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平成30年度のジュニアドクター育成塾事業の実施情報についてお知らせします。

【1】ジュニアドクター育成塾とは
【2】白衣を着ている人だけが科学者じゃない!
【3】講座の流れ

【1】ジュニアドクター育成塾とは
ジュニアドクター育成塾とは,国立研究開発法人科学技術振興機構が支援する次代の日本を担う研究者を育成する教育手法を開発するプログラムです。
愛媛大学では,幅広い興味関心を持ち学問分野を超えて活躍する研究者を育てるためのプログラムの開発を行っています。

愛媛大学のジュニアドクター育成塾の特徴は,以下のとおりです。
  1. 分野を超えた多彩な内容
  2. ICTを使った教育方法
  3. 理解を深めるための新聞作成
  4. チームで活動し,協働的に理解を深める
【2】白衣を着ている人だけが科学者じゃない!
科学は『白衣』を着て『フラスコ』をもった『男性』だけのものではありません。『白衣=科学』,『科学者=男性』の思い込みを打ち破りましょう。

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図1 科学者にはいろいろな人がいます

ジュニアドクター育成塾では,多様な講師をお迎えして,幅広い内容を学び,あなたの科学の能力(ちから)を育てます。

内容例
  • グラフィックレコーディング:あなたの思考を『見える化』して,みんなと共有する
  • テキストマイニング:プログラムを使って,文章から考えを『見える化』する
  • 貴金属リサイクル:パソコンやスマートフォンに含まれる貴金属をリサイクルする工業的手法
  • 製剤:くすりを作るための方法
  • 色と言葉:色を表す言葉から,思考を『見える化』する
  • 化学発光:化学反応を『見える化』する
など

【3】講座の流れ
プログラムは,幅広い内容を扱うテーマから構成されており,各テーマは体験講座と新聞作成講座の2つに分かれています。
講座では,『挑戦するチカラ』『考えるチカラ』『表現するチカラ』『協働するチカラ』の4つのチカラを伸ばしていくことが目標です。

体験講座の流れを紹介します。
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図2 体験講座の流れ

(1)事前調査
講座で体験する内容について,動画を視聴して事前に理解をします。また,理解を深めるための課題がありますので,課題に回答します。事前調査では『理解を深めるための調査のチカラ』を身に着け,その重要性を理解することが目標です。

(2)座学と活動

体験講座は,約3時間の座学活動を行います。活動中に小休止をとり,それまでの内容をまとめる時間を取ります。学校では『手を膝において話を聴く』と習っているかもしれませんが,ここでは『メモを取りながら話を聴くチカラ』を身につけることが目標です。

(3)歓談
講師の方は,あなたの将来であり,人生の先輩です。講師の方について,お仕事について,さまざまなことを伺ってみましょう。質問するには,お話をよく聞いていなければなりません。また,相手との対話ができることが必要です。歓談では『質問するチカラ』を身につけることが目標です。

(4)まとめ
このプログラムでは,小学生と中学生が一緒になったチーム活動が主体になります。体験講座の次に行う,内容をチームごとにまとめる新聞作成講座に向けて,話し合います。まとめでは,それぞれが理解したことを『見える化するチカラ』を身につけることが目標です。

体験したことを「おもしろかった」「たのしかった」で終わらせては,理解は深まりません。理解したことを『見える化』するために新聞を作成しましょう。

新聞作成講座の流れを紹介します。
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図3 新聞作成講座の流れ

(1)体験講座から新聞作成講座まで
インターネットで話し合うためのアプリ(Slack)を使って,紙面について話し合いましょう。チームごとに紙面を作成しますから,紙面のデザイン,記事の内容,どの記事を誰が担当するのかなどを話し合って,読みやすい紙面を作る必要があります。ここでは,全員の理解を共有するための『教え合うチカラ』を身につけることが目標です。

(2)紙面作成
紙面の作成では,「体験したからこそ理解できる」点をまとめることが重要です。新聞の紙面とおなじように,どこかに書いてあること,調べればわかることを最小限にまとめて,わかりやすい紙面を目指します。ここでは『自分を外から見るチカラ』を身につけることが目標です。

(3)紙面発表
作成した紙面について,みんなに発表します。ここで重要なことは,『紙面で伝えたいこと』『紙面の目標』などを,わかりやすく伝えることです。ここでは『発表するチカラ』を身につけることが目標です。

【4】発表に参加しよう
安田女子中学高等学校(広島県)のSSH成果発表会や岡山県立倉敷天城中学校の課題研究発表会などの発表会に参加して,広い地域の優れた能力を持つ人たちと交流を予定しています。ここでは,『これまでに身に着けてきたチカラ』を発揮することが目標です。

ジュニアドクター育成塾の内容について紹介しました。
募集については,もうすぐ公開できると思いますのでご期待下さい!
2018年3月3日に開催された岡山県立倉敷天城中学校の課題研究発表会に,受講生11名が参加し,理科教育先進校の生徒と交流しました。

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図1 口頭発表(原稿なしで発表します!)

