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福島みずほ党首辞任表明 参院選直前に明かした本音「私は左翼ではない」
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福島みずほ党首辞任表明 参院選直前に明かした本音「私は左翼ではない」

2013-07-27 20:13

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         * 堀潤のテレビでは言えない話 vol.17

    ~「熟議なき我々の未来に灯りをともすには」の巻~

             

          発行:8bitNews  2013.7.27 (毎週1回発行)

                   

          http://www.facebook.com/8bitNews.HORIJUN

                 http://twitter.com/8bit_HORIJUN

                 http://8bitnews.asia

                    http://gplus.to/8bitNews 




    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


    皆さん! こんにちは。週末をいかがお過ごしですか? すっかりブロマガの更新が遅くなってしまい申し訳ありません。


    今週は参院選の投開票がありました。事前の予想通り自民・公明が圧勝し、約6年続いた「ねじれ国会」は解消。与党はこれで3年間のフリーパスを手に入れ、今後次々と重要法案を議会で可決成立させていくことになります。僕は投開票日、TVK(テレビ神奈川)で開票速報特番のキャスターを担当しました。ゲストに原子力工学を専門とする田坂広志さん、俳優の伊勢谷友介さんなどを招いて徹底的に議論しました。

    ※NEVERまとめとtogetterより

    http://matome.naver.jp/odai/2137456140616092701

    http://togetter.com/li/537016

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    当初から自民の圧勝が予想される中、僕らは何を伝えるべきなのか。TVKや田坂広志さんたちと約1カ月間、会議を重ね、徹底的な熟議を進める番組を制作しようと決めました。田坂さんは「デモクラシー2.0イニシアティブ」という活動を立ち上げており、伊勢谷友介さんもそのメンバーです。


    今回の参院選ほど、争点についてしっかりとした議論がなされてこなかったものはありません。原発やTPP、憲法改正、消費税増税の問題など、与党候補者からの積極的な発言はなく、メディアも議論なき選挙戦についてその中身をしっかりと報じているという印象はありませんでした。どちらかというと、ネット選挙運動解禁で政党がどのようにインターネットを使うのか、という話ばかり。自民党の改憲案の中身や原発再稼働の是非などについての真っ正面からの議論はあまりなされていなかったように思います。


    僕らの番組では、しっかり議論がしたかった。番組ではGoogleハングアウトを使って全国の一般有権者の皆さんとを結び、争点について話したりもしました。ゲストには10代の学生、母親達を支援する社会起業家の女性なども招き、5時間にわたって徹底的に議論しました。


    テレビの可能性。まだまだあります。要するにスタッフや出演者の思想の問題かと、やはり思います。テレビのような巨大なインフラをもっと皆でよりよく使いたい。そのための活動にも力を入れていきたいと強く思っています。

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    さて、今夜から「堀潤のネルマエニュース」を始めます。深夜0時から。ブロマガ会員の皆さんにしっかり還元できるよう頑張りますので、ぜひご視聴ください!

    http://live.nicovideo.jp/gate/lv146214375


    ではでは、今号のコンテンツはこちらです!↓


    ┌───────────────────────────────┐

    ├○    堀潤のテレビでは言えない話  vol.142013.7.3

    ├○

    ├○  01.【堀潤のソーシャル日記から】

    ├○  6回「熟議なき参院選と一票の未来」

    ├○   ~三陸で建設計画が進められる巨大防潮堤問題~

    ├○

    ├○  02.【ルポルタージュ】

    ├○  マスメディアが報じない本当の○○

    ├○  第16回  「福島みずほ党首辞任でどうなる社民党「私は左翼ではない」」

    ├○   ~リベラル再生会議 宇野常寛×夏野剛×福島みずほ×堀潤~

    ├○

    ├○  03.【ルポルタージュ】

    ├○  次世代メディアへの創造力+α

    ├○  第16回 「シリーズ 独立系資本主義 “ココナラ”急成長の裏側②」

    ├○   ~個人がそれぞれ自分を売りに出す時代の可能性~

    ├○

    ├○  04.【オンライン講座】

    ├○  そうだ!メディアを創ろう

    ├○  11回 「困ったことを素直に発信しよう」

    ├○ 

    ├○  05.【告知】今週のスケジュール& お知らせ

    ├○

    └───────────────────────────────┘



    前回「Vol.16」へのリンクはこちらです。

    [リンク] http://ch.nicovideo.jp/horijun/blomaga/ar293087


    未読の方は併せてお楽しみ下さい。


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    ┗■  01.【活動日記】堀潤のソーシャル日記

       

