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モノ選びこそが暮らしを変える。賃貸でもできるDIYを駆使した、30㎡ひとり暮らし(渋谷区)|みんなの部屋
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モノ選びこそが暮らしを変える。賃貸でもできるDIYを駆使した、30㎡ひとり暮らし(渋谷区)|みんなの部屋

2021-09-19 15:30
    都内でも各エリアにアクセスの便利な渋谷区。大通りから少し離れた閑静な住宅街の中に、今回ご紹介する小玉さんの住まいはありました。

    お名前(職業):小玉さん(デザインスタジオium inc.代表)
    場所:東京都渋谷区
    広さ:1R/31.59㎡
    家賃:15.7万円
    築年数:12年
    住宅の形態:賃貸マンション
    間取り図:

    編集部作成

    職住一体の住まいを経て移り住んだ現在の住まいは、数年前までのご自身のお部屋からは想像もつかないような空間に。

    無垢材の床をDIYしたことをきっかけに見つめ直した、住まいの在り方とは? またそこからの生活や仕事の変化について、お話を伺ってきました。



    お気に入りの場所

    至福の時を過ごせるリビングソファ周辺

    テレワーク以外の部屋時間で、いつもリラックスできる空間としてあるのがリビングのソファ周辺スペース。さまざまなレイアウトを試しながら行き着いた納得の空間だそう。

    「引っ越してきた当初は、黒のクッションフロアをベースにしたモダンな雰囲気のお部屋でした。コロナ禍で家にいる時間が増えたタイミングで、より落ち着く空間にできたらと、住まいのインテリアを見つめ直したんです」(小玉さん)

    部屋の印象はもちろん、空間のあり方への意識を大きく変えたのはToolboxで購入した無垢材の床。台風の日に1日かけて敷いたという思い入れのあるDIYです。

    「それまでのそっけないフローリングからガラッと雰囲気が変わっただけでなく、とにかく気持ちいいため、床で寝そべったり、ソファがあるのにあえて地べたに座って映画を見たりと、過ごし方も一気に変わりましたね」(小玉さん)

    「ソファ上からはワークスペース以外を広く見渡せます。集めたヴィンテージの家具を眺めながらぼーっとしたり、少しレイアウトを調整したり、お酒を飲んだりする時間が至福です」(小玉さん)

    仕事時間も好きになるワークスペース

    リビング同様に、コロナ禍を機につくったと話すのがワークスペース。在宅での仕事時間が増えることに合わせて、最適な環境づくりを意識されていました。

    「1年ほど前からオフィスに行く日と行かない日が半分ずつくらいになったため、自宅のワークスペースもできるだけ最高の環境に整えようと試行錯誤してきました」(小玉さん)

    「最初の頃はすぐに自宅での時間も終わるだろうと、キャンプ用のチェアやテーブルを使っていたのですが、長引くに連れて徐々に整えていくことになりました。仕事空間だからといって、ごちゃついたり、硬すぎたりするのは嫌で、iMac2021を置いてコンパクトかつ見た目をすっきりさせています」(小玉さん)

    さらにワークスペースでの時間をより一層プラスに変えてくれたと話すのが、オフィスチェアとして使っているPP502 Swivel Chairの存在。

    「なかなか部屋に置きたいオフィスチェアがみつからないな……と探していた際に出会ってしまった、至高の椅子です。ウェグナーこだわりの削り出しによってつくられた背もたれのほどよいホールド感が、適度に仕事する姿勢に緊張感を与えてくれます。このチェアに座ってデザインをしている時間は本当に幸せです」(小玉さん)

    たった1脚で空間の雰囲気を変えてしまうチェア。色合いもナチュラルで、無垢材との相性もピッタリでした。

    気分で変えるキャビネット上のディスプレイ

    玄関入ってすぐのスペースにあったのが、お気に入りのキャビネット上につくったディスプレイ。フレグランス類から本、植物と、小玉さんの“好き”が集まった空間になっていました。

    「​​リビングのソファからはもちろん、ワークスペースからも見えるエリアなので、日常の少しずつの変化を楽しんでいます。その時々の気分で、並べる本を変えてみたり、お花を飾ってみたり、全部取っ払ってみたりと、とにかく自由な空間です」(小玉さん)

    この日は旅先でもらったと話す、植物の葉をディスプレイ。まさに小玉さんの今を表す場となっていました。

    この部屋に決めた理由

    スペック以上の居心地よい空間

    この部屋に住む前も同じマンションの別室を契約していたと話す小玉さん。今回はより暮らしやすさを重視して部屋選びされたそう。

    「1つ前はメゾネットタイプのお部屋で、住居兼オフィスとして住まいを持っていました。ただ今回、この部屋が空くことを知り、改めて住居と個人のテレワークのみの空間として契約をしなおしたんです」(小玉さん)

    「この部屋は、1LDKに近い1ルームでありながら、部屋を仕切る扉がなく、天井も高く、窓も大きいため、実際の平米数以上に広く感じて、落ち着いて過ごすことができそうなところが気に入りました。また、収納が多いのも魅力的なポイントでしたね」(小玉さん)

