【ジュニアドクター育成塾】第4テーマ「無細胞タンパク質合成システムが拓く未来」解説【愛媛大学】
2017/11/19(日) 17:00
11月5日に,ジュニアドクター育成塾事業「科学イノベーション挑戦講座」第4テーマ「無細胞タンパク質合成システムが拓く未来」を実施しました。今回の講師は,本学のプロテオサイエンスセンター,林秀則教授が実施しています。
1 緑色蛍光タンパク質
2008年のノーベル化学賞は下村脩先生が受賞されました。受賞理由は「緑色蛍光タンパク質 GFPの発見と開発」です。
ノーベル化学賞2008年
図1 下村脩博士(ノーベル財団サイトより引用)
緑色蛍光タンパク質(GFPとします)は発見された当時は綺麗な蛍光が見える以外に大きな用途はありませんでした。しかし,それから30年後,GFPを作り出すDNAの配列がわかって状況は大きく変わります。それまでのタンパク質の研究は,生物から取り出したタンパク質を分析していましが,GFPを遺伝子に導入することで,生きたまま,しかも顕微鏡で観察できるようになったのです。この研究によって,生命科学や医学は大きく発展していきました(詳細については国立科学博物館のサイトを参照してください)。
緑色蛍光タンパク質は,生命科学や医学にとって,象徴的な物質なのです。緑色蛍光タンパク質は図2のような,とても複雑な構造をしています。
緑色蛍光タンパク質は,生命科学や医学にとって,象徴的な物質なのです。緑色蛍光タンパク質は図2のような,とても複雑な構造をしています。

図2 緑色蛍光タンパク質(PDBjデータベースより引用)
図2の左右は同じものを表しています。右側が原子で表した緑色蛍光タンパク質です。非常に複雑で,どんな構造をしているのかがよくわかりません。そこで,アミノ酸を帯状に表示しているのが左側です。表示の仕方を変えることで,構造がわかりやすくなりました。緑色蛍光タンパク質は筒型の構造をしています。
このとても複雑で,生命科学において象徴とされる化合物を生物を使わずに合成しようというのが,今回の講座の目的です。どのくらいかかると思いますか?
時間は,そう,2時間もあれば十分です。
もし,あなたが合成化学者なら腰を抜かすところです。2時間では化学反応をひとつ行うのが精一杯でしょう。しかし,その短時間で合成できるのです。無細胞タンパク質合成システムなら。
2 達成目標を設定しよう
今回の内容について整理しましょう
最終目標(Why)
無細胞タンパク質合成システムなどを用いて,生命科学の基礎になるDNAや分子生物学について理解を深める。
具体的な目的(How)
・生命の共通項は何か
・生命科学にできることは何か
を知る。
計画(What)
無細胞タンパク質合成システム
電気泳動によるタンパク質の分析
ブロッコリーからのDNAの抽出
の3つの実験を通じて,生命科学について理解を深める。
電気泳動によるタンパク質の分析
ブロッコリーからのDNAの抽出
の3つの実験を通じて,生命科学について理解を深める。
たのしかった,おもしろかった,で終わらせず,学びを深めていくためには,自分が何をしなければならないのかを明確にしておくことが重要です。
3 DNAとアミノ酸
林先生のお話は生命とは何かから始まりました。
地球には多くの生物がいます。たとえば図3には,どのような生物がいるのでしょうか?
地球には多くの生物がいます。たとえば図3には,どのような生物がいるのでしょうか?

図3 色々な生物
ゾウ? ネコ? ウサギ? パンダ? さまざまな動物がいますね。
そう。これらは動物です。動物以外にも植物も生物です。
では,これで全ての生物が数えられたでしょうか?
たとえば見えない生物はいませんか? ノミとか。ダニとか。
もっと小さいものは,どうでしょうか? 大腸菌とか。
珍しいもの,珍しくないもの。見えるもの,見えないもの。
この世界には実に多くの生物がいます。
しかし,私たちが生物と呼ぶものには,ある共通点があるはずです。
今回の講座で重要になるのは,この共通点です。
4 細胞 生命の共通点①
生物の共通点のひとつめは,細胞をもち,その中で化学反応を行うことです。

