孫崎享のつぶやき
労働問題(続)孫崎享チャンネル書き込み継続「私の組合活動家の役割は、働き続けられる職場作り。雇用か賃金かの二択なら迷わず雇用を選択。非正規労働者の増大による格差社会を是正する為ワークシェアリング(賃金水準抑制した雇用の分かち合い)主張
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コメント
コメントを書く競争を是認した社会では、資本家の搾取を前提とした教条主義は通用しないことに労働組合が気づいているが有効な対策がとられていない。企業との団交も理論武装が不十分であり、企業に勝てなかった。
連合の芳野会長は、労働組合の限界と経団連幹部の限界を良く心得た人物であると評価したい。今回の賃上げムード作りも彼女を抜きにしては成り立たなかったと考えている。
労働組合は、労使協調が癒着に変質し、入社経路によって賃金格差を是認するようになっては労働組合の背骨が溶けてしまっていることに他ならない。団結しなければならない組合が差別して仲間を減らしてしまった。
企業は、税金を払っている企業は大企業に限定され労働者のほんの一部であり、多くの企業が税金を払っていないのです。税金を払えないような企業がもともと賃上げなどできないのです。市場から撤退すべきなのです。安倍政権の長期にわたる金融緩和は、撤退すべき企業を存続させ、日本では採算のとれない企業を中国進出することによって、活性化させたのです。一方大企業は賃上げを抑え内部留保を巨大な金額に積み上げているのです。日本では横並び体質であり、大企業だけ賃上げすることができず、賃上げなき社会を作り上げてきたのです。
このような賃上げできない労使を横目で見ながら、政府に働きかけ、大企業も賃上げに前向きになっているのが現状であり、芳野会長の深い読みに感服しています。素晴らしい調整能力と評価したい。
>>1 追記
利権の安倍氏では不可能であり、柔軟な岸田首相だから話し合いができたのであって、岸田首相の評価も芳野会長と同じようにすべきでしょう。凡庸な政治家でなく、政治的能力においては非凡な総理とみている。選挙のないときに支持率が低くとも選挙時に支持率をあげる方策を心得ていれば、自民党が敗北することなどあり得ないのです。
ワークシェアリング、よく理解出来ます。賛成です。私自身、人に大声では言えない個人的な仕事をしてきたので、何を抜かすと言われそうですが、その理念は素晴らしいと思うのです。とにかく、中庸の左派さんの文章は示唆に富み、それだけでなくヒューマニズムに溢れていますね。
私の知人の息子さんは長距離運転を専門にする大型トラックの運転手さんですが、労働条件の過重に悩んでいるのです。何とかならんかと私も他人事ながら悩みました。丁度、そのころ、6年程前になりますか、米国映画アイリッシュマンを東京大森の場末の映画館で観ました。アルパチーノが演ずる、トラック運転手の全米労働組合チームスター委員長のジミー・ホッファがフロリダ・マイアミで行われた年次総会で集まった組合員に対して「SOLIDARITY]と大声で呼びかけたのです。
私はジミー・ホッファのド迫力に圧倒され感動しました。その感動を知人に言い、チームスターみたいな組織を日本に、、みたいなことを呟いたら、それを聞いた知人は私を一笑に付しました。そして、次の挿話を話してくれました。
「大阪でのことだが、生コン業者とミキサー車の運転手が団結して組合を作ったが、暴力団が殴り込んで来て微塵に潰されてまったこと、そして大阪府警は見て見ぬ振りしていた。政治家、裁判所、行政、全部知らぬ振り」
1960年代、ジミーホッファは運転手の年金基金の運用にも並々ならぬ手腕を発揮し、その資金運用にマフィアに貸し付け高利をゲットし、ロビー活動にも手腕を発揮したのです。彼にはいろいろ問題はあったが、彼の基盤は「団結」でした。その点で私は彼を高く評価してます。日本にもパソナなんかに翻弄されるのでなく労働の団結でパソナを吸収し屈服させる人物の到来を期待したのです。
