ルトガー・ブレグマン著『希望の歴史 上、下』(文藝春秋、各本体1800円)は「人間性を基本時に善」を主張する本である。
 著者は「西洋では、人間は生来利己的だという見方には神聖な伝統がある」として、トゥキュディデスやアウグスティヌス、マキャヴェリ、ホップス、ルター、ニーチェ、フロイトなどを列挙している。さらにキリスト教にも言及し、「この人間に対する否定的な見方は、キリスト教に最初から浸透していた」と指摘する。
 著者は最後に「人生の指針とすべき10のルール」を紹介し肯定的生き方を示している。
1:疑いを抱いた時には、最善を想定しよう。
 時々は騙されるという事実を受け入れたほうがはるかにいい、それは、他人を信じるという人生の贅沢を味わうための、小さな代償だ。
2:ウィン・ウィンのシナリオで考えよう。
3:もっとたくさん質問しよう。
 市民に発言をさせよう。 従業員に自分のチームを指揮させよう。 子供たち