藤田嗣治の代表作に(カフェ)At the Caféがある。1949年藤田がニューヨーク滞在中に描いた絵である。カフェの店内で黒い服の女性が卓上に便箋をおいたまま物思いに耽る。描かれたカフェはパリである。ただ物思いに耽る女性を描いた作品では国吉康雄の方がはるかに点数は多いし,訴えかける。「Daily News(1935),Burgundy](1935)、「Girl Wearing Bandana」(196,Café」(1937)等女性の厳しい生きざまを示唆している。
 ただ、私は国吉康雄の作品で最も強い印象を受けたのは「ミスター・エース」(1952年作、福武コレクション》である。「国吉康雄の(アメリカから)消える芸術(THE DISAPPEARING ART OF YASUO KUNIYOSHI)」は「ミスター・エース」は300万ドルで日本側に売られた)」として、「この売却について「