「助言-若い世代へ②“太郎を呼べば太郎が来る。花子は来ない”時実新子」

時実新子は19291月から 2007年まで生存した川柳作家である。俳句は自然を詠み、優雅な雰囲気を出すが、川柳は人々の動きを切り捨てる、川柳には賛否両論が付きまとう。

時実新子は男女関係をよくテーマにした。彼女の代表作が『有夫恋』。「夫ある女の恋」というのだからすごい。本の帯が「妻をころして ゆらりゆらりと 訪ね来よ」だった。「今があるのみいちどきに花降れよ」とか「ふたたびの男女となりぬ春の泥」「血の中に今百匹のキリギリス」とか、作品は激しい。

PHP社が2014年『心を豊かにする100の言葉』を出版したが、その中に時実新子の言葉も入っている。

「祖母からの口移しなので、出典は明らかでありません。祖母が言うには“呼べば呼んだ人が来るじゃろう?太郎サーンに花子はこないわな。じゃからいい事を呼びんさいや」

私達は漠