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小飼弾の論弾 #152 「Windowsのオープンソース化とカーボン半導体の未来」
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小飼弾の論弾 #152 「Windowsのオープンソース化とカーボン半導体の未来」

2020-03-14 07:00

     「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
     無料公開部分の生配信およびアーカイブ公開はニコ生・ニコ動のほか、YouTube Liveでも行っておりますので、よろしければこちらもぜひチャンネル登録をお願いいたします!

     今回は、2020年02月04日(火)配信その1をお届けします。

     次回は、2020年3月17日(火)20:00の配信です。

     お楽しみに!

    2020/02/04配信のハイライト(その1)

    • 「学校PC27万円?」とWindowsのオープンソース化要求
    • ナノチューブとカーボン半導体の未来
    • 新型コロナウイルスの今後と「ウイルスに悪気はない」
    • 新型コロナに対する中国の対応と日本の対応

    「学校PC27万円?」とWindowsのオープンソース化要求

    山路:今日はタイトルで謳ったように、コロナウイルス、めちゃめちゃ世界的に流行っている話、それとテッド・チャンの……。

    小飼:さっそく擬人化されてたみたいだけど(笑)

    山路:擬人化、コロナウイルス女の子、何でとりあえず女の子にするのかね?

    小飼:コロナビールを。

    山路:コロナビールはいいな。そこはちょっとセンスいいですよね。

    小飼:髪型がツイン団子で、団子髪のかんざしというのが、コロナウイルスのスパイクになっている。

    山路:そこのネタは盛り込んであるんだ。

    小飼:たぶん「コロナウイルスちゃん」でググると出てくるんじゃないかな。

    山路:本当? 日本の擬人化スピードは早いっすよね。

    小飼:いやいや中国、中国。

    山路:中国? ああそうなんですか? へえ。

    小飼:むしろ日本は出遅れてるんだよ、コロナウイルスの擬人化にかけて。

    山路:そこは何か中国、とにかく何でもスピード早くなって来ましたけどもね。とりあえず、コロナウイルスの話は、もうちょっと後でするとして、あと限定のほうではテッド・チャンのSF小説『息吹』と、あとはユヴァル・ノア・ハラリさんの『21 Lessons』についてもちょっと書評しようかなと思ってます。最初のほうは、まあ軽い悪い話題から、ちょっと面白いなと思ったのが、スマホで渋滞を作り出すことに成功したという。

    小飼:いつか誰かやると思ったら。これはもし写真あったら、もしくはリンクあったらそれを。

    山路:あったこれだな。この方の個人ページでやっているんですよね。

    小飼:いつか誰かがやるんじゃねえかなあと。

    山路:これ要するに、そういうGPSをオンにしたスマホをいっぱいカゴにいれて、ガラガラっと手で引いて、そうするとGoogle Mapの渋滞機能がそれを、車が渋滞しているとみなして、Map上にも渋滞が現れちゃうという話ですよね。

    小飼:そうそう。いつか誰かやるんじゃないかと思って。何台くらい一緒だと。

    山路:素朴な疑問として、そんな程度の集団が一緒に移動することって、別に普通にあるじゃないですか。たとえば登校だったり、団体のスポーツの行進もそうだろうし、そんなことって今まで渋滞としてカウントされてなかったんでしょうか。

    小飼:『ポケモンGO』と一緒で、基本的にこれは車で移動しているというのは、速度で判定しているんだと思う。だからずーっと時速40キロとか60キロで走っていたものというのが、急にぐったり遅くなったら、それが渋滞だろうという、そういうアルゴリズムだと思う。確かに携帯電話持っている人は今、自分は運転していますとかっていうのを自己申告しないもんね。
     ただ自己申告に似た手段というのは、CarPlayとかGoogleのほうでも、何だったっけ? Google ドライブだっけ? 要はカーナビに繋いでやるという、もしそれと繋がった状態というのを送れるのであれば、それは確実に車から送られているというテレメトリー情報ですよね。

    山路:なるほどね。でもそういうのって、UWB、Ultra Wide Bandとかなんかあの辺が出てきたらもっと正確にはなっていったりするんですかね?

