第1テーマ「化学反応を『見える化』しよう」を実施しました【ジュニアドクター育成塾】
ジュニアドクター育成塾第1テーマ「化学反応を見える化しよう!」を,2018年7月1日に愛媛大学で実施し,受講生と保護者をあわせて約80名がルミノールを利用した化学発光を行い,化学反応について考えました。
1 化学発光を行おう!
化学発光をとおして化学反応の「見える化」に挑戦しました。
ヘモグロビン(牛血液),フェリシアン化カリウム,蒸留水の3つの試薬を,ルミノール溶液に同じ量加えてときの変化を調べました。動画で蒸留水以外は見ることができます。
動画で見てみよう!
動画にはありませんが,蒸留水は発光しません。
なぜ蒸留水で試したの?
蒸留水が「発光しないだろう」というのは予想がついたと思います。では,なぜ蒸留水で実験をしたのでしょうか。考え方の一例を白字にしておきますので,反転して確認してください。![]()
蒸留水を加えて反応が怒らないことを確認するのは『水溶液が反応している』という可能性を除くためです。科学では条件を比較することが重要です。
つぎに,ルミノール溶液に蛍光剤のフルオレセインとエオシンYを加えました。フルオレセインは黄色,エオシンYはピンク色になりました。このルミノール溶液にフェリシアン化カリウムを加えると,発光が変わります。動画で確認してみましょう。
動画で見てみよう!
実験で化学発光の性質を確認した後,チームごとに目標を決めて,化学発光について探究を行いました。



2 化学発光を使って探究する
5つの試料のなかからヘモグロビンとフェリシアン化カリウムを見つけ出す,探究活動を行いました。これは実際の犯罪捜査と同じです。AからEまでの5つの試料のなかに,ヘモグロビンとフェリシアン化カリウムが混ざっています。どれがそのふたつなのかを予想して化学発光で探索しました。動画で確認してみましょう。

化学発光の有無でヘモグロビンとフェリシアン化カリウムがどれかを決めることができました。いま,あなたが確認したのは,目に見えない鉄イオンの存在です。そう。化学発光は『目に見えない』原子や分子を『見える化』できるのです。
3 わからないからこそ『楽しい』
わからないことはつまらないですか? とんでもない! 科学はわからないことを楽しむ学問です。
最先端の科学でも世界には解かれていないナゾがたくさんあります。学校の勉強では『正解』がたくさんあると思うかもしれませんが,科学者にとってはこの世界はナゾに満ちた『未知』の世界です。

だからこそ科学者は『わからない』ことを『知りたい』と考えます。これが科学者にとっての原動力,研究テーマです。科学者にとっては,わからないことこそ『楽しい』のです。
化学発光を使って,親子で科学の不思議を探究しました。
※本プログラムでは,ルミノール反応実験キット(富士フィルム和光純薬株式会社)を利用しています。個人で実施したい人は『実験くん6 血液反応キット(林ケミカル) 』が市販されています。
選抜試験は,
- 思考力試験
- 実験観察技能試験
- 情報整理力試験

問題一例太郎さんと次郎さんは,フィルムケースに水と発泡入浴剤を入れて飛ばすフィルムケースロケットの研究をしている。できるだけ遠くまで飛ぶ条件を探しているとき,花子さんが通りかかった。花子さんを加えた3人は発射条件について考えることにした。次郎「どうすれば,フィルムケースロケットの飛んだキョリをうまくはかれるかなあ」花子「うーん……そうだ! ななめに飛ばしたらどうかしら」太郎「なるほど。良い手かも。ななめに飛ばせば,ロケットが落ちるまでのキョリをはかることで,飛んだキョリをはかれそうだ」次郎「じゃあ,発射台を作らないといけないね」花子「③発射台は,どんな材料で,どんな形のものがいいかしら?」問 下線部③のフィルムケースロケットを飛ばすための発射台の設計図(せっけいず)を描いてください。発射台は,あなたが自分自身で作ることができるように,できるだけ具体的でなくてはなりません。
- 発泡入浴剤
- 水の量
- 発射角度

- 実験で,どのようなことが明らかになったのでしょうか。
- 目標は達成されたのでしょうか。
- 目標を達成した(もしくはしなかった)と考える理由はなんでしょうか。
この学会は専門家がたくさん集まる学会ですが,中高生も参加できる化学教育研究発表会が同時開催されます。
専門家や大学生と一緒にポスター発表ができます!
あなたの進学したい高等学校や大学,もしくはあなたの興味ある専門分野について知る機会になるかもしれません。
発表を目指して頑張ってみませんか?
このブログでは,国立大学法人愛媛大学が国立研究開発法人科学技術振興機構から受託している愛媛大学ジュニアドクター育成塾を紹介していきます。 科学や科学研究のおもしろさや重要な点を紹介し,科学者という仕事のおもしろさを伝えていければと思います。
大橋淳史准教授
愛媛大学教育学部理科教育講座で化学を担当しています。元々は合成化学や分析化学,生物化学などをやりながら博士(理学)を取得して研究畑から,教育関係に来ました。専門研究者として11年,科学教育研究者として12年,研究人生はちょうど2分されています。いろいろなことをやってきたからこそ,何にでも興味をもてるという感覚を,みなさんにも理解してもらえればと思います。
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