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  • かわら版 13号 2013.05.22

    2013-05-22 23:30  
    262pt

    米国防総省が発表した米軍内の性的攻撃に関する報告書によると昨年の軍内部の性的暴力事件は推計2万6000件にのぼりました。これは2011年の1万9000件からの37%の増加で、1日に70件にあたります。この調査結果は現役軍人10万人あまりに匿名の調査票を送り、返送された回答を分析して出されたものです。これだけの数の事件が起きたとみなされるのに、報告された性的攻撃事件は2012年には、3374件にとどまりました。2011年のに報告された3192 件からは上昇していますが、同年、最終的に有罪判決がくだったのはわずか190件にすぎませんでした。
    国防総省によると、性的攻撃のうち、9割近くは男性による女性への攻撃でした。また、典型的な事件は飲酒が絡んだ18歳から25歳の男性によるものでした。ある調査によると、2010年には、軍に限らずアメリカ全般で12歳以上の女性が性的攻撃の被害者になった率は0.2パーセントでした。一方、今回の調査からみて、2012年には米軍の現役女性兵士20万3000人のうち6.1%、現役男性兵士120万人のうち1.2%が性的攻撃の被害にあったとみられます。この結果を受けてオバマ大統領は「士気に関わる」と軍に厳重注意を行いましたが、この報告書が出るほんの数日前にも空軍で性的攻撃予防・被害者支援を担当していた責任者が駐車場で痴漢行為を行い逮捕されるなど、問題解決の妙案がみあたらないのが実情です。そんな中、議会で軍に対する批判が高まっており、特に若手女性議員たちが公聴会で軍部責任者を熱心に追及しました。また被害者が名乗りでやすく加害者を正当に裁ける体制を作るための立法化に向けても動いており、なりゆきが注目されます。