    小飼:今でも十分正確でしょう。

    山路:そんなふうにカゴに入れて、WEB実験とかで引っ張り回すっていう奴がいなかった。

    小飼:この場合GPSだけではなくって、基地局の情報も使おうと思えば、使えるからね。だからずっと正確になる。GPSほど距離がないのもあるし、地上局は固定だから。

    山路:あれ? 今でも基地局の情報って使われてませんでしたっけ? AGPSとかって何か。

    小飼:AGPSといった場合には、Wi-Fiの記録を定期的に、Street Viewの車で一緒に傍受して、ここにはこのESSIDが入っているみたいな。だから基本的には、アシストGPSと言った場合というのは、携帯のセルラーの情報なしでも動くよ。
     なんかsimなしのiPadとかでも、Wi-Fiさえあれば、自分がどこにいるのかというのは、ある程度わかるというのはそれですね。

    山路:しかし今までやる奴がいなかったのは、不思議といえば不思議ですよね。

    小飼:だってネタで終わっちゃうからな、使い所がわからないというのは、ネタ以外には。

    山路:すぐに対策もされちゃうような気もするしなあ。なるほど、ちょっとこれは。

    小飼:でも対策意外と難しいんじゃないかな、これ。

    山路:近くにあんまり端末同士の基地、距離があんまり近すぎたら。

    小飼:確かにそうだね。

    山路:車間距離とは違うもんだろうから、そこは出来そうな気がしますね。

    小飼:確かに10メートルの差は、普通のGPSでも出来ますからね。

    山路:ということでちょっと軽いニュースから。じゃあIT繋がりでもう1つ、軽く、軽くないかもしれないけれども、これ1つ行ってみましょうか。最近話題になっている小中学校の。

    「Google ドライブはストレージのほうで」(コメント)

    小飼:いや全くその通りです。すみません。全く仰る通りです。

    山路:Google Android Autoでしたっけ。

    小飼:Autoね、それだ。はいはい。

    山路:このニュース、小中学校でパソコンを導入するとなった時に、どれくらいかかるのか、1台27万円というのは、この話が政府側から出てきて、それ高えんじゃねえかという話も。

    小飼:でも通信とサポートまで含んでこの値段というのは、どうなんだろうっていう。

    山路:なんかその辺の内訳がはっきりしてないですよね、今の情報では。

    小飼:「サポートは別」とか、ちょっとその辺はわからないね、外野側からだと。きっとゲーミングPCなんだよ(笑)

    山路:アハハ。いや1台27万円で済むわけじゃないですからね。これって恐らく教室に据え置きで置いといて使うという感じを想定しているんじゃないかと思うんですけどもね。

    小飼:据え置きでいいのであれば、PC室みたいなのを作っちゃって、デスクトップを置くのが、1番安いよ。

    山路:ああ今でも。

    小飼:今、子供が減ってるでしょう。じつはどの小中学校だよね。小中学校って教室余っている。

    山路:そうなの? へえ。

    小飼:はい。これは親になれば、必ず体験できます。
     うちの娘たちは、うちの隣の佃島小学校に行ってたんだけども、ちゃんと教室余ってて、余ってる教室っていうのは、いろんなふうに使うんだけども、だからPC室を用意するなんていうのは、ぜんぜん難しいことではない。

    山路:なるほどね。なんか最先端の云々じゃなくても、本当に安いデスクトップPCをやりゃあいいじゃないかという考え方ですよね。

    小飼:あとはそれ以外のところというのは、Wi-Fiをきちっと設定した上でBYOD(Bring Your Own Device)でいいんじゃない?

