私の『日本の国境問題』(ちくま新書)は韓国語訳がすでに出版されているが、今中国語訳の出版準備がされている。その際、中国語版のために用意したもの。
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今、東アジアは歴史的大転換期にある。中国の経済的発展が主な要因で、世界で最も豊かな地域になろうとしている。繁栄と平和がこの地域に訪れようとしている。
では、この地域は着実に繁栄と平和の方向に向いているであろうか。
そうではない。
中国の古典「囲碁十訣」(唐代・王積薪の作)は次を教えている。
貧不得勝、入界緩宜、攻彼顧我)、棄子争先)、捨小就大、逢危須棄、慎勿軽速、動須相応。彼強自保。
特に、「捨小就大」が重要と思う。
国にとって何が「小」で何が「大」なのか。
周恩来首相は日中国交回復の時に、「小異を残し大同に就く」と述べた。
中国も日本も何が「小」で何が「大」かを見極
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日中両国間に横たわる領土問題「尖閣」をどのようにして解決すべきか、ということでしょうか。
どちらかの国の領土にしたいというのであれば、武力による戦争で解決するしかない。武力で解決するような「大きなこと」ではないから、話し合いで解決しようとすると、二分割などなどの考え方があるが、あの島というか、岩というか、土地を分割することはできない。話し合いで解決できなければ、何で争っているかの原点に立ち返り、「資源で争っている」のであれば、領土問題は棚上げにして、「資源問題の話し合い」をすればよいのではないか。
自民党の先達が英知を集結して中国の先達と方向づけしたのに係わらず,最初に逆回転させた現政権の責任は極めて重いのではないか。弱い犬は吠えるというが、中国と無意味な争いを惹起する人は、一時的には勇ましくて国民的支持を得るが、時間、空間を大きくした視点に立つと小人でしかない。
孫文は「Without Japan there would be no China,without China there would be no Japan」と言って弟子を指導した。弟子のWang Jingweiは同じ弟子のChieng Kaishekを裏切って孫文の前記の教えを実行しようと南京政府を樹立したが、中国人民から売国奴、傀儡の汚名を着せられ日本の敗戦とともに潰え去った。当時は時期が悪かった。中国大陸は動乱の最中だった。今は双方ともに主権国家。孫文のテーゼがきらきら光っていることに歴史に学ぶ中国人は気が付いているのでしょう。そういう精神があるから「小を捨て大につく」という呼びかけが出来るのでしょう。老人の小生を含め老若男女全ての日本人はとにかく今学ぶ必要がある。
最初に逆回転したのは孫崎さんには申しわけないけど民主党でしょう。
漁船のの船長にたいして強制退去という選択肢をとらず、司法手続き
につきすすむという大きなミスをしましたし。
ことを大きくしたくない中国からの必死のホットラインのよびかけに、
なしのつぶてで応じたのは岡田克也です。
これが日本にとって最悪の展開にみちびきました。
これが真夜中の丹羽大使の呼び出し、それを日自民党のタカ派が無礼
だと騒ぎ、中国は徹底的な強硬路線を選ぶ呼び水となりました。
わたしの記憶が正しければ、東シナ海に領土問題は存在しない、と
はじめていってのけたのも岡田です。
このさき日中関係はたいへんなことになる、と初めて民主党への
投票をわたしに悔いさせた男です。
粛々と、とか毅然としてとかいう言葉に酔いしれて日本の将来を
危うくするきっかけをつくった男です。
関係ないけどGHQは新嘗祭に反対したそうです。新嘗祭というのは神人共食の思想に基づく神道に儀式で、一緒に食べることで共同体を形成するという意味を持ちます。食べるということは、神道ではものすごく大きな意味を持ち、竃の神はかみさんだし、伊勢の外宮は豊受大神という食事を司る神です。食べることで相手の魂を自分の中に取り込むのです。なぜGHQがそれを禁止するのか?わかりません。正当な理由もありません。食べながら旅をするのがマナーに反するということなのか?
実は西欧にもあります。company companionとは、一緒にパンを食べる仲間という意味です。同じ釜の飯を食うです。いいジャン別に。
協調をはかる見解は「軟弱」どころか「売国奴」「反日」と罵倒されますよ。
ほんとに困ったものです。
碁は大場から打つ、ちいさなところは後回しということも知らない。
ほんとは知っていてやっているのかもしれない。
日中関係をめちゃめちゃにすればなにがしかのゲインがあると思って
いる者が外務省あたりにいるのかもしれない。
それが棚あげ合意などない、領土問題もない、とポピュリズム命の
政治家にいわせてるのかもしれない。
自衛隊などは予算獲得のためには緊張がほしいですし。