第498号 2024.3.26発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…今回、鳥山明の死を惜しむ声が世界中から届いている。鳥山明が全世界で大人気となり、「レジェンド」となったのは『ドラゴンボール』があったからこそであり、『Dr.スランプ』だけでは、ここまで世界に広がることはなかったのは間違いない。『Dr.スランプ』は、とにかく平和な漫画だった。それに対して『ドラゴンボール』は徹底的な戦闘漫画である。戦闘に次ぐ戦闘で、戦闘のエスカレーションを起こしていく、ジャンプ特有の漫画だった。『Dr.スランプ』ではなく『ドラゴンボール』が世界中で人気を得た理由、そこには誰も指摘しない“真実”が潜んでいる!!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…3月24日(日曜)放送分のフジテレビ『ワイドナショー』で、松本人志問題が取り上げられ、飲み会に参加したセクシー女優の霜月るなと、たむらけんじが、自身のSNSで文春の記事がウソばかりだと指摘していることに触れた。テレビは文春の記事は大々的に取り上げるものの、文春の記事を否定するような当事者の声はまったく取り上げない。それは何故なのかというと、「文春の記事は文春が裏取りをしているから」だという!なんとマスコミは「ウラ取り」とは何なのかを知らないのだ!!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…『夫婦の絆』の単行本はいつ頃でる予定?大河ドラマに熱烈なラブシーンは必要?ジェノサイド条約でアメリカが訴えられる可能性はある?昨今の喫煙者の肩身の狭さを見ると、気の毒では?電子マネー決済化の世の中の流れで不便を感じたことはある?春ドラマではどれに期待している?犬養毅は本当に「話せば分かる」と思っていたのか?先生にとって“良い酔い方をする女性”とはどんな女性?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第527回「鳥山明の戦闘漫画に敬意を表する」
2. しゃべらせてクリ!・第453回「お金持ちを差別せんでクリ!ぽっくん怒りの座り込みぶぁい!の巻【後編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第321回「『ウラ取りしていただいて、ありがてえ』のテレビ」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第527回「鳥山明の戦闘漫画に敬意を表する」 急逝した鳥山明に「国民栄誉賞」をという声が上がっている。
国民栄誉賞なんて時の政権があげたい人にあげる賞でしかなく、基準もほとんどないに等しいから、あげたきゃ勝手にやればいいと思う。
とはいえこの現象自体は、とても興味深く感じる。
鳥山明が「週刊少年ジャンプ」で『Dr.スランプ』の連載を始めて、たちまち大ヒットとなったのは昭和55年(1980)のことだ。
わしはその前年にジャンプを出て、『Dr.スランプ』のスタートとほぼ同時期に「ヤングジャンプ」で『東大快進撃』の連載を開始しているので、鳥山明とはジャンプでは完全にすれ違いで、ただ作品を見て「ものすごく絵の上手いやつが現れたなあ」と思っていた。
その後、鳥山明は連載が『ドラゴンボール』に代わってさらなる大ヒットとなり、ゲーム『ドラゴンクエスト』のキャラデザインでも人気を博したということはもう説明の必要もないが、鳥山は郷里の愛知県から出なかったこともあって、ジャンプ関連のイベントなどでもわしと顔を合わせる機会は一度もなかった。
そんなわけで、一面識もないので個人的な人物評などは書けないが、同業の漫画家として見た作品評を書いて、追悼としたい。
今回、鳥山明の死を惜しむ声が世界中から届いている。
鳥山明が全世界で大人気となり、「レジェンド」となったのは『ドラゴンボール』があったからこそであり、『Dr.スランプ』だけでは、ここまで世界に広がることはなかったのは間違いない。
『Dr.スランプ』は、とにかく平和な漫画だった。
それに対して『ドラゴンボール』は徹底的な戦闘漫画である。戦闘に次ぐ戦闘で、戦闘のエスカレーションを起こしていく、ジャンプ特有の漫画だった。
初期の『ドラゴンボール』は、『Dr.スランプ』のカラーも残した冒険ファンタジー漫画で、戦闘の要素はそれほど前面に押し出されてはいなかった。
ところがそれで人気が伸び悩んだため、路線を変更して徹底した戦闘漫画にしたら、たちまち人気が大爆発して、ついには世界的な「レジェンド」にまでなったのだ。