    山路:要するに生徒それぞれが自分のやつを持ち込んで来て、接続する。ただBYODってその運用側とかに相当のスキルというかノウハウいるんじゃないですか? という管理者側のほうに。いろんなタイプのもので接続しようとしてきたりするわけだから、それに関してトラブルがあった時に、いちいちサポートしなきゃいけなかったりもするわけじゃないですか。

    小飼:だから考え方としては、授業で使うものというのは、そのPC室の中ですむことをやる。そうでなくてWi-Fiとかというのは、要は砂場ですよ。校庭ですよ。だから休み時間なりに、昼休みなりに、勝手にいろいろやる環境として、Wi-Fiだけは用意しておいてやる。

    山路:なるほどね。授業はもう本当にそういう何というか。

    小飼:まあでもな、日本の学校って、それでSwitch持って来ちゃ駄目とか、そういうふうになりがちなんですよ。持ってこさせろよ。

    山路:アハハ、香川県みたいなところあるからな。香川県とかプログラミング授業でどうするんだっていう。

    小飼:だから子供に必要なのは、遊び場でしょう。だからタブレットじゃなきゃいけないというのは、ちょっとわかんないな。

    山路:なんかそれはもしかしたら、売り込んでいるメーカーの都合なのかもしれないですけども。えらくMicrosoftがこの小中学校のPC導入に関して、うちは出来ます! みたいなことを、出してましたけどね。うちのソリューションだったら、出来ますよみたいな。

    小飼:だからその時点から、Officeのサブスクリプション漬けにするつもりでしょう。昔からそうだったよ。

    山路:え? 昔から?

    小飼:小中学校ではなくて、大学なんだけども、Microsoftの製品は学割だと凄い安かったです。

    山路:へえ。Appleなんかに比べても、割引率。

    小飼:Appleも安いというのか、ちゃんとまだガキのうちから。

    山路:洗脳して。

    小飼:そう、洗脳してというのは、皆やっていたことです。それが今までは主に大学、それよりも1つ前でもせいぜい高校で止まっていたのが、小中学校でも出来るようになったという、このビジネスチャンスを逃しますか? っていう話ですよね。高いよね、Adobeは、うん。

    山路:ああAdobe。でもアカデミックだと半額以下ですよね、アカデミック……。

    小飼:もとの値段を考えたら。

    山路:アハハ、あれ確か1ヶ月6千円くらい。

    小飼:27万円ぽっちじゃ買えないって。

    山路:アハハ、そうか。そうだよね。

    小飼:単体のやつはね。

    山路:これ何か単純に利益とかいうよりも、子供の頃からそのブランドを植え付けるっていうことがデカかったりするんでしょうね。なんかWindowsだったりとか、そういう製品というのは。それの続き、Windowsの名前が出たところで、これもIT関係のニュースなんですけども、FSF、フリーソフトウェア財団のやつ、Windowsをフリーソフトにしねえのかみたいなことを訴えている。

    小飼:ああ、でもどの程度、役に立つのかなあ。どの程度、他のプロジェクトがベネフィットを受けるかっていうのは、1つの事例としてはAppleが昔、macOSが、小文字のmではじまるmacOSが。
     大文字で始まるMacスペース・オーエス・スペース・テン(Mac OS X)だった頃から、オープンソースは使ってますよ。使ってるお陰で僕の書いたコードとかも入っているんですけどね。

    山路:そもそもMac OSのコアのDarwin(ダーウィン)、今でもDarwinと言ってるのかな? それなんかもオープンソースですもんね。

    小飼:だけれども、何もかもオープンにしているのではなくて、ライセンス上オープンにすることを強制されているものだけオープンにしてますね、基本的に。具体的に何がオープンになっているかというのは、今リンクをコピペしますね。

    小飼:よく見ると、本当に細かくオープンにしているというのがわかります。最新OSの分というのは出てないです。たとえばmacOSは10.14までですし、このリンクの中で含まれているのは。iOSも11.0までですし、しかもそれでオープンソースのものを使っている部分だけです。Appleのオープンにしているものというのは。