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    このコーナーでは1週間の堀のつぶやきから3本を選んで深堀り。

    毎日新聞「MAINICHI RT」 の連載と連動しています。

    NPO法人代表として、そしてジャーナリストとしての堀の1週間からのルポルタージュ。

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    熟議なき参院選と一票の未来


    堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

    東北三陸沿岸沿いの、巨大防潮堤建設問題、映像取材をしていますので近日中に公開しますね。写真は100mという防潮堤の幅を実際の予定地で測ったもの。 http://instagram.com/p/byqu8jtgmK/

    posted at 00:32:05


    参院選の投開票日まで残り6日となった月曜日、宮城県気仙沼市を訪ねた。地元で国や自治体が進める防潮堤の建設に反対する住民からの取材依頼があり、現場に向かった。このコラムを読んでいる皆さんは、今、三陸の海岸線一帯で巨大な防潮堤の建設が進められているのをご存知だろうか。東日本大震災による大津波の教訓から沿岸部を守るために最大で高さ約14メートル、幅100メートルという規模のコンクリートの壁を、岩手県から宮城県などの海岸線一帯に建設するというものだ。明治の三陸大津波級に匹敵する100年に一度の津波から町を守ることを目的にしている。しかし今、三陸一帯のそれぞれの町が防潮堤建設の是非を巡って揺れている。


    「国や県としっかりとした議論ができないまま、俺たちの海が失われようとしている。いきなり難しい用語を並べられても、津波のショックから立ち直るのに必死でまだ思考停止状態の住民には理解できない。国とは丁寧に議論したいし、そのうえで皆で決めたい」。32歳の若い漁師はまっすぐ海を見つめてそう語った。


    筆者が訪ねた宮城県気仙沼市小泉地区の高台にある小泉小・中学校のそばには、高さ8メートルを超える石碑が建てられている。2011年3月11日、人々の避難所となった場所だ。石碑の表には「津波の教え」という文字。裏には死者・行方不明者1809人のうち40人、全半壊568世帯のうち322という数字が刻まれていた。高台から見下ろすと、かつて住宅が並んでいた地域は雑草に覆われた平地が続き、所々壊れた橋の橋脚や鉄筋ビルの残骸が津波の傷跡を物語っていた。


    内閣府の中央防災会議・地震津波対策専門委員会での「今後の津波防災対策の基本的考え方」を踏まえて、宮城県沿岸での海岸堤防のおおよその高さが決まったのは2011年9月9日。しかし、地域住民への周知は大幅に遅れ、防潮堤建設計画の詳細や堤防の高さが気仙沼市民に示されたのは去年7月に入ってから。突然の発表に、住民からはコンクリートで海岸を覆うことへの疑問の声や、防潮堤の高さが本当に津波を防ぐのに適正かどうかを問う声も出たが、「命を守るためだから」という国や自治体の説明を前に、それ以上の反論は出なかった。

    しかし、幅100メートル、高さ10メートルから15メートル近くのコンクリートの巨大な建造物に囲まれた町の暮らしは、本当に地域のためになるのだろうか―――。

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    そうした声が若手の漁業関係者や住民などからあがった。家族や友人を津波で亡くしたものの、海とともに成長してきた彼らにとって、怖さも、教えも、海と毎日向き合うことで身体に刻み込まれていったという。コンクリートで覆ってしまえば景色が変わる。海岸の様子が見えなくなれば波や潮の変化に鈍感になり、却って防災の意識を薄めてしまうのではないかという懸念もある。幅100メートルという防潮堤は、今ある砂浜を全て覆ってしまうほどの幅だ。季節になると海から川に戻ってくる鮭はどうなるのか。牡蠣の生育に必要な養分はきちんと山から降りてくるのか、不安も大きい。