戦闘漫画にしたら、必ず人気が上がる。世界中の人々が、戦闘が大好きなのである。
かつて『沖縄論』の取材で、沖縄戦の際に住民が避難し、集団自決の悲劇も起きたガマ(洞窟)を現地の「平和ガイド」の年配女性に案内してもらったことがある。
ガイドさんは沖縄戦や戦後の沖縄の苦難の歴史を切々と語っていたが、その後、話は現在の反基地運動へと移っていった。
当時、嘉手納基地周辺では米軍のパラシュート降下訓練が行われていて、これの中止を求める運動が行われていたが、そのことを話したところで、ガイドさんの表情が曇った。
つい先日、ガイドさんが家に帰ったら孫がテレビでアニメ番組を見ていて、そこでは大空からパラシュートでカッコよく人が舞い降りてきて、派手な戦闘シーンを繰り広げていたという。
そして、そのシーンを孫が目をらんらんと輝かせて見ている様子に、ガイドさんは衝撃を受けたという。自分が日頃から家でも戦争の悲惨さを訴え、パラシュート降下訓練に反対していることも話してきたのに、それは一体なんだったのか、孫に全く伝わっていないじゃないかと、驚愕したというのだ。
そして、その時に孫が見ていたのが『ドラゴンボール』という番組だったと、ガイドさんは憤然として言ったのである。
コメント
コメントを書く朝ドラ「虎に翼」を見ましたが、最初の方の場面で、日本国憲法第14条が読み上げられて、門地の差別のところが出てきました。
日本初の女性弁護士の話なので、女性差別の事で出てきたんだろうなぁと思いました。
旧宮家の男系男子の養子案の話とは、全く関係ないと思います。
ブギウギの時代と被りますね。
朝ドラは、大体女性の活躍の話です。
今日、愛子さまが日赤に勤められる初日と被りました。
4月1日で月曜日で、愛子さまも朝ドラも色々といいスタートになればいいですね!
「愛子さまサイト」のれいにゃんさんの記事、
旅先の会話で庶民の誤解を解く、凄いです!
皆さん、是非一読お願いします!
↓
「‥でも、女性が(天皇に)なったら可哀そうよ。大変な立場やし、ほら、大河ドラマらぁ観よってもよ?権力争いじゃあ、何じゃあゆうて、殺しあったりしゆうろう?‥」
今日は休み(昨日は明け日、雑事済ませひたすら寝てた)。
近所にSPA!を買いにいく。仕事中は、日付が変わるとすぐコンビニで購入しているが、近所で買う時は朝9時位。
SPA!はいつも1~2冊。
ここで気になっていたことがあり、今日は2時に買いにいく。
気になっていたこととは、随分前にコメント欄にも投稿したが、コロナ禍でSPA!の入荷が増えたこと。
先日久々に雑誌コーナーに目をやると、何かが変。
「サンデー毎日」がある!1冊ではあるが、ある。
コンビニに……ある。昨今のコンビニ状況を考えと、申し訳ないが「サンデー毎日」があるのは、珍しい部類ではないだろうか?またその後のSPA!も、どうなってるのか?が気になりこの時間に確認……となる。
(舌足らずな説明で申し訳ありませんm(_ _)m)
で、結論。
SPA!……の入荷……「8冊」!
サンデー毎日……な、なんと「5冊」!!
こ、これは!……凄く驚く。
オーナー?の発注なのか?(因みにオーナーを知らない)
にしても、午前中には在庫は少ない。
やっぱりこれは!!かなりの高確率で、「この一帯」に、愛読者がいる!間違いない!!
昨今のコンビニ状況を考えると……また、女性誌は多めではあるが、やはり雑誌コーナーは狭い。
住所は明かせないが(そりゃそうだ)、ほぼ観光地……とだけ。勿論住人は多くはない(が、たぶん平均所得はかなり高い)。(先生、もし興味が湧いたら、総合Pに聞いてみてください(笑))
明らかに「入荷量が倍増」している。サンデー毎日「5冊」あるコンビニ(しかも午前中には1冊くらいになってる)なんか、そんなにはないハズ……。
とても興奮してしまい、まずは投稿(うーん、ハードル関係ないな、わたし……)。
>>124
連投m(_ _)m
愛子天皇論読む(これが先!ですよねm(_ _)m💦)
メチャクチャ面白い!わかりやすい!!頭に「ストン!」「スイスイ」入ってくる。最初と最後……も、計算されていて、実に素晴らしい!軽やかな転調……。
また、あの件……についても描かれており、ここでも実例、証拠をあげて(!)いる、急遽……と考えれば、驚嘆する。その速さにも……。そしてお怒りである。当たり前である。またかよ……である。
毎回毎回傑作ではあるが、今回は「大傑作!」だと思う。
(これだけの内容を、すっと読めること、そして資料の多さも窺えること。なにより面白い!)