図4 どちらも細胞を持つ
大腸菌のように,ひとつの細胞しか持たない単細胞生物
人間のように,たくさんの細胞からできている多細胞生物
どちらであっても,細胞を持ち,その中でさまざまな化学反応を行なっていることに変わりはありません。
そして,どちらの場合でも,その体を作っているのはタンパク質です。このタンパク質は1000種類くらいあり,ひとつひとつがちがった役割を持っています。
タンパク質の役割には以下のようなものがあります。
- 形を作る 例:髪の毛
- 動かす 例:筋肉
- 運ぶ 例:ヘモグロビン
- 消化する 例:消化酵素
その作り分けをしているのが,DNAの役割なのです。
DNAは生物の設計図を持っていて,アミノ酸を原料にして必要なタンパク質を必要な時に作りだすことができます。そして,これだけ複雑なものを作りだすにもかかわらず,元になるアミノ酸は20種類しか存在しないのです。生命の神秘を感じますね。
5 子孫を残す 共通項②
人から人が生まれ,犬から犬が生まれるように,生物は特定の性質を子孫に伝えることができます。これはDNAによる働きによるものです。図5のような二重螺旋構造は目にしたことがあるでしょう。

図5 DNAの二重螺旋構造
では,質問です。どうして,DNAは二重螺旋構造を取るのでしょうか?
物質が,ある特定の構造をとるとき,そこには,そうでなければならない理由があります。科学とは疑問の学問です。簡単に得られる答えに満足せず,その先を考えなければなりませんね。
このDNAは事前学習動画で学んだように4種類のアミノ酸によってできています。
4種類のアミノ酸の設計図によって,20種類のアミノ酸の並びを決めていく必要がありますので,アミノ酸3つでひとつのアミノ酸を指定します。これがDNAによる設計図の秘密です。
物質が,ある特定の構造をとるとき,そこには,そうでなければならない理由があります。科学とは疑問の学問です。簡単に得られる答えに満足せず,その先を考えなければなりませんね。
このDNAは事前学習動画で学んだように4種類のアミノ酸によってできています。
4種類のアミノ酸の設計図によって,20種類のアミノ酸の並びを決めていく必要がありますので,アミノ酸3つでひとつのアミノ酸を指定します。これがDNAによる設計図の秘密です。

図6 アミノ酸3つでひとつのアミノ酸を指定する暗号表
こうしてDNAはひとつひとつのアミノ酸の並びを決めて,さまざまなタンパク質を合成することができます。
6 タンパク質を自由自在に作れるか?
研究によって,生物がタンパク質を作りだす方法はわかってきました。つぎに,科学者は,こうした生命の仕組みを利用して,さまざまなタンパク質を作りだせないかと考えるようになりました。
なぜでしょうか?
化学反応を使って作りだすことは,できなくはありませんが,非常に大変だからです。たとえば図2の緑色蛍光タンパク質は,アミノ酸が240個もつながっています。これを,ひとつも間違えることなく繋がなければ蛍光は見られません。化学反応で作るのは少々大変なことがわかってもらえたと思います。
なぜでしょうか?
化学反応を使って作りだすことは,できなくはありませんが,非常に大変だからです。たとえば図2の緑色蛍光タンパク質は,アミノ酸が240個もつながっています。これを,ひとつも間違えることなく繋がなければ蛍光は見られません。化学反応で作るのは少々大変なことがわかってもらえたと思います。

図7 7つのアミノ酸が繋がった分子模型を持つ林先生
図7を見てください。たった7個のアミノ酸が繋がった分子であっても,かなり長いことがわかります。これを240個も繋げていかなければならないのです。方法はふたつありました。
遺伝子組換えに使われているのは,大腸菌や酵母菌です。その辺に普通にいる菌ですから,漏れてしまわないように慎重に扱わなければなりません。そのためには専用の設備が必要になりますし,扱いには技術が必要になります。また,生物が作りだしますので,その生物が死ぬタンパク質は作れません。- 生物を利用する方法
- 生物を利用しない方法
- 遺伝子組み換え生物の管理
- 生物が死んでしまうタンパク質は作れない
生物を利用しない方法は,こうした課題を持たないことが特徴です。しかし,この方法はあまりたくさんのタンパク質を作ることができない課題がありました。その課題を解決したのが,愛媛大学のコムギ胚芽無細胞タンパク質合成システムなのです。
7 無細胞タンパク質合成システムで蛍光タンパク質を合成しよう!
有機合成化学者が,ため息をつくほど複雑な蛍光タンパク質を小・中学生が合成します。
合成は簡単で,粉末と液体を混ぜるだけです。
合成は簡単で,粉末と液体を混ぜるだけです。

