あなたが特に数学や物理学を熱心に学んだ人で無いならば、それらを熱心に学んだ人から「数学っていうのは本当に美しいんだ」と熱く語られた経験(そして少なからず困惑した経験)は無いでしょうか。
数学に日々ふれている人々には、あるときから数学の中に潜む美しさに溜め息を漏らさずにはいられない瞬間というのが度々訪れます。
今回ご紹介するのは、そんな数学の持つ美しさを可視化した映像作品「Beauty of Mathematics」です。
制作したのは、Yann Pineill氏とNicolas Lefaucheux氏。Yann Pineill氏は以前ルーミーで紹介した、すべてが「反転」するショートムービー「Symmetry」の制作者でもあります。
この作品は画面を3つに区切り、左側に「方程式(もしくは数理モデル)」、中央に「方程式の解析結果をビジュアル化したもの」、右側に「方程式が記述している物理現象」を並べて表示しています。
そうすることで、雪の結晶やコマの運動、地球の磁場など、複雑な物理現象を数学がいかに美しく記述しているかを可視化しています。
(もちろん、「美しい」と感じるかどうかは人それぞれだとは思いますが…)左側の方程式に何が書いてあるのかわからなくても、「この方程式でこんな現象が表現できるんだ」という感動を得ることで、数学や物理学に打ち込む人々の気持ちの一端を体験することができます。
制作者らはこの作品の冒頭で、哲学者であり数学者でもあったバートランド・ラッセルの次の言葉を引用し、この作品の意味を伝えようとしています。
Mathematics, rightly viewed, possesses not only truth, but supreme beauty — a beauty cold and austere, without the gorgeous trappings of painting or music. —Bertrand Russell【筆者訳】 数学は、それを正しく見定めれば、真実だけでなく究極の美をも備えている。冷酷で厳格、絵画や音楽の華美な罠のない美を。ーバートランド・ラッセル
The Beauty of Mathematics: A Visual Demonstration of Math in Everyday Life[COLOSSAL]