    震災から2年4カ月が経った今も、港のかさ上げや復興住宅の建設は遅れている。防潮堤の建設計画が定まらないと住宅の再建も進まない、とする自治体もあり、住民からはいらだちの声も聞かれる。詳しいことは分からないがすぐに建設を始めてもらわないと復興に関する計画の全てが進まないじゃないか、と堤防の建設に反対する住民に食ってかかる人もいるという。国や行政からの説明も、行政と住民、住民同士の話し合いも十分になされないまま、巨大なコンクリートの壁は建設に向け計画を進めようとしている。

    宮城県だけでも、こうした海岸線の整備に5000億円規模の予算が投じられるという。「国土強靭」の名の下、現政権ではさらに公共事業に力を入れる方針だ。保守系の強いこの地域で、参院選の候補者からは建設の是非に関する積極的な発言はなく争点にもならない、と建設に反対する住民達から不満の声が聞かれた。

    堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

    この封筒の中には、世界各地の非民主国家の国民達が命がけで権力と闘い手に入れる民主主義への参加権が入っている。幸せなことに、僕は無傷で手に入れたよ。 http://instagram.com/p/b-52TztgsG/

    posted at 23:18:07


    堀 潤 JUN HORI@8bit_HORIJUN

    渋谷駅ハチ公前広場。候補者達の“最後のお願い”を聞いた人達がそれぞれスマホで発信。有権者のためのネット選挙運動解禁だということを心に刻んで、次の選挙に繋げたい。 @ 渋谷 ハチ公前広場 http://instagram.com/p/b_KjDotgpL/

    posted at 21:02:33


    今回の参院選では、三陸一帯の防潮堤建設のみならず多くの必要な問題が、人々を巻き込んで議論されず、争点化もされなかった。原発の是非や改憲の是非、社会保障費の使い道など、複雑だが国の将来を決める重要なテーマは「経済成長を優先」という空気に押し切られる形でほぼうやむやになったまま、与党に3年間のフリーパスを与える結果になった。熟議なき参院選であったと思う。次回のコラムで、もう少し今回の選挙について考えたいと思う。

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    講演や講師の依頼なども受け付けています

    hori@8bitnews.org までぜひ!



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    ┗■  02.【ルポルタージュ】

         マスメディアが報じない本当の◎◎

         

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    「テレビでは言えない話」というタイトル通り、「テレビでは扱いづらい」

    という理由でなかなか放送されない話題もたくさんある。

    国家や大企業を敵にまわしがちなテーマについては、局側の判断で

    ニュアンスが弱められたり、企画そのものが採用されなかったりする場合もある。

    このコーナーでは、そうしたマスメディアが報じない現場の実態をルポ。

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    16 

    「福島瑞穂、党首辞任 『私は左翼ではない』 社民党どうなる?」

    〜リベラル再生会議 宇野常寛×夏野剛×福島瑞穂×堀潤〜


     社民党の福島瑞穂党首が25日、党首を引責辞任することを表明した。

    今回の参院選で社民党は、選挙区が2001年参院選以来5回連続の議席ゼロ、比例区も1議席にとどまった。獲得議席は過去最低だ。結果、参院選では改選2議席から1議席の獲得にとどまり、参院の勢力は非改選を合わせ3議席になった。また昨年の衆院選では5議席から2議席に減っている。

     「衆院選で大敗北し、責任を取るべきだと思っていたが、半年後に参院選があるので辞めるわけにはいかないと思った」と常任幹事会で説明した福島氏は2003年、衆院選で大敗した土井たか子党首の後継として就任。2009年には民主党との連立政権に参画し、鳩山内閣で消費者行政担当相などを務めた。

     いま永田町では、野党再編に向けて大きく舵が切られている。民主党は細野幹事長が辞任を表明。日本維新の会は橋下共同代表が同じく辞任を示唆。みんなの党は、渡辺代表と江田幹事長の対立と党内の分裂が伝えられている。

     保守を代表する自民党が確固たる勢力を築く中、リベラル勢力はどう闘っていくべきなのか。今回は、新しいリベラルの結集を掲げる批評家・宇野常寛氏、労働市場の規制緩和を求める夏野剛氏、リベラル再生に自らの議員生命をかける福島氏と参院選直前に実施した対談を掲載。日本の未来を探るシリーズでお伝えする。


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    ■なぜ、今「リベラル再生」が必要なのか?