コンビニ環境……「購入者が在住比率でも多い……と考えられること」、入手がかなり容易(入荷数)……も含め、幸せなことだよな……と。
で、「あいつ」ではあるが……。
「憲法を杓子定規に適用せず、皇室の掟に任せることで、憲法と皇室は調和してきた」
「完全な平等を求めて、上皇后陛下、皇后陛下、皇嗣妃殿下を「違憲の存在」とする気か?」
……法学部1年生のお勉強サークル全員が泡を吹いて倒れること間違いなし!
4、5行よみましたが、「いかめし」……並みに「ぎっちり詰まってます」……○カが。
倉山名物「○カめし」。
本人は「プロしか相手しない!」と、自身のブログでイキってるようだが、これ……「プロなら馬鹿馬鹿しくて相手にしない」と思う。
それぐらい、本当に酷い。
確かに、「バカのウワサはやめやめやめって~ん♪」かもしれない……もはや。
「大傑作」と「大駄作」の違いがわかる、大注目!の今週のSPA!です!
>>125
つい1P読む。
「彼」はガソリンを撒いている。いつもながらの「極論」「曲解」「すり替え(ズラシ)」等々である。今回はキャンセルカルチャーの風潮を考えると、ガソリン撒いてる……が表現として正しい……。
ガソリンは正しく使えば、大きな力になる。
決して「放火」に使うものではない!
ましてや「不純物の混ざったガソリン」である!
恐ろしい。
>>125
大駄作……ではなく(作品でない、こんなもん)、ラクガキでした。
本日発売のSPA!ゴー宣229章「女系継承は正統な学説である」の感想です。
愛子さまの伊勢神宮御参拝、日本赤十字社への御入社直後に、女系継承について拝読できる巡り合わせに感じ入りました。「若いときから天のよいしるしを授けられ、寛大であわれみ深く、情緒も安定し、美しく、人々からその徳を称えられている」という元明天皇が氷高内親王(元正天皇)への譲位に理解を求めた詔は、国民が歓呼で迎えた敬宮愛子内親王の麗質をも表しているようで、胸が熱くなります。
今回、公開していただいた校閲ゲラ、不遜にも元正天皇の麗しい御影にかかるように線が入っているところまで怒りを覚えました。前々章『天皇陛下が性別を確認しなかった理由』で学術的にも女性・女系天皇が存在したことが証明されているという事実を描きだして下さった頁、男系固執派の方々一人一人に印籠のように突き付けたいと願ったほどの見事な頁は、イデオロギーを表出させてしまう鏡でもあったのですね。
『新・天皇論』を紐解けば、「氷高の父は草壁皇子であり、天皇ではない。男系で位置づければ、「内親王」ではなく「女王」になるはずだ。」と、「女帝の子」として「内親王」となった実例としての元正天皇が「女系継承」であることを、さらに明解に記して下さっています。平城京遷都、「古事記」の完成という政治的にも文化的にも偉業を成し遂げられた元明天皇から譲位され即位した元正天皇について描かれた内容に校閲するならば、小林先生の天皇論シリーズには目を通していただきたいと思いました。
「横浜LIVE」のヴィヴィッドな描写は、現地参加の興奮が蘇るようで嬉しく。キャンセル・カルチャーの嵐が吹きすさぶ真っただ中での「歌謡曲を通して日本を語る」、知性感性を最大限に高める文化防衛を果敢に繰り広げながら『愛子天皇論』が描かれたという社会的、歴史的な意義も、しっかりと日本の文化史に刻んで下さって、ありがとうございました。
今号の感想です…。
よしりん先生の記事について、改めて。
江戸川乱歩先生の話はともかく、かつて「ガンダム」の富野由悠季氏が「だから僕は…」という書で、鉄腕アトムのアニメがヒットしたあとの手塚治虫先生の苦悩を述べられていて(富野氏も又聞きしたようなことらしいのですが)「強い敵と戦わせることがアニメ『アトム』の主軸となり、自分の息子のアトムではなくなったけれども、PTAなどは『アトムは素晴らしい作品だ』と褒めるので、ますます苦しい気持ちになった」というような内容だったと覚えています。
