岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/05/23
おはよう! 岡田斗司夫です。
今回は、2018/05/06配信「ゲスト『映像研には手を出すな!』の大童澄瞳さん!マンガやアニメについて語り合います!」の内容をご紹介します。
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2018/05/06の内容一覧
- 『ナウシカ』王蟲の撮影シーン
- 坂本龍一が黒歴史認定した『王立宇宙軍』の音響事情
- 岡田斗司夫が「吉本坂46」の第二次審査を通過しました! 組織票をよろしくおねがいします!
- 『映像研には手を出すな!』とはどんなマンガか?
- 大童澄瞳さん登場
- 『ナウシカ』王蟲の抜けがらへのツッコミ
- 岡田斗司夫との対談でダメージを受けるのか?
- なぜ女子高生の話にしたのか?
- 芝浜高校は理想郷?
- 誰に向かって描いてるの?
- 吹き出しにパースをつけて描く意味は?
- 芝浜高校の場所を特定した……つもりだったけど
- 巨大ロボットはリアルじゃない?
- 評論家 vs. 作者
- オタクとはなにか?
- 知識に対する憧れが人をオタクにする
- 再来週は『かぐや姫の物語』特集
坂本龍一が黒歴史認定した『王立宇宙軍』の音響事情
音楽家の坂本龍一さんが、ニューヨークでのインタビューの中で、「アニメ映画の音楽に関わったことについて」ということで、高畑勲さんについて話されています。
「今から35年前に担当したことがあるんですが、あまり気に入ってないんです。(そのため題名も言えないらしい)現在は韓国のプロデューサーも参加し、手塚プロダクションで手掛けられているアニメ映画の音楽を担当していて、その作品は今年の後半期に公開される予定です。あと実は、2、3年前に高畑さんと会って、音楽の担当を任されていたんですが……僕の音楽がシリアス過ぎて、結局解雇されてしまったんです」と意外な事実を明かした。
ここに書かれている「2、3年前に高畑さんに雇われた」というのは『かぐや姫の物語』だったのか? 『かぐや姫』は結構時間を掛けて作ってたから、その次の『レッドタートル』だったかもしれません。
でも、僕が引っかかったのは、やっぱり「35年前に担当したことがあるんだけど、あまり気に入ってないんです」という部分なんですよ。
ここで「(そのため題名も言えないらしい)」とインタビュアが書いてるということは、「ニューヨークでのインタビューの時に、聞いたんだけど答えなかった」ということなんですね。
いやあ、なんか悔しいな、と。
このアニメ作品とは、もちろん、ガイナックスが作った『王立宇宙軍 オネアミスの翼』のことなんですけども。
なぜ、僕が悔しいのかというと、実は『オネアミスの翼王立宇宙軍』の音楽打ち合わせの時、坂本さんはすっごいノリノリだったからなんですね。
「こういうふうにしたい、ああいうふうにしたい」って、坂本さんも一生懸命に言ってたんですよ。打ち入りパーティの時もそうでしたし、打ち合わせもすごく和気あいあいと進んだんです。
(中略)
坂本さんは「絵コンテを見て参加を決めた」というくらいですね、『王立宇宙軍』という作品を評価してくれてたんですね。
ところが、問題が生じました。
どんな問題かと言うと、坂本さんは絵コンテを見て「よし、俺も参加するぞ!」と思ったあまり、「絵コンテ通りの音楽をつける」って言ったんです。
アニメの絵コンテというのは、まるでCMのように「この映像に何秒、この映像に何秒何コマ」というふうに、メッチャクチャ設計図が細かいんですよ。
どうも、テクノ出身というか、論理で音楽を作る坂本龍一という人は、そこにすごい可能性を感じて惹かれたらしんですね。おそらく、「これを使えば映像と音との完全なるシンクロが実現できるんじゃないか?」っていう、坂本さんの思い込みも入ったんだと思うんですよ。
これについては、僕や山賀も、最初の打ち合わせの時には「そうですよ! そうですよ!」というふうにノリノリだったんですけども。
ところが、現実にアニメを作り出すと、アニメっていうのは出来上がってくるカットによって、やっぱりアニメーターがカットに付ける演技も違ってくるんですね。
なので、「コンテ通りに○秒」というふうに作られるわけではなくて、そこから微妙に詰めたり伸ばしたりするんですね。
そういう時に、通常はどうするのかというと、久石譲であれ誰であれ、音楽を作ったら、音響監督が切って詰めることになるわけです。例えば、「この音楽はこのタイミングで」と言われても、「もうちょっと前から流した方がいい」とか、「後から出した方がいい」というふうに、音響監督が調整するんです。
だけど、それをやられると、坂本龍一さんとしては、「ちょっと待てよ! それはどういうことだ?」という話になる。
もちろん、そういう時に、坂本龍一さんと僕らが直に話して調整していれば、そこは何とかなったと思うんですけども。
坂本さん側も坂本さん側で、「ちゃんとこうやってくれよ」という指示を、坂本さん自身が当時所属されていたヨロシタミュージックを通して話される。
僕らの方も僕らの方で、坂本さんから直に話が来るんじゃなくて、ヨロシタミュージックから、音響監督であるグループ・タックの田代敦巳さんのところに話が来ることになる。
そして、音響監督としては「「世界の坂本」とはいえ、たかだか音楽を担当した1人に過ぎない。俺は音響監督で、お前は音楽担当だ!」と……まあ、そこまで強圧的な方ではないんですけど。「ある作品を統一的に作るためには、監督というのをトップにおいて、その他のスタッフは、それを助けるポジションでなければいけない」という、当たり前ですけど、そういう考え方をされている方だったんです。
なので、坂本さんヨロシタミュージックの言ってくることを、パッパッと断ってたんですね。すると、ヨロシタさんのイライラも頂点に達してくる。
というのも、坂本龍一さんが、実際にこの後、打ち合わせに来られなかったのにも事情があったんです。
(続きはアーカイブサイトでご覧ください)
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