私の『日本の国境問題』(ちくま新書)は韓国語訳がすでに出版されているが、今中国語訳の出版準備がされている。その際、中国語版のために用意したもの。

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今、東アジアは歴史的大転換期にある。中国の経済的発展が主な要因で、世界で最も豊かな地域になろうとしている。繁栄と平和がこの地域に訪れようとしている。

 では、この地域は着実に繁栄と平和の方向に向いているであろうか。

 そうではない。

 中国の古典「囲碁十訣」(唐代・王積薪の作)は次を教えている。

 貧不得勝、入界緩宜、攻彼顧我)、棄子争先)、捨小就大、逢危須棄、慎勿軽速、動須相応。彼強自保。

 特に、「捨小就大」が重要と思う。

 国にとって何が「小」で何が「大」なのか。

 周恩来首相は日中国交回復の時に、「小異を残し大同に就く」と述べた。

中国も日本も何が「小」で何が「大」かを見極