岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2017/03/28
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2017/03/12配信「オタク40年史 ~アニメ・美少女・おもちゃの関係~」の内容をご紹介します。
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2017/03/12の内容一覧
- オープニング
- 『きかんしゃトーマス』から、日本とイギリス、危機管理の差が見えてきた
- 鉄道模型とおもちゃの違い
- 『きかんしゃトーマス』の監督は、サンダーバードのミニチュアスタッフ
- お母さんたちはなぜ『きかんしゃトーマス』にハマるのか?
- 「ドローンと合体して空を飛ぶ車」から見えてくる未来
- 腐女子・イズ・デッド
- 『オタク・イズ・デッド』再び
- 腐女子文化の一般化が進む
- ニコ生もデッド?
- オタクの40年史
- 現代アートとは何か
- 村上隆もいっぱい作って、いっぱい外している
- 誰でもわかる「MS少女」
- なぜモビルスーツを少女にするの?
- 巨大化し変形する「女の子」
- オタク業界とアート業界、違いは何か?
- 次回予告
『きかんしゃトーマス』から、日本とイギリス、危機管理の差が見えてきた
『きかんしゃトーマス』っていうのは……大丈夫でしょうか? これはもうみんな、子供の頃に見たことがあると思うんですけど、僕は最近、やたらとハマってまして。
(中略)
あと、もう1つの面白さ。劇中ではさまざまな事故が起きます。例えば、「トーマスが慌てて客車や貨車を置いて走ってしまった」とか、「どこかに突っ込んだ」とか「脱線した」とか。第2シーズンの途中まで、ここで起こる事故というのが、ほぼ現実の世界で起こった事故ばっかりなんですね。
というのも、原作を書いているイギリスの牧師のおじさんが、めちゃくちゃ鉄道マニアだから。『きかんしゃトーマス』というのは「現実にあった事故をキャラクター化したもの」という、「鉄道業界の司馬遼太郎」みたいなものなんですね。なので、トーマスを見るときには「ああ、こういう事故が本当にあったんだ」と思うと、見え方がすごく面白いので覚えておいてください。
僕が先週くらいからこれに大きくハマったきっかけが、偶然YouTubeで見つけた『じこはおこるさ』という歌なんですね。
『じこはおこるさ』というのは、歌詞が素晴らしすぎるんですね。「スリルなんて、ちょっとなら楽しみさ。でもイライラすると事故が起こるよ♪」という感じで、事故がどんなに起こるのかということを少年合唱団の明るい声と男性の低い声で朗々と歌い上げているんですよね。
「事故がほら、起きるよ。いきなりくる。調子乗ってやってると、罰が当たる♪」っていう、この「罰が当たる」って部分とか、「運がない時はしょうがない。なんとかしよう。事故がもし起きたら、落ち込まないで。標識はいつもあるのにさ。大事なものばっかり、見落とすね♪」っていうむちゃくちゃ無責任な部分とか(笑)。こういう歌で。
この歌を聞く、鉄道関係者とかビジネスマンの人たちが面白がるポイントは、「日本とイギリスの危機管理の考え方の差」なんですね。つまり、日本というのは、事故をゼロにしようとするあまり、事故が起こるという前提で計画を組まない。だから大事故が起こりやすい。ちょっとした事故が起こった時に「そんなことが起こるととは想定していなかった」ということになるんですけども。イギリスの発想はまったく違って、「事故は絶対に起こる。どんなことをしても起こる」と考える。この歌の中でも、「運が悪い時もあるし、幸運の女神がそっぽ向いている時もある、とにかく事故は起きるよ」と、「油断しても起きるし、油断してなくても起きるし、標識なんか見落とすの当たり前だ」っていうのを延々と言ってるんですね。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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