新型コロナウイルスへの対応で、世界中から批判された日本政府。

その一方、シンガポールや台湾は、的確な対応によって感染拡大を食い止めつつあるとして、賞賛されています。

日本の官僚は難しい試験をくぐり抜けた、まぎれもない「エリート集団」。

実際に、かつての高度経済成長を指導したのは彼ら官僚たちであるのは間違いありません。

ですが今やその存在が「上級国民」と揶揄(やゆ)されるなど、庶民の間に不信感が広がっています。

優秀なはずの日本の官僚はなぜ危機対応に失敗してしまうのか。

元外務省情報局長として官僚組織の実態に向き合ってきた孫崎享氏は、「もともと日本の官僚は『未知領域の地図』を描くのが得意ではない」と語ります。

書籍『日本国の正体』(孫崎享著、毎日新聞出版刊)からの一部抜粋をおとどけします。

ニューヨーク・タイムズの記者が「日本の失敗」を予言していた?!

―ー『(1990年代には)