    (堀)

    今日はみなさん、よろしくお願いします。今日は「リベラル再生会議2」ということで、先日の「ニコニコ超会議2」の現場から急遽立ち上がった、リベラルをいかに再生させていくのかというこのユニット、宇野常寛さん、夏野剛さん、福島瑞穂さんと4人で進めていきますが、福島さんはいま国会対応中ということで到着が遅れております。

     みなさんそれぞれ、今ニコ生でチャンネルをもっておられますけど、それぞれの客層が一堂に会して、新しいリベラルを再生するにはどうしたらいいのか、この辺りは宇野さんもかねがね言ってますが、新しいホワイトカラー層といった人たちの集団をどんどん作っていって、閉塞感が漂っている今の政治システムや社会構造というものの変革を起こしていきたい、と。そんなことの作戦会議を、今日は開いていきたいと思います。

     

    (宇野・夏野)

     よろしくお願いします。


    (堀)

     改めて、いまなぜリベラルの再生が必要か……。


    (夏野)

     その前に、リベラルってなんだ?っていうの。「保守」っていうとジジイな感じが、「リベラル」っていうと若い感じがするだけど。


    (堀)

     夏野さんってまさにリベラルなイメージですよね。かつては巨大な通信企業にいながらも、今は自由な感じで。


    (夏野)

     なんか、「保守」って言葉もあんまりなかったよね。たとえば今回の選挙だって、「保守」とか、そういう右とか左とかって言葉は聞かれなかった。


    (堀)

     東京都議会選挙ですね? まさに今回は争点らしい争点もなく、ふたを開けたらあっという間に自民党、公明党が大勝、共産党が躍進、みんなの党が勝利、そして維新が敗れました。さらには社民は議席がとれませんでした。そういう中で、保守とかリベラルとか、そういう論争なしでしたよね。


    (夏野)

     しかもネット選挙活動解禁の直前でダメなのは、ネットが静かだった。僕も誰が候補者なのか分からなくて、投票所に行って初めて名前見て「どうしようかなー」って。


    (堀)

     そういう人、多かったと思います。いまコメントでも「投票率が低すぎた」ってありますけども、前回の選挙に比べると11ポイント余り低くて、最終的には40数%だったんですけど、午後6時の時点では、なんと39%ということで、全体では過去2番目に低い数字だったと。選挙に行ってる人は半数以上いなかったし、また行った人もどれくらい政策について考えてるのかというよりは、自民か反自民か、そういう投票行動だったかと。


    (夏野)

     ただね、また自民党の中の、黒幕って言われる人も当選しちゃったでしょ。


    (堀)

     え、そんな人がいるんですか。宇野さんはどうですか?今回の都議選は。


    (宇野)

     これはもうちょっと即物的で、自民党を倒したい人たちが下手を打ったなって感想なんですよ。


    (夏野)

     民主、維新、みんな、社民とか?


    (宇野)

     ちょうど選挙が終わった直後に、菅原琢さんっていう若手の政治学者の人がいて、ゲームとしての選挙だけを取り出した分析を即行であげてるんですよ。あれがすごくいい分析で、あれを読むと、いかに奴らが自分たちで自滅していったかということがすごいはっきりと出ちゃっていて、その結果うまく絞れて共産党が比較的票を伸ばしたとかね、そういうことがはっきりわかるわけで。朝日とかがそこで「明らかに共産党が伸びてる」っていかにも朝日っぽい見出しを、わざとやってるのか素でやってるのかわからないけどつけたりしてたけど、あれって嘘だと思うわけ。


    (夏野)

     今度の参院選に向かって、じゃあリベラルって考え方をする人はどうすればいいのか。どこに行けばいいのか。


    (宇野)

