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■久瀬太一/12月25日/17時10分
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■久瀬太一/12月25日/17時10分

2014-12-25 17:10
    久瀬視点
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     タイムリミットは22時――あと5時間。
     それまでに山本の不幸な未来を書き換えなければならない。さらに、23時までにもうひとつ。余裕はあまりない。
     現場にいる聖夜協会員は、みんな知っている相手だった。ニール、ファーブル、それからなぜだか宮野さん。雪が潜り込ませたのだろうか? よくわからない。
    「キミが名探偵だっていうの?」
     と宮野さんは言った。
     そんなわけがない。ミステリなんて小説ででも滅多に読まない。
    「オレはただの助手ですよ。名探偵はこの向こうにいます」
     とオレはスマートフォンを宮野さんにみせる。
    「なにそれ? 電話だけで推理するの?」
    「正確には、メールで。とりあえず状況を教えてくださいよ」
     さっさと山本の無罪を証明しよう。話はそれからだ。 
    「現場をみせてもらえますか?」
     と、オレは尋ねた。

           ※

     ファーブル辺りがごねるかと思っていたけれど、意外にすんなり、センセイの部屋に入れてもらえた。
     まず目に入ったのは、少年ロケットのきぐるみだった。
     ――本当にいやがった。
     でもそいつは、動きも、喋りもしない。ただじっとうつむいている。バスの中にいるこいつよりも、余計に不気味に感じた。
     だが部屋には、そのきぐるみよりもなお目立つものがあった。
     床に広がった、黒い染みだ。空気にはまだ血の臭いが混じっていた。
     ニールがどかりと、扉の脇にあるソファに腰を下ろす。
    「で? 今さらこの部屋をみて、なにがわかるってんだよ?」
    「センセイの遺体、本当に失くなっているんだな」
    「質問に答えろよ!」
    「ああ、悪い。とりあえず、センセイを刺したのは山本じゃないってことを証明しなけりゃならない」
    「どうしてこいつが犯人じゃないってわかる?」
     どうして?
     オレは首を傾げて、山本に尋ねた。
    「君がセンセイを刺したのか?」
    「違うよ、もちろん」
    「ほら」
     ニールを見返して、告げた。
    「本人が違うと言っている」
    「それがなんの証拠になるってんだよ!」
     彼は不機嫌そうだ。
    「別になんの証拠にもならない。でも信じる理由にはなる。彼女とは小学生の頃から友人なんだよ」
     といっても、一緒にいたのは半年ほどだけど。
     オレの知っている山本美優は、真面目で、優しく、誠実な女の子だ。彼女の言葉を信じることに、抵抗はない。
    「センセイの遺体は、その椅子の上にあったんですよね?」
     誰にともなくそう尋ねると、宮野さんが頷く。
    「間違いないわ。部屋の入口に背を向けるように座ったまま椅子に座った姿勢で、左脇を刺されていた」
     なるほど、確かに床の血の跡をみても、椅子の左側から流れているようだった。
     宮野さんは、ひそめた口調で続ける。
    「ついでにいうと、ナイフには山本さんの手の跡がべっとりついていたわ」
    「あ、これですね」
     ナイフはテーブルの上に載っていた。
     確かに、成人男性に比べれば小さな手の跡がついている。

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    「どうして山本のだってわかるんですか」
    「はっきり指紋が出ていたから。そりゃ、警察みたいにしっかりは調べられないけど、みればだいたいわかるわよ。偶然こんなにも似た指紋の人が――っていうのは、確率的にリアリティがないわ」
    「なるほど」
     まあ、山本はこの部屋で倒れていたとのことだから、ナイフを握ったように偽装されていてもおかしくはない。
    「宮野さん、紙と、なにか書くものはありますか?」
    「あるけどどうして?」
    「この部屋の見取り図を描こうと思って」
     ふ、と宮野さんは笑う。
    「もうあるわよ感動しなさい」
     そういって彼女は、なぜだか濡れてたわんでいる大学ノートをひらいた。

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     助かる。
    「どうしてこんなのあるんですか?」
    「そりゃ死体消失事件だもの」
    「記事にするんですか?」
    「しちゃ悪い?」
    「おや、なんだか穏やかではないお話ですねぇ」
     割り込んできたのはファーブルだった。
    「センセイが本当に死んだとも思えませんが……あの方は私共の代表です。ベートーヴェンさん、貴女も新人とはいえ、その自覚を持っていただかなくてはなりません。記事というのがなんのことだか知りませんが、あの方をそうやすやすと――」
     話が長くなりそうだったので、ファーブルの相手は宮野さんに任せることにする。
     ちらりと見取り図をみたニールが、山本を指さし、つまらなそうに言った。
    「こいつがナイフで、椅子に座っているセンセイの左脇を刺した。そう考えるのがいちばん自然だろ。なにもおかしなところはない」
    「そもそも犯人が現場に倒れているのがおかしい」
    「知るかよ。どうにでも説明はつく」
    「たとえば?」
    「オレたちが踏み込んだから、とっさに意識がないふりをした」
     オレは内心でため息をつく。
     そんなわけない、と言いたかったが、とりあえずなんの証拠もない。
     ――山本がナイフで、椅子に座っているセンセイの左脇を刺した。
     どうだろう?
     なにかおかしなところはないだろうか?



    読者の反応

    amor000@bell情報ディーラー @nagaeryuuiti
    これ、血のつき方は完全におかしいな


    まさき@ソル東戸塚凸班 @masaki_mmm
    ナイフがwwwうちのと同じヤツだwwwww 


    リョウゼン シュウ @shuu_ryouzen
    左脇を刺すには紅茶の載った白い台が邪魔ですな。


    鯱海星 @syati_hitode
    仕事場の人に3D小説の説明してダッシュで仕事片付けたぜ!!!今から追う!!


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    このメールを送りました!
    あいう
    @aiu_096
    電波が通ったら主人公に「クリスマスパーティをしたときその内装がどんな感じの建物だったか、場所はどこか教えてください覚えてなければ父親にも聞いてほしいですそこで事件が起こった可能性があります」
    と送ってください


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    @3d_bell
    【久瀬くんからのメール】
    ホテルのパーティ会場だった。
    ごく普通の立食式の。父との連絡はちょっと待ってほしい。
    あいつ、なかなか電話にでないんだ。


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    このメールを送りました!
    ナンジュリツカ@3D小説第1部大阪現地組
    @nandina_citrus
    @3d_bell 電波が来たら久瀬君の方に「宮野さん=ベートーヴェン、雪さん=アルベルトで合っていますか?」と送ってください。 


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    @3d_bell
    【久瀬くんからの返信】
    ああ、それで間違いない。


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    このメールを送信します!
    あいう
    @aiu_096
    @3d_bell 
    主人公に「こちらはさほど情報を持って無い…アリバイと誰がここにいるかプレゼントもち、持っている人がいるならその効果も答えるように聞いてほしい」と電波が来たら送ってほしい


    少年(臨時代理! リンちゃん) @3d_bell
    @3d_bell
    【久瀬くんからの返信】
    プレゼントに関しては、持っている可能性があるのはアルベルトのみ。詳細はわからない。
    アリバイがあるのは、ファーブル、アルベルト、ワーグナー、かな。





    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(  @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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