    山路:ほうほう、これつまり、明らかにしていない部分というのはGPLとかのライセンスじゃない、別のライセンスのオープンソースのものを使ってたりする。

    小飼:あれはもうAppleのクローズのもの。あくまでもオープンソースソフトウェアというのは、OSを構成するコンポーネントであって。

    山路:ふーん。

    小飼:という位置づけです。たぶんWindowsをオープンソースにすると、こんな感じか、もっと細かく分類することになるでしょうね。

    山路:これ、そもそもでもWindowsってオープンソースとして作られ、それを前提にしてないで作られてるから、オープンソースとして公開しろと言われても、相当大変なんじゃないですかって素人考え。

    小飼:実際、大変でしょうね。
     だからAppleみたいにオープンソースで使えるものというのはガツンと使っていって、少しずつ少しずつオープンでなくしていくというのが、Appleのオープンソースなんだけども、始めから何もかも全くオープンにする気がなかったものをガツンとやるというのは。今はMicrosoftはとても、オープンソースを熱心にやってますし、Edgeですらあれですよね。

    山路:ああブラウザの。

    小飼:Chromiumがベースになっているのでcontributorではあるんですけれども。でも基本的にMicrosoftがオープンにしているものというのは、最初からオープンだったり、新規に立ち上げたものだったりですよね。

    山路:そうか、Windows10とかは。

    小飼:OSの枢要をまるっとというのは、まだやったことはないですよね。僕の記憶が確かであれば。

    山路:Windows10とかは、10なんかはある程度そういうことを考えていたりするんですかね? 新しいWindows10とかなんかは、そういうことなんかの可能性も考えて。

    小飼:まだでしょう、まだでしょう。だから、むしろオープンにするのであれば、Windows10のほうが楽なんじゃないかなとは思う。ただWindows10も、10とは言ってるけども、かなり7が残っているからね。

    山路:それは内部のコンポーネントの。

    小飼:だってPreferenceというのはあるけれども、歯車アイコンというのはあるけれども、それとは別にWindowsメニューを右クリックすると、コントロールパネルとか出てくるわけですよ。

    山路:ああ、なるほどね。しかしこれフリーソフトウェア財団なんかも、どれくらいの意思を持って、こういうWindows7をフリーソフトウェアにとか言ってるのかなと思って。そんなに意味があるのかな? とは思ったんですけども。古いWindows7を使っているところのセキュリティリスクを下げられるっていうことはあるのかもしれない。オープンソース化してそういうWindows7とか。

    小飼:あとはメリットを受けられそうな人というのは、Samba(サンバ)の開発をしている人とか。

    山路:ネットワークのプロトコル。

    小飼:そうそう。NTFSをサポートしている人とか。じつはWindowsという、まあWindowsでいいのかな、のファイル共有プロトコルというのは、今やもうmacOSも使ってますよね。Linuxでも使ってます。オープンソースの実装はSambaという名前なんですけども、それってMicrosoftのドキュメントを元に開発したというのとは違うんですよね。けっこういろいろなところにはリバースエンジニアした上で。

    山路:いろいろヤバい、ヤバいと言ったら言いすぎかもしれないけど。

    小飼:そうそう。NTFSもそうで。

    山路:Windows以外のNTFSの実装ということですね。

    小飼:だからクロスプラットフォームで使われるものっていうのは、その部分だけでもオープンにして貰えると、凄い有り難いかなと思います。だから、それを言うとさっきのAppleのあれですけども、APFSは今のところオープンソースではないですね。

    山路:あんまりWindowsというか、Mac以外のユーザーでAPFSを使わなきゃいけないシチュエーションってそんなにないんじゃないですかね。

    小飼:だから今のところ、あくまでも内蔵のブートするストレージを対象とするものなんですけども、スナップショットとかその辺の部分というのがわかるようになると、NAS(ナス)を開発している人。

    山路:ネットワークドライブのNAS。

    小飼:そうそう。(NASを開発している人は)有り難いかもしれないですね。今はでもそもそもまだmacOSのTime Machineが、バックアップ先はAPFSじゃなくって、昔のHFS+のままというのを前提にしているうちは。

    山路:そうかそうか、まだそれはそうなのか。

    小飼:そう、だからAPFSの実力というのは、まだ使い切れてないんだよね。

     
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