そこでROOMIEが厳選した、さまざまなジャンルのショップをご紹介。実際に足を運んでみて、通いたくなるようなショップを見つけよう。
BEAMS JAPAN
URL:http://www.beams.co.jp/beams_japan/住所:東京都新宿区新宿3-32-6 B1F – 5F
電話番号:03-5368-7300
営業時間:11:00~20:00(1F-5F)
(1F 猿田彦珈琲)月~金 8:30~21:00、土日祝11:00~21:00
(B1F クラフトグリル)月~金 <昼>11:30~15:00 <夜>17:00~23:00、土日祝11:30~23:00
定休日:不定休
2016年4月28日オープン。1Fは「『祭』日本の銘品と珈琲」、4Fは「『趣』日本のポップカルチャー」など、B1F~5Fまで全国から“日本”の魅力を集め、それぞれフロアにテーマを設けた構成となっている。
コンセプト
2016年に40周年を迎えたBEAMS。国内外のお客様に“BEAMSのフィルターを通して”日本の魅力を発信していく、改めて紹介していくことをコンセプトに、この「BEAMS JAPAN」はオープンした。全国各地に眠るありとあらゆるコンテンツを、6フロア構造に分けた切り口で、BEAMSらしく発信している。
「BEAMS JAPANで『恩返しをしたい』と社長がよく言ってるんです。つまりこれまでBEAMSは日本のお客様やメーカー様をはじめ、いろんな方々に支えられてきました。そこそこ発信力もついてきた今、これからは我々が恩返しするために企業・自治体・アーティストや個人の方と一緒に発信していく、という側面もあります」(BEAMS JAPANバイヤー鈴木修司さん)
客層
これまでの(洋服の)BEAMSファンの方が多い。一方で平日の昼間はほとんど海外の方で賑わっているという。BEAMS JAPANは海外に広告を打っていないため、一度訪れた人が「あのBEAMS、日本のアイテムだらけだったよ」「おもしろかったよ」といった口コミが広がり、来店してくれるのだそう。
「最近ニュースで見るような、バスツアーで大人数で来る方々というよりは、『日本のことを知りたい』『日本のいいものを買いたい』という意図で来る方が多いんですよ」(鈴木さん)
海外の方がリサーチとして来る場合も。海外のショップバイヤーなどが、日本のショップリサーチの際に訪れて、商品を買っていくという。
スタッフおすすめアイテム
BEAMS JAPAN / 別注 温泉 下駄サンダル昨年BEAMS JAPANで飛ぶように売れた「下駄サンダル」の新バージョンだ。
「温泉旅館行くと、温泉や離れに行くとき使用する、こういう下駄があるじゃないですか。大抵、藍染のクラシックのものが多くて、それはそれで民芸調でかっこいいんですけどね。昔からある『下駄』のフォーマットを活かしつつ、いま流行りのオランダ木靴『サボ』的な要素でアップデートしました」(鈴木さん)
アッパー部分を本革で作り、ソール部分はビルケンシュトックのものを使用している。本革に加えて、杉を使用しているため汗を吸うので、履き心地も抜群。茶色とナチュラル2色で、メンズ・レディースそれぞれ2サイズ展開中だ。
「勝手に僕は『温泉旅館型 下駄サンダル』と命名しています(笑)。日常使いとしてもいいですし、スタイリングによってはおしゃれな感じでも履けると思います」(鈴木さん)
宮原工芸 × BEAMS JAPAN / 別注 花手箱熊本の郷土品として有名な花嫁道具「花手箱」。本来はもっと大きく、「椿」を表す赤色で作られているものだが、BEAMS JAPANではビームスカラーの橙色に仕上げている。バイヤーの鈴木さんが、うれしそうに仕入れ時のエピソードを語ってくれた。
「BEAMS JAPANで取り引きのある高橋酒造さんの仕入れに行った時、醸造所の売店で花手箱が売ってたんです。そしたら『近所の知人が作っているんですよ』って。ぜひぜひ連れてってください、ってことになり……早速交渉。人手が足りなくて難しそうでしたが、ダメ元で『ビームスカラーの橙色にしたらすごくいいと思います!』って話したら『ジャイアンツカラーじゃん(笑)』って反応されたんですけど、そこからうまく商品化できました。
半年以上待ってもなかなか連絡がなく……そしたら急に完成しまして。サンプルを欲しいと言っていたのですが、ある日、想定在庫数が全部事務所に届いていて(笑)。でもモノは完璧だったので、ようやく販売することができました。
BEAMSは、会社として“Happy Life Solution Company”という理念を掲げており、この花手箱では、橙色にすることで「幸せを詰める」という意味が込められている。ちなみに「橙色」は、お正月の鏡餅やしめ縄に付くもののように縁起が良く、「代々栄える」という意味合いも持っているという。
記憶に残る1日
BEAMS JAPANバイヤー鈴木修司さん
BEAMS JAPANを立ち上げる1年半くらい前から準備してきてようやくオープン、という初日。密着のテレビをはじめ、ものすごい数の取材が入り、この日は集客含め大きな盛り上がりを見せた。店の商品が半分なくなるくらい売れるという異例の事態まで……。
さらにはオープンが4月28日というGW前だったため、テレビ効果もあり連日多くの集客が続いた。その上、商品が足りないのでかき集めて販売していたのだとか。BEAMSとして、およそ10年以上ぶりの熱狂、といった現場だったという。
「オープンする前もオープンしてからもやることがエンドレスにあって、1年以上仕事に追われる毎日でした……。でもお客様が楽しんで買い物に来てくれたことが何よりうれしかったですし、あと親しい同業者の方がプロ目線でも『パリのコレットがオープンしたときくらいのインパクトがあったよ』とか『嫉妬する』って言ってくれて。それもうれしかったですね」(鈴木さん)
今後のショップづくり
鈴木さんは主に1Fのコンテンツに関わっているが、まだまだ47都道府県を網羅できておらず、紹介できていないものもたくさんあるという。
「1Fのテーマとして、“モノを通して、日本の文化や地域性を発信したい”という思いがあるので、モノだけでなくその歴史だったり背景も紹介していきたいです。新しくJTBさんと協働し“旅”を通して日本の魅力を伝えていく『JTBeams』も始めたので、より一層『モノ』だけでなく『コトや人』にもっと寄るような企画を積極的にやっていきたいと思います」(鈴木さん)
[BEAMS JAPAN]Photographed by Yutaro Yamaguchi