     すっごい一言でいうとね、オールドタイプとニュータイプが、ちゃんといると思うんですよ。自民党の中にも、いかにも戦後の泥沼の、どぶ板選挙の中で生きてきましたみたいなやつがいて、表向きはTPP賛成って言っても、地元に帰ったら反対って言ったりするやつもいると思うんです。その一方で、これからの日本はグローバル世界で、規制緩和をガンガンやっていきますよってやつらも、両方が政党にいるわけじゃん、維新も実はそうじゃん。実は政党ごとには関わってないんだけど、保守のほうにはちゃんとオールドタイプとニュータイプがいる。ところがリベラルの方は、多分、圧倒的にオードタイプの方が強くて、ニュータイプの方はすごい少ない。


    (夏野)

     そう! その辺を今日は(福島さんに)聞いたほうがいい!


    (堀)

     まさに社民党のみなさんというのはオールドタイプの人が多そうですよね。


    (夏野)

     実際どうなんだ?という話を聞きたいよね。なぜかというと、たとえば企業の中で組合ってあるでしょ、あれはオールドタイプの権化なわけですよ。そういう人たちにバックアップ受けてると(社民党は)オールドタイプの政党になっちゃうよね。


    (宇野)

     民主党って単純に、勢力を持つだけじゃなく、いかに労総みたいなところからの距離を置いて、本格的な都市型政党に脱皮するか、ということをしなきゃいけなかった。それを、政局を片付けている間に力尽きちゃったっていうのが残念なんですよ。


    (堀)

     じゃあ、社民党がいまどれだけ必要とされているのかということをみなさんに問うたら、今回の選挙が物語っているように……。


    (夏野)

     ゼロでしょ! ただね、少子化の話をきちんと取り上げるのは、社民党がやるべきだと思う。だってどんなに成長戦略って言ったって、2046年には人口1億切るんだから、2%成長いけるわけないんですよ。労働人口だけじゃなくて、需要が減るんですよ。いまGDPの7割はサービス業が作ってるんだけど、サービス業って輸出がかなり困難なの。ライセンスのベースになってる人口が減るってことは、もう成長なんてとてもできないよね。


    (宇野)

     いま夏野さんがおっしゃったのってすごく大事なことで、さっき、「リベラルとは何か」って話も出ましたよね? 日本の自称リベラルな人たちが作っていた「リベラル」って総合ビジョンがヤバいんですよ。TPPだって賛成の立場も反対の立場もあるだろうし、憲法9条だって、変えたほうがいいという人もいれば、変えないほうがいいという人もいるかもしれない。年金制度をこのままでいいというのか、全く別のシステムをとりたいという人もいるかもしれない。でも、そこの各論では賛成できるものがあったとしても、それを総論にしてしまった時に、とりあえず自民党っぽいもの、なんとなく資本主義っぽいものに全部反対って言ってるだけで、実は総合的なビジョンを作ると、彼らは矛盾してると思うんですよ。たとえば、僕はよく例に使うんですけど、原発問題。自称リベラルな人たちって、原発嫌いじゃないですか。ところが、あの人たちって同時に、駅前の商店街とか超好き、って言うじゃないですか。イオンモールとかはけしからん、人情下町の商店街を守れ、と。開沼博の「フクシマ論」とか読むと分かるんだけど、原発も、駅前商店街も、どっちも経世会的な、地方への議員分配政治の結晶だと言えるんですよ。その二つを同時に肯定するのって難しいし、仮に肯定したいんだったら、全く新しいロジックを立てて一生懸命論証しなきゃいけないのに、そういう手続きとか一切やらないで……。


    (夏野)

     なんかね、「弱い人がかわいそう」というのがリベラル、みたいに勘違いしてるんだよ。だからリベラルを再構築するなら何を守らなきゃいけないか、何を救わなきゃいけないか、という論点を明確にしなきゃいけなくて、何でもかんでも「今かわいそうな人を救え!」っていうのは、リベラルじゃないんだよ。


    (堀)

     まさにそうですよね。リベラルっていうのは、「保守」に対して「自由」であり、いろいろ認められていく、ってことですよね? そういう中で、守ろう守ろうっていうのが果たしてリベラルか、っていうと、そうではない。本来の意味を離れていく。時代が進んでいって、リベラルっていうのがもともと言われていたリベラルでは成り立たなくなっている。だからこそ新しいリベラルとは、いま時代感としてはどういうものが保守に代わるもう一つの考え方なのか?っていうことだと思うんですよね。


