官僚:人間の奴隷でないが、制度の奴隷
ラフカディオ・ハーンは著『神国日本』(一八八八年米国で出版し、日本では平凡社、一九七六年)から出版。その引用
・日本の教育は、見かけは西洋風でありながら、大体において、これまでも、また今でも、外見とは全く反対の方式に基いて行われているのである。その目的は、個人を独歩の行動を出来るように鍛えるのではなく、個人を共同的行為にむくようにーつまり、厳しい社会機構の中に個人が妥当な位置を占めるのに適するようにー訓練を施すことであった。我々西洋人の間では、強要抑圧は子供時代に始まり、その後徐々にゆるめられる。極東のこの国での強要抑圧は、もっと後になってから始められ、その後だんだん締めつけが強まってゆく。
・クラス生活の調整は、多数に対し一人が独裁力を振るうという事ではない。多数がひとりを支配していくというのが常道であり、-その支配力たりや実に強烈なものであるー意識的に
孫崎享のつぶやき
総務省問題で官僚を考える。私の著書『日本国の正体』中、ラフカディオ・ハーン『神国日本』より。日本の教育は個人を独歩の行動に鍛えるのではなく、個人を共同的行為にむくようにーつまり、厳しい社会機構の中に個人が妥当な位置を占めるのに適するようにー訓練すること。
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コメント
コメントを書く行政官(官僚)は行政府と一体であるべきか、独立組織として機能すべきかによって見方が180度変わる。
①国民から選挙で選択される政権の方針に従い、陳情者、審議会などの要望に従って国を動かせば、政権=官僚は一体であるべきです。忖度は完全に否定するものではない。
②行政府で、官僚が政権と同格と考えれば、政権を常にチェックして不都合な面は、マスコミに訴えて正していこうとする行動が是認される。
現在の行政府は、①で行われており、政権の政策に反対の官僚などがマスコミにリークして行政府の不都合な面がクローズアップして、国会が常にスキャンダラス国会になる。予算・政策がまともに審議されることがない。極端に言えば、政治には背を向けて政権攻撃・首相など個人攻撃で打撃を与えようとする。
今回の総務省接待問題は許認可など古いシステムを与野党が踏襲していることが問題であり、電波オークションにかければ
びょどうな競争入札になり、今回のような接待問題も起こらない。現在のマスコミは、電波・新聞で経営をしているのではない。以前に首都の一等地にある国有地をマスコミ接待担当者が有利な条件で払い下げを受け、現在の経営の下支えになっていることは度忘れしているのだろうか。現在でも接待担当は毎日各省にたむろして官僚を接待しようとしていることを忘れ官僚に罪をかぶせようとしている。マスコミ・野党がまじめに政治を考えないから現在の体たらくを招いていることにも目を向けるべきでしょう。
(1)
> 如何に大度最高潔な、或いは道理にかなったことであっても、夢にも考えてはならないのである。
これは「制度の奴隷」で成り立つシステムを死守したい権力側への痛烈な批判だ。従って、ラフカディオ・ハーンへのラベル付けを-
無害な「怪談」→ 〇
有害な「神国日本」→ ×
とする力が今尚 働き続けている。だからこそ「神国日本」など殆どの日本人は知らないのである。これで「現在にも当て嵌まる」ことが証明された。
(2)
併せて想起されるのは「人でなく、組織に潰された」の類だが、これにも違和感を覚える。制度も組織も、つまりは人間の産物だ。それらに対して支配的権限を持った特定の「誰か」が必ずいる。
従って、「制度の奴隷」とは、煎じ詰めれば(複数にしろ)この「誰か」の奴隷、即ち人間の奴隷と思う。
(3)
今 我々が目撃しているのは、まさに件の評価を地で行くクズ、カス官僚等の成れの果てだ。
係る衝動を行動に移すか否かは どれだけ高くつくかにも依ろうが、例えば天木直人氏のように甚大な代償を余儀なくされた場合でも、人生の最後には清々しい思いでいられるに違いない。
(4)
係る評価は今も当て嵌まると思うが、何故そんな状況から抜け出せないのか。独歩の行動が出来ないように育ってしまった大人は、次の世代には そうならないで欲しいと願うだろうか。多くは自分と同じタイプに育つよう仕向けるのでないか。
問い(1)への答え
現在にもあてはまります。小泉八雲さんの観察は鋭いですね。明治時代には富国強兵という強烈な大義があり、列強に伍するという目的があったのです。そんな目的が与えられ、官僚も少しは職業に誇りが持てたでしょう。
ところが、菅・安倍体制では官僚は惨めを超えてお気の毒というしかありません。だって、菅氏の長男とか安倍氏の変な奥さんに屈従を強いられているでしょう。韓国で財閥の奥さんやドラ息子に裁判官まで屈従を強いられるドラマが大流行りですが、それと全く同じ光景が首相の家族と官僚によって繰り広げられているのです。
問い(2)に対する答え
制度への奴隷感は菅安倍体制では壊れているのではないでしょうか。戦前の官僚には「お上意識」があって、社会もそれを受け入れていたと思うのです。戦後、一時的ではありますが、「公僕」という価値観が流行って、官僚は一定のプライドを持って仕事に邁進することが出来たのです。ところが、菅・安倍体制になって官僚体制が腐敗して、奴隷にもなれない遊民なってしまっているのではないでしょうか。
問い(3)への答え
「共同的行為に向くようにする」は今も生き生きとしてます。戦前は天皇崇拝。戦後は「米国第一」。明治維新以降、この国の言わば全体主義の体質は変わってません。
>>1
決して公平でなく不正も多々行われる選挙で選ばれただけで不法行為も公然と行う権力に司法も含めた官僚までが忖度して従う今の状況を貴殿は肯定的に受け入れるのでしょうか。
司法官も行政官も法を曲げる訳にはいかない存在足るべきです。それを放棄すれば、司法官、行政官は死んだも同然です。
戦後一貫してこの列島の保守が堅守した「米国第一」の政治体制は官僚の腐敗を得て皮肉にも完成域に達している。
ネオナチを使ってロシア攻略を試みたが、プーチンの反撃で失敗に終わったバイデンは、その汚名挽回を図る意味で今度は中国に日本をぶつけよう。
この10年、米国情報部が汗をかいて作り上げた嫌中の日本はネオナチとはけた違いに質量的に言って大型だ。日本のメデイアも「中国許すまじ」のセンチメントで一致している。
賢い中国がどのように上手にバイデンと菅の繰り出すパンチをいなすか、目を離すことは出来ない。