明治時代は明治時代だけに意義があるのではない。

 明治の在り様は、その後の時代にも影響を与えていく。その視点を示しているのが夏目漱石だ。

 著書『三四郎』(1908年作)

主人公、小川三四郎が熊本の高等学校(第五高等学校)を卒業し、大学(東京帝国大学)に入学するために上京する時、車中での出来事を書いています。

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「髭の男は「いくら日露戦争に勝って、一等国になっでも駄目ですね。・・・・・」

(三四郎は)「しかしこれからは日本も段々と発展するでしょう」と弁解した。するとかの男はすましたもので、「亡びるね」といった。。。

 熊本でこんなことを口に出せばすぐ擲ぐられる。わるくすると国賊扱いにされる」

 夏目漱石は『それから』(1909年著)で、日露戦争後の日本を実に見事に描写しています。