図9 無細胞タンパク質合成システムの実験中です
粉末を液体に溶かし,もうひとつの液体をゆっくりと二層になるようにのせる。これだけです。
あとはたった2時間待つだけで,アミノ酸が240個,正しく繋がった蛍光タンパク質が合成できるのです。超一流の有機合成化学者にとっても簡単ではないことが,小・中学生にも簡単にできるのです。
コムギ胚芽無細胞タンパク質合成システムの優れた点は以下の通りです。
- 遺伝子組み換え生物を利用しないため,管理が容易
- 長時間合成が続く
- 安価に,大量にタンパク質を合成できる
- 生物にとって有毒なタンパク質も合成できる
2時間ほど待った後,ブラックライトを当てた結果が図10です。左側が緑色蛍光タンパク質,右側がくらべるための蛍光を発しないものです。合成は翌日まで続きますので,24時間後にはさらに蛍光が強くなっていきます。

図10 2時間後の結果
※大事なこと※
図10は科学研究における,もっとも大事なことを示しています。それは「くらべる」ことです。
科学は基準の学問です。何かの基準をきめて,その基準にしたがってはかります。つまり科学とはつねに何かとくらべているのです。数字の書いていない定規をわたされても長さははかれません。目盛に数字をふる作業が「くらべる」という活動の意味するところなのです。
9 タンパク質を分析する
こうして合成したタンパク質が,思った通りのものなのかどうかは確認する必要があります。化学科や生物学科に進めば,何度もやっていくことになる電気泳動によって,タンパク質の種類を決めました。

図11 電気泳動装置にタンパク質をのせています
電気泳動装置は,寒天にタンパク質の溶液をのせて,電気をかける装置です。タンパク質は,プラス側にだんだん移動していきますが,その大きさによって移動時間がちがいます。これを利用してタンパク質の大きさを調べるのが,電気泳動装置です。もちろん,そのままではDNAは見えませんので,機械を使って撮影した結果が図12です。

図12 電気泳動の結果
左から2番目のマーカーと書いてある部分が,いわば定規にあたります。この目盛りを使って,他のタンパク質を調べます。ここでは,一番左にあるのが基準になる蛍光タンパク質です。これと同じところに線が見えているのが,蛍光タンパク質です。左から3番目以外は,全て蛍光タンパク質ができていることがわかります。
10 生物は進化する! 共通項③
生物の共通項の最後のひとつは,生物は進化するということです。
DNAという設計図を使って,生物は特定の性質を子孫に伝えていきます。しかし,その過程で少しずつ変わっていくのです。
別の言い方をすれば,変わらないものは生物ではないということです。
生命が地球に生まれて39億年になります。その時間をかけて,ようやく1000万種類の生物が生み出されたのです。そう考えると長い時間が必要です。しかし,変わってきたからこそ,生物は変わりゆく地球環境で生き抜くことができたのです。そうした変化を感じるのも生命科学の不思議です。
DNAという設計図を使って,生物は特定の性質を子孫に伝えていきます。しかし,その過程で少しずつ変わっていくのです。
別の言い方をすれば,変わらないものは生物ではないということです。
生命が地球に生まれて39億年になります。その時間をかけて,ようやく1000万種類の生物が生み出されたのです。そう考えると長い時間が必要です。しかし,変わってきたからこそ,生物は変わりゆく地球環境で生き抜くことができたのです。そうした変化を感じるのも生命科学の不思議です。