>>1
連合会長となると実質は政治家と同じです、と中庸の左派さんは説かれています。確かに、日本の政治はエリートのサロンとなっているようですから、そこで少しでも独裁者に話を聞いてもらうには芳野さんは労働の利益代表を放棄せざるを得ないということでしょう。
そこで本題。安部や菅や岸田に好感持っている貴殿には芳野さんも労働区選出のエリ-トとして遇さねばいけない事情は分かりますよ。でも、貴殿の文章の最後の結語に出て来る今日の貴殿の要点ともみなされる芳野さんの「深い読み」を貴殿の文章は全く説明してないことに私は驚きを禁じえません。
元々彼女には「深い読み」なんかないんじゃないですか。権力者にすり寄っておこぼれいただきたいゴマすりに長けて世渡り上手だけのやり手女史でしか無いと私は思うのです。違いますか。
貴殿みたいな思考と表現が日本のこの政治サロンにはきっと溢れかえっているんでしょうね。そんなサロンですから、いずれはこの日本のシステムが突然崩壊し、労働主導の日本型革命が自然に成立するんじゃないでしょうか。勿論、その前に米国にシステム崩壊が突然起こり米国型社会主義革命が自然に起こるのが条件ですが。
上記の革命は、ロシア革命に賛同していなかったシュンペーター教授の予言ですから、無視できません。
私がワークシェアリングの必要性を考えるようになったのは、2008年のリーマンショック後、派遣切りが激増し、雇用不安から貧困問題が一気に社会的に噴出した頃でした。年越し派遣村は、世間の耳目を集めたと思います。
同時に自己責任論もこの頃、巷の言論には溢れていたように思います。フリーターだの、派遣労働者だの、縛られない働き方、などと言って、自分で選択したのだろ、だから自己責任だ、というわけです。
しかし、終身雇用が真に日本型雇用形式の特徴であたったのかどうかは定かではないが、少なくとも非正規労働者は政策的に増大させられてきた側面があります(「新時代の「日本的経営」」1995年)。自己責任論だけでは片付けられない所以です。
一方、日本経済は「失われた20年」と呼ばれる長期経済停滞の中にありました。経済のパイが縮小を続ける中で、派遣切りやリストラが横行する時代が続いていました。人件費抑制のため、海外生産も進められ、産業の空洞化が懸念されていました。
この時期、輸出依存型の日本経済は円安誘導ばかり進め、一部の輸出産業、大企業だけが円安の恩恵を受け、国全体としては賃金は上がらず、貧しくなっていったのではないでしょうか?
株主資本主義、即ちリストラによる株価上昇は当たり前のようにもてはやされていました。
こうして、日本全体として働き続けられない社会を作り続けてきた。その結果、不安定雇用故に将来を見通せず、結婚を考えられず、少子高齢化のスパイラルにはまり込んで抜け出ることができない。それが日本社会の現状だと考えています。
私が組合活動家として、ワークシェアリングを切望していたのは、そういう社会背景があったからです。新自由主義的思想が流行し、成果主義賃金と能力主義的昇任体系など、労働者を分断して競争させる仕組みを当然視する風潮でもありました。
私は以上のような奔流に抗う手段こそがワークシェアリングであると考えていました。
熊沢誠先生が言う「競争の制御」です。
これは、私の考えですが、正直に言えば、仮に賃金抑制を伴っても、雇用確保を優先するべきだと考えていました。ただ、誤解なきように申し添えると、ワークシェアリング自体は必ず賃金抑制がともなうとか、賃金抑制を前提としている考え方ではありません。
私のワークシェアリングに対する考え方は、当時の派遣切りの横行等、差し迫った雇用状況の悪化と貧困問題、格差拡大の抑制が念頭にあってのことでした。
それに当然ながら、労働組合の思想とワークシェアの仕組みを整合させるためには、議論の深化が必要です。しかし、残念ながら、ワークシェアリングに関する労働組合内部での論議は、その後深化することはありませんでした。