    残念なところ

    浴室の狭さ

    いまの住まいで気になる点は、手を加える中で無くなっていったとのこと。住み始めの頃に感じていた洗い場のない浴室も、今では気にならないほどになっていました。

    「住み始めの頃は洗い場のない浴室を不便に感じたこともありましたが、今ではどうしても必要な時は温泉や銭湯に行けばいいかという気持ちに変わってきましたね」(小玉さん)

    お気に入りのアイテム

    一目惚れしたキャビネット

    お部屋にもピッタリサイズなPeter Hvidt & Orla Molgaard-Nielsenのキャビネットは、小玉さんがヴィンテージのアイテムにハマるきっかけにもなった、思い入れのあるインテリアでした。

    「それまでのヴィンテージ家具といえば北欧家具というイメージがあり、あまり趣味ではなかったのですが、HIKEさんのお店を訪れた際にこのキャビネットを偶然見つけ、その場から足が離せなくなってしまいました」(小玉さん)

    「大きな家具でありながら、解き放つ繊細な美しさに魅了され、一目惚れでしたね。蛇腹の精巧なつくりは50年以上経ってもスムーズな開閉を担保しており、開け閉めするたびに感動してしまいます。

    部屋には他にもチーク材の家具はありますが、なぜこのキャビネットだけこんなにも上品でおとなっぽい色味なのか、デザイナーさんのこだわりを感じざるを得ません」(小玉さん)

    はじめて使った吊るす照明

    お部屋を見直される中で、それまであまりこだわりのなかった照明の重要性に気づいたと話す小玉さん。そのきっかけの1つになったのが、Peter Ivyの照明です。

    はじめての吊るすタイプの照明に、最初は部屋との相性や生活の中で邪魔にならないかという不安もあったのだそう。

    「1度使ってみようと部屋に取り入れてみたところ、不安も安心に変わっていきました。手づくりならではの独特なやわらかさと、ストイックなデザインが魅力的ですね。エジソンランプならではの光のゆらぎもあいまって、心地よいリビングスペースをつくり出してくれています」(小玉さん)

    月のような照明

    最近購入された101 Copenhagenの「Hoop Table Lamp」もお気に入り。

    「削ぎ落とされた造形の、不思議なバランスに魅了されました。見た時に思わず“かわいい!”と思ってしまって。月のようなまんまるなランプシェードが、お部屋にもう1つあるFLOSの『IC Lights』と共に、部屋に優しい灯りをもたらしてくれます」(小玉さん)

    暮らしのアイデア

    モノ選びが暮らしから仕事までを変える

    これまで多くの引越しを繰り返してきた小玉さんにとって、住まいは生活感のないストイックな空間が理想でした。

    ところが自宅での時間が増えたことで、居心地のいい空間づくりが日々の生活をよくするのだと実感が生まれたのだそう。

    「いまは、毎日の生活のちょっとした変数が空間に偶然性をもたらしてくれるな、と少し柔らかく捉えられるようになりました。出しっぱなしになってしまったコップ、しまい忘れがちなコーヒージャーなど、もちろん毎回きちんと片付けられれば理想ではあるのですが、そうもいかないので、つい目に入りがちなアイテムから優先度高くお気に入りを集めるようにしています」(小玉さん)

    住まいのアイテムを変えていく中で、お仕事にもいい影響が生まれていました。

    「日々の暮らしでいいものを使うことで、アウトプットの効果も実感しています。インプットとして、ポスターなどのビジュアルが魅力的なものもプラスになるのですが、インテリアの方がよりその選択に金額をかけるので、存在感にも重みがうまれます。そして自ら使用することによって、気づくこともあるのだなと思いました」(小玉さん)

    こうした気付きがあるからこそ、自分が欲しいと思ったものは妥協しないようにしていると話す小玉さん。暮らしと仕事の相乗効果で、日々の生活の充実感にも繋がっていました。

    これからの暮らし

    こだわりのヴィンテージ家具が引き立つ住まい

    現在の住まいが居心地よく、これまでの中で最も長い期間過ごすことになるという小玉さん。

    とはいえ、面積の関係で関心はあるものの使えていない家具もあるのだそう。次に目指すのは、広さのあるお部屋でした。

    「実は、ヴィンテージのダイニングテーブルを検討してはいるのですが、スペースをとる分、レイアウトが固定化されてしまうことが気になっています」(小玉さん)

    「そのため、次に住むならインテリアのサイズにも自由度が出て、アート作品のようなヴィンテージ家具のよさをより引き立たせてくれる少し広めのお部屋に住みたいですね

    とはいえ、都心に住んでいる以上なかなかそうもいかない部分もあるので、狭い空間でも昼と夜の違いや、スツールの置き方1つで変わる空間も楽しんでいきたいなと思っています」(小玉さん)

    住まいの在り方を見つめ直す中で、生活全体が変わってきた小玉さん。物数は増えたけれども、前の住まいよりスッキリして好きな空間になっていると話されていたのが印象的でした。

    これから愛着の持てるアイテムとともに、暮らしと仕事のアウトプットがどう変わっていくのか、一層楽しみです。

    Photographed by tsubottlee

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