図13 蛍光タンパク質も進化によって生み出されました
11 まとめ
無細胞タンパク質合成システムを通じて,わかることはふたつあります。
科学技術として,私たちは望む機能を持ったタンパク質を自由自在に作りだすことができるようになってきたことがわかります。この技術を応用することで,多くの病気を治療することができるかもしれません。
そして,科学として,遺伝暗号の仕組みは,ほぼすべての生物に共通であるということがわかります。それは何を意味しているのでしょうか? そこが重要なところです。多くのタンパク質を自由に作れるようになった今,私たちは生命の仕組みの不思議さを解き明かす入り口にたったのです。
生命科学は
- 安全で健康な生活
- 命の大切さ
- 生物の多様性
そして,こうした命の不思議を理解するためには,生命現象を分子レベルで理解していかなくてはならないのです。

図14 プロテオサイエンスセンターの林教授は若い世代に生命科学の面白さを伝えています
さて,今回の達成目標について,何が,どこまで解決したでしょうか?
最終目標(Why),具体的な目的(How) ,計画(What),それぞれについてかんがえることが大事です。
第4テーマ「無細胞タンパク質合成が拓く未来」の事前学習課題について,まとめましょう。
研究者とは,どんな人たちなのでしょうか?
あなたなら,どんなことを聞いてみたいですか?
課題2 (有効回答数37)
プロテオサイエンスセンターの林教授へのインタビューを考えよう!
1 みんなの質問は?
質問の内容を整理して以下に示します。内容が重複していた質問に関しては,ひとつのまめて文章を修正しています。みなさんのインタビューの内容は,大きく分けて
・無細胞タンパク質合成システム
・研究全般について
・研究者の将来像について
の3つの分けることができました。
2 質問項目の傾向は?
質問について,見える化エンジン(プラスアルファ・コンサルティング)で分析してみましょう。
見える化エンジンは,こちらの解説記事か,以下の動画を見てください。
動画はYouTube版も公開されています(視聴はリンクをクリックしてください)。
すべての質問の分析結果は以下の通りです。
表1 単語の出てくる回数ランキング

これを文章のつながりが見えるマッピングに直すと図1になります。

図1 全体マッピング
タンパク質(1位)と研究(2位)は,おなじグループにありますので,広い意味で単語間につながりがある文章が出てくるようですね。コムギ胚芽無細胞タンパク質合成システムは,上記の質問グループのひとつになっていることからも,注目が高いことがわかります。また,そこから研究全般への質問などにもつながっているので,もっとも単語数が多いグループになっています。
物質(3位)は,それらとは違うグループで,翻訳を邪魔する物質という文脈で出てくるようです。コムギ胚芽無細胞タンパク合成システムは,コムギ胚芽に含まれる翻訳を邪魔する物質をのぞくことによって研究が成功した点についての質問が多いことを示しています。図1左上のコムギ胚芽というグループは,そうした文脈の一部です。
では,質問に男女差はあるのでしょうか?
先ほどのランキングを男女別に集計した結果が図2です。

図2 男女別の回答傾向
人数差がありますので,単純にくらべることはできませんが,一番上の青と上から2番目のピンクに差がありそうです。
男子はタンパク質や無細胞,物質という物質名に関する記述が多く,
女子は研究や研究するという行動に関する記述が多い,
という傾向があるとすると,以前の分析とおなじように,
男子は物質,
女子は人
に注目するという傾向があるように見えますね。
男女で人数差がありますので,人数がもっと集まれば詳しく議論できそうです。
校種で違いはあるでしょうか?
小学生と中学生で分析してみましょう。