一つだけ、私のイメージに近いワークシェアリングの事例を紹介することが出来ます。
かなり古い記事ですが、「広島電鉄、若手と非正規「賃上げ」ベテラン社員「賃下げ」」(J-CASTニュース 2009.3.26)
https://www.j-cast.com/2009/03/26038318.html?p=all
何れにせよ、現状は労働組合として格差是正のためのワークシェアリング論議は全く深まることなく、労働組合の組織率低下、社会的影響力低下は深まるばかり。
いつものように長くなってしまって恐縮なのですが、連合の芳野会長について、一言。
芳野氏は「連合の労働運動は、自由で民主的な労働運動を強化、拡大していくというところから始まっている。その点で共産とは考え方が違い、相いれない。現実的にも、連合の組合と共産党系の組合は職場、労働運動の現場で日々競合し、しのぎを削っている」と述べ、あらためて共産党との共闘を拒絶した。(Wikipedia)とのこと。
確かに、共産党系労組と連合系では「体質」が違う。私は現場活動家としての経験から、そう思います。
しかし、私に言わせれば、最早そんなこと言っている場合ではないのです。労働組合の目を覆う組織率低下において、共産党毛嫌い論は現場感覚の無さを露呈していると思う。連合系と共産党系で「労働運動の現場で日々競合し、しのぎを削っている」とはカンチガイも甚だしい。実際には、ムダな泥仕合で双方疲弊し、労組離れの一因になっているだけでしょう。今どき、良くも悪くも、連合とか、共産党(系全労連)とか、組合員にはどうでも良いことです。組合員からすれば、何故共に闘わないのか?という素朴なギモンでしょう。
それは野党共闘しかり、だと考えています。
だいたい、労組組織率がダダ下がりなのに、何が、「しのぎを削っている」でしょう?削られているのは、労組組織率です。
労働者の代表でありながら、芳野会長は共産党への敵対の一方で、自民党にすり寄っている。このバランス感覚の無さは危うい。
それにしても、やはり拙文に長々と、自分でコメントするのは、流石に冷や汗というか、厚顔な気がしており、正直どうしたものか、と考えあぐねております。
このテーマに関しては、一旦これにて控えるようにいたします。
就職氷河期の実態は悲劇的というか、既得権益者に譲るという精神の無さに驚かされた。ワークシェアリングが行きわたらなかった。
あの時、悲劇を味わった人は、現在50歳近辺になっておられると思う。「笛吹けど踊らず」で、その後正規の職を得た方も多いと思うが、多くの人が当時の悲哀を今も受けているのではないかと思う。
現在は、仕事も増え、IT関係の仕事であれば、絶対的に人が不足しており、建築土木関係では、海外の労働者に大きく依存している。海外の労働者なくして、建築土木の成長はあり得ない。
先日熱海で宿泊したが、従業員の多くが中国人であった。今後、あらゆる職業で日本人同士の競争でなく、他国の優秀な人たちと競わなければより多くの収入が得られる職業から見放されることになる。
好むと好むざるに関わらず、職業を得る競争は激しくなる。ワークシェアリングなどとは程遠い実態が展開される。賃上げでなく能力を磨きより多くの収入が得る職業選択の時代が今始まっているとみなすべきでしょう。
労働者が企業別でなく職業別に戦う時代も想定できる。みんなで賃上げなどという前時代的な発想は今回が最後なのでしょう。他の職業が魅力があれば多くの人が転職してしまう。経営者も経営努力しなければ人材が集まらなくなるのでしょう。
転職の時代が始まるとも見ています。
>>9
>関西生コン事件のことにふれておられるとおもいます。
小学生の情報には偏りがあり、「関西生コン」について、一方的、一面的見方は良くないため、以下の記事も紹介します。
https://imadr.net/books/200_3/
https://sdp.or.jp/sdp-paper/kansai-namakon/