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地方教育行政の在り方、「教育の地方分権化」を推進すべき
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地方教育行政の在り方、「教育の地方分権化」を推進すべき

2014-04-16 14:59

    青木愛幹事長代理 衆議院本会議質問(2014年4月15日)


    衆議院本会議にて4月15日、下村文部科学大臣から「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」の趣旨説明が行われ、これに対して生活の党を代表し、青木愛幹事長代理が質問に立ちました。
    質疑全文は以下の通りです。


    20140415衆議院本会議質問(青木)


    【 質疑全文 】


    生活の党の青木愛です。私は、生活の党を代表し、ただいま議題となりました「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」に対して質問します。

    今回の法律改正の端緒は、平成23年10月に発生した滋賀県大津市の中学生がいじめを苦に自殺した事件を契機としています。
    このたび政府から提出されました地教行法改正案は、中教審の答申によるいわゆるA案B案を受け、その後与党内で修正されたのちの案と聞いております。まず、この最終案として政府から提出された改正案に対して、かねてより、戦後レジームからの脱却を掲げ、戦後教育の改革の必要性を主張している安倍総理の率直な評価と、改正に対する意欲について、今後の審査の冒頭に当たりまずお伺いします。

    ご承知のように、戦前の教育システムは、「国定教科書」に象徴されるように文部省が教育内容を統制する中央集権的なものでありました。この教育システムが日本人を軍国主義に走らせたとして、昭和23年に「教育委員会法」が制定され、各自治体に独立した教育委員会を設置して教育行政の地方分権を図りました。その後、昭和31年には、教育委員会の根拠法が、現行の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」へと代わり、教育委員会制度は60年以上にわたって、我が国の地方教育行政の根幹を担う制度として、確立されてきました。

    しかし、近年においては、「多様化する教育への要望に十分に応えきれていない」「教育行政に関する権限と責任の所在が不明確である」、「審議が形骸化している」などの課題が指摘されてきました。
    このような指摘に対しては、平成13年に「教育における住民自治の強化」の観点から、「教育委員の中に保護者が含まれるよう努めるなど教育委員の構成の多様化」や「教育委員会会議の原則公開」に関する法改正が行われました。
    また、平成19年には、いじめ自殺事案や高等学校での必修である世界史の未履修問題などを巡って、教育行政における責任の所在が議論となり、「国や教育委員会の責任の明確化」のための法改正が行われました。
    この他にも、適宜、教育委員会制度の充実という観点から法改正が行われてきました。しかし、再び大津市のいじめによる自殺事件が起こり、教育委員会の不適切な対応が明らかになりました。

    これまでの一連の法改正について、政府はその効果などについてどのように検証を行っているのかお伺いします。

    今回、法改正を行って、これまでの教育委員会と首長の関係を見直し、教育委員長については、教育長との一元化を図ることとされております。
    先程、述べて参りました、これまでの教育委員会制度の法改正におきましては、教育委員会制度の充実の観点から様々な事項について改正されてきましたが、今回のように首長と教育委員会の関係の在り方にまで踏み込んだ理由と、地方教育行政に対する首長の関与を強化することによって、現状の課題がどのように解消されると確信しておられるのかお伺いします。

    また、今回の法改正によって、地方教育行政への首長の意向の関与が強まる
    こととなりますが、首長は選挙を経る政治家であります。
    したがって、これまで教育委員会制度において、その理念・根幹の原則とされてきた政治的中立性、継続性、安定性が損なわれるおそれがあると思われますが、これまでの教育委員会制度を中心とした地方教育行政制度の理念が間違っていたというご判断なのでしょうか。今後の地方教育行政制度の理念を変えるお考えなのかお伺いします。

    地方教育行政への首長の関与の強化と共に、今回の法改正では、国、すなわち文部科学大臣による地方公共団体の教育委員会への指示の規定が見直されることとなっています。
    先にこの規定を創設した平成19年改正時にも議論されたように、「地方公共団体の自治事務への国の関与は原則としてするべきではなく、例外としても最小限なものとするべき」であります。
    この点について、今回の規定の見直しにおいては、どのように考慮されているのかお伺いします。

    私たち生活の党は、むしろ国と地方がお互いに責任を擦り付け合う「無責任体制」になっている制度が、教育問題の根底にあると判断し、義務教育の最終責任は国が負うよう法制度として明確にすべきと考えてきました。それは教育の要である教師が、責任回避のための事なかれ主義に陥ることなく、教育者として萎縮することなく子供たちの教育に向き合えるよう、特別職の国家公務員としての身分保障を十分にすべきだということを主眼にしております。
    そして、教育のカリキュラムは全国一律ではなく、基礎学力は日本人全体のレベルの維持を中央政府が図るとしても、どのような教育内容にカリキュラムを組むかは各地域に任せた方が良いと考えます。

    最終的には、権限を地域におろし、各学校が自主・自律性をもって、保護者や地域住民と協力しつつ、創意工夫をこらし、地域の文化に根差した独自性のある教育活動を行っていくことが望ましいと考えます。そのような教育環境から、自ら学び、自ら考える、多様なそして自立した日本人が育っていくものと考えます。

    私たち生活の党は、今後の地方教育行政の在り方として、「教育の地方分権化」を一層推進し、国は地方が行う自主的かつ主体的な施策に配慮、支援するべきであり、決して国による地方の教育への関与強化がなされることのないよう主張して質問を終わります。

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