1 岡山県立倉敷天城中学校とは
岡山県立倉敷天城中学校は,1906年に私立関西中学校天城分校として開校された創立100年を超える伝統校,倉敷天城高等学校に併設される中学校として2007年に開校されました。科学的思考力と想像力を身につけ,21世紀の社会を各分野で主体的に担っていくことができる生徒の育成をミッションとする理科教育先進校です。

2 特徴ある教育方針
倉敷天城中学校の21世紀型学力の取り組みの特徴として,課題研究があります。
中学校1年生から,特色ある科学教育Thinking Scienceや博物館連携授業を取り入れて,生徒たちはさまざまな取り組みをし,3年生になると英語での科学実験にも取り組み,修学旅行では大学や他校を訪問して,生徒の課題研究の発表会も行っています。

3 3年生全員が行う課題研究発表会
この3年間の集大成として,実施されるのが,今回参加させていただいた課題研究発表会です。3年生120人全員が1年間をかけて進めてきた課題研究をA1ポスターにまとめて発表しています。

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図2 1,2年生および大学教員などが質問します!

4 国語や社会から英語や理科で幅広い研究課題
研究内容は科学にかぎらず,人文・社会科学から科学まで幅広い内容で発表されます。どの発表でも,生徒は原稿を読み上げるのではなく,自分の言葉で研究について説明し,質問に対しても自分自身で理解している言葉で回答することができました。昨年度に引き続いて参加しましたが,すべての発表者が研究について自分自身の言葉で語るのは,大学生の卒業研究でも難しく,レベルの高さに改めて感銘を受けました。とくに英語での質問に挑戦する2年生の姿に意欲こそが人を成長させると強く感じました。

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図3 さまざまな研究分野があります!

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図4 受講生はたくさんの発表を聴講しました!

5 がんばっている生徒さんたちと一緒にお昼を食べながら歓談しました
倉敷天城中学校様のはからいで,午後に口頭発表を控える生徒さんたちと受講生は一緒にお昼を食べながら,歓談しました。研究をどうやって進めているのか,発表のコツや修学旅行での発表など,受講生は生徒さんたちからたくさんの話を伺うことができました。また,私たちの特徴ある科学教育について,生徒さんたちも興味を示し,互いに良い交流ができたと思います。

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図5 お昼を一緒に食べながら歓談しました

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図6 同世代の受講生はレベルの高さに衝撃です!

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図7 午後の口頭発表について丁寧に教えてもらいました

6 まとめ
昨年度に引き続いて訪問させていただいて痛感するのは,コミュニティの重要性です。倉敷天城中学校という意欲の高い先生,先輩方に囲まれる環境があってこそ,こういった試みは成り立ちます。意欲のある人との繋がりは,あなたの将来への大きな資産です。武田信玄公は「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なりの意味」と言いました。

あなたの才能を活かし,伸ばしてくれる,あなたと切磋琢磨する『仲間』をつくりましょう!

公開が遅くなりましたが,2月17~18日にアイテムえひめで開催される,まつやま環境フェア2018に出展しました。

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図1 展示会場風景

まつやま環境フェアは,松山市が実施されている環境モデル都市としての松山市を盛り上げるイベントです。本プログラムは,水素社会の実施でお世話になりました,四国岩谷産業様,愛媛トヨタ自動車様と合同でブースを出展することになりました。

四国岩谷産業様は,図1に小さく写っている燃料電池自転車の試乗会も実施されていました。おそらく日本に1台しか存在しない,四国岩谷産業様オリジナルの自転車ですので,試乗できた人は貴重な大変でしたね。

図1の後ろにみえるプロペラは,本学がクラウドファンディングで開発した燃料電池飛行機です。実際にプロペラを回す動態展示を行いました。またその横では,本学の野村信福教授が開発された電磁波で水素をつくる装置も展示しています(すいません。写真を取るのを忘れました)。

本プログラムからは,水素社会の実施で作成した,えひめこども科学新聞,水素川柳の展示を行いました。

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図2 えひめこども科学新聞と水素川柳の展示

また,来場していただいた方向けの体験型イベントとして,本プログラムの選抜試験で実施した「かさ袋ロケットの開発」を実施しています。

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図3 かさ袋ロケットの作成風景

2日間とも朝から閉場まで,ほとんど人が途切れず,かさ袋ロケットの作成と飛行試験は大盛況でした。私は学生の卒業研究発表会やジュニアドクター育成塾事業で,すべての時間にいることはできませんでしたが,学生さんたちが頑張ってくれました。

隣にあるステージでは愛の葉ガールズさんたちがイベントをされたりして,大変な盛り上がりようでした。

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図4 撤収完了!

忙しい2日間でしたが,学生さんの協力で乗り切ることができました。また,かさ袋ロケットを楽しそうに作って,投げている子どもたちの笑顔が見られて良かったです。

愛媛大学ジュニアドクター育成塾

このブログでは,国立大学法人愛媛大学が国立研究開発法人科学技術振興機構から受託している愛媛大学ジュニアドクター育成塾を紹介していきます。 科学や科学研究のおもしろさや重要な点を紹介し,科学者という仕事のおもしろさを伝えていければと思います。

著者イメージ

大橋淳史准教授

愛媛大学教育学部理科教育講座で化学を担当しています。元々は合成化学や分析化学,生物化学などをやりながら博士(理学)を取得して研究畑から,教育関係に来ました。専門研究者として11年,科学教育研究者として12年,研究人生はちょうど2分されています。いろいろなことをやってきたからこそ,何にでも興味をもてるという感覚を,みなさんにも理解してもらえればと思います。

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