図3 校種別の回答傾向
上が小学生,下が中学生です。こちらも上から2番目のピンクに大きな違いがありますね。小学生は物質がトップで,中学生はタンパク質がトップです。また下から4番目の黄緑も大きく違います。これは邪魔するという単語です。
小中学生をくらべてみましょう。
小学生は,
物質,邪魔する,翻訳
などの単語のが多く出てくることがわかります。
小学校の理科は,観察が主体であるため,現象の違いに注目しやすいことに原因があるのかもしれません。
中学生は,
タンパク質,研究,作る
などの単語が多く出てくることがわかります。
中学校になると,観察から原理や法則に学習が進むため,物質名や研究という活動に注目が移ることに原因があるのかもしれません。
どうでしょうか?
性別や学年による注目の仕方のちがいがありそうですね。
研究者とは,どんな人たちなのでしょうか?
あなたなら,どんなことを聞いてみたいですか?
課題2 (有効回答数37)
プロテオサイエンスセンターの林教授へのインタビューを考えよう!
1 みんなの質問は?
質問の内容を整理して以下に示します。内容が重複していた質問に関しては,ひとつのまめて文章を修正しています。みなさんのインタビューの内容は,大きく分けて
・無細胞タンパク質合成システム
・研究全般について
・研究者の将来像について
の3つの分けることができました。
無細胞タンパク質合成システムについての質問
- 愛媛大学の遠藤先生が研究されるまで,コムギ胚芽抽出液は何らかの理由でうまく行かなかったと事前学習動画で学びました。どうして,当時はうまくいっていなかったコムギ胚芽抽出液に注目したのですか?
- 事前学習動画で,コムギ胚芽抽出液の中にある翻訳を邪魔する物質を見つけて取り除くことで無細胞タンパク質合成システムの研究がうまく言ったと学びました。この翻訳を邪魔する物質は、どのように見つけ、どのように取り除いたのですか?
- 無細胞タンパク質合成システムの研究で大変だったことはなんですか?
- 無細胞タンパク質合成システムで,できるようになることのうち,林先生が一番期待されているのは,どんな研究ですか?
- 無細胞タンパク質合成システムで使用するDNAもしくはmRNA は,研究者が自分でつくるのですか? それとも買ったり、自然にできるものを使うのですか?
- 無細胞タンパク質合成システムの一番素晴らしいと思う所はどこですか?
- この研究の成功には大変なご苦労があったと思います。研究が成功するまで、どのくらいの時間がかかったのですか?
- この無細胞タンパク質合成システムを使えば、今まで作ることのできなかったたんぱく質(有毒なものなども含む)を作ることができるようになりますか?
研究全般について
- 私は遺伝の研究について興味があります。生物に他の生物の遺伝子を働かせる研究はどのくらいすすんでいますか?
- 遺伝暗号の解読が普通と違う生物は,他の生物とどのような点が異なっているのでしょうか?
- タンパク質をつかった実験をする時に,他の実験と違って,とくに注意しなければいけない点はあるのでしょうか?
- 新しく設計したタンパク質を使って食品内の栄養分を変えて、少ない量の食事でバランスよく栄養を取ったりすることはできるでしょうか?
- 生物のないところから、タンパク質を作り出すことができるとすると、昆虫や哺乳類などのクローンを作成することも将来的には可能なのでしょうか?さらに、恐竜を再生することも可能なのでしょうか?
- 将来、もしも地球が食糧危機になったとき、食料(タンパク質)を確保するための手段としても利用できますか?
研究者としての将来像について
- 研究をしていく中でなかなか進まず壁に当たることもあると思います。そんな時に辛抱強く,研究を続けて成功に導くために大切なことは何でしょうか?
- ぼくは将来,化学の研究者を目指しています。化学の研究者になるためには,どんな勉強が必要ですか?
- 先生にとって研究は,どういったところが楽しいですか?
- 先生は,子供の頃から研究を行っていましたか? もし行っているとすれば,どんな研究を行っていましたか?
- 先生が,研究している際に,1番重要だと思っていることは何でしょうか?
- いままでの研究で心に残っているものは,どんな研究ですか?
- 研究において,予想外の出来事が起きたときには,どのように考え,対応すればよいでしょうか?
- 研究者になって、楽しかった研究は何ですか?
- なぜ研究者になったのですか?
- この研究をする上で努力していることは何ですか?(メモ、記録、考察、観察など)
質問について,見える化エンジン(プラスアルファ・コンサルティング)で分析してみましょう。
見える化エンジンは,こちらの解説記事か,以下の動画を見てください。
動画はYouTube版も公開されています(視聴はリンクをクリックしてください)。
すべての質問の分析結果は以下の通りです。
表1 単語の出てくる回数ランキング

