを書いていないのですけれど。

No.9 73ヶ月前

日韓併合は反対論も多く、もしかしたら実践しないですんだ政策でした。ここは間違いなく近代日本の岐路だったとおもいます。
すなわち、日韓併合したおかげで、日本は朝鮮の近代化に莫大なカネをつぎこむことになり、最終的にも朝鮮経営は赤字でした。おかげで
日本の財政は逼迫し、東北などの農民は困窮し、226事件の遠因にもなっています。
また、拡大した日本の外側に満州国をつくるにいたり、それが日中戦争や日米戦争の引き金になります。そして日米戦争に
負けた結果、今日まで米国に支配されることになりますが、韓国・北朝鮮にも今日まで粘着され、人をさらわれたり、カネを
むしられたりしています。そのうえ、北朝鮮に顕著ですが、李氏朝鮮の奴隷制から朝鮮人民を解放し近代化した努力はほぼ無に帰りました。

・・・と考えてくればわかるように、明治150年、日本を悩ませる問題は、その根源をたどってみれば、ほぼほぼ朝鮮問題の処理をあやまったことに
根本的原因があるのです。かまわないで、ただ放っておけば良かった。それができなかったことが大きな災厄をもたらした。

こんなふうにいえば、おまえは朝鮮(とくに北朝鮮)と戦争したいのかと誤解する友人がいます。そうではない。朝鮮にかまわないで、ただ放っておく。
そうできるためにあらゆる努力するということです。戦争は究極の接触です。そんなバカなことをすべきではない。

これから150年後、いかに医学が発達しようがわたしが生きているはずもありませんが、150年後のひとびとが、
「150年前の若い世代が、朝鮮半島にかまわないでただ放っておけるようにしてくれたおかげで、その後の日本は助かった」と言ってくれるよう、
今後も非力ながら努力していこうとおもいます。

No.10 73ヶ月前

日韓併合でなく韓国併合ではなかったかな。
どの年表にもそう書いてある。
実際には総督府を設置した植民地だったので
ドイツのオーストリア併合による第三帝国などとは
まったく違うけど。

No.11 73ヶ月前

そこの用語にこだわる向きがあるのは、知ってますが、わたしはどっちでもかまわないとおもうので、あなたが韓国併合といいたければ、そう読み替えてくださってまったくかまいません。

No.12 73ヶ月前
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