    ■「弱者保護がリベラルではない」という観点


    (夏野)

     一つの立ち位置としてあり得るのは、どの政党も供給側のほうに行っちゃってるの、需要側じゃなくて。物を作ってるとか、サービスを提供してるとか、組合とか、みんな働いてる側の話でしょ?でも、その働いてる人は全員、消費者でもあるわけじゃないですか。だから、徹底的に消費者側に立つ、っていうリベラルもありなんじゃないかなー、と思うの。たとえば原発問題一つとっても、将来的にはちゃんと変えてほしいけど、いま電気代が高いのは嫌じゃん? それじゃ今はとりあえずしょうがないけど、未来はなくしてね、って意見になるじゃん。消費者の立場としては、何でもかんでも今すぐ止めて、じゃなくて。全員が消費者なんだよ、これは一つの立ち位置じゃない?


    (堀)

     リベラルとか、いろいろなイデオロギーに対していろんな表現がありますよね。ネオリベラルとかね。ネオリベ、なんて言ったりしますけど。宇野さん、いまネオリベって言われるのは、どういう存在のことなんですか?よくネット界隈では聞く言葉ですけれども。


    (宇野)

     80年代に、レーガンとかサッチャーとかが、国家を保障していくとどんどん財政赤字になっちゃうから、むしろ放任的にして、規制緩和して、自由競争で全体をレベルアップさせる方向に切り替えたんですよね。それがいわゆる左派勢力からは弱者切り捨てだとか批判されて、それが新自由主義とかネオリベとか、そういう風に言われていったわけですね。ただ、それって半分、疑似問題のような気がするわけ。つまり、効率化とかコストダウンってことじゃ絶対的に非正義だと思うんですよ。そのうえで弱者をどうケアするかということで、自称リベラルな人たちがネオリベって言った時は、この言葉を使って何かを言ったような気になってる、という風に僕は思うんですよ。


    (夏野)

     実際言っていることは弱者保護なんですか?


    (宇野)

     結局、再分配の仕組みとかセーフティーネットってものに対してのケアが足りなかっただけで、そこに隠されてる、小さい国家が理想とするようなことと、弱者切り捨てがイコールで結ばれてるってことがおかしいと思うんですよね。


    (夏野)

     そんなこと言ったら、日本なんて1,500兆円の個人金融資産っていうのがあるわけですよ。JCBの倍ですよ?それが無駄になっちゃうんですよ。そのうちの1,000兆円は60歳以上が持ってるわけですよ。所得再分配、失敗してるよね。だからリベラル化をいうんだったら、60歳以上から搾取すればいい。


    (堀)

     どういう風に搾取する?


    (夏野)

     これは簡単。年金をやめたらいい。だって、持ってるじゃないか。


    (堀)

     今いわれているマイナンバー制とかね、ああいう政策っていうのは、じゃあどこから持っていくんだ?というときにもっと細かく国民を分けていって、取れるところから効率よく取っていきましょう、と。これは果たしてリベラルなのかどうか。


    (夏野)

     一般にはそれはリベラルとは言わないですよ、老人がかわいそう、年金生活者がかわいそう。でもよく見ると、金持ってるんだよ。このまえ政府の委員会で、伊藤元重先生っていう経済学者が「死亡消費税」を導入したらどうか、って意見をしてたけど。死んだら消費税がかかる、みたいな。


    (宇野) 

    リベラル再生を語るときに、最初の議論として小さな政府思考の問題と再分配失敗の問題とを分けて考えなきゃいけない。80年代のアメリカやイギリスの例とかでそこが結びついて問題が起きたのかもしれない、しかし今の日本でそこを論じるなら、その両者をしっかり分けて考えないと話が全く前に進まないということが一つ。これは、福島さんが来る前にちゃんと確認しておきたいですね。


    (堀)

     何からどう手を付けていくのか……。


    (夏野)

     大きな政府の選択肢ってもうないんですよ。借金があって、税収も40兆しかないのに90兆の予算を組んでるんだから、これ以上大きくするってありえない。すでに超巨大な政府になっちゃってるから。これ以上手厚いことはできません!