これを文章のつながりが見えるマッピングに直すと図1になります。

図1 全体マッピング
タンパク質(1位)と研究(2位)は,おなじグループにありますので,広い意味で単語間につながりがある文章が出てくるようですね。コムギ胚芽無細胞タンパク質合成システムは,上記の質問グループのひとつになっていることからも,注目が高いことがわかります。また,そこから研究全般への質問などにもつながっているので,もっとも単語数が多いグループになっています。
物質(3位)は,それらとは違うグループで,翻訳を邪魔する物質という文脈で出てくるようです。コムギ胚芽無細胞タンパク合成システムは,コムギ胚芽に含まれる翻訳を邪魔する物質をのぞくことによって研究が成功した点についての質問が多いことを示しています。図1左上のコムギ胚芽というグループは,そうした文脈の一部です。
では,質問に男女差はあるのでしょうか?
先ほどのランキングを男女別に集計した結果が図2です。

図2 男女別の回答傾向
人数差がありますので,単純にくらべることはできませんが,一番上の青と上から2番目のピンクに差がありそうです。
男子はタンパク質や無細胞,物質という物質名に関する記述が多く,
女子は研究や研究するという行動に関する記述が多い,
という傾向があるとすると,以前の分析とおなじように,
男子は物質,
女子は人
に注目するという傾向があるように見えますね。
男女で人数差がありますので,人数がもっと集まれば詳しく議論できそうです。
校種で違いはあるでしょうか?
小学生と中学生で分析してみましょう。

図3 校種別の回答傾向
上が小学生,下が中学生です。こちらも上から2番目のピンクに大きな違いがありますね。小学生は物質がトップで,中学生はタンパク質がトップです。また下から4番目の黄緑も大きく違います。これは邪魔するという単語です。
小中学生をくらべてみましょう。
小学生は,
物質,邪魔する,翻訳
などの単語のが多く出てくることがわかります。
小学校の理科は,観察が主体であるため,現象の違いに注目しやすいことに原因があるのかもしれません。
中学生は,
タンパク質,研究,作る
などの単語が多く出てくることがわかります。
中学校になると,観察から原理や法則に学習が進むため,物質名や研究という活動に注目が移ることに原因があるのかもしれません。
どうでしょうか?
性別や学年による注目の仕方のちがいがありそうですね。
第4テーマ「無細胞タンパク質合成が拓く未来」の事前学習課題について,まとめましょう。
このプログラムで学ぶことは,あなたの生活とかけはなれたムズカシイことではありません。なぜなら,私たちの体の中でも毎日行われていることを学ぶからです。
課題1 (有効回答数37)
mRNAをつくろう!
mRNAを色(赤,青,茶,緑)で最初から最後に向かって書いてください
1 みんなの考えたmRNAを見てみよう!
みんなの考えたmRNAを以下に示します。
※個人情報に関わる回答は載せていません。
条件は5文字以上の言葉で,途中に終了コドンが入らないことでしたね。
また,開始コドン,終了コドンが最初と最後に必要です。
みんなが考えたmRNAのデータ
平均文字数:7文字(開始コドンと終了コドンをのぞく)
最長文字数:24文字(開始コドンと終了コドンをのぞく)

3文字ごとに空白を入れてあります。開始コドンと終了コドンはのぞいていません。
※一部の回答は修正してあります。
2 回答について
第3テーマのプログラミングで学んだように,生物の転写,翻訳にも開始コドン(転写翻訳では,プログラムで言うコードをコドンと呼びます)と終了コドンが必要でした。
まず開始コドンから見てみましょう。おおよそ9割の人が開始コドンを設定できました。

図1 開始コドンは設定できましたか?
終了コドンはどうでしょうか。こちらは8割強の人が終了コドンを設定できました。終了コドンの設定をし忘れた人は,最初に開始コドンと終了コドンを書いておいて,その間に書き加えていく方法を取れば間違わないでしょう。

図2 終了コドンは設定できましたか?
この中で開始も終了も設定できていなかったのは3名です。だいたい1割弱の人は課題の内容の理解が追いついていないようです。動画は何度でも見直せますし,動画で条件はきちんと説明されていますので,動画を見ながら必要な事項をメモした方が良いですね。
このプログラムで学ぶことは,あなたの生活とかけはなれたムズカシイことではありません。なぜなら,私たちの体の中でも毎日行われていることを学ぶからです。
課題1 (有効回答数37)
mRNAをつくろう!
mRNAを色(赤,青,茶,緑)で最初から最後に向かって書いてください
1 みんなの考えたmRNAを見てみよう!
みんなの考えたmRNAを以下に示します。
※個人情報に関わる回答は載せていません。
条件は5文字以上の言葉で,途中に終了コドンが入らないことでしたね。
また,開始コドン,終了コドンが最初と最後に必要です。
みんなが考えたmRNAのデータ
平均文字数:7文字(開始コドンと終了コドンをのぞく)
最長文字数:24文字(開始コドンと終了コドンをのぞく)

