機械の登場以来、ヒトとマシンとの距離はいつでも関心の的となってきました。特に、IoT(Internet of Things)が一般的なものとなりつつある昨今、フィリップ・K・ディックやアイザック・アシモフらが描くSF世界が現実味を帯びてきたようにも思えます。
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そこで今回は、これまでの、そしてこれからの機械とヒトの関わりをシニカルに描いたショートムービー『Posthumanismaniarama! 』をご紹介。やや過激な表現がありますので、閲覧注意です。
1996 セゴビア
Windows95の登場でインターネットが一般化し始めた頃。数MBのデータをダウンロードするのにさえ1~2時間かかったことが印象深いのは、逆にものすごい速さでIT技術が進歩していることの証明かもしれません。
2004 クパチーノ
カメラ・ブラウジング・通話・メール・ラジオ・チャット・その他様々なガジェット機能が、たった一つの小さなデバイスに集約されました。スマートフォンの登場は、マシンとヒトとの距離をグッと縮めた画期的な出来事かもしれません。ちなみにスティーブ・ジョブスのiPhone発表は2007年です。
2018 北海道
突然の日本語と不可解な文脈。サイバーパンクっぽい雰囲気も良いですね。バイオハックや脳へのアクセスという言葉が登場しましたが、脳波でコントロールする義手など、現実においてもヒトとマシンの距離はすでにウェアラブルの次の段階へ進んでいます。
2025 ロンドン
ナノマシンについてのお話。マークは癌を患っていますが、「コンピューターを血中に注入することで、たとえあなたの細胞が死滅してもあっという間に完治します」とコンピューターに言われています。マークは不安がっているようですが...。
2050 セゴビア
突然雰囲気が変わりました。話す言語も普通のものではないようです。極度に技術が進んだ世界なのか、あるいはネットで繋がった意識とデータの世界なのか...。ブラックユーモアの強い作品ですから、真面目に考えないほうが良いのかもしれません。
奇しくも今年2015年は、士郎正宗氏の『攻殻機動隊』において「記憶の構造」が解明された年でもあります。記憶は電脳の中に情報として置換され、肉体の軛から逃れることで、ヒトでもモノでもない、データの海という第三の世界へと旅立っていく...。そこに私たちが飛び込むことができる日は近いのかもしれません。
どんなに優れた歴史家でも、我々の意識がどこから来たのかを知ることはおよそできることではありません。しかし、自分の意識がどこへ向かうのかを想像し、実現することはできるのではないでしょうか。義体化・電脳化が私の意識の向かう先にあったとすれば、私は幸せモノです。ネットは広大だわ...
Posthumanismaniarama![Vimeo]
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