つまり、一つの作品ができると、商業主義の中で、「商売になるかならぬか、商売にするにはどうすればいいのか」が軸となり、内容はなおざりにされるという好例が、『アトム』であり、『ドラゴンボール』であって、ほかにもあまた存在する話なのか、と思いました。本宮ひろ志先生の『男一匹ガキ大将』もそうだったという話を聞いています(富士の曠野で対決でおしまいにしたかったのだとか)。
『水滸伝』も、100回でおしまいの形のほかに、途中を20回分引き延ばしたヴァージョンもあるのだとか。また、武松の兄の敵討ちの話を別方向に拡大し、スピンオフしたのが『金瓶梅』ですよね。
人間の考えることは、古今東西、かわらないのだな、と思いました。ある意味、「鬼滅の刃」がそれなりに少ない巻数で終わったのは、良かったのかも、です。
単純ですが、そんなことを思いました。
私は内容が良ければそれでいい、戦闘の中身や目的が明確であり、それによる主題にぶれがなければいいのでは、とか思います。ただ、「ゴー宣」については、論争は結論をうみだすためのもので、論争そのものを目的にしてはなるまじ、ということなのでしょう。
私の知人にも「小林よしのり信者は小林よしのりの言うことにはYesなんだろう?」としか言わない人がいたのですが、そういうことを感じたり、深く考察はしていないのでしょう。しかし、「考える」こと事態が「面倒」で、「何となく気に入らないから、こいつの言葉には聞く耳を持たない」でいい、正当化されるという考えの人もいるのでしょう。
犬養毅のことを記したのは、そういう理由からでもあります。論理や理屈ではなく、個人的な憎悪にまで発展してしまっています。何とか納得させたいものです(もっとも、その知人は私のそばからは立ち去ってしまいましたが)。
以上です。
もくれんさんの記事について
学問でも、書いてあることを鵜呑みにせず、他の書をあさったり、現地へ行ったり、似たような出来事について考察したり、経験談を聞くなどのような、「自分で調べる」ことが大事であって、分からなければ自分で何とかする、という基本方針がマスコミには存在しないのか、と思いました。
とりあえず、こんなところです。
最後に今号のSPA!が横浜LIVEの内容だったのがとても良かったです。元明・元正の件、どうしたら納得して貰えるのでしょうか?」これも感情論なのか、と。
では次号を期待します。前号のは…気がむいたら、新しいライジングの記事と関連づけてにします。
ゴーマニズム宣言・第527回「鳥山明の戦闘漫画に敬意を表する」拝読しました。
よしりん先生が沖縄論の取材で出会われた沖縄のガイドさんのように、フィクション作品の戦闘にまで文句言われても、困りますね。
どうしても戦争を無くしたいのなら、全人類を滅亡させるしかありません。
しかしそれは反戦平和を唱える人たちにとって、忌み嫌う大量虐殺と何も変わらないこと。
人というものは、よしりん先生のように「戦争というものは人類が生存し、国家が存在する限り、なくならない」事実を意識的・具体的に描かれると「そんなことはない!」と否定してしまっても、同じことを鳥山先生のように無意識に・抽象的に描かれると、安心して「そうだ!」という本音が溢れてしまうのでしょう。
泉美木蘭さんのトンデモ見聞録・第321回「『ウラ取りしていただいて、ありがてえ』のテレビ」拝読しました。
仕事しろテレビ局!!
週刊誌の言い分鵜呑みにして垂れ流すのが、あなたたちの仕事じゃないでしょう!
当事者の貴重な証言を元に、自分たちで検証しましょうよ!
自分たちの足で取材しようともせず、週刊文春の記事の内容鵜呑みにしてそれをテレビで垂れ流すだけで高い給料貰えるなんて、いいご身分ですね!
バトル漫画といえば、異能戦士がまた読みたいです!
毛脛が好きでした…