3文字ごとに空白を入れてあります。開始コドンと終了コドンはのぞいていません。
※一部の回答は修正してあります。
- 茶赤緑 赤青赤 茶赤赤 茶茶茶 茶赤青 赤緑茶
- 茶赤緑 茶青赤 緑青赤 茶赤青 緑茶茶 赤青赤 青茶赤 茶赤赤 赤茶茶
- 茶赤緑 緑青緑 茶赤茶 緑茶赤 緑青緑 茶赤茶 赤茶緑
- 茶赤緑 茶茶茶 緑茶茶 茶茶赤 青緑緑 茶赤赤 赤緑赤
- 茶赤緑 茶赤緑 茶赤赤 茶茶茶 緑青赤 茶茶赤 緑緑赤 青緑青 青緑赤 茶赤赤 赤茶茶
- 茶赤緑 茶赤緑 緑青緑 青緑緑 茶赤赤 茶緑赤 緑青青 赤緑茶
- 茶赤緑 茶茶茶 緑青赤 茶緑茶 緑青青 茶赤赤 茶茶茶 緑青茶 青緑青 緑茶緑
- 茶赤緑 赤緑赤 青茶赤 緑茶緑 茶赤緑 茶赤茶 赤緑赤 緑青緑 赤赤茶 赤緑茶
- 茶赤緑 赤青赤 緑茶茶 茶茶茶 緑青赤 茶赤赤 緑茶赤 緑茶茶 茶茶茶 緑青赤 緑緑赤 緑青赤 赤茶赤 緑青赤 茶茶茶 緑茶茶 赤茶茶
- 茶赤緑 赤赤赤 茶赤赤 緑緑赤 青茶赤 茶青赤 赤茶茶
- 茶赤緑 青青赤 緑青青 茶茶青 茶茶青 緑茶青 緑青茶 赤緑茶
- 茶赤緑 赤青赤 茶赤赤 茶茶赤 茶茶茶 緑青赤 茶茶赤 赤青赤 緑茶茶 茶茶赤 赤茶茶
- 茶赤緑 青緑赤 茶赤赤 茶茶茶 緑青赤 茶赤赤 緑緑赤 茶茶赤 赤茶茶
- 茶赤緑 茶緑赤 緑青赤 茶赤緑 緑茶茶 緑茶赤 緑青青 赤茶茶
- 茶赤緑 緑青緑 茶赤青 緑茶青 緑青青 茶赤青 赤茶茶
- 茶赤緑 青緑緑 緑青赤 茶茶緑 茶茶緑 緑青赤 赤青青 緑茶緑 茶赤青 赤緑茶
- 茶赤緑 茶赤緑 緑茶茶 緑緑緑 緑青青 茶緑青 茶赤赤 茶茶赤 茶茶赤 茶茶茶 緑青青 赤茶茶
- 茶赤緑 赤青赤 茶赤赤 茶茶赤 茶茶茶 緑青赤 茶茶赤 赤青赤 緑茶茶 茶茶赤 赤緑茶
- 茶緑赤 赤緑赤 茶赤赤 緑茶茶 茶茶赤 赤緑青 緑茶緑
- 茶赤緑 茶茶茶 茶赤青 青緑赤 緑茶緑 茶赤青 茶茶青 緑青赤 茶緑青 緑青青 茶茶茶 緑青茶 茶茶青 緑青茶 赤茶緑
- 茶赤緑 茶赤緑 緑茶緑 茶茶緑 緑青緑 茶茶青 赤緑茶
- 茶赤緑 茶茶茶 緑青赤 緑緑緑 緑青赤 赤緑緑 緑青赤 茶茶茶 緑茶茶 茶茶赤 赤緑茶
- 茶赤緑 緑青青 茶赤赤 赤緑緑 青茶青 茶赤赤 赤茶々
- 茶青緑 青茶赤 緑青赤 茶茶青 緑青青 赤茶赤 緑青茶 赤茶茶
- 茶赤緑 赤青緑 緑青緑 茶茶茶 緑青青 茶茶赤 緑青茶 赤茶茶
- 茶赤緑 茶青赤 茶緑茶 茶赤緑 青青赤 緑茶茶 茶青赤
- 茶赤緑 茶茶茶 緑青赤 茶茶赤 茶緑赤 赤茶赤 緑青赤 赤茶茶
- 茶赤緑 緑緑赤 茶赤赤 茶茶赤 緑緑青 緑青赤 茶茶茶 緑茶茶 茶赤青 赤茶茶
- 茶赤緑 緑茶茶 茶茶赤 緑緑赤 緑青赤 茶茶茶 緑青赤 茶茶赤 茶茶赤 赤緑茶
- 黄赤緑 赤青赤 緑青赤 黄黄黄 緑青赤 黄黄赤 緑青赤
- 茶赤緑 青緑赤 緑青赤 茶赤赤 茶青赤 茶赤赤 赤茶茶
- 茶赤緑 茶茶緑 茶赤赤 茶緑茶 緑茶茶 茶赤赤 茶茶赤 緑青緑 青茶赤 緑青緑 茶茶赤 緑青青 緑緑緑 緑青青 茶茶青 茶赤赤 赤緑緑 緑青赤 茶茶赤 茶赤赤 赤青赤 緑青緑 茶赤青 茶青緑 緑青赤 赤茶緑
- 茶赤緑 茶赤緑 茶赤赤 茶茶緑 緑青赤 茶茶赤 赤茶茶
- 黄赤緑 緑青青 青青青 青青青 青赤青 緑黄黄
これらの暗号を解くと,以下の言葉になるはずです。さて,どれがどの言葉でしょうか?
同じ回答になるのものがいくつかあるので,言葉の方が少なくなっています。
同じ回答になるのものがいくつかあるので,言葉の方が少なくなっています。
- ふぁいと
- ぱんだ
- しんかんせん
- 理系人
- ライチ
- きれいな花が庭に咲いた
- 鮫だ
- あいだい
- らっかせい
- 式
- 鯛めし
- 権利
- みかん狩り
- きれいな魚
- みかん
- 香川県
- 愛知
- メガシンカ
- 新幹線
- science
- はなや(花屋)
- トランペット(trumpet)
- かんしゃ
- まりさ
- 辛いカレー
- CHEMICAL
- 世界で輝け
- 銀河系
- 映画館
- さかな
- Apple
第3テーマのプログラミングで学んだように,生物の転写,翻訳にも開始コドン(転写翻訳では,プログラムで言うコードをコドンと呼びます)と終了コドンが必要でした。
まず開始コドンから見てみましょう。おおよそ9割の人が開始コドンを設定できました。