    (宇野) 

     僕は引き算の思考で考えるべきだと思うんですよ。つまり、本当に国家でなければケアできない弱者ってなにか、っていうのをしっかり議論するためにこそ、リベラルな人たちの知性を使うべきなんですよ。彼らがちゃんと当事者の声を聞いて……。


    (夏野)

     でも、支持を得るということに関しては、プロでしょ? 保守的と言われる人たちは「俺たちこれでいいんだよ」みたいな感じで、あまり説得しないじゃない。それに対してリベラルと言われる人たちは、やっぱり説得をしようと試みるから。


    (宇野)

     僕ね、思うのは、自称「弱者の味方」っていう人たちは、いろんなところにいい顔しようとしすぎてるんですよ。そうではなくて、本当に国家の手が入らないと死んでしまうような人たちって、いっぱいいるわけ。


    (堀)

     じゃあ今いう「弱者」とは何か。たとえば年収ベースで言ったら、このあいだ国税庁が調べたものによると、一年間ちゃんと働いた人の中で年収が200万円未満だった人が1,100万人いるんです。いわゆる「ワーキングプア」といわれるような状況で、その人たちは国民の人口の1割近い数にのぼっている。


    (夏野) 

     それって、パートの人とかも含まれるんでしょ? その200万ってどうなんだろう?って思った時に、たとえば自称「ニート」でも実はバイトをしていて、月々15万稼いでいるやつがいるとする。親のところに住んでいて三食ついてるから、15万×12か月で、70万は全部お小遣い。けっこうリッチだぜ?! これはどうするんだ、と。いま議論になっているのは、105万以内におさめると扶養家族になれるんですよ。実はそっちのほうが良かったりして。これ、少子化も重なってるから、実は年収だけでは語れない問題も出てきてるんじゃないかと。


    (堀)

     ただ一方で、数字のことをもう一つ言うと、子供の貧困率を考えた場合、日本がほかの先進諸外国と圧倒的に違うのは、親御さんが働いていながら子供が貧困層に陥っているというケースが、先進諸外国のなかでも一番高いという。


    (夏野)

     たとえば共稼ぎをしていても、奥さんの稼ぎ分は全部保育園代に払っている人ってザラですからね。逆に子供をカギに支援策を考えていったほうがいいんじゃないか。だから生活保護も、子供の数に応じて2倍、3倍にするとか。


    (堀)

    福島瑞穂さんがいらっしゃいました!

    (宇野)

     福島さん、今日はわざわざこんなところまで来ていただいたんで、ぶっちゃけトークでいきたいと思うんですよ! 端的に言って、社民党は滅びかけてると思うんですよ。戦後のね、一定の役割を果たしてきた政治勢力が滅びようとしてると思うんですよ。そこに対して、次に参議院選挙という大きな国政選挙があるなかで、福島みずほさんという党首はどうするつもりなのか、というところから始めたいと思うんです。


    ■「社民党は滅びかけている」という宇野批評

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    (福島)

     歴史的な選挙で、極端に言えば戦後そのものが問われるというか、日本国憲法殺人事件が起きつつあるのではないかと思うぐらい、実はすごい選挙だと思ってるんですよ。そこでは安倍内閣自身が原発輸出だとか、憲法がテーマだったり、あと雇用と暮らしでアベノミクス、とりわけ雇用の規制緩和をどうするかというのが争点で、そこで、やはり1%のための政治ではなく、99%のための政治をやる、っていうのを人々に伝えたいと思っています。


    (堀)

     ただ、改憲阻止を目的化してはいけなくて、憲法についてきちっと考えるってことがまず第一なんじゃないですか? そういう中で多くの人を巻き込んでいけない、っていう状況が今の問題ですよね。それを、今までは自民があって、旧社会党があって、バランスが保たれてましたけども、今回はキーワードでも「自共」って感じですよね。共産党の皆さんのグループと、社民党の皆さんのグループと、なにが一体違うのかというところも含めて、みんな「?」がついてるんですよね。そういう中で党首として、何を訴えていきたいですか?

     
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