図1 開始コドンは設定できましたか?
終了コドンはどうでしょうか。こちらは8割強の人が終了コドンを設定できました。終了コドンの設定をし忘れた人は,最初に開始コドンと終了コドンを書いておいて,その間に書き加えていく方法を取れば間違わないでしょう。

図2 終了コドンは設定できましたか?
この中で開始も終了も設定できていなかったのは3名です。だいたい1割弱の人は課題の内容の理解が追いついていないようです。動画は何度でも見直せますし,動画で条件はきちんと説明されていますので,動画を見ながら必要な事項をメモした方が良いですね。
このブログでは,国立大学法人愛媛大学が国立研究開発法人科学技術振興機構から受託している愛媛大学ジュニアドクター育成塾を紹介していきます。 科学や科学研究のおもしろさや重要な点を紹介し,科学者という仕事のおもしろさを伝えていければと思います。
大橋淳史准教授
愛媛大学教育学部理科教育講座で化学を担当しています。元々は合成化学や分析化学,生物化学などをやりながら博士(理学)を取得して研究畑から,教育関係に来ました。専門研究者として11年,科学教育研究者として12年,研究人生はちょうど2分されています。いろいろなことをやってきたからこそ,何にでも興味をもてるという感覚を,みなさんにも